ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■電子化したい書類別
- 取引基本契約書・業務委託契約書:クラウドサイン、freeeサイン、マネーフォワード クラウド契約、電子印鑑GMOサイン、Docusign eSignature(ドキュサインの電子署名)、WAN-Sign - ワンサイン -、サインタイム、契約大臣
- 発注書・注文書・見積書:クラウドサイン、サインタイム
- 不動産の賃貸借契約:クラウドサイン、いえらぶサイン、PICKFORM
- 雇用契約書・労働契約書:クラウドサイン、freeeサイン、FAST SIGN、サインタイム、契約大臣
- ■締結後の契約書管理別
電子契約の歴史は2001年の法整備から始まった
電子契約の歴史をたどると、2000年に成立して2001年から施行された法律が出発点です。紙と押印が前提だった契約実務に、電子データでも契約の成立を証明できる仕組みが用意されました。
紙と押印が前提だった契約実務
電子契約が広まる前は、契約書を紙で2通作り、双方が押印して郵送や持参で取り交わす方法が一般的でした。押印は、本人が内容に同意したことを示す手段として、社内の稟議や取引先との慣習に深く根づいていました。
この方法では、印刷や製本、郵送の手間と時間がかかり、契約書の種類によっては収入印紙の費用も発生します。保管にも書庫などの場所が必要で、過去の契約書を探すのに時間がかかる点も課題でした。こうした手間を減らす手段として、電子データで契約を結ぶ考え方が生まれました。
2001年施行の電子署名法とIT書面一括法
2001年4月、「電子署名及び認証業務に関する法律」、通称電子署名法が施行されました。本人による一定の電子署名がある電子データは、本人の意思で作られたものと推定される、と定めた点が大きな特徴です。
同じ2001年4月には、いわゆるIT書面一括法も施行され、建設業法など書面交付を求める法律の一部で、相手方の承諾などを条件に電子的な方法での提供が認められました。これらの法律が、現在の電子契約システムの法的な土台になっています。
参考:電子署名|デジタル庁
2005年施行のe-文書法と保存の電子化
契約書を電子で結ぶには、締結後の保存も電子で行える必要があります。2005年4月には、いわゆるe-文書法が施行され、法令で保存が義務づけられた書類を、一定の要件のもとで紙ではなく電子データで保存できるようになりました。
国税関係の帳簿や書類については、1998年に施行された電子帳簿保存法がすでにあり、その後の改正で対象や要件が見直されてきました。締結と保存の両面で電子化の制度がそろったことで、電子契約の仕組みを検討できる環境が整っていったといえます。
2020年前後に電子契約システムが広まった背景
法的な土台は2001年に整いましたが、電子契約の利用が大きく広がったのは2020年前後です。民法の改正や政府による解釈の明確化、押印を見直す動きが重なったことが背景にあります。
民法改正で明文化された契約方式の自由
2020年4月に施行された改正民法では、契約は当事者の合意で成立し、法令に特別の定めがある場合を除いて書面の作成などの方式は不要である、という原則が条文に明記されました。
以前から契約は口頭でも成立するとされてきましたが、条文に示されたことで、電子データによる契約が有効であることをより説明しやすくなりました。ただし、法令で書面が求められる契約もあるため、契約の種類ごとに電子化できるかを確かめる必要があります。迷う場合は、法務部門や顧問弁護士に確認すると安心です。
立会人型の電子署名を整理した政府のQ&A
2020年7月と9月には、総務省・法務省・経済産業省が、電子契約サービスと電子署名法の関係を整理したQ&Aを公表しました。利用者の指示にもとづいてサービス提供事業者が署名する方式、いわゆる立会人型についての考え方が示されています。
9月のQ&Aでは、一定の要件を満たせば立会人型でも電子署名法第3条の推定が及びうる考え方が示されました。これにより、契約当事者が電子証明書を用意する当事者型に加えて、メール認証などで手軽に使える立会人型を選ぶ企業も増えたと考えられます。あわせて、行政手続きや民間取引での押印を見直す動きが進み、社内規程から押印の手順を外す企業も見られるようになりました。
参考:書面規制、押印、対面規制の見直し・電子署名の活用促進について|内閣府
業界ごとの法改正で広がった電子契約の対象
電子契約の歴史では、業界ごとの法律で書面交付が求められていた書類が、改正によって順に電子化できるようになった点も重要です。代表的な分野の動きを、書類の種類ごとに整理します。
