
生産ロスとは

生産ロスとは、製造現場で生じる損失のことを言います。生産ロスが生じる原因はさまざまです。例として、物品の運搬など製品製造以外の活動に時間を奪われたり、不良品の手直しで生じます。
生産ロスは時間の損失であるため、減らすに越したことはありません。しかし、そもそも自社でどのような生産ロスが生じているのか気づけないケースが多いです。たとえば、「物品の運搬に時間がかかるのは当然だ」と思っていると、必要以上にその作業に時間がかかっていても気づけません。
したがって、生産ロスを減らすにはまずロスの可視化から着手する必要があります。
生産ロスの種類
続いて、生産活動におけるロスを3種類に分けて紹介します。それぞれ詳しく見ていきましょう。
設備の効率・操業度を阻害する8大ロス
生産現場の設備の効率・操業度を阻害するロスには以下の8つがあります。
- 【故障ロス】
- 設備の故障によって生じる時間的ロス・物量ロスのです。物量ロスとは「不良品の発生」を指します。
- 【段取り・調整ロス】
- ある製品の生産終了後、次の製品を完全な良品として製造できるまでの時間的ロスのことです。
- 【刃具交換ロス】
- 刃具の交換によって生じる時間的ロス・物量ロスを指します。
- 【立上がりロス】
- 昼休み後や休日後のスタートアップ時に生じる時間的ロス・物量ロスを指します。
- 【速度低下ロス】
- 設備の速度が遅いせいで生じる時間的ロスのことです。
- 【チョコ停ロス】
- ちょっとしたトラブルへの対処に生じる時間的ロスを指します。
- 【不良・手直しロス】
- 不良品の発生とその手直しに伴う時間的ロス・物量ロスのことです。
- 【シャットダウンロス】
- 清掃や点検、部品交換といった、メンテナンスを目的としたシャットダウンによって生じる時間的ロス・物量ロスのです。
人の作業を阻害する5大ロス
人の作業を阻害するロスには以下の5つがあります。
- 【管理ロス】
- 管理上生じる待機時間のことです。指示待ち、材料待ちや故障修理待ちなどが該当します。
- 【動作ロス】
- 無駄な動作によって生じる時間的ロスのことです。資材などを置く場所が悪いせいで歩行時に遠回りを強いられたり、作業道具の置き方が悪いせいで作業に無駄な動作が生じたりするのを指します。
- 【編成ロス】
- ライン設計が悪いせいで生じる時間的ロスのことです。たとえば、ある工程の所要時間が突出して長い場合に、次工程の従業員が強いられる待機時間が該当します。
- 【自動化置換ロス】
- 機械などで自動化できるはずの業務を、人力で行っていることにより生じる時間的ロスです。
- 【測定調整ロス】
- 品質不良を防止するために、頻繁に測定・調整を行うせいで生じる時間的ロスのことです。
原単位の効率化を阻害する3大ロス
原単位とは、一定量の生産物を生産するのに要する、あるいは排出する時間や物品の量のことです。この原単位の効率化を阻害するロスは以下の3つです。
- 【歩留りロス】
- 素材重量と製品重量の差、あるいは素材投入総重量と製品重量の差のことです。たとえば、バリ取りによって生じる重量の減少が該当します。
- 【エネルギーロス】
- 電力や燃料、水などをはじめとしたエネルギーの損失です。
- 【型・治工具ロス】
- 製品の製造に用いる型や治工具の補修・制作によって発生する金銭的ロスのことです。
生産効率を向上させる方法
上記のようなロスを減らし、生産効率を高めるにはどうすればよいのでしょうか。
TPM活動を取り入れる
TPMとは「Total Productive Maintenance」の略で、日本語に訳すと「全員参加の生産保全」となります。製造企業が持続的に利益を生み出せる体制を構築するためのマネジメント手法です。 標準的なTPM活動は以下の8つの柱からなります。
- 生産システム効率化の個別改善
- プロセス・設備ごとのロスを調査し減らす
- オペレーターの自主保全体制づくり
- 作業者1人ひとりが設備の保全に努める
- 保全部門の計画保全体制づくり
- 故障低減や部品寿命延長に取り組む
- 製品・設備開発管理体制づくり
- 製品や設備の開発・設計段階で予想されるロスを防ぐ
- 品質保全体制づくり:不良品発生の防止に努める
- 教育・訓練の体制づくり:従業員の知識や技能を向上させる
- 管理・間接部門の効率化体制づくり
- 事務の効率化や購買・物流・在庫ロス削減に取り組む
- 安全・衛生と環境の管理体制づくり
- 災害ゼロ・公害ゼロ・ゴミゼロなどを目指す
生産管理システムを導入をする
生産管理システムは、生産管理を支援する機能を備えたITツールです。これを導入することでもロスを減らし、生産効率を高められます。
たとえば、生産管理システムには工程管理機能が備わっています。生産の進捗状況をすぐに把握できれば、編成ロスに速やかに対処できるでしょう。また、生産計画管理を使えば、計画の立案をシステムに任せられます。これを活用すれば自動化置換ロスを減らせるでしょう。
そのほかにも、仕入管理や在庫管理など、ロスを減らすのに役立つ機能が多く備わっています。
生産ロスをなくし自社工場の作業効率アップを目指そう!
生産ロスとは、製造現場で生じるさまざまな損失のことです。以下の3種類に大別されます。
- ■設備の効率・操業度を阻害する8大ロス
- ■人の作業を阻害する5大ロス
- ■原単位の効率化を阻害する3大ロス
また、ロスを減らし、生産効率を向上させる方法は以下のとおりです。
- ■TPM活動を取り入れる
- ■生産管理システムを導入する
以上を踏まえ、作業効率を高めましょう。
