おすすめの生産スケジューラを比較
「生産順序計画」とも呼ばれる生産スケジューラは、工程管理の一部の業務です。ここでは、ITトレンド編集部が生産管理システムを中心に厳選した、生産スケジューラ機能のある製品を紹介します。
《TECHS-BK》のPOINT
- アクティブユーザ10万人超! 導入社数4,200社超の実績あり
- 複雑になりがちなデータの一元管理が可能!
- 導入から稼動まで各専門スタッフが全面サポート!
「TECHS-BK」は、株式会社テクノアが提供する部品加工業に適した生産管理システムです。受注や生産、売上データを一元管理し、工程進捗などを見える化します。オプションで生産スケジューラ「Seiryu」と連携し、加工機械の割当、負荷や納期の調整を自動化できます。
- 対象企業規模:従業員数10名以上100名未満、売上1億円以上10億円未満
- 提供形態:パッケージソフト
- 参考価格:別途お問い合わせ
《A's Style》のPOINT
- WEB型ERP:受注~出荷まで一連のプロセスとデータを管理
- 生産計画~工程予実をガントチャートで見える化 ※マウス調整OK
- 現場タブレット活用で叶える現場実績登録 (製造・検査、入出庫)
株式会社ケーエムケーワールドが提供する「A's Style」は、クラウド・オンプレミス両対応で柔軟性、拡張性の高いERPパッケージです。セミオーダー式なので業務に合わせたシステムを構築でき、必要な機能のみを選択した導入も可能です。オプションで高機能のMRPや生産スケジューラを搭載できます。
- 対象企業規模:従業員数50名以上、売上10億円以上
- 提供形態:オンプレミス / クラウド / パッケージソフト
- 参考価格:ライセンス費・総導入費:15,000,000円~100,000,000円
《TONOPSシリーズ》のPOINT
- 幅広い業界に対応
- 使いやすいシステムを短期間で構築
- 各種設備・機器との連携を 容易に実現
「TONOPSシリーズ」は、東レエンジニアリングDソリューションズ株式会社が提供する生産管理システムです。豊富な実績をもとに開発を行い、工程管理や品質管理を基本機能として搭載しています。また、生産スケジューラも提供しており、資材の所要量計算と最適な生産リソースの割り当てを自動化し、工程計画を立案してくれます。
- 対象企業規模:すべての規模に対応
- 提供形態:パッケージソフト
- 参考価格:5,000,000円~
《TECHS-S》のPOINT
- アクティブユーザ10万人超! 導入社数4,200社超の実績あり
- 仕掛原価と完成時予測原価をリアルタイムに管理!
- 導入から稼動まで各専門スタッフが全面サポート!
株式会社テクノアの「TECHS-S」も、「TECHS-BK」と同様、オプションで生産スケジューラ「Seiryu」との連携が可能です。「TECHS-S」は、個別受注型の機械・装置・配電盤・制御盤製造業に向いています。低予算で導入でき、運用サポートもあるので安心です。
- 対象企業規模:従業員数10名以上100名未満、売上1億円以上50億円未満
- 提供形態:パッケージソフト
- 参考価格:別途お問い合わせ
《ProXact》のPOINT
- 受注生産・見込生産のハイブリッド型生産管理システム
- コンパクトな画面構成で運用を簡素化
- ユーザー系Sierとして培った豊富な業務ノウハウ
クボタシステムズ株式会社が提供する「ProXact」は生産管理システムですが、オプションで同社の生産管理スケジューラ「FLEXSCHE」と連携できます。生産管理システムのマスターデータと連動して、工程・オーダーごとに綿密なスケジューリングが可能です。
- 対象企業規模:従業員数50名以上1,000名未満、売上50億円以上500億円未満
- 提供形態:オンプレミス / パッケージソフト
- 参考価格:20,000,000円~
《FutureStage》のPOINT
- 「FastPack」導入モデルなら最短3ヵ月でシステムの導入を実現
- AWS活用モデルで低コスト&フレキシブルなシステムを構築
- 業種に特化した業種別テンプレートで業務のフィット感が向上
