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- ■データの管理単位別
- 製番単位で管理する(個別受注生産向け):TECHS-S NOA、FUSE、EXPLANNER/J、生産革新 Wun-jin、R-PiCS V4、GEN、rBOM
- ロット単位で管理する(繰り返し生産向け):生産・販売統合システム effit A、生産革新 Ryu-jin、MESTEN、生産革新 Blendjin、EXPLANNER/J、R-PiCS V4
- ■データベースの運用形態別
生産管理システムでデータベースが担う役割
生産管理システムの機能は、すべてデータベースに蓄えた情報を読み書きすることで動いています。ここでは、データベースが生産管理業務のなかでどのような役割を持つのか、Excelでの管理と比べながら確認します。
計画と実績を同じデータでつなぐ
生産管理システムのデータベースの役割は、計画と実績を同じ品目や工程の情報にひもづけて記録することです。例えば「製品Aを100個つくる」という計画は、製品Aの部品構成や工程の情報と結びついて保存されます。
現場で入力した完成数や作業時間も、同じ製品Aの工程に対して記録されます。そのため、計画に対する進み具合や、実際にかかった時間との差を自動で集計できます。部門ごとに別々の表で管理していると、計画と実績の照合に手作業が必要です。
整合性を保ったまま複数人で共有する
Excelとの大きな違いは、データの整合性を保つ仕組みと、複数人での同時利用に対応している点です。Excelでは同じ部品の情報が複数のファイルに分かれ、片方だけ更新されて内容が食い違うケースがあります。
データベースでは、部品の情報を1か所に登録し、ほかの表はその番号を参照する形で管理します。部品の仕様を変えれば、参照している計画や手配にも反映されます。また、入力の権限や変更履歴を管理できる製品もあり、誰がいつ数値を変えたかを追跡できます。
生産管理のデータベースを構成する主なマスタ
マスタとは、日々の取引や作業の前提となる基準情報のことです。生産管理システムでは、何をつくるか、何から構成されるか、どうつくるかを表す3種類のマスタが中心です。それぞれの役割と主な項目を見ていきましょう。
| マスタ | 主な登録内容 |
|---|---|
| 品目マスタ | 品目コード、名称、単位、調達区分、リードタイム、標準単価 |
| BOM(部品構成表) | 親品目と子品目の組み合わせ、使用数量、階層 |
| 工程マスタ | 工程の順序、作業区(設備や班)、標準作業時間、段取り時間 |
品目マスタ
品目マスタは、製品や中間品、部品、原材料を1品目ずつ登録する台帳です。品目コードと名称に加え、単位や「社内で作るか、外部から買うか」を示す調達区分、手配から入手までにかかるリードタイムを持たせます。
リードタイムや最小発注単位は、後の所要量計算で発注の時期と数量を決める根拠として使われます。そのため、登録時の値が実態とずれていると、計画全体の精度に影響します。品目コードの付け方を最初に決めておくことも重要です。
BOM(部品構成表)
BOM(Bill of Materials)は、製品がどの部品や材料から、どれだけの数量で構成されるかを示すデータです。データベース上では「親品目」と「子品目」、使用数量を1行ずつ持ち、これを積み重ねて多階層の構成を表します。
例えば、製品の下にユニット、ユニットの下に部品という階層をたどることで、製品1個に必要な部品の総数を計算できます。設計部門が使う設計BOMと、製造の手順にあわせた製造BOMを分けて管理する場合もあります。
工程マスタ
工程マスタは、品目をどの順番で、どの作業区で加工するかを登録するデータです。作業区とは、設備や作業班など作業を行う単位を指します。工程ごとに標準作業時間や段取り時間も登録します。
この情報をもとに、システムは各工程の着手日と完了日を割り出し、作業区ごとの負荷を計算します。標準時間を実績と比べれば、原価の差異や改善の余地も見えてきます。品目ごとに工程の流れを定めたデータは、工程表や作業手順と呼ばれることもあります。
製番・ロットで変わるトランザクションデータ
トランザクションデータとは、受注や製造指示、作業実績のように、業務のたびに発生する記録です。生産管理システムでは、これらを製番とロットのどちらの単位で束ねるかによって、データの持ち方が変わります。
製造指示と作業実績のデータ
生産管理システムのトランザクションデータの中心は、製造指示と作業実績です。製造指示には、つくる品目や数量、着手日、完了予定日、使用する工程が記録されます。
作業実績には、工程ごとの完成数や不良数、作業時間、作業者、使用した材料が記録されます。これらを製造指示の番号でつなぐことで、指示に対して何がどこまで進んだかを追えます。入出庫や発注、検収の記録も同じ番号で関連づければ、原価の集計にも活用できる構造です。