不動産取引での書面の電子交付
不動産の分野では、2022年5月18日に改正宅地建物取引業法が施行され、重要事項説明書や契約締結時の書面を、相手方の承諾を得て電磁的方法で交付できるようになりました。同じ時期には、定期借家契約の書面などに関する改正も行われています。
これにより、賃貸借契約や売買契約の書類を、紙を使わずに取り交わす道が開けました。ただし、承諾の取得や説明の手順が定められているため、電子契約システムの機能だけでなく、社内の運用手順をあわせて整える必要があります。
参考:ITを活用した重要事項説明及び書面の電子化について|国土交通省
下請取引と雇用の分野での電子化
企業間の発注では、2026年1月に施行された中小受託取引適正化法、いわゆる取適法で、発注内容の明示を電子メールなどの電磁的方法で行う際に、受注側の承諾が不要になりました。改正前の下請法では、電磁的方法の利用に事前の承諾が必要でした。なお、これは発注内容を電子的に明示するルールであり、電子署名による契約締結とは区別する必要があります。
雇用の分野では、2019年4月から、労働者が希望した場合に労働条件の明示を電子メールなどで行えるようになっています。電子化できる書類は分野ごとに条件が異なるため、対象とする書類の根拠法を確認しておくと安心です。
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公表調査で見る電子契約システムの普及
電子契約がどの程度使われているかは、業界団体などの継続調査で確認できます。ここでは公表されている調査結果と、そのデータを読み取るときの注意点を紹介します。
JIPDECとITRの調査にみる利用率の推移
一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)と株式会社アイ・ティ・アール(ITR)は、2015年から電子契約の導入状況を調査しています。2026年4月に集計結果が公表された「企業IT利活用動向調査2026」は、2026年1月に実施されました。この調査では、電子契約の利用率は80.2%で、前回調査の78.3%から上昇し、初めて8割を超えています。
同じ調査では、2023年調査以降は利用率の上昇幅が緩やかになり、導入がひと段落して定着の段階に入っているとされています。2020年前後に急拡大した電子契約の利用は、現在は落ち着きを見せている状況です。
参考:「企業IT利活用動向調査2026」から見る日本企業のDX、AI活用、ランサムウェア被害の実態(電子契約の利用状況編)|JIPDEC
普及データを読むときの注意点
この調査は、従業員50名以上の国内企業に勤める、情報システムや経営企画、DX推進などの業務に関わる係長相当職以上の担当者を対象としたものです。小規模な企業や個人事業主を含めた利用率とは異なる可能性があり、数値をそのまま全企業の割合と考えないことが大切です。
また、「利用している」には、一部の契約だけで使っている企業も含まれると考えられます。自社の検討では、全体の利用率よりも、取引先がどの書類で電子契約を受け入れているかを確認するほうが、実務の判断に役立ちます。主要な取引先に、利用している電子契約サービスや受け入れ可能な署名方式を聞いておくのも一つの方法です。
電子契約システムの歴史から考えるこれからの選び方
電子契約の歴史を振り返ると、法改正のたびに電子化できる書類が広がってきました。今後の制度変更にも対応しやすい電子契約システムを選ぶための着眼点を整理します。
署名方式を使い分けられるかを見る
立会人型と当事者型には、それぞれ向く場面があります。日常的な取引には手軽な立会人型を使い、金額の大きい契約や本人確認を厳格にしたい契約には当事者型を使う、といった使い分けを考える企業もあります。
どちらの方式に対応しているかは製品によって異なります。将来、取引先から署名方式の指定を受ける可能性も考え、自社の契約の種類と照らしあわせて、必要な方式を選べるかを資料で確認しましょう。方式ごとに料金が分かれている製品もあるため、費用の面でも比べておくと判断しやすくなります。
締結後の保存と管理まで見据える
電子契約は、締結して終わりではありません。電子帳簿保存法では、電子取引データを一定の要件に沿って保存する必要があり、2024年1月からは原則として電子データでの保存が義務化されています。保存時には改ざん防止措置や検索機能などの要件を確認し、対象となる例外・緩和措置も把握しておくことが大切です。
