ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■提供形態別
- オンプレミス型とクラウド型の両方を提供:QuickSolution、desknet's NEO、Liferay DXP、esa
- クラウド型で認証やアクセスを管理:NotePM、RimoナレッジAI
- ■重視する要件別
- 社内の認証基盤と連携したい:QuickSolution、NotePM、RimoナレッジAI
- ベンダーの保守サポートを受けたい:QuickSolution、desknet's NEO、Liferay DXP
ナレッジマネジメントツールのオンプレミス型とは
オンプレミス型のナレッジマネジメントツールは、自社が用意したサーバーにソフトウェアを導入して運用する形態です。クラウド型との違いは、データの置き場所と、システムを管理する責任の範囲にあります。
データを自社の管理下に置く仕組み
オンプレミス型では、マニュアルやノウハウ、添付ファイルといったナレッジのデータが、自社のサーバー室やデータセンターに保存されます。社内ネットワークの中だけで利用できるように構成できるため、外部からの接続経路を自社で決められる点が特徴です。
一方で、クラウド型のように提供会社がサーバーを管理するわけではありません。OSやミドルウェアの更新、ソフトウェアのバージョンアップをいつ、どう行うかも、自社で判断して実施します。
クラウド型との管理責任の違い
クラウド型では、サーバーの稼働監視やバックアップ、セキュリティ更新の多くを提供会社が担います。利用企業は、アカウントや権限の設定、ナレッジの中身の管理に集中できます。
オンプレミス型では、こうした作業の大部分を自社で担当します。ただし、保守契約の内容によっては、障害時の問い合わせ対応やバージョンアップの手順提供をベンダーが行う場合もあります。どこまでが自社の責任かを、契約前に一覧にして確認しておきましょう。障害の切り分けや夜間・休日の対応をベンダーに依頼できるかも、体制づくりに影響する点です。
オンプレミスを選ぶ判断基準になる条件
ナレッジマネジメントツールでオンプレミスを選ぶのは、クラウド型では満たしにくい要件がある場合です。ここでは、オンプレミス型を検討する理由になりやすい代表的な条件を3つ紹介します。
社内規程や取引先との契約
社内の情報セキュリティ規程で、技術情報や顧客情報を社外のサーバーに保存することを制限している企業があります。取引先との秘密保持契約で、データの保存場所に条件が付いているケースもあります。
このような場合、ナレッジとして共有したい情報の多くが規程の対象になると、クラウド型では運用が難しくなります。まずは共有予定のナレッジにどの規程が適用されるのかを、情報システム部門や法務部門と整理することが出発点です。
インターネットに接続しない環境での利用
工場の制御系ネットワークや研究開発部門など、インターネットから切り離した閉域網で業務を行う職場があります。こうした環境でナレッジを共有するには、ネットワークの内側にツールを置く必要があるため、オンプレミス型が選択肢です。
閉域網では、ソフトウェアの更新ファイルを外部から取り込む手順も必要です。更新ファイルの持ち込み方法やウイルスチェックの手順を、運用ルールとして決めておきましょう。閉域網で使う場合は、社外からスマートフォンで閲覧できないといった制約が生じる場合もあるため、現場の使い方とあわせて検討します。
既存の社内システムとの連携
社内の認証基盤やファイルサーバー、業務システムと密接に連携させたい場合も、オンプレミス型が検討されます。社内ネットワーク内のシステム同士であれば、外部との通信経路を新たに開けずに連携を構成できるためです。
ただし、クラウド型でもシングルサインオン(1回のログインで複数のサービスを使える仕組み)などで社内の認証と連携できる製品があります。連携したいシステムと方式を洗い出し、クラウド型で対応できないかもあわせて確認すると判断を誤りにくくなります。
オンプレミスの自社運用で担う業務と体制
ナレッジマネジメントツールをオンプレミスで運用すると、導入後もシステムの管理を自社で継続して担います。導入を決める前に、どのような業務が発生し、誰が担うのかを具体的にしておきましょう。
サーバー保守とバージョンアップ
オンプレミス型では、OSやデータベースのセキュリティ更新、ナレッジマネジメントツール本体のバージョンアップを自社で計画して実施します。更新を後回しにすると、脆弱性(セキュリティ上の弱点)が残ったまま運用することになりかねません。
バージョンアップの前には、検証環境で動作を確認する手順を設けると安心です。作業の手順書を残し、複数の担当者が対応できるようにしておくと、担当者の異動や退職があっても運用を続けられます。