製番管理でのデータの持ち方
製番管理とは、受注ごとに製造番号を割り当て、手配や作業、原価をその番号単位で管理する方式です。個別受注生産や受注設計生産で使われることがあります。
データベース上では、発注や製造指示、実績のそれぞれに製番を持たせます。これにより「この注文のために買った部品」「この注文にかかった工数」を個別に集計でき、案件ごとの採算を確認できます。一方で、同じ部品を複数の注文で融通する運用は、製番の付け替え操作が必要な場合があります。
ロット管理とトレーサビリティ
ロット管理とは、同じ条件でまとめて製造・入荷した単位にロット番号を付けて管理する方式です。繰り返し生産や見込生産で、品質の追跡に使われることがあります。
データベースには「どの材料ロットを使って、どの製品ロットができたか」という対応関係を記録します。この記録があると、不具合が見つかった際に、原因となる材料や同じ材料を使った製品を特定できます。こうした追跡をトレーサビリティといい、記録の粒度を事前に決めておくことが重要です。
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生産管理システムのデータベースの運用形態
生産管理システムのデータは、表形式で管理するリレーショナルデータベースに保存する構成がよく見られます。導入時に考えたいのは、そのデータベースを誰がどこで運用するかです。クラウド型とオンプレミス型で、自社が担う範囲が異なります。
クラウド型で提供会社に運用を任せる
クラウド型では、データベースは提供会社のサーバ上にあり、バックアップやサーバの更新は基本的に提供会社が担います。自社でデータベースの管理者を置く負担を抑えられます。
一方で、データベースに直接アクセスして独自の集計をすることは、制限されている場合があります。データを取り出す方法としてCSV出力やAPI連携があるか、契約終了時にどの形式でデータを受け取れるかを確認しておきましょう。APIとは、システム同士がデータをやり取りする窓口です。
オンプレミス型で自社サーバに置く
オンプレミス型では、自社のサーバにデータベースを置いて運用します。社内の他システムとデータベース同士で連携させたり、独自の帳票や分析を加えたりする自由度を確保できる点が特徴です。
その代わり、バックアップや障害時の復旧、データベースソフトのバージョン更新は自社で計画する必要があります。製品が対応しているデータベースの種類やライセンス費用の扱いも、提供会社に確認しましょう。運用を外部の保守会社へ依頼する方法もあります。
Accessで生産管理データベースを自作する際の注意点
小規模な工場では、AccessやExcelで生産管理のデータベースを自作する方法もあります。品目や受注の台帳として使う分には有効ですが、BOMの展開や所要量計算まで広げる場合は、作り込みと保守の負担が大きくなります。
自作で対応しやすい範囲
Accessで自作しやすいのは、品目や取引先の台帳、受注や出荷の記録、作業日報の集計といった、表の登録と検索が中心の業務です。Accessはデータベースの設計と入力画面、帳票を1つのソフトで作れるため、少人数の工場で試しやすい方法です。
ただし、Accessのデータベースファイルには1ファイルあたり2GBの容量上限があります。実績データを長期間ためる場合は、年度ごとに分ける、別のデータベースへ移すなどの対策をあらかじめ考えておきましょう。
BOM展開と所要量計算の難しさ
自作で難しくなりやすいのは、多階層のBOMを展開して部品の必要数を出す処理と、MRP(資材所要量計画)です。MRPは、生産計画とBOM、在庫、発注残から、何をいつどれだけ手配するかを計算する仕組みです。
階層の深さや共通部品の扱い、リードタイムの逆算まで正しく組むには、設計とテストに相応の工数がかかります。計算の誤りは欠品や過剰手配につながるため、この部分は生産管理システムの標準機能を使うほうが現実的な場合があります。
同時利用と属人化への備え
Accessは複数人で同時に使う構成もとれますが、利用者が増えると動作が遅くなったり、ファイルが破損したりするケースがあります。現場の端末から一斉に実績を入力する運用には、構成の工夫が必要です。
また、作った担当者しか仕組みを理解していない状態は避けましょう。テーブルの定義書や計算ロジックの説明を残し、複数人で保守できる体制を整えることが大切です。運用が広がった段階で、生産管理システムへの移行を検討するのも一つの方法です。
データの持ち方で比べる生産管理システム一覧