契約書の更新期限の通知や、取引先名・金額・日付での検索など、締結後の管理に関わる機能の範囲は製品ごとに違います。法改正への対応方針や機能更新の頻度もあわせて確認しておくと、長く使い続けやすくなります。
電子化できる書類の種類で比べる製品一覧
電子契約の対象は、法整備や業界ごとの制度改正とともに広がってきました。書類の種類や署名方式、契約管理機能の違いを一覧にまとめました。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| クラウドサイン | 基本契約書、雇用契約書、注文書、賃貸借契約書、業務委託契約書など幅広い書類に対応 |
| freeeサイン | 契約書の作成・締結・保管に加え、雇用契約書などの社内書類や承認ワークフローにも対応 |
| マネーフォワード クラウド契約 | 法務相談から契約書の作成・承認・締結・保管まで一元管理。紙の契約書もまとめて管理できる |
| 電子印鑑GMOサイン | 立会人型・当事者型の署名に対応。フォルダ設定や閲覧制限、延長タイムスタンプも利用可能 |
| Docusign eSignature(ドキュサインの電子署名) | 秘密保持契約書や申込書、売買契約書などの電子署名に対応。一括送信やWebフォームも備える |
| FAST SIGN | 派遣社員・パート・アルバイトなどの雇用契約書の一括送信や契約更新アラートに対応 |
| WAN-Sign - ワンサイン - | 立会人型・当事者型の両方に対応。他社の電子契約書や紙の契約書も一元管理できる |
| サインタイム | 見積書・発注書・請求書、労働契約書や業務委託契約書の電子化、一斉送信に対応 |
| クラウドスタンプ | 契約書のアップロードから送信・締結・保管まで対応。タイムスタンプや文書検索機能を備える |
| 契約大臣 | 電子サインと電子署名を使い分けられ、社内書類や基本取引契約書、業務委託契約書に対応 |
| いえらぶサイン | 不動産契約の電子化に対応。いえらぶCLOUDとのデータ連携や外部電子契約サービスとの連携を案内 |
| PICKFORM | 不動産・建築業界に特化し、電子契約と顧客・物件・案件管理を組み合わせて利用できる |
書類の種類と署名方式で選ぶ電子契約システム
電子契約システムは、対応する書類の種類や署名方式、管理機能の範囲が製品ごとに異なります。歴史の中で広がってきた用途に沿って、各製品の特徴を紹介します。
クラウドサイン
- 累計契約送信件数3000万件超! 導入実績250万社以上※
- 弁護士監修。日本の法律に関する知見を活かした開発・サポート
- 電子帳簿保存法の要件を満たしたデータ保存が可能
弁護士ドットコム株式会社が提供する「クラウドサイン」は、契約書の締結から保管までをオンラインで行えるクラウド型の電子契約サービスです。売買基本契約書や業務委託契約書、注文書、雇用契約書、賃貸借契約書など、幅広い書類の電子化に対応。取引相手はアカウント登録なしで契約を進められ、電子帳簿保存法の要件を満たしたデータ保存も可能です。SalesforceやkintoneとのAPI連携にも対応しており、さまざまな契約業務をまとめて電子化したい会社の候補です。
freeeサイン
- 受領者も使いやすい 画面設計と充実サポート
- 文書の種類や受領者に合わせて選べる
- 自社運用にあった使い方が最安値で可能
フリー株式会社が提供する「freeeサイン」は、契約書の作成から送信・締結・保管までを電子化できるクラウド型の電子契約システムです。取引先との契約書に加えて、雇用契約書や機密保持誓約書などの社内書類にも対応しています。契約書のテンプレート登録や社内承認ワークフロー、締結後の文書検索、有効期限のリマインド機能を備えている点も特徴です。契約締結だけでなく、社内承認や更新期限の管理も効率化したい会社に向いています。
マネーフォワード クラウド契約
- 法務相談-作成-申請-承認-締結-保存-管理までまるっとサポート
- 送信料・保管料がずっと0円。定額制のシンプルな料金体系
- 紙の契約書も電子契約書もまとめて一元管理
株式会社マネーフォワードが提供する「マネーフォワード クラウド契約」は、法務相談の受付から契約書の作成、申請・承認、締結、保管までを一元管理する契約管理サービスです。社内承認のワークフローを標準搭載し、契約書のひな形管理やバージョン管理にも対応。電子署名やタイムスタンプに加え、電子帳簿保存法に対応した文書管理機能も備えています。紙の契約書や他社サービスで締結した契約書もまとめて管理でき、契約業務全体の効率化を目指す会社に適しています。
