ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■現物管理・棚卸し
- 固定資産の現物管理・棚卸し:OBIC7固定資産管理システム、Assetment Neo for経理
- ■償却計算の対応範囲別
- 税務と会計の複数帳簿に対応:FAManager、マネーフォワード クラウド固定資産、Plaza-i 固定資産管理システム、Universal Business Cloud リース固定資産、ProPlus固定資産システム
- IFRSの帳簿にも対応:Plaza-i 固定資産管理システム、ProPlus固定資産システム
- 償却資産申告書の作成に対応:FAManager、PCAクラウド 固定資産、Plaza-i 固定資産管理システム、ProPlus固定資産システム
- ■会計システムへの連携方式別
- CSVファイルで連携:マネーフォワード クラウド固定資産
- APIで連携:マネーフォワード クラウド固定資産、PCAクラウド 固定資産、FAManager、Plaza-i 固定資産管理システム、Universal Business Cloud リース固定資産
- 同じシリーズの会計システムと一体で利用:OBIC7固定資産管理システム、PCAクラウド 固定資産、Universal Business Cloud リース固定資産
固定資産管理システムの仕組みを全体像でつかむ
固定資産管理システムの仕組みは「台帳に登録する」「計算する」「出力する」の3段階で整理できます。まずは、どのデータが起点になり、どの処理へつながっていくのかを全体像として押さえましょう。
台帳データを起点にした処理の流れ
固定資産管理システムの処理は、固定資産台帳のデータが起点です。台帳には資産の名称や取得日、取得価額、耐用年数、償却方法、設置場所、管理部門などを登録します。
この台帳データを読み込んで、償却計算の機能が毎月や期末の償却費を算出し、その結果を仕訳や申告書の作成に使います。つまり、台帳の登録内容に誤りがあると、後工程の計算結果や帳票にもそのまま影響します。仕組みを理解するうえでは、台帳が全処理の土台であると捉えることが大切です。
取得から除却までの資産のライフサイクル
固定資産管理システムは、資産を取得してから手放すまでの一連の出来事を記録する仕組みも備えています。主な出来事は、取得、資本的支出による追加、部門間の移動、減損、売却、除却などです。
出来事を登録するたびに、システムは台帳の状態を更新し、償却計算の対象や金額を切り替えます。例えば、期の途中で除却した資産は、除却月までの償却費と除却損を計算したうえで、以降の計算対象から外れる仕組みです。変更の履歴を残せる製品であれば、過去の時点の台帳を確認したいときにも役立ちます。
固定資産管理システムが償却費を自動計算する仕組み
固定資産管理システムの中心となる仕組みが、減価償却費の自動計算です。法令で定められた償却方法や償却率をマスタとして持ち、資産ごとの条件にあてはめて計算します。ここでは計算の流れと、帳簿を分けて管理する仕組みを見ていきます。
償却方法と耐用年数のマスタによる計算
償却計算は、償却方法と耐用年数ごとの償却率をまとめたマスタを参照して行われます。定額法や定率法の償却率、改定償却率、保証率といった数値をシステムが保持し、資産に登録した耐用年数と取得価額から償却費を求めます。
税制改正で償却のルールが変わると、提供会社がマスタや計算ロジックを更新します。例えば、国税庁の「令和8年度 法人税関係法令の改正の概要」によると、中小企業者等の少額減価償却資産の特例は取得価額基準が見直されました。2026年4月1日以後に取得する資産は、取得価額の基準が30万円未満から40万円未満に引き上げられました。こうした改正への対応時期は、製品ごとに確認しておくと安心です。
税務と会計で別々に計算する複数帳簿
固定資産管理システムには、同じ資産について税務用と会計用の償却費を別々に計算する、複数帳簿の仕組みを備えた製品があります。法人税法の耐用年数と、会社が実態にあわせて決めた会計上の耐用年数が異なる場合に使います。
