グローバル時代に不可欠なERP統合とは?
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グローバル化は大企業のみならず、中堅中小企業にも避けられない潮流となっています。とりわけ新興国への進出が多く、そこで大きな課題となって浮かびあがっているのが、グローバルレベルでのERP統合です。この解決策として、各国の言語、通貨、会計基準に幅広く適合したERPが登場し注目を集めています。また、2層ERPの考え方も主張されるようになりました。ここでは、これらグローバルなERP統合について解説します。
グローバル化が引き起こすIT統合の課題
グローバル化は2000年ごろから活発化し、中国や東南アジアなど人件費の安いアジア諸国に多くの海外拠点が構築されました。当初は生産コスト削減が目的でしたが、次第に販売拠点の拡大も求められるようになります。日本国内の人口減少が決定的となり、新たな市場開拓が必要になったのです。
ここにおいて、大企業のみならず、中堅中小企業も海外進出するようになりました。同時に、製造業に限ることなく商社やサービスなど幅広い業種が新たな顧客開拓を開始することになります。
その一方でITシステムの面で課題が指摘されるようになります。ERPを始め、各拠点のシステムに統一性がなく、スムーズな業務や経営展開が困難になったのです。最初に現れたのが経理部門の負荷増大でした。拠点開始を急ぐあまり、国内の経理システムとの整合性をとる時間がありませんでした。連結決算に必要な情報だけをメール転送で受け取り、処理している状態です。
これは経営の見える化も阻害しています。海外拠点へのガバナンスが機能せず、効果的なグループ経営が困難となっています。
多国籍対応のERPパッケージの普及
現地システムを採用した理由は、時間に追われていたことだけではありません。グローバル化が急がれていたころは、各拠点の会計制度に合ったシステムが日本にはなく、現地のシステムを採用せざるを得なかったのです。たとえ日本にあっても、あまりに高価で中堅中小企業には手が出ませんでした。
しかし、グローバルレベルでのIT統合やERP統合が課題として指摘されるようになってから、内外の事業者から比較的入手しやすいERPパッケージが登場して注目を集めています。
これらパッケージの特徴は、まず多国籍の言語、通貨、会計制度に対応していることです。どの国に対応しているかは、資料で確認することができます。各社の差別化のポイントでもあり、自社が開設している国に対応しているかが選定のポイントとなります。
低コストと短納期も各社が特徴として訴求しています。簡単に操作できることも重要です。各国の現地スタッフが高いレベルのリテラシーを持っているとは限りません。同じように、容易な運用性も必要です。現地のスタッフの負荷はできる限り軽減しなければなりません。
「2層ERP」という新たな主張
グローバルレベルのERP統合が求められるようになり、「2層ERP」という考え方も主張されるようになりました。既存のERP上に、もう1階層ERPを構築する概念です。
進出した各国のERP統合は必須となっているにせよ、日本の本社にはすでに稼働している既存のERPが存在します。これをリプレースするというのは現実的な解決策ではありません。これだけで、途方もないコストと時間がかかり、グローバル化から得られるメリットを大きく損なう危険性があります。
そこで、日本のERPをそのままに、グローバルレベルでのERP統合を図っていくのです。本社のERPの上層に新規のERPを構築することから、2層ERP(2Tier-ERP)と呼ばれています。
この最大のメリットは低コスト・短期間で構築できること。クラウドから提供され、数ヵ月程度で1国のシステム構築を完了させることができます。クラウド型ですから保守運用も事業者まかせにできます。
また、管理会計を訴求ポイントにしている製品もあります。舵取りに必要な経営情報をリアルタイムで収集できます。これこそ経営者が求めたグローバルレベルでの経営ガバナンスであり事業展開の見える化です。
まとめ ~ データ分析もおまかせ ~
新たに提供されるグローバルレベルのERPには、分析機能の充実をうたっている製品もあります。ERPから得られたデータを経営に活用するのであれば欠かせない機能となります。資料を取り寄せ検討してみましょう。
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4月16日(月) 更新 | |
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