電子印鑑GMOサイン
- 導入企業数No.1※導入企業数300万社以上
- 圧倒的なコストパフォーマンス
- フォルダ設定や閲覧制限などの文書管理機能が充実
GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社が提供する「電子印鑑GMOサイン」は、立会人型と当事者型の2つの署名タイプに対応したクラウド型の電子契約サービスです。契約の種類や本人確認の要件にあわせて認証方法を選べるほか、フォルダ設定や閲覧制限による文書管理も可能です。延長タイムスタンプによる電子文書の長期保存にも対応し、導入支援や電話サポートも用意されています。署名方式の使い分けや締結後の文書管理を重視する会社の選択肢です。
Docusign eSignature(ドキュサインの電子署名)
- 世界中で160万社以上の組織・団体と10億人超のユーザーが利用
- 900以上のプレビルド・インテグレーション
- 世界標準のセキュリティとコンプライアンス管理でリスクを軽減
ドキュサイン・ジャパン株式会社が提供する「Docusign eSignature(ドキュサインの電子署名)」は、同意書や申込書、秘密保持契約書、売買契約書などの合意・契約手続きを電子化するサービスです。パソコンに加え、スマートフォンやタブレットからも署名でき、取引先が離れた場所にいても契約を進められます。テンプレートやWebフォーム、複数の相手への一括送信機能を備え、外部システムとの連携も充実。国内外の取引先との契約手続きを統一したい会社に向いています。
FAST SIGN
- 大量の契約でも固定料金で利用可能!
- 派遣・パート・アルバイトの雇用契約・契約更新に!
- 個別内容の書類も一括送信が可能!
株式会社マルジュが提供する「FAST SIGN」は、派遣社員やパート・アルバイトなど、個人との雇用契約に適した電子契約システムです。新規契約書や更新書類の一括送信に対応し、契約更新が近づくとアラートで通知します。雇用契約書のほか、業務請負契約書や同意書にも利用でき、入社時に必要な書類をまとめて送付することも可能です。締結件数に応じた固定月額プランを用意しており、大量の雇用契約や更新手続きを効率化したい会社の候補です。
WAN-Sign - ワンサイン -
- 立会人型・当事者型の両方に対応。ハイブリッド署名も可能
- 初期費用・月額基本料0円の従量制。内部統制機能も標準搭載
- 紙原本の保管・電子化から締結後の契約管理まで一元化
株式会社NXワンビシアーカイブズが提供する「WAN-Sign - ワンサイン -」は、立会人型と当事者型の両方に対応し、同一契約でのハイブリッド署名も可能な電子契約・契約管理サービスです。初期費用・月額基本料0円の従量制で、ユーザー数に上限がありません。IPアドレス制限やワークフローなどの内部統制機能を備え、他社サービスで締結した電子契約書や既存の紙の契約書も一元管理できます。有料オプションでは紙原本の保管や電子化代行にも対応。紙と電子の契約書が混在する会社に適しています。
サインタイム (サインタイム株式会社)
- 誰でもカンタンに使えるやさしい操作性
- お客さまが使いやすさを実現した充実の機能
- 「無料送信件数」がついたおトクな料金
クラウドスタンプ (株式会社ハイホー)
- ペーパーレス化により大幅なコスト削減を実現!
- 契約作業の手間を最大95%削減!
- タイムスタンプで改ざんを未然に防止!
契約大臣 (株式会社TeraDox)
- 3ステップで契約書を作成できるため、シンプルで簡単!
- 各法律に準拠したシステムを提供!
- 永年無料で電子契約書を自動的に保管ができる!
いえらぶサイン (株式会社いえらぶGROUP)
- 多様な不動産契約形式に柔軟に対応可能
- 募集・更新までいえらぶCLOUDとデータ連携
- クラウドサイン/GMOサイン連携で法的効力と安全性を確保
PICKFORM (株式会社PICK)
- 国交大臣より適法回答取得済みの電子取引サービス
- 不動産・建築特化の顧客・物件管理営業支援
- ISO/IEC 27001とプライバシーマーク認定のセキュリティ
まとめ
電子契約の歴史は、2001年の電子署名法とIT書面一括法から始まりました。2020年の民法改正や政府のQ&Aで利用が広がり、その後も不動産取引や取適法などの法改正で対象書類が増えています。JIPDECとITRの2026年調査では、利用率は80.2%でした。電子化したい書類の根拠法と署名方式、締結後の管理機能を確認し、複数の電子契約システムを資料請求で比較してみてください。