帳簿ごとに償却方法や耐用年数を持たせることで、税務上の償却限度額と会計上の償却費の差額を把握できます。差額は税務申告での調整や税効果会計の計算に使われます。IFRS(国際財務報告基準)を適用する企業では、IFRS用の帳簿を追加できるかも確認しておきましょう。
期中の取得・移動・除却の月割り計算
期の途中で資産を取得したり除却したりした場合、システムは月割りで償却費を計算します。取得した月から事業に使った月数に応じて、1年分の償却費を按分する仕組みです。
部門間で資産を移動した場合は、移動した月を境にして、償却費を負担する部門を切り替えます。部門別や拠点別に償却費を集計できるため、管理会計で部門ごとのコストを把握したいときに役立ちます。月次決算で償却費を毎月計上する企業では、月次の償却計算に対応しているかがポイントです。
会計システムと連携する仕組み
固定資産管理システムで計算した償却費は、会計システムに仕訳として取り込むことで初めて帳簿に反映されます。連携の仕組みには複数の方式があり、運用の手間や反映のタイミングが変わります。ここでは仕訳を作る流れと、連携方式の違いを順に見ていきましょう。
償却費や除却損から仕訳データへの変換
固定資産管理システムは、償却費や除却損、売却損益などの計算結果を、勘定科目と部門を付けた仕訳データに変換します。資産の種類ごとに、どの勘定科目で仕訳を作るかをあらかじめ設定しておく仕組みです。
例えば、器具備品の償却費は「減価償却費」と「減価償却累計額」で仕訳を作り、部門コードを付けて出力します。科目や部門の設定が会計システム側の体系とずれていると、取り込み時にエラーになったり、集計がずれたりする場合があります。導入時には両システムのコード体系をそろえておきましょう。
CSV連携とAPI連携の違い
会計システムとの連携方式には、主にCSVファイルによる連携とAPI連携があります。APIとは、システム同士がデータを直接やり取りするための接続口のことです。
CSV連携は、固定資産管理システムから出力したファイルを会計システムに取り込む方式で、ファイルの形式をあわせれば幅広い会計システムで使える一方、出力と取り込みの手作業が残ります。API連携はデータを自動で送れますが、認証エラーや通信の失敗で一部のデータが反映されない場合もあります。エラーの通知方法や再送の手順も確認しておきましょう。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で固定資産管理の一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品の比較検討を進めましょう。
申告書と帳票を作る仕組み
固定資産管理システムは、台帳と償却計算の結果を組み合わせて、税務申告に使う帳票を作成します。帳票ごとに必要な項目が決まっているため、台帳にどの情報を登録しておくかが出力内容を左右します。代表的な2つの帳票を見ていきましょう。
償却資産申告書と種類別明細書
償却資産申告書は、毎年1月1日時点で所有している事業用の償却資産を、資産がある市町村に申告するための書類です。申告期限は原則として1月31日です。
システムは、台帳に登録した資産の所在地や資産の種類、取得年月をもとに、市町村ごとの申告書と種類別明細書を作成します。前年からの増加資産と減少資産を分けて出力できる製品もあります。複数の拠点に資産がある企業では、所在地の登録が正確であることが前提になるため、拠点の情報を台帳に入れておきましょう。
法人税申告で使う減価償却の明細書
法人税の申告では、減価償却資産の償却額の計算に関する明細書として、別表十六を作成します。固定資産管理システムは、税務用の帳簿で計算した償却限度額や償却超過額をもとに、この明細書の数値を集計します。
償却方法ごとに別表の様式が分かれているため、資産に登録した償却方法にあわせて自動で振り分ける仕組みです。会計上の償却費が税務上の限度額を超えた場合は、その差額も明細に反映されます。申告書の作成を税理士に依頼している場合は、出力形式が受け渡しに使えるかも確認しましょう。
現物と台帳を一致させる仕組み
固定資産管理システムには、台帳上の資産が実際に存在するかを確かめる現物管理の仕組みもあります。台帳と現物がずれると、存在しない資産の償却や申告を続けてしまうおそれがあります。ここでは、ラベルを使った照合と、棚卸結果を台帳に戻す流れを解説します。
