ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■提供形態別
- クラウド型:SmartHR、ハーモス労務給与、レコル、PCA Arch 人事労務
- オンプレミス型・インストール型:給与kid6、Galileopt DX 給与大将、MJSLINK DX 給与大将
- ■マイナンバーの管理方法別
- 給与計算システムの中で管理する:レコル、給与kid6、ZeeM 人事給与、A-SaaSクラウド給与システム、給料王
- マイナンバー管理サービスと連携する:Galileopt DX 給与大将、MJSLINK DX 給与大将
- ■アクセスと認証の対策別
- IPアドレスでアクセスを制限できる:ハーモス労務給与
- パスキーによるパスワードレス認証:PCA Arch 人事労務
- ISMSなどの第三者認証を取得:SmartHR、ハーモス労務給与、レコル、PCA Arch 人事労務、ProSTAFFクラウド
給与計算システムのセキュリティで守る情報と法令
給与計算システムのセキュリティを考えるには、まず何を守るのか、どの法令が関わるのかを整理します。給与データは個人情報保護法の対象であり、マイナンバーを含む情報は番号法でさらに厳しく取扱いが定められています。
給与・口座・扶養などの個人情報
給与計算システムには、氏名や住所、生年月日に加えて、給与の額、振込先の口座番号、扶養家族の氏名や続柄、社会保険の番号などが登録されます。いずれも個人情報保護法の対象であり、漏えいすると従業員の生活に影響するおそれがあります。
健康保険の扱いや休職の記録など、他の従業員に知られたくない情報も含まれる場合があります。給与担当者以外がどこまで閲覧できるかを、項目ごとに決めておくことが大切です。
番号法で限られるマイナンバーの利用範囲
マイナンバー(個人番号)は、番号法により、社会保障や税、災害対策の手続きなど法律で定められた事務にしか使えません。個人情報保護委員会のガイドラインでは、本人の同意があっても、例外を除き、定められた事務以外での利用は認められないとされています。
給与計算では、源泉徴収票や社会保険の届出などにマイナンバーを記載します。こうした事務に必要な範囲でのみ取得・保管し、社員番号の代わりに使うといった目的外の利用をしない設計が求められます。
ガイドラインが示す4つの安全管理措置
個人情報保護委員会は「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)」を公表しています。このガイドラインは、基本方針と取扱規程を定めたうえで、組織的、人的、物理的、技術的の4つの安全管理措置を講じるよう示しています。
給与計算システムの機能で支えられるのは、主に技術的安全管理措置の部分です。担当者の教育や取扱区域の管理といったほかの措置は社内で整える必要があり、システムを導入するだけで対策が完了するわけではありません。
給与計算システムで実現する技術的なセキュリティ対策
ガイドラインの技術的安全管理措置には、アクセス制御、アクセス者の識別と認証、外部からの不正アクセス等の防止、漏えい等の防止の4項目があります。給与計算システムで対応を確認したい機能を、この区分にそって整理します。
担当者を限るアクセス制御と認証
アクセス制御では、マイナンバーを扱える人を事務取扱担当者に限定します。給与計算システムで、利用者ごとに閲覧や編集ができる項目を設定できるか、マイナンバーの表示を担当者以外には伏せられるかを確認しましょう。
識別と認証では、利用者ごとに個別のIDを発行し、IDを共有しないことが基本です。パスワードに加えて、スマートフォンのアプリなどで本人を確かめる多要素認証や、接続できる場所を社内ネットワークに限る設定ができるかも確認点です。
操作ログと取扱状況の記録
ガイドラインの組織的安全管理措置では、特定個人情報等の取扱状況を確認する手段の整備が求められています。給与計算システムで、誰がいつどの従業員の情報を閲覧・変更・出力したかを記録し、後から確認できるかが確認点です。
ログは取得するだけでなく、定期的に見直す運用が必要です。確認する担当者と頻度を決め、通常と異なる大量の出力や、業務時間外のアクセスがないかを確かめる手順を作っておきましょう。
通信と保存データの暗号化
