
大規模プロジェクト管理の特徴
プロジェクトが大規模な場合の管理面の特徴を解説していきます。
意思疎通が困難である
大規模プロジェクト管理は、意思疎通が困難という特徴があります。
プロジェクトによっては外部と協働で行うケースも多いでしょう。そのような場合、コミュニケーションが取りづらいだけでなく、時間的ロスも生じてしまいがち。メールを送付して返信に数日を要することも多く、その度に業務もストップします。
また、さまざまな部署がプロジェクトに参加する場合は数多くの会議が毎週開催されます。各部署間で認識のズレが発生することも多いでしょう。さらにプロジェクトを管理する側は会議の準備などに追われ、どこで何が起きているのか把握するのが困難です。
スペシャリストが必須となる
プロジェクトが大規模になるとスペシャリストが必要となってくるでしょう。大規模プロジェクトでは3~5年と期間が長く、またプロジェクトに係る費用も膨大です。
そして構成要員や複雑な要素も多いため、プロジェクトの管理が難しくなります。そこで知識だけではなく、業務全般に精通した能力やスキルを備えたプロジェクトマネージャーがプロジェクトには必須です。
プロジェクトマネージャーは全体を管理するだけでなく、メンバーのサポートも行います。大規模プロジェクトの成功は、マネージャーを支えるサポート体制づくりも成功要素の1つでしょう。
標準化が重要になる
大規模プロジェクト管理ではさまざまな部署や組織のメンバーがチームとして参加するため、業務内容の標準化が重要です。
プロジェクトが大規模になると、複数のチームを編成することが多いでしょう。品質の測定を行うにはチームリーダーから必要な情報を吸い上げるような構造を作り、標準化を図る必要があります。
また、多様なメンバーが集まり一定の品質の作業を行うには、最低限の標準化を図る必要があるでしょう。そのためにも関係調整のマネジメントが大切になってきます。
大規模プロジェクトの管理方法
大規模プロジェクトの管理方法を解説します。
PMが進捗・品質管理
PM(プロジェクトマネージャー)が大規模プロジェクトの進捗状況や製品の品質管理を行います。
大規模プロジェクトは期間が長く先行きが不透明なため、適切にプロジェクトを管理するPMの存在が必要です。専門性の高い知識があり、またメンバーをマネジメントするスキルが求められます。
PMは進捗状況を把握し標準化された方法で品質管理を行います。さらに、問題があればメンバーと共に解決を図り、必要があればメンバーを指導。また顧客とミーティングを重ね、信頼関係を築くのもPMの役割です。
PMOが業務を円滑化
大規模プロジェクト管理にはPMOによる業務円滑化のサポートが不可欠でしょう。PMOとは、プロジェクトマネジメントを標準化し、人材育成を目的とする常設部署のサポートのことです。
プロジェクトが円滑に進むにはPMOによるPMのサポートが重要です。PMOのサポートによりPMはプロジェクト全体の把握や課題解決に注力できるようになります。また、PMOは高い知識をもつメンバーで構成されるため、PMに代わり交渉や説明を行うことも。
PMOにより、スムーズなプロジェクト運営が可能です。
大規模プロジェクト管理のコツ
大規模プロジェクト管理を円滑に進めるコツを解説します。
プロジェクトの中間で進捗状況を管理する
大規模プロジェクト遂行のため、プロジェクトの中間で進捗状況を管理しましょう。プロジェクト成功には、複数の工程でタスクどおりに作業が完了しているか評価することが大切です。
プロジェクト中間でのタスク管理は、結果的にOCD(品質・費用・納期)を維持した製品の完成につながります。評価にはKPIと呼ばれる重要業績評価指標を活用し、数値と期間を設定します。この評価は中間目標のような位置といえるでしょう。
PMBOKに基づいて管理を標準化する
大規模プロジェクトではPMBOKに基づき管理内容を標準化しましょう。
PMBOKは米国発祥のプロジェクト管理基準で、プロジェクト管理のノウハウを体系的にまとめたものです。QCDの成功を目標にPMBOKは5つのプロセスを標準化。それを基にプロジェクトを計画し実行に移します。プロセスは以下のとおりです。
- 【立ち上げ】
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- ■プロジェクトの目的・予算・成果を定義
- ■プロジェクト憲章の作成
- ■ステークホルダー(利害関係者)の特定を実施
- 【計画】
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- ■プロジェクトの目的を達成するための作業立案や計画を作成
- 【実行】
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- ■立案に基づき人員や資源の調整を行い、計画を実行する
- 【監視・コントロール】
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- ■プロジェクト実行中、継続的に計画との差異をチェックする
- 【終結】
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- ■プロジェクトの終了
- ■プロジェクトの実行中に獲得した情報や経験を保管する
大規模プロジェクトにはシステムの導入検討を!
大規模プロジェクトは意思疎通が難しく、また、スペシャリストが必要です。円滑なプロジェクト運営は意思の疎通や業務の標準化が大切。またPMには、知識やスキルの豊富なスペシャリストを選び、PMをサポートするPMOが不可欠です。
プロジェクト管理システムはPMやPMOの業務をサポートし、管理の効率化が可能です。大規模プロジェクトを進める際、プロジェクト管理システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
