
CRMの歴史
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1990年代から情報化社会へのシフトに伴って生まれたCRMは、ITと組み合わせて、独自のシステムとして発展してきました。さらにITの爆発的な発展に伴い、CRMも日々進化を続けています。
1990年代前半:CRMのはじまり
歴史を振り返ると、お客様を管理するという考え方は大昔からあり、たとえば江戸時代の大福帳は、日々の売買の勘定を記入した帳簿の一種でした。お客様あっての商いですから、取引明細を残し、お得意様を丁寧に扱ってきました。
コンピュータ上でCRMができるシステムが作られるようになったのは、1990年代からです。背景としては以下の2つがありました。
- ・情報武装化の流れ
- ・バブル経済の崩壊
まず1つ目が時代の潮流となっていた情報武装化です。既存の汎用コンピュータやオフコンで構築していた会計システムや販売管理システムから、お客様に関するデータだけをダウンロードして、営業活動に活用しようとしました。
お客様の購買履歴や嗜好を分析して、キャンペーンを展開したり、提案する商品を決定したりしていたのです。当時、ダウンサイジングやオープン化も重要なキーワードとなっており、これら技術を統合して情報活用が可能となりました。
もう1つはバブル経済の崩壊です。それまで拡大してきた国内市場が一気に冷え込み、日本は先の見えないトンネルに入ってしまいました。そのような中で生き残るためには、既存顧客を大切にすることが重要で、顧客情報の活用が求められたのです。限られたパイを奪い合うためには、競争力の強化が不可欠でした。
1990年代後半:マーケティング手法CRMの登場
これら顧客情報活用の考え方に徹底的な影響を与え、CRMの概念を確立したのが、アンダーセン・コンサルティング(現在のアクセンチュア)による「CRM−顧客はそこにいる」という書籍です。
1998年にコールセンターやインターネットなどの新しいチャネルをベースに、ITを活用してお客様との関係を築き上げていく考え方を提唱しました。これまでのマス・マーケティングに代わり、One to Oneの顧客対応が重要性を増した時期に当たります。
そして、この顧客対応の中核となるのが顧客データベースです。お客様の属性(性別、年齢、住所、電話番号など)購買履歴、問い合わせやクレームの内容などを確認して、そのお客様に合った商品を紹介したり、問い合わせにスピーディーに対応できるようになります。お客様に応じたきめ細かい対応を行うことで、満足度の向上を目指します。
この考え方が日本で紹介され、CRMがブームとなりました。多彩なCRMパッケージが開発され、大企業を中心に多くの企業がCRMを導入するようになりました。
2000年代:個別システムからSFAとの統合システムへ
2000年代後半からのIT技術の進歩によって起きた変化が、CRMの統合システム化です。CRMと同じような発展をしてきたものに、SFAがあります。「Sales Force Automation」の略で、営業支援システムと訳されています。販売活動をITで支援するシステムです。
これまではCRMもSFAも個別のシステムとして機能してきましたが、この時期以降、CRMとSFAが連携し、営業から顧客管理までを一元管理する逆にSFAを備えたCRMツールが登場しました。
2010年代後半:最先端技術を取り込んだCRMへ
これまでも、CRMシステムは顧客データを集め、そのデータを分析することで購買行動の傾向を掴んできました。
しかし、近年ではAIを活用し、購買行動やその他のデータから顧客視点を獲得し、その視点を用いて顧客の行動を予測することも可能になってきました。これにより顧客一人ひとりに適したサービス、プロモーションをより展開しやすくなりました。
また、モバイル端末での利用もできるCRMシステムも登場しており、いつでも、どこでも顧客とのつながりを持てる環境が実現できるようになりました。
進化したCRMを活用して顧客との関係性を高めよう!
CRMは時代に合わせ、ここ30年で大きく進化してきました。現代はモノにあふれ、品質だけでは差別化するのが難しくなってきたため、顧客との関係性の維持が大きな課題となっています。
進化したCRMシステムを利用することで顧客との関係性を最大限に高め、自社の売上につなげることが重要になってきます。実際にCRM/SFAの導入を検討し、ライバルに差をつけていきましょう。
以下の記事ではCRMシステムについて詳しく比較しています。
