経費精算システムのレビューシェアとは
レビューシェアとは、特定のプラットフォームに寄せられたユーザーレビュー件数の割合から、製品の市場における注目度や浸透度を可視化した指標です。導入企業の多さや利用継続の有無を直接示すものではありませんが、「検討されやすい製品」「口コミが集まりやすい製品」を把握する目安になります。
本記事で紹介するデータは、ITトレンドが独自に収集した【経費精算システム】カテゴリのユーザーレビューに基づいています。これらのデータをもとに、主要製品のレビューシェアと、その背景にある選ばれ方の傾向を見ていきます。
経費精算システムのレビューシェアランキング
レビューシェア上位の製品を、レビュー件数・シェア率とあわせて一覧化しました。まずは、どの製品に口コミが集中しているかを確認しましょう。
| 順位 | 製品名 | レビュー件数(シェア) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 楽楽精算 | 2,176件(42%) | 中堅・中小企業に強く、設定自由度とサポートの手厚さで導入が広がる。 |
| 2位 | Concur Expense | 2,109件(40%) | 大企業向けの柔軟なワークフローと連携力が評価され、グローバルでも利用実績が多い。 |
| 3位 | マネーフォワード クラウド経費 | 261件(5%) | 会計・請求・勤怠などシリーズ連携に強み。中小~大企業まで幅広く対応。 |
| 4位 | freee支出管理 経費精算Plus | 138件(3%) | freee人事労務などと連携しやすく、給与・支払周りまで一体で管理したい企業に適合。 |
| 5位 | ジョブカン経費精算 | 134件(3%) | 月額低コストで導入しやすく、シンプル運用やスモールスタートに向く。 |
| 6位 | TOKIUM経費精算 | 108件(2%) | 領収書の原本回収・保管代行など独自性が高く、経理負担の削減ニーズに強い。 |
レビュー件数が多い製品は、比較検討の起点になりやすく、口コミ情報も豊富です。以降では、上位製品の背景や市場傾向をもう少し詳しく見ていきます。
1位:楽楽精算
レビュー件数2,176件で全体の42%を占め、圧倒的なトップです。中堅・中小企業の導入実績が厚く、規定や申請項目・承認フローを柔軟に設定できる点、手厚いサポートが評価されやすい傾向があります。
2位:Concur Expense
2,109件、40%と1位に迫る高シェア。多段階承認や複雑なルールを組み立てやすく、大企業・グローバル企業での利用が多いことがレビュー数に直結しています。
3位:マネーフォワード クラウド経費
261件、5%で3位。経費精算単体の使いやすさに加え、会計・請求・勤怠などの周辺業務との連携を評価する声が多く、バックオフィス一体運用のニーズを拾っていると考えられます。
4位:freee支出管理 経費精算Plus
138件、3%で4位。freeeシリーズとの併用前提で選ばれやすく、給与連携・承認のしやすさなど「経理全体の効率化」に寄ったレビューが目立ちます。
5位:ジョブカン経費精算
134件、3%で5位。低価格で始めやすいことから、中小企業の導入候補として比較される場面が多い製品です。
6位:TOKIUM経費精算
108件、2%で続きます。領収書の原本回収や保管代行など、経理負荷の「丸ごと削減」を求める層から支持され、独自ポジションを築いています。
レビューシェアから読み解く経費精算システムの傾向
レビューシェアの分布を見ると、経費精算市場でどのタイプが主流か、また選ばれやすい条件が見えてきます。
上位2製品でレビューの8割超を占める“二強構造”
1位の楽楽精算と2位のConcur Expenseだけで全体の82%を占めています。市場の中心が「導入実績の多い定番製品」に集まり、比較検討の起点になっていることがうかがえます。
3位以下は“周辺業務連携”や“独自性”で差別化
3位以降はシェアが一気に縮小する一方、マネーフォワード クラウド経費やfreee支出管理 経費精算Plusのようにシリーズ連携を武器にする製品、TOKIUM経費精算のように業務代行まで含む独自路線の製品が目立ちます。単なる機能数の勝負ではなく、運用の方向性で選ばれている傾向です。
中小企業と大企業で“求める強み”が分かれやすい
レビュー数の多い製品は、企業規模に応じた利用が背景にあります。中小企業では運用しやすさや費用を軸に楽楽精算やジョブカン経費精算が比較対象になりやすく、大企業ではフローの複雑さや統制を重視してConcur Expenseの選定比率が高まる構図が読み取れます。
自社に合った経費精算システムを選ぶためのポイント
レビューシェアは「人気の目安」ですが、自社に合うかどうかは別問題です。導入後にミスマッチを起こさないための確認ポイントを整理します。
入力方式と申請頻度に合うか
OCR読み取り、ICカード連携、法人カード連携など、自社で多い経費の種類に強いかを最初に確認しましょう。入力負担が減るほど、現場定着と運用効率が上がります。
承認フローの複雑さに耐えられるか
部門別ルート、多段階承認、金額や項目で分岐する運用がある場合は、柔軟にルール設計できる製品が必要です。フローが複雑な企業ほど、選定時の要件整理が重要になります。
電子帳簿保存法・インボイス制度への対応
領収書の電子保存、タイムスタンプ、適格請求書要件のチェックなど、法令対応の範囲を確認してください。制度対応が弱いと、導入後の運用ルールが増え、逆に負担が増えることもあります。
周辺業務との連携範囲
会計・請求・勤怠・給与といった周辺業務まで一体で効率化したいなら、連携機能やシリーズ運用のしやすさを比較しましょう。自社の運用ゴールに合わせて優先度を決めるのがコツです。
まとめ
ITトレンドのレビューシェアを見ると、楽楽精算とConcur Expenseがレビューの大半を占める二強構造であり、定番製品を起点に比較検討が進んでいる状況がわかります。一方で、3位以下には連携力や独自運用など明確な強みをもつ製品が続き、目的別に選ばれやすい傾向があります。
レビューシェアはあくまで“市場の人気の地図”です。自社の規模、申請の多さ、承認フロー、法令対応、連携したい業務を整理し、人気だけに引っ張られず最適な1製品を選びましょう。