株式会社日立システムズが提供する「FutureStage 製造業向け生産・販売管理システム」は、自動車部品業向け・金属加工業向け・一般機械製造業向けの生産管理システムが用意されています。導入モデルもさまざまで、最短3か月で導入可能です。 生産スケジューラである「SynPLA」と連携することで、生産計画までカバーできます。
- 対象企業規模:従業員数10名以上500名未満、売上10億円以上500億円未満
- 提供形態:オンプレミス / クラウド / パッケージソフト
- 参考価格:20,000,000円
製品・サービスのPOINT
- 販売実績25年以上の事例・ノウハウを活かした生産管理システム
- WEBの仕組みで、操作性も直観的で、分かり易く、すぐに業務利用
- 成形機の稼働状況もリアルに見え、IoTで工場の見える化を実現
ムラテック販売株式会社が提供する「成形業統合生産管理システム GMICS」は、成形機にLITという現場端末機を用いて作業の進捗をリアルタイムで把握できます。成形機から得た作業実績は成形スケジュールに反映され、成形機ごとに計画が割り当てられているので調整が容易です。
- 対象企業規模:すべての規模に対応
- 提供形態:オンプレミス / パッケージソフト
- 参考価格:別途お問い合わせ
製品・サービスのPOINT
- 全ての成形機に対応!
- 独自のスケジュールコンセプトと優れた操作性!
- オンラインによるリアルタイムな作業指示!
「成形工場生産管理システム MICS7」もムラテック販売株式会社により提供されています。GMICSと同様、LITを用いて成形の予定や稼働状況を把握し、成形工程計画の立案が可能です。進捗に応じて計画は最新状態に更新されるうえ、納期遅れがあれば計画表に赤色で警告が表示されます。
- 対象企業規模:すべての規模に対応
- 提供形態:パッケージソフト
- 参考価格:別途お問い合わせ
生産スケジューラだけでなく、生産計画から仕入管理、在庫管理までできる生産管理システムにご興味のある方は、以下の記事を参考にしてください。
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生産スケジューラとは
生産スケジューラとは、日程計画(生産スケジュール)を立案するシステムです。各工程の作業時間を分・秒単位で計算して時間軸上に並べることで、工程間の待ち時間をなくしリードタイムの短縮が可能です。
「生産計画を立案するのであれば生産管理システムがあるだろう」と考える人もいるかもしれませんが、生産管理システムと生産スケジューラには違いがあります。ここからは、生産管理システムとの違いから、生産スケジューラとは何かを解説します。
生産スケジューラと生産管理システムの違い
生産管理システムと生産スケジューラでは、計画の「粒度」が異なります。粒度に関しては、生産管理システムよりも生産スケジューラが細かい傾向にあります。
生産管理システムは多機能で、生産計画や工程管理、需要予測や品質管理はもちろん、購買や在庫管理までカバー可能です。いつまでにどの製品をどの材料とラインを使用して生産するか、などを計画できますが、個々の設備・機械・工具・人の活用・日程・分・秒単位までの時間指定はできないことが多いでしょう。
一方、生産スケジューラは、分・秒単位で工程管理を行うので、作業時間を細かく管理できます。そのため、生産管理システムは生産に関わるすべての管理を行う管理者向けのシステムで、生産スケジューラはより細かな管理が行える現場向けのシステムといえるでしょう。
生産スケジューラの必要性
従来、細かな工程管理は手作業で実施されていました。しかし近年では、多品種少量生産が増え、生産計画がとても複雑になったことで、計画の変更も重なると手作業では対応が困難になってきました。
また、競争が激しくなり、可能な限り低コストで生産しなければならない時代になりました。工場におけるコスト削減は、在庫圧縮が有効です。生産工程にある原料も部品も仕掛品も在庫になります。短納期で生産し、生産直後に出荷するなどして、余剰在庫を極力圧縮しなければなりません。
これらを背景に開発されたのが、生産スケジューラです。生産管理システムの一部として利用されるのが一般的で、APS(Advanced Planning and Scheduling)と呼ばれることもあります。
生産スケジューラはエクセルで代用可能?