漏えい等の防止の観点では、給与データをやり取りする通信と、保存するデータの暗号化を確認します。クラウド型であれば、ブラウザとサーバーの間の通信が暗号化されているか、保存データの暗号化について提供会社が公開しているかを見ます。
銀行振込データや給与明細を社外に送る場面も対策が必要です。ファイルにパスワードを設定する方法だけに頼らず、送信先や送信方法をあらかじめ決めておくと、誤送信による漏えいの可能性を減らせます。
マイナンバーの取得から削除までの管理
マイナンバーは、取得、利用、保存、提供、削除・廃棄という段階ごとに取扱方法を決めることがガイドラインで示されています。給与計算システムでの扱いと、マイナンバー専用の管理サービスを併用する場合の考え方を整理します。
取得時の本人確認と登録方法
マイナンバーを従業員から集める際は、番号が正しいかの確認と、提出した人が本人であるかの確認が必要です。紙で回収して担当者が入力する方法は、転記の誤りや書類の保管が課題となります。
従業員がスマートフォンなどから番号と本人確認書類の画像を登録できる仕組みを使うと、紙の受け渡しを減らせます。給与計算システム自体に収集の機能がない場合は、マイナンバー管理サービスと連携できるかを確認しましょう。
給与計算システム内での管理と分離した管理
マイナンバーの保管場所は、給与計算システムの中に持つ方法と、専用のマイナンバー管理サービスに分けて保管する方法があります。分けて管理する場合は、源泉徴収票などの作成時だけ番号を呼び出す仕組みかどうかを確認します。
給与計算システムの中で管理する場合は、給与担当者全員がマイナンバーを見られる状態にならないよう、権限を分けられるかが確認点です。どちらの方法でも、閲覧や出力の記録を残せるかを比べましょう。
保存期間を過ぎた番号の削除
ガイドラインでは、事務を行う必要がなくなり、法令で定められた保存期間を過ぎたマイナンバーは、できるだけ速やかに復元できない方法で削除または廃棄するよう示しています。退職者の番号を保管し続けないための仕組みが必要です。
給与計算システムで、退職日や書類の保存期限をもとに削除の対象者を一覧で確認できるか、削除の記録を残せるかを確認しましょう。中小規模事業者向けの特例でも、削除や廃棄したことを責任ある立場の者が確認するよう示されています。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で給与計算システムの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
提供形態で変わるセキュリティの責任範囲
給与計算システムのセキュリティ対策は、クラウド型かオンプレミス型・インストール型かで、自社が担う範囲が変わります。提供形態ごとに、提供会社に確認する点と自社で行う対策を分けて整理します。
クラウド型で提供会社に確認する点
個人情報保護委員会のQ&Aでは、提供事業者が個人番号を含むデータを取り扱わない場合は番号法上の委託に該当しないとされています。契約で取り扱わない旨を定め、適切にアクセス制御を行っている場合などです。ただし、その場合も利用企業は自ら安全管理措置を講じる必要があります。
そのため、契約や利用規約でのデータの取扱い、データセンターの所在地、ISMSなど第三者認証の取得状況、障害時の連絡方法を確認しましょう。公開資料やセキュリティに関するチェックシートで比べる方法もあります。
オンプレミス型・インストール型で自社が担う対策
オンプレミス型やインストール型では、サーバーやパソコンの管理、OSやソフトの更新、バックアップを自社で行います。ガイドラインの物理的安全管理措置にある、取扱区域の管理や機器の盗難防止も自社の責任です。
例えば、給与計算を行うPCを決まった場所に置き、のぞき見されにくい配置にする、離席時に画面をロックする、といった対策が考えられます。更新プログラムの適用が遅れると不正アクセスの入り口になるおそれがあるため、担当と手順を決めておきましょう。
委託先の監督と漏えい等への備え
給与計算を社会保険労務士や給与計算の代行会社に委託する場合も、委託元の企業には委託先を監督する義務があります。委託時に確認する内容と、漏えい等が起きた場合に備えて社内で決めておくことを整理します。
委託先の選定と契約に盛り込む内容
ガイドラインでは、委託先の適切な選定、安全管理措置に関する委託契約の締結、委託先における取扱状況の把握という3つを、必要かつ適切な監督の内容として示しています。