バックアップと障害時の復旧
ナレッジは日々追加・更新されるため、定期的なバックアップと、障害時に復旧する手順の両方が必要です。バックアップは取得しているだけでなく、実際に復元できるかを定期的に試しておくことが大切です。
障害が起きた際に、誰が検知し、誰に連絡し、どの順番で復旧するのかも決めておきましょう。ベンダーの保守窓口に問い合わせる条件や受付時間も、あわせて手順書に記載しておくと対応が滞りにくくなります。
アカウント管理と社内の問い合わせ対応
入社や異動、退職にあわせたアカウントの追加・削除、部署ごとの閲覧権限の変更も、日常的に発生する業務です。人事異動の多い時期には作業が集中するため、手順を決めておく必要があります。
利用者からの「ログインできない」「ファイルが添付できない」といった問い合わせに対応する窓口も必要です。システム管理とナレッジの中身の管理を分け、それぞれの担当者を複数名置く体制にすると、負担が一人に集中しにくくなります。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でナレッジマネジメントツールの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
オンプレミス型ナレッジマネジメントの費用の考え方
オンプレミス型の費用は、ソフトウェアの料金だけでは判断できません。サーバーや保守、社内の人件費まで含めた総額で、数年単位の費用を見積もることが大切です。
導入時にかかる費用
導入時には、ソフトウェアのライセンス費用に加えて、サーバー機器やOS、データベースなどの費用がかかります。既存の仮想化基盤を使える場合は、新たな機器の購入を抑えられる場合があります。
構築作業をベンダーや販売代理店に依頼する場合は、その作業費も必要です。ライセンスがユーザー数で決まるのか、サーバー単位で決まるのかによっても総額が変わるため、見積もりの前提条件を確認しましょう。
運用開始後に続く費用
運用開始後は、ソフトウェアの年間保守費用やサーバーの保守費用、電気代やデータセンターの利用料などが継続して発生します。数年ごとのサーバー機器の更新や、OSのサポート終了にあわせた移行作業の費用も見込んでおく必要があります。
見落としやすいのが、社内の担当者が運用に使う時間です。クラウド型の月額料金と比べる場合は、こうした人件費も含めて5年程度の期間で総額を比較すると判断しやすくなります。
オンプレミス以外の選択肢との比べ方
データの管理を重視する場合でも、選択肢はオンプレミス型だけではありません。専用環境で提供されるクラウドや、機能の提供時期の違いもふまえて比べることで、自社にあう形態を選べます。
プライベートクラウド・専用環境という選択肢
製品によっては、他社と共有しない専用のクラウド環境でナレッジマネジメントツールを提供している場合があります。データの保存場所やネットワークの接続方法を指定できる場合もあり、オンプレミス型とクラウド型の中間にあたる選択肢です。
サーバーの保守を提供会社に任せつつ、自社の規程に沿った環境を用意できるかが比較のポイントです。費用はオンプレミス型と同様に、初期費用と継続費用の両方で比べましょう。データの保存地域や暗号化、アクセス元の制限方法を、規程の条件と照らしあわせて確認しましょう。
クラウド型とのバージョンや機能の差
クラウド型とオンプレミス型の両方を提供している製品では、新しい機能がクラウド型から先に提供される場合があります。AIを使った検索や要約など、外部のサービスと連携する機能は、オンプレミス型では使えない、または条件が付く可能性もあります。
導入後に使いたい機能がオンプレミス型でも提供されるか、提供時期に差があるかを、資料請求や商談の段階で確認しておくと安心です。製品の提供ロードマップや、オンプレミス版のサポート期間もあわせて質問しておくと、長期の運用計画を立てやすくなります。
提供形態と認証要件で比べるナレッジ管理ツール
この記事で紹介するナレッジマネジメントツールを、オンプレミスへの対応や社内認証との連携、保守サポートの観点で一覧にしました。提供形態の列で、自社サーバーに導入できる製品かどうかを確認できます。
| 製品名 | 提供形態 | 特徴 |
|---|---|---|
| QuickSolution | オンプレミス / クラウド | Windows Server・Linuxで動く企業内検索。Active Directory・LDAP連携に対応 |
| NotePM | クラウド | SSO/SAML認証とIPアドレス制限を有料オプションで追加できる社内wiki |
| RimoナレッジAI | クラウド | SAML・OIDC形式のSSOや接続元IPアドレス制限、多要素認証に対応 |