結論からいえば、エクセルで代用するのは難しいでしょう。生産スケジューラの導入がおすすめです。
生産スケジュールは、1本の工程バーで表現できるような単純なものではありません。複数の作業が同時進行する中で、可能な限り工程を圧縮させながら、設備や機械の作業、人の作業も別々にスケジュール化します。これを可視化するのがガントチャートです。
ガントチャートとは、横軸を時間軸、縦軸に個々の作業を並べ、作業の開始日時と終了日時を横棒(バー)で表現した図表です。変更要請に応じて、素早くリスケジュールも可能です。スケジュール作成が短時間で効率的に行えるうえ、変更にもタイムリーに対応できます。
ガントチャートはエクセルでも作成できますが、変更があるたびに修正を行い、最新版を常に共有しなければならないので手間がかかります。生産スケジューラを活用すれば、ガントチャートが自動で作成されるので、簡単な共有が可能です。シートへの入力や管理の手間がないほか、需要予測や作業見込みを含めた生産計画の立案が可能な点から、エクセルより運用しやすく導入効果も高いでしょう。
生産スケジューラのメリット
ここからは生産スケジューラのメリットを詳しく紹介します。
情報の可視化により、生産の最適化が可能
生産スケジューラを導入すると、以下のようなことが可視化されます。
- ・製造リードタイムはどれくらいか
- ・各オーダーがいつどの工程を完了するか
- ・ボトルネックとなっている工程はどれか
- ・在庫やリソースは適正か
このように、現状や未来までも可視化されると、「納期遅れの心配はないか」「いつ、どれくらいの量のリソースを手配すべきか」などを判断できるので、リードタイムの短縮や余剰在庫の圧縮が可能です。資材・仕掛品・製品の余剰在庫を圧縮すれば、キャッシュフローの改善にもつながるでしょう。なお、生産スケジューラの中には、シミュレーション機能を搭載し、今後起こりうる問題の提起や対策法の立案、意思決定をサポートするものもあるので、資料請求して製品を比較してみてください。
スケジューリングの属人化を解消し、高速化が可能
A工程が終わってからでないとB工程を進められないなど、操業上の制約があるので、それを考慮しながら生産スケジュールを立てなければなりません。加えて納期や設備の負荷調整なども行う必要があります。現場に判断が委ねられるケースも多く、スケジューリングは属人化しているでしょう。
そこに、生産スケジューラを導入すれば、理論的かつ効率的な生産スケジュールを高速で組めます。急な変更があってもすぐに対応でき、納期遅れをおそれて必要以上にバッファを設ける、といったこともなくなります。また、スケジュール作成をシステム化することで、現場に閉ざされていたノウハウの継承も容易になるでしょう。
生産スケジューラの導入方法
生産スケジューラの導入にあたっては、まず工場の現状や導入目的を整理し、プロジェクトを立ち上げましょう。導入しただけではリードタイムの短縮や余剰在庫の圧縮はできません。生産スケジューラで得た情報をもとに改善する必要があるので、関係者が主体的に運用していかなければなりません。プロジェクトメンバーの役割や権限を明確化し、どのように運用していくかを決定しましょう。
そのうえで、生産スケジューラの要件を洗い出し、現場に合う最適な製品を選定します。無料トライアルの期間があれば積極的に活用するのがおすすめです。
導入する製品が決まれば、生産スケジューラを運用するために必要なデータの整備や運用ルールの作成などを行います。必要なデータは、工場の稼動データや製造方法のデータ、オーダーや進捗状況、操業制約のデータなどです。実際に運用しはじめたら、定期的なデータのメンテナンスやシステムのバージョンアップを忘れずに実施しましょう。
さらなる生産効率化へ生産スケジューラの導入を
生産現場のシステム化は進化を続けています。さらなる生産効率化へ向けて、管理ツールを見直してみませんか。ITトレンドでは生産スケジューラのほかにも、生産管理システムのような業務の効率化につながるIT製品を比較して紹介しています。ご興味のある方はぜひご覧ください。