契約には、秘密保持義務や目的外利用の禁止、再委託の条件、漏えい等が起きた場合の委託先の責任、契約終了後のデータの返却または廃棄などを盛り込むよう定められています。委託先が使う給与計算システムの権限設定やログの扱いも、選定時に確認しておきましょう。
漏えい等に備える社内の体制
ガイドラインの組織的安全管理措置には、漏えい等の事案に対応する体制の整備が含まれます。誤送信やPCの紛失、不正アクセスの疑いなどが起きた際の連絡先と、初動の手順を決めておくことが大切です。
事案によっては、個人情報保護委員会への報告や、本人に通知することが求められる場合があります。報告の要否は事案の内容で判断が分かれるため、委員会の公表資料を確認し、必要に応じて専門家に相談できる体制を整えておきましょう。
セキュリティ対策を確認できる給与計算システム一覧
セキュリティ認証や第三者監査、アクセス制限、マイナンバーの管理方法などの観点から、この記事で紹介する給与計算システムの特徴を一覧にまとめました。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| SmartHR | ISO/IEC 27001の認証を取得し、SOC 2に基づく第三者監査などのセキュリティ対策を実施 |
| ハーモス労務給与 | SSL暗号化通信や定期的な脆弱性診断に加え、IPアドレスによるアクセス制限を提供 |
| レコル | ISO/IEC 27001・27017の認証を取得したクラウドで、マイナンバー管理機能を搭載 |
| PCA Arch 人事労務 | パスキーを使ったパスワードレス認証「PCA ID」でログインするクラウド人事労務ソフト |
| 給与kid6 | マイナンバーを暗号化して保存し、利用者IDとパスワードでアクセスを制限 |
| Galileopt DX 給与大将 | MJSマイナンバーと連携し、マイナンバーのアクセス権限と操作・印刷履歴を管理 |
| MJSLINK DX 給与大将 | MJSマイナンバーシステムと連携し、マイナンバーの登録・管理・帳票印刷に対応 |
| ZeeM 人事給与 | 人事管理と給与計算を統合したクラウドシステム。電子申請やマイナンバー管理に対応 |
| A-SaaSクラウド給与システム | マイナンバーの一元管理と、収集から申告までの効率化に対応 |
| 給料王 | 給与計算や年末調整に加え、マイナンバー管理や電子給与明細の配信までを網羅 |
| ProSTAFFクラウド | ISMSやプライバシーマーク等の認証を取得した人事労務管理システム |
セキュリティ機能やマイナンバー管理で選ぶ給与計算システム
アクセス制限や暗号化、セキュリティ認証、マイナンバー管理などに対応する給与計算システムを紹介します。製品によって対策の内容や対応範囲が異なるため、自社で必要な安全管理措置を整理し、利用できる機能や運用条件を確認しながら比較しましょう。
SmartHR
- 従業員データと連携し、「データ入力レス」な給与計算を実現
- 給与計算の情報をもとに給与明細や源泉徴収票を簡単に作成
- 労務管理からタレントマネジメントまで人事・労務を効率化
株式会社SmartHRが提供する「SmartHR」は、クラウドで人事・労務の業務を効率化するシステムで、給与計算の機能も備えています。ISO/IEC 27001の認証取得やSOC 2に基づく第三者監査など、セキュリティ対策にも取り組んでいます。入社手続きや従業員情報の申請で集めたデータを給与計算に連携するため、CSVでデータを受け渡す作業を減らせる点も特徴です。給与明細や源泉徴収票の作成から本人への配付までをSmartHR上で進められます。
ハーモス労務給与
- 労務・給与業務がすべてシステム内で完結
- 大量の給与計算・社会保険手続きを一括処理
- 従業員が直接入力できる柔軟なフォーム設計
株式会社ビズリーチが提供する「ハーモス労務給与」は、労務と給与の業務をひとつのシステムで完結できるクラウドサービスです。SSL暗号化通信や第三者による定期的な脆弱性診断、IPアドレスによるアクセス制限に加え、バックアップやウイルス対策なども実施しています。ISO/IEC 27001、ISO/IEC 27017の認証やプライバシーマークも取得しています。従業員が住所や扶養情報をWebフォームから直接入力できるため、紙の書類を受け渡す場面を減らせます。
レコル
- 勤怠管理・給与計算・Web給与明細・年末調整をひとり300円で!