| desknet's NEO | オンプレミス / クラウド | パッケージ版を継続提供。仮想環境やパブリッククラウドでの利用もサポート |
| Liferay DXP | オンプレミス / クラウド | 大企業向けのポータルサイト作成ツール。サーバーのインスタンス単位で契約 |
| esa | オンプレミス / SaaS | 書き途中の記事を公開して全員で育てる情報共有ツール。履歴から復元できる |
自社運用や社内規程にあわせやすい製品
自社サーバーに導入できるオンプレミス対応の製品と、クラウド型でも認証やアクセス元の条件を細かく設定できる製品を紹介します。保守の体制やオンプレミス版で使える機能の範囲は製品ごとに異なるため、資料で確認しながら比べてみてください。
QuickSolution
- [9年連続シェアNo.1] 発売から25年 5600サーバの導入実績
- 企業内に埋もれる情報の活用/共有の第一歩は検索から
- RAG、生成AI連携、AIエージェント(Copilot等)で社内情報に回答
住友電工情報システム株式会社が提供する「QuickSolution」は、ファイルサーバや社内システムに点在する情報を、ファイルの中身まで横断して検索できる企業内検索システムです。オンプレミスとクラウドの提供形態があり、サーバのOSはWindows Server、Red Hat Enterprise Linuxに対応しています。Active Directory連携によるシングルサインオンやLDAP連携、文書単位の権限継承が可能です。生成AIとの連携機能も備えていますが、オンプレミスで使える範囲は資料で確認するとよいでしょう。
NotePM
- 社内のナレッジ情報を蓄積・共有するツール
- 豊富なAI機能が追加費用なしで利用可能(AIチャットボット等)
- 大手・金融機関も導入。実績と安心のセキュリティ
株式会社プロジェクト・モードが提供する「NotePM」は、クラウド型を選びつつ、社内の認証やアクセス元の条件をそろえたい場合に比べたい社内wikiツールです。有料オプションでSSO/SAML認証とIPアドレス制限を追加でき、ISMS認証(ISO/IEC 27001)を取得しています。マニュアル作成用のテンプレートや、添付ファイル内まで対象にする全文検索を備えています。サーバーの保守を自社で担わずにナレッジを蓄積できるため、オンプレミスと比べる際の選択肢です。
RimoナレッジAI
- 自社ナレッジを横断検索し根拠付きで回答
- 過去の提案書を踏襲した資料を作成
- AIインタビューで暗黙知を形式知化
Rimo合同会社が提供する「RimoナレッジAI」は、クラウド型で使いながら、認証や共有範囲を細かく管理したい企業向けのAIナレッジサービスです。SAML・OIDC形式のSSOや接続元IPアドレス制限、多要素認証に対応し、ISO/IEC 27001・ISO/IEC 27017の認証を取得しています。入力データをAIの学習に利用しない設定が可能で、共有範囲は組織全体・部署単位・個人単位で決められます。法人プランでは、初期設定や活用設計を専任担当が支援します。
desknet's NEO
- 情報の集約とナレッジ蓄積・共有を完全ノーコードで実現できる
- 生成AIとの連携により、アシスタントを構築、社内データの分析も
- 累計540万ユーザー以上の導入実績。クラウド・オンプレ両対応
株式会社ネオジャパンが提供する「desknet's NEO」は、オンプレミス(パッケージ版)を今後も継続して提供するとしているグループウェアです。提供形態はオンプレミスとクラウドの両方があり、仮想環境やパブリッククラウドでの利用もサポートしています。掲示板や文書管理、キャビネットに社内のナレッジを集約でき、ユーザー・組織の階層管理や管理権限の委譲、アクセスログの記録など、システム管理者の負担を抑える機能を備えます。サポートの窓口は電話とメールです。
Liferay DXP (日本ライフレイ株式会社)
- ERPやSFAなどの連携が可能で統合力に優れている
- カスタマイズ性が高い
- 信頼度の高いセキュリティ
esa (合同会社 esa)
- 3,000を超える組織での導入実績あり
- WIPの記事を全員でブラッシュアップ
- 履歴管理からいつでもロールバック可能
まとめ
ナレッジマネジメントツールのオンプレミス運用は、データを社外に置けない規程や閉域網での利用、社内システムとの連携といった要件がある企業に向いています。一方で、サーバー保守やバックアップ、アカウント管理を自社で担う体制と、数年単位の費用が必要です。プライベートクラウドなどの選択肢もあわせて比べ、自社の要件にあうナレッジマネジメントツールを資料請求で検討してみてください。