この記事で紹介する生産管理システムを、製番・ロットといったデータの管理単位や、データベースの運用形態の観点で一覧にまとめました。気になる製品の特徴を比べる際に活用してください。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| 生産・販売統合システム effit A | ロット別などの在庫管理に対応。蓄積データをCSV形式で出力できる |
| 生産革新 Ryu-jin | 繰返・量産加工向け。品目ごとにまとめて計画し、ロットトレースに対応 |
| TECHS-S NOA | 個別受注型の機械・装置製造業向け。部品マスタの事前登録なしで運用できる |
| FutureStage販売・生産管理 | 販売・生産・購買・在庫・原価などの業務をカバーするクラウド型システム |
| MESTEN | プロセスBOMを活用し、製造工程から在庫・出荷までを追跡。品目別の実績データを原価計算に活用 |
| FUSE | 個別受注生産向け。受注から原価までを製番単位で一元管理できる |
| 生産革新 Blendjin | 配合型の製造業向け。製品と原料の双方向でロットトレースができる |
| EXPLANNER/J | 製番管理とMRP手配に対応。データベースや設計仕様が公開され、独自機能の追加が可能 |
| 生産革新 Wun-jin | 受注明細ごとに製番を付与して管理。品目マスター登録なしで使えるクラウド型 |
| R-PiCS V4 | 製番管理・ロット管理・グロス数量管理から管理方法を選べる |
| GEN | MRPと製番管理を両立して運用できるサブスク型の生産管理クラウド |
| Factory-ONE 電脳工場シリーズ | MRP版・製番管理版などから選べる。オンプレミス・クラウド両対応 |
| rBOM | 部品表を軸に、設計・生産・購買など部門間の情報を一元管理できる |
製番・ロットのデータ管理に対応した生産管理システム
ここでは、製番やロットの単位でデータを記録できる製品や、データベースの運用形態を選べる製品を紹介します。自社の生産方式とトレーサビリティの要件にあわせて比較してください。
生産・販売統合システム effit A
- 現場目線での使い勝手にこだわり、多様な業種・業態に対応
- 在庫情報のリアルタイム処理や即時MRPで最新情報を共有
- オンプレミス型とクラウド型(SaaS型)の2パターンで導入可能
株式会社ミキ情報システムが提供する「生産・販売統合システム effit A」は、繰り返し生産や個別受注生産、その混在型に対応する生産・販売統合システムです。倉庫別・ロット別・棚別など運用にあわせた単位で在庫を管理でき、出荷した製品の製造プロセスや使用材料も追跡できます。蓄積したデータはCSV形式でダウンロード可能です。オンプレミス型とクラウド型から選べます。
生産革新 Ryu-jin
- 工程別の在庫や負荷を考慮した最適な生産計画の立案が可能
- 製品・仕掛品・原材料在庫を削減し納期遵守率アップ
- ロットトレースによる品質向上や得意先との信頼を強化
株式会社大塚商会が提供する「生産革新 Ryu-jin」は、自動車・電気部品や金属・樹脂・食品などを量産加工する製造業向けの生産管理システムです。受注ごとに製番でひもづける方式ではなく、別々の受注や内示でも同じ品目ごとにまとめて計画・指示を行います。ロットトレースにより、製品に使われた原材料をいつ、どこから購入・生産したかを把握できます。提供形態はオンプレミスとパッケージソフトです。
TECHS-S NOA
- アクティブユーザ10万人超! 導入社数4,500社超の実績あり
- 仕掛原価と完成時予測原価をリアルタイムに管理!
- 導入から稼動まで各専門スタッフが全面サポート!
株式会社テクノアが提供する「TECHS-S NOA」は、個別受注型の機械・装置製造業向けに開発された、中小・中堅企業のための生産管理システムです。部品マスタを事前に登録しなくても運用でき、CADやExcelの部品表データを取り込めます。製番別の原価グラフで、仕掛中の原価と完成時の予測原価をリアルタイムに確認できます。提供形態はオンプレミスとクラウドに対応しています。
FutureStage販売・生産管理
- ノーコード・ローコード開発で柔軟な拡張
- シリーズ累計約40年間・4500システムの導入実績とノウハウを搭載
- セキュリティ強化&インフラ運用省力化を実現するクラウド基盤
株式会社日立システムズが提供する「FutureStage販売・生産管理」は、販売・生産・購買・在庫・原価・債権債務などの基幹業務機能を備えたクラウド型のシステムです。部品表や工程の登録、MRP、製造指示、製造実績登録に対応し、ロットトレース表などの管理帳票も用意されています。利用規模や必要な機能にあわせた構成を検討でき、ノーコード・ローコード開発で機能を拡張できます。
MESTEN
- スマートデバイスの活用でリアルタイムな実績収集が実現!