資産ラベルとバーコード・QRコードの読み取り
現物管理では、資産番号を印字したラベルを資産に貼り、バーコードやQRコードを読み取って照合する仕組みが使われます。ラベルの資産番号と台帳の資産番号がひも付いているため、読み取るだけで台帳の情報を呼び出せます。
読み取りには、専用のハンディ端末を使う方式と、スマートフォンのアプリを使う方式があります。拠点が多い企業や、現場の担当者に棚卸しを任せたい企業では、手持ちの端末で読み取れるかどうかが運用の負担を左右します。ラベルの発行機能の有無もあわせて確認しましょう。
棚卸結果を台帳に反映する流れ
棚卸しで読み取った結果は、固定資産管理システムに取り込まれ、台帳と自動で照合されます。台帳にあるのに見つからない資産や、台帳と異なる場所にある資産が一覧で表示される仕組みです。
差異が見つかった資産は、担当部門に確認したうえで、移動や除却の処理を台帳に登録します。確認の経緯をメモや履歴として残しておくと、監査で説明を求められたときにも対応できます。棚卸しを年1回で終わらせず、差異の原因を記録して次回に活かす運用を続けることが大切です。
処理の流れに対応する固定資産管理システムの特徴一覧
償却計算の帳簿、会計システムへの連携、申告書の作成、現物管理といった、記事で解説した処理の流れに対応する製品を一覧にしました。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| FAManager | 台帳から償却計算、仕訳、別表16、償却資産申告書まで反映。クラウド提供 |
| マネーフォワード クラウド固定資産 | 複数台帳で税務と会計の差異を管理。会計ソフトへ仕訳を連携 |
| PCAクラウド 固定資産 | 仕訳レイアウトを調整でき、償却資産税の電子申告やリース資産管理に対応 |
| OBIC7固定資産管理システム | 6基準の償却計算と現物管理に対応。会計と一体で運用できる |
| Plaza-i 固定資産管理システム | 経理・税務・IFRSの複数台帳で償却計算。償却資産税申告にも対応 |
| Universal Business Cloud リース固定資産 | リース契約から資産・負債計上、減価償却、仕訳出力までを一元化 |
| Assetment Neo for経理 | ラベルのスキャンで棚卸を行う物品管理。固定資産管理システムと連携 |
| ProPlus固定資産システム | 会計・税務・IFRSなど複数帳簿を設定。仕訳作成や償却資産税の申告にも対応 |
処理の流れに沿って選ぶ固定資産管理システム
台帳の登録から償却計算、仕訳の連携、申告書の作成、棚卸しまでの流れのどこに強みがあるかで、製品を紹介します。自社でシステム化したい範囲とあわせて確認してください。
FAManager
- 安全・安心・安定のクラウド環境で固定資産をリアルタイムに管理
- リース・減損・資産除去債務の管理機能が標準搭載
- 常に最新の会計基準、税制に対応したシステムを利用できる
株式会社TKCが提供する「FAManager」は、クラウド型の固定資産管理システムです。台帳に登録した資産は、償却計算、管理帳票、仕訳、法人税別表16、償却資産申告書まで自動で反映されます。会計と税務の償却方法を同時に登録でき、1つの資産の償却費を複数部門や原価区分へ配賦することもできます。償却資産申告書は自動で作成し、電子申告まで続けて行えます。リース会計や減損会計の処理機能も標準で搭載しています。
マネーフォワード クラウド固定資産
- 複数台帳管理で税務基準・会計基準の差異にも対応
- クラウドサービスで資産の見える化を実現
- 会計・税務・業務担当者全員が管理しやすい
株式会社マネーフォワードが提供する「マネーフォワード クラウド固定資産」は、複数台帳で固定資産を管理するクラウド型のシステムです。税務基準と会計基準の償却費の差異を台帳ごとに扱えるため、帳簿を分けて計算する仕組みを手軽に使いたい企業に向きます。会計ソフトとは仕訳データを連携でき、仕訳APIやCSVでの連携にも対応しています。経理だけでなく総務や情報システムの担当者も、資産の情報を閲覧・入力できます。
PCAクラウド 固定資産
