CRM導入前の課題
企業にとって、CRM導入前に企業が持っている一般的な課題としては、以下のようなものがあります。
1.顧客との関係が構築できない
現代は市場が飽和状態にあり、企業は、製品・サービスの品質や価格だけではライバルとの競争で優位に立ちにくい状況です。そのため、品質や価格以外で勝負する必要が出てきています。その解決策の1つとして有効なのが顧客との関係構築ですが、その方法が分からないという企業も少なくありません。
2.顧客離れが防げない
今は製品やサービスが市場にあふれており、顧客がインターネットで簡単に競合他社の製品やサービスの価格を比較できます。このような市場環境では、顧客は自分が求める製品やサービスが他にあれば購入先を容易に変更してしまう可能性が高くなります。つまり、顧客離れが起きやすい状況にあるといえるのです。そのため、いかに顧客離れを防ぐかが課題となっています。
3.顧客のニーズがとらえられず、客単価が上がらない
多種多様な製品やサービスがある市場では、顧客のニーズも多様化し変化しやすいといえます。そして、そうした顧客を捕まえるためには、そのニーズを的確に把握する方法が必要です。そのためには、顧客情報を収集して蓄積・活用し、顧客との関係性を強化することが重要ですが、そのために十分な取り組みができていないと感じている企業もあるようです。
このようにCRMがないと顧客との関係を可視化することが難しく、これらの課題を解決することができません。しかし、CRMを導入することで関係性を「見える化」し課題を解決すると共にビジネスを成功に導く可能性をグッとあげます。次にCRM導入のメリットについてみていきましょう。
CRM導入による3つのメリット
上記のような課題は、CRMを導入することで解決することができます。以下で、CRMを導入することによって得られるメリットを解説していきましょう。
1.顧客情報を可視化し一元管理ができる
CRMを導入することで、顧客の情報が詳細まで可視化され確認できるようになります。そして、担当者ごとに分散していた顧客情報を集約して一元管理、社内で共有化できます。
例えば、企業間の取引では、顧客の会社名や所属部門、担当者名といった属性情報だけではなく、商材の購入目的や購入履歴、ニーズや嗜好性、さらには次期購入の見込みやタイミング、予算まで記録し、顧客リストとして共有できます。こうした属性は営業や販売をする上で、顧客との接点として活用できます。
2.顧客ニーズを予測し、戦略的な営業活動ができる
これまでの顧客の購買傾向を分析すれば、それぞれの顧客ニーズにマッチした最適な製品やサービスを提供するなど高度な営業戦略を遂行できます。また、ある商材を購入した顧客が次にどのような製品やサービスを購入するのかという予測をたてやすくなり、顧客に対し、次に購入する可能性が高い商材を提案できます。
3.顧客との関係性強化、戦略的な営業活動が可能に
顧客のニーズ・ウォンツを満たしていくと、関係は良好になり、“優良顧客”となる見込みが高まるといったメリットを受けられるでしょう。
優良顧客を増やすことができれば、安定した売上を確保することにもつながります。さらに良好な関係を構築し続けていけば、リピート率が高まり、購入単価や購買金額が増えることも期待できます。
製品やサービスを気に入ったロイヤリティーの高い顧客になれば、価格比較の重要性を下げる効果も考えられます。多少価格が高くても、あの会社から購入すれば間違いないと感じて購入してもらえれば、より多くの利益確保につながります。また、優良顧客の紹介により、新規顧客を口コミで獲得できる可能性も考えられます。
このように多くのメリットがあるCRMですが、以下の記事ではさらに詳しくメリットを紹介していますので気になる方はぜひご覧ください。
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CRM導入後の課題
CRM導入前の課題と解決する手段として、CRMのメリットを紹介してきましたが、ここからはCRM導入後の課題について解説していきます。
CRMの運用率が低い
CRMを導入したものの、使い方がわからなかったり、操作が難しいために運用されないという課題が出てくる場合があります。このような課題が出てくる要因としては以下のようなものが挙げられるでしょう。
- ・CRM選定時に操作性を十分に確認しなかった
- ・業務フローや確立されていない
課題の解決策
解決策として、以下のことを行うとよいでしょう。
- ・CRM導入前に無料トライアルを利用してみる
- ・マニュアルを作成する
- ・説明会を実施する
操作性が低かったり、業務フローが複雑だと、営業担当をはじめとする社員は利用に消極的になってしまうでしょう。そのような事態を避けるためには事前にしっかりと製品選びを行い、業務フローについての説明を行うことが重要です。
以下の記事では具体的な製品についてその操作性にも触れて解説しています。
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費用対効果が測れない
CRMは効果がわかりにくいシステムでもあります。そのため、導入にかかった費用と効果が見えず、導入の成果を疑われてしまうこともあるでしょう。原因は効果を測る指標がないことにあります。
例えば、業務の成果も、「売上」「純利益」といった指標があるからこそ評価できるわけです。もしこれらの指標がなかったら業務が企業の役に立っているのかを知ることはできません。
課題の解決策
解決策としては、CRMの効果を評価する指標を設けることです。たとえば以下のような指標があるでしょう。
1顧客当たりの売上が向上していくことは、顧客との関係維持にCRMが貢献していることの一つの証拠になるでしょう。また、営業担当の残業時間が減っていたとすれば、CRMによってデータの入力、分析、資料探しといった作業がなくなり、営業担当の業務が効率化されたという根拠になります。
導入前後の課題を知って、CRMを適切に活用しよう!
「顧客の視点」に立つことで企業の収益を高めるCRMは、現在のビジネスには不可欠といえます。一方で、CRMを導入するには、企業全体が「顧客中心」の経営に変わる取り組みとCRM導入の正しい目的を、経営層、営業やマーケティングなどの部門が理解し、浸透させることが重要です。こうした環境を整えることがCRMで成功するための前提になるでしょう。