- レコルの勤怠データでそのまま給与計算、連携もラクラク
- 給与規定の複数パターン作成に対応、従業員毎に柔軟な計算が可能
中央システム株式会社が提供する「レコル」は、勤怠管理と給与計算を扱えるクラウド型システムです。ISO/IEC 27001とISO/IEC 27017の認証を取得しており、給与計算の機能にはマイナンバー管理も含まれています。源泉徴収票などの帳票作成と同じシステムで番号を管理できる点が特徴です。SSLによる通信暗号化やWebサーバー・データベースの冗長化、稼働状況の常時監視、保存データの差分バックアップなどのセキュリティ対策を実施し、セキュリティホワイトペーパーも公開しています。
PCA Arch 人事労務
- 人事・労務管理の一元化により、働きやすい環境を実現
- AIアシスタントが24時間365日、いつでも回答
- e-Tax/eLTAXに直接送信!税務申告の電子申請で業務時間を短縮
ピー・シー・エー株式会社が提供する「PCA Arch 人事労務」は、中堅・中小企業向けのクラウド人事労務ソフトです。パスキーを採用したパスワードレス認証「PCA ID」で、Webポータル「Archポータル」から複数のサービスに接続できます。ISO/IEC 27001・27017の認証取得に加え、SOC 1・SOC 2に基づく第三者監査も受けています。給与計算やe-Tax・eLTAXへの申告データの直接送信に対応しており、年末調整の電子化や給与明細の配信はオプションで追加できます。
給与kid6
- 多様な給与体系に柔軟な対応ができ、1つで複数会社の管理が可能
- 充実したナビゲーション機能で会社情報から年末調整まで簡単入力
- 充実のサポート体制で税法や保険の法律改正にも素早く対応
株式会社日本法令が提供する「給与kid6」は、起動時の利用者IDとパスワードでマイナンバーへのアクセスを制限できる給与計算ソフトです。オンプレミス・パッケージソフトとして提供され、マイナンバーは暗号化した状態でデータベースに保存されます。利用履歴をログファイルとして出力する機能も備えており、番号の取り扱いを管理できます。社員情報の管理から給与・賞与計算、年末調整までの基本的な実務に対応しています。
Galileopt DX 給与大将
- 人事・給与情報を一元管理したい企業
- 毎年発生する改正にスムーズに対応
- 電子申請API 連携対応
株式会社ミロク情報サービスが提供する「Galileopt DX 給与大将」は、マイナンバーのアクセス権限を設定できる給与計算システムです。連携する「MJSマイナンバー」で操作や印刷の履歴を管理でき、源泉徴収票や扶養控除等(異動)申告書などの関連帳票の印刷にも対応しています。提供形態はオンプレミスとクラウドから選択可能です。給与・賞与計算や年末調整に加え、社会保険の電子申請にも対応しています。
MJSLINK DX 給与大将
- 基本的な業務サポートに加え、オプションが豊富な給与システム
- 年末調整等毎年発生する法令改正にタイムリー対応
- 電子申請API 連携対応
株式会社ミロク情報サービスが提供する「MJSLINK DX 給与大将」は、「MJSマイナンバーシステム」との連携により、マイナンバーの登録・管理に対応する給与システムです。登録した番号は、給与大将から出力する帳票に印刷できます。オンプレミスとクラウドの両方で提供されており、給与明細や年末調整の申告は「Edge Tracker」と連携して電子化できます。保険料率などの更新はオンラインで提供されるため、法改正に伴う給与計算業務にも対応しやすい仕組みです。
ZeeM 人事給与 (株式会社クレオ)
- 人事管理と給与計算を完全統合して業務効率化を実現
- 従業員はスマホから身上変更手続きや申請が可能
- 電子申請、マイナンバー管理にも対応
A-SaaSクラウド給与システム (フリー株式会社)
- 会計・給与データを経営指標システムに連動可能
- マイナンバーの一元管理と収集から申告までを効率化
- インボイス制度対応の請求書発行システムと連携可能
給料王 (ソリマチ株式会社)
- 従来操作感とテレワーク対応を両立。
- 労務管理の手間を徹底削減。
- 企業の実務に沿った柔軟な設定が可能。
ProSTAFFクラウド (アイテックス株式会社)
- 30年以上の人事労務ソリューション提供実績。
- ISMS、プライバシーマーク等認証取得。
- 医師の働き方改革対応病院向けシステムテンプレート
まとめ
給与計算システムのセキュリティは、番号法と個人情報保護委員会のガイドラインが示す安全管理措置にそって考えます。アクセス制御や認証、操作ログ、暗号化といった技術的な対策に加え、マイナンバーの取得から削除までの管理、提供形態ごとの責任範囲、委託先の監督も欠かせません。自社の管理体制にあう給与計算システムを選ぶために、資料請求でセキュリティ機能と提供会社の公開情報を比べてみてください。

