現品管理とは
現品管理の意味やメリットについて説明します。
在庫を明確に把握するための活動
現品管理とは、在庫として保管している棚卸資産を正確に管理することです。在庫は資産であり、会計処理をする際には実数を正しく把握しておかなければなりません。そのため、在庫の場所や量・状態を確認しデータとして管理する必要があります
現品管理の対象物は以下のとおりです。
- ■原材料
- ■部品
- ■仕掛品
- ■完成品
- 1.整理(Seiri)
- 適切な物品管理には、無駄なものの処分・保管スペースの整理が必要です。在庫の所在把握が求められる現品管理において、もっとも重要な項目です。
- 2.整頓(Seiton)
- 必要なものを取り出しやすいように配置するのが整頓です。現品管理では、物品のカウントや、状態を把握するために必要です。
- 3.清掃(Seisou)
- 倉庫にゴミが多く散らかっていると保管状態が悪化し、現品管理が難しくなるでしょう。常に適切な状態がキープできるように保管場所を清掃する必要があります。
- 4.清潔(Seiketsu)
- 整理・整頓・清掃が維持された状態のことです。現品管理において紛失や混乱を防ぐためにも、正しい状態の維持が必要です。
- 5.しつけ(Shitsuke)
- 倉庫を適切な状態に保てるように担当者を教育する必要があります。適切な管理体制の習慣化は、現品管理において重要です。
- ■最適な生産計画を立案するため
- ■生産計画の進捗を正確に管理するため
- ■滞留在庫の削減や販売機会損失を防止するため
- 1.定位置
- 定められた場所で管理すること。現品には場所を表示。
- 2.定品
- 定められた品物を管理すること。現品には品目を表示。
- 3.定量
- 定められた量を管理すること。現品には量を表示。
原材料・部品・仕掛品・完成品の在庫が、どこにどれだけあるのかを把握し、共有するのが現品管理です。
在庫管理の5Sを徹底できる
5Sとは、物品の管理場所を適切に保つためのスローガンのことです。現品管理が適切に実施されると、在庫管理における5Sを満たせます。
5Sを満たすことは、作業効率の向上(つまりは生産性の向上)や、滞留在庫の削減にもつながります。

現品管理の重要性
正確な現品管理が求められる理由として、以下の3つが挙げられます。
まず、最適な生産計画を立てるために現品管理は欠かせません。また、生産計画の進捗管理にも、現品管理による正確な個数の把握が必要です。現品管理が実施されていない場合、データと在庫数がズレやすいためミスにつながります。また、不適切な管理体制により、在庫の出し入れがうまくいかず滞留在庫を生み出す可能性もあるでしょう。
例えば、データ上では存在する商品が実際の倉庫には保管されていないなどの事態が起こりかねません。データの個数が信用できなくなるため、都度カウントしなおす無駄な業務も発生します。さらに、発注数が多い人気商品の個数を正確に把握していなければ、欠品状態に陥りやすいでしょう。販売機会の損失につながります。
現品管理の方法
ここからは、現品管理を実施するための手順について説明します。
商品が保管される棚を分類して番号(ロケーション)を振る
現品管理で必要になる番号は、棚自体に振る「棚番号」、棚のどこに保管しているか把握できるようにするための「列番号」と「段番号」です。
上記3つの番号により、保管している座標を特定できます。システムを利用して管理している場合は、棚番号・列番号・段番号を入力しましょう。ピッキングなどで用いる端末と連動できるものであれば、作業をしながら保管場所を把握できます。
どの商品をどの棚に配置するのか決める
次に、商品の配置を決めます。在庫の管理・出荷方法によって変わりますが、「製品別」「顧客別」「配送方法別」で配置することがほとんどです。ロケーションを決めることで、倉庫のどこに何があるのかが、わかるようになるでしょう。
現品管理を正確に行うためのポイント
適切な現品管理や、効率化のポイントを紹介します。
「3定」を意識する
「3定」とは、「定位置」「定品」「定量」の頭文字を取った在庫管理方法のことです。それぞれの意味は以下のとおりです。
つまり、定められた位置に定められた物を定められた量だけ置くことを意味します。
3定により、位置・品目・量の情報を付与することで、保管している情報を迅速に把握でき、置いている理由が明確化します。貼り紙する際は、担当者名や日時、目的なども記載しておくと、誰が見てもわかりやすいでしょう。
在庫管理システムを活用する
在庫管理システムとは、在庫の入庫・出庫情報などを一元管理するITツールのことです。
ハンディターミナルと連携し、バーコードを読み取れば手作業のカウントよりも正確性が増します。入力ミスを防げるだけでなく、最新の情報をリアルタイムで共有できるため、在庫の状態がわかりやすく管理しやすいでしょう。
近年では、伝票やリストではなくタブレットにロケーションなどの情報を表示させられるシステムも登場しています。システムを活用した現品管理によって、正確さが増すだけでなく業務効率化を図れます。
現品管理を適切に行い、業務の効率化を図ろう!
現品管理とは在庫情報を明確に把握するための活動です。
現品管理が適切に行われないと、データと実際の在庫数にズレや欠品が生じます。無駄な業務が増えるばかりか、大切な販売機会を失うでしょう。正確に現品管理を行うためには、在庫管理システムの活用がおすすめです。
自社に合った在庫管理システムを導入し、適切な現品管理と業務の効率化を図りましょう。