- 品目別の実績データをデータベース化し、原価計算の精度向上
- 生産・在庫・出荷を把握する一貫したトレーサビリティを確保
JFEシステムズ株式会社が提供する「MESTEN」は、製造工程の進捗や在庫状況をリアルタイムに把握できる生産管理ソリューションです。製品別に製造工程を設定するプロセスBOMを活用し、製造から在庫、出荷までのトレーサビリティを確保できます。品目別の実績データをデータベース化し、原価計算に活用することも可能です。提供形態はオンプレミスとクラウドに対応しています。
FUSE
- 現場の業務に合うかを導入前に確認してから導入できる
- 必要な部品は図面完成前でも先行して手配できる
- 製番単位で進捗と原価をリアルタイムに把握できる
株式会社日本コンピュータ開発が提供する「FUSE」は、個別受注生産を行う中小製造業向けのセミオーダー型生産管理システムです。受注・購買・在庫・生産・原価管理を一元化し、製番単位で進捗や原価をリアルタイムに把握できます。図面の完成前でも確定した部品から先行して手配できる点も特徴です。提供形態はオンプレミス、クラウド、SaaSから選べます。
生産革新 Blendjin
- 配合表やレシピを基に製品を製造している業種・業態向け生産管理
- 多段階配合や複雑な配合パターンに柔軟に対応
- ロットトレース機能・有効期限設定により品質管理を強化
株式会社大塚商会が提供する「生産革新 Blendjin」は、化学製品・食品・香料・化粧品・薬品などを配合する製造業向けの生産管理システムです。配合表やレシピをもとに、材料の手配や製造指示、在庫管理を行えます。「製品から原料」「原料から製品」の双方向でロットトレースができ、ロットNoごとの有効期限も管理可能です。提供形態はオンプレミスとパッケージソフトです。
EXPLANNER/J
- 受注から出荷・生産管理、原価管理までをフルサポート!
- 見込み生産から個別受注生産まで複数の生産形態に対応!
- 「開発フレームワーク」の構造により変化に強いシステムを提供!
NECネクサソリューションズ株式会社が提供する「EXPLANNER/J」は、加工・組立製造業向けの生産管理システムです。個別受注生産に適した製番管理と、見込み生産に適したMRP手配の両方に対応し、品目・場所・ロット別の在庫管理も行えます。パッケージのデータベースや設計仕様、ソースプログラムを公開しており、開発フレームワークを使って独自の機能を組み込めます。提供形態はオンプレミス、クラウド、パッケージソフトです。
生産革新 Wun-jin
- 初期費用を抑えてすぐに始められるクラウド型の生産管理システム
- 販売管理をベースにした製販一体型のオールインワンパッケージ
- 注文書や製造指図書の発行を効率化し、実績の登録も簡単
株式会社大塚商会が提供する「生産革新 Wun-jin」は、製番単位でデータを管理する、多品種小ロット加工業向けのクラウド型生産販売管理システムです。受注明細の単位で製番を付与し、製番ごとに工程や材料・部品の手配、製造指図書の発行、実績の登録を管理します。事前に品目マスターを登録しない「マスターレス運用」に対応しており、マスタ整備の負担を抑えて使い始めたい企業に向いています。
R-PiCS V4 (JBCC株式会社)
- 工業系の製造企業を中心に導入実績多数
- 生産管理から販売管理までカバーする標準機能
- 手厚い支援によるシステム導入
GEN (GEN株式会社)
- サブスク型のパッケージにも関わらず豊富な機能と幅広い拡張性!
- MRPと製番管理を両立した運用が可能
- 万全のセキュリティーかつ導入から運用までを手厚くサポート
Factory-ONE 電脳工場シリーズ (株式会社エクス)
- 製造業に必要な機能を網羅!標準機能でそのまま運用できる!
- 月額利用料金制!最小ライセンスからスモールスタート可能!
- 生産管理とEDIが一体化!あらゆるデータをシームレスに連携!
rBOM (DAIKO XTECH株式会社)
- 受注から出荷までのすべての情報を見える化しリードタイム短縮!
- 受注生産における全工程をカバー!他システム不要でコスト削減!
- 「ナレッジデータベース」でベテラン社員の技術継承を実現!
まとめ
生産管理システムのデータベースは、品目マスタやBOM、工程マスタといった基準情報と、製造指示や作業実績の記録を関連づけて保存しています。製番とロットのどちらでデータを束ねるかは、生産方式やトレーサビリティの要件で決まります。Accessでの自作は台帳の範囲なら有効ですが、所要量計算まで担うなら生産管理システムの導入も検討しましょう。データの管理単位や運用形態にあう製品を、資料請求で比較してみてください。