- どんな会計システムともマッチする仕訳データを自動作成
- 特に複雑なリース資産管理機能が充実
- グループ会社全体で導入しやすいコストパフォーマンスと機能性
ピー・シー・エー株式会社が提供する「PCAクラウド 固定資産」は、固定資産とリース資産の管理から申告までを扱うクラウド対応の製品です。仕訳のレイアウトを調整できるため、会計システムの体系にあわせた仕訳データを作成できます。償却資産税は、eLTAX形式へのデータ変換から申告データの送信まで、専用ソフトを使わずに行えます。APIによる会計システムや購買管理システムとの連携にも対応しています。
OBIC7固定資産管理システム
- 会計との一体運用で、固定資産管理を総合的に管理
- 建設仮勘定やリース資産管理、減損処理にも柔軟に対応
- 不動産や工事取引など関連業務ともスムーズなデータ連携を実現
株式会社オービックが提供する「OBIC7固定資産管理システム」は、会計と一体で運用することを前提にした固定資産管理システムです。台帳登録から売却・除却・移動・減損などの異動管理、6基準での減価償却計算、付帯情報を含めた現物管理までを扱います。オプションでリース資産管理や建設仮勘定の管理も追加できます。固定資産税の申告書作成にも対応しており、償却から申告までを同じ仕組みでつなぎたい企業の選択肢です。
Plaza-i 固定資産管理システム
- 建仮、償却資産、リース資産を多く抱える中堅/上場企業に最適
- 法令改正にも保守範囲でバージョンアップ対応
- 豊富な管理コードや配賦機能で管理会計もカバー
株式会社ビジネス・アソシエイツが提供する「Plaza-i 固定資産管理システム」は、ERPの一部としても単独でも使える固定資産管理システムです。経理償却、税務償却、IFRS基準など複数の台帳で償却計算ができ、償却資産税や別表16、仕訳連動にも対応します。翌期以降の償却費を見通すシミュレーションや、建設仮勘定の処理も可能です。提供形態は、オンプレミス、クラウド、パッケージソフトから選べます。
Universal Business Cloud リース固定資産
- デロイトトーマツの持つ専門性を生かしたリース固定資産システム
- リース新基準に対応しリース支払負債使用権資産の管理は万全
- フルクラウドでスピーディーな操作感と強固なデータセキュリティ
合同会社デロイト トーマツが提供する「Universal Business Cloud リース固定資産」は、新リース会計基準に対応したクラウド型のリース・固定資産管理ソフトです。リース契約の情報からリース負債や使用権資産を自動で計算し、固定資産の減価償却、減損、除却・売却といったイベントも一元管理します。法人税別表16の出力に加え、仕訳データを出力して会計システムと連携できます。リース契約と固定資産を一つの仕組みで扱いたい企業向けです。
Assetment Neo for経理
- 固定資産管理システムと連携し、資産の管理状態を正確に把握
- ラベルの活用で、Excelや目視による棚卸から脱却
- 豊富な機能で固定資産の管理業務を強力にサポート
株式会社アセットメントが提供する「Assetment Neo for経理」は、固定資産の物品管理に特化したクラウド型のシステムです。減価償却の計算は行わず、固定資産管理システムと連携して、資産の移動や棚卸、廃棄の管理を担います。バーコードやQRコード、RFIDを使ったラベルスキャンで棚卸ができ、スマートフォンでも読み取れます。各部門の棚卸の進捗を一目で確認できるため、現物と台帳の照合を効率化したい企業の候補です。
ProPlus固定資産システム (株式会社プロシップ)
- 最適な固定資産管理で業務効率化を実現したい企業
- IFRS対応も見据え、多彩な事例をベースに再構築を検討中の企業
- グローバル固定資産管理基盤の構築を実現したい企業
まとめ
固定資産管理システムの仕組みは、台帳データを起点に、減価償却の自動計算、会計システムへの仕訳連携、申告書の作成、現物との照合へと処理が流れる構造です。税務と会計の複数帳簿や連携方式、申告書の出力範囲は製品によって異なります。自社の会計システムや拠点の数、棚卸しの体制にあう固定資産管理システムを選ぶために、まずは資料請求で各製品の仕組みを比べてみましょう。

