
物流業界が抱える課題
まずは、物流業界が抱える課題を見ていきましょう。
高齢化による人手不足
倉庫業界では慢性的な人手不足が深刻化しています。帝国データバンクが2019年に行った調査によると、運輸・倉庫業種における6割の企業で正社員が不足しています。
特に倉庫業界の場合は、従業員の高年齢化も進んでおり、人手不足が進行している大きな原因です。国土交通省が2009年に行った調査によると、2001年時点で20代以下の若年層の割合は28%であり、2030年には15%まで減少すると見込まれています。
同時に、50代以上の従業員の割合は25%であるのに対し、2030年には35%まで増加すると見込まれています。若年層の従業員を確保することが求められていますが、少子高齢化が進んでいるため難しいでしょう。
そこで業務の効率化を図り、1人あたりの生産性を高めていかなければなりません。
参照:人手不足に対する企業の動向調査(2019年4月)|帝国データバンク
物流施設における労働力調査調査報告書|国土交通省
ネットショップ増加による激務化
近年ではネットショップの増加により、物流業・倉庫業の業務が激化しており、さまざまな問題を起こしています。特に荷物を一度で届けられず再配達率が高くなっていることも業務が激化している大きな原因です。
倉庫側ではトラックに荷物を積み込む回数が増えて業務負担が大きくなっています。人手不足であるにも関わらず業務量が多いため、1人当たりの業務時間が長くなっている傾向があります。実際に作業が夜中まで続くことも少なくありません。
倉庫・物流業界は仕事が激務であるということが世間にも浸透しています。そのため、誰もやりたがらない仕事になりつつあり、人手不足が悪化しています。
倉庫業務における人手不足を解消する対策
つづいて、倉庫業務における人手不足への対策を見ていきましょう。
女性・高齢者・外国人の登用
人手不足を解消する1つの方向性としては、今まで採用していなかった人材を登用するというものがあります。倉庫業は重い荷物を扱う肉体労働であるため、今まで女性や高齢者の方は難しいとされていました。
しかし、業務内容の細分化や、労働時間のルール設定を変更して働ける環境を構築するのも1つの手段です。また、日本で働く意欲が高い外国人労働者を積極的に採用することで、人手不足を解消できます。
そのためにも、自社の雇用制度を見直し働ける環境の幅を広げると良いでしょう。
倉庫管理システムの活用
倉庫管理システムとは、倉庫内に保管している物品の情報を一元管理するシステムです。システム化し倉庫内を整理整頓することで、入庫や出庫などの移動距離を短縮でき省人化を図れます。
保管している物品の情報を適切に管理することで、ロスを抑えて業務の無駄を削減できるでしょう。
倉庫内作業は従来、作業員個人のスキルや経験によって生産性が大きく異なります。そこでシステム化し業務を標準化すれば、経験が浅い新人でも安定して業務を行えます。パート・アルバイトの作業品質が向上するため、人手不足の解消が可能です。
倉庫業務における人手不足の解消事例
最後に、倉庫業務における人手不足の解消事例を見ていきましょう。
事例1:RFIDを導入し、業務効率を大幅に改善
アパレル業界の大手企業は、生産段階からRFIDタグを商品に付け、作ってから売るまでを一元管理しています。全国に店舗や倉庫が複数ある場合でも、全体の数をリアルタイムで把握することが可能です。
その情報を元に出荷・検品・保管・ピッキング・出庫といった一連の流れを自動化するシステムを導入することで、大幅な省人化を実現しました。このような取り組みで、当該企業は作業員を1/10にまで削減することに成功しています。
事例2:無人搬送ロボットを導入し、作業員の労力を削減
通常の倉庫業務は作業員が行いますが、大型の倉庫を持つ企業では無人搬送ロボットを導入しているケースも増えています。
大型の倉庫であれば、作業員が1日に10km以上移動することもあります。高度なシステム化を導入し、無駄がない商品の保管を実現することで、人が行っていた作業をロボットが代替します。
作業員の労力を大幅に削減できるだけでなく、ロボットを使えば危険な作業も安心できるでしょう。
倉庫業務における人手不足を解消し、業務効率を上げよう!
倉庫業界では慢性的な人手不足が深刻化しています。特に従業員の高齢化や、ネットショップの増加により、業務が激化しています。
人手不足を解消する方法は大きく分けて2つです。1つめは、女性や高齢者、外国人など採用する人材の幅を広げること、2つめは倉庫管理システムを活用して省人化を図ることです。
倉庫業務の効率を高めて人手不足を解消してください。
