FAQシステムの機能を確認する前の整理
FAQシステムは、よくある質問と回答をまとめて公開し、利用者が自分で答えを探せるようにする仕組みです。機能の名称だけを並べても優劣は判断しにくいため、まずは自社が解決したい課題と、その課題に対応する機能の関係を整理しておきましょう。
導入目的による必要機能の違い
同じFAQシステムでも、社内の問い合わせを減らしたい場合と、顧客からの電話やメールを減らしたい場合では、重視する機能が変わってきます。社内利用であれば権限設定や社内システムとの接続、社外利用であれば自社サイトへの埋め込みやデザインの調整範囲が確認対象になります。
目的があいまいなまま機能の多さだけで選ぶと、使わない機能に費用を払い続けることがあります。導入前に「誰が」「どの場面で」「何を調べるために」使うのかを書き出しておくと、必要な機能の範囲を絞り込みやすくなります。関係部署への聞き取りをあわせて行うと、想定漏れを減らせます。
機能を比較するときの基本の考え方
機能の有無だけでなく、その機能が自社の運用で実際に使えるかまで確認しておくことが大切です。例えば検索機能があっても、FAQの登録件数が少ない段階では効果を実感しにくく、記事を増やす運用とセットで考える必要があります。
比較の際は、公開情報で確認できる項目と、ベンダーへ問い合わせないと分からない項目を分けておくと進めやすくなります。設定画面の操作感や管理者向けの機能は資料だけでは判断が難しいため、デモやトライアルで確かめる方法も検討しましょう。
FAQシステムの検索機能で確認したい点
FAQシステムの中心となるのが検索機能です。利用者が知りたい答えにたどり着けるかどうかは、検索の方式や表記ゆれへの対応、結果の並び方に左右されます。ここでは検索精度に関わる要素を3つに分けて整理します。
検索方式の種類の把握
FAQシステムの検索方式にはいくつかの種類があり、製品によって採用している方式や組み合わせが異なります。まずは代表的な方式の違いを押さえておくと、資料を読み比べるときの手がかりになります。
- ■キーワード検索
- 入力された単語を含むFAQを探す方式。単語が一致しないと結果に出てこない場合があります
- ■自然文検索
- 話し言葉の質問文をそのまま入力できる方式。文章から意図をくみ取って回答候補を示します
- ■サジェスト検索
- 入力の途中で候補を表示する方式。利用者が言葉を選びやすくなり、入力の負担を減らせます
どの方式が適しているかは、利用者の知識量や質問内容の幅によって変わります。専門用語を知らない社外の利用者が中心であれば自然文検索やサジェスト検索が有効な選択肢になり、用語が統一された社内利用であればキーワード検索でも支障が少ない場合があります。
表記ゆれや言い換えへの対応
検索結果が出てこない原因の一つに、利用者が使う言葉とFAQに書かれた言葉のずれがあります。「解約」と「退会」、「パスワード再設定」と「パスワードを忘れた」のように、同じ内容でも表現が異なると一致しないことがあります。
製品によっては、同義語や言い換えを辞書として登録し、表記のずれを吸収する機能が用意されています。辞書を管理者が自分で編集できるか、ベンダー側での対応が必要かは製品ごとに違うため、運用負担にも関わる確認項目として押さえておきましょう。
検索結果の精度を保つ運用
検索精度は導入直後の設定だけで決まるものではなく、公開後の調整で変わっていきます。検索されたのに結果が0件だったキーワードを確認できると、不足しているFAQを補う手がかりになります。
並び順を管理者が調整できるか、特定のFAQを上位に固定できるかも確認しておきたい点です。問い合わせが集中する時期に案内したいFAQを目立たせられると、利用者の自己解決を後押ししやすくなります。調整作業を誰が担当するかもあわせて決めておきましょう。
FAQシステムの分類と更新履歴の管理機能
FAQは公開して終わりではなく、内容の追加や修正が続きます。件数が増えても目的の回答にたどり着ける状態を保つには、分類の仕組みと、変更の経緯を追える履歴管理の機能が関わってきます。
カテゴリ分類とタグ付けの機能
カテゴリ分類は、FAQを「料金について」「操作方法について」のようにまとめ、利用者が一覧から探せるようにする機能です。検索で言葉が思いつかない場合でも、分類をたどることで目的の回答に近づけます。
なかには階層を複数段設けられるものや、一つのFAQに複数のタグを付けて横断的に整理できる製品もあります。想定する件数に対して分類の粒度が適切かを考え、階層の深さや並び替えを管理画面から変更できるかを確認しておくと、後の運用が進めやすくなります。
更新履歴とバージョン管理の機能
FAQの内容を修正した際に、誰がいつ何を変更したかを記録できると、誤った情報を公開した場合でも経緯を追いやすくなります。更新履歴の機能は、複数の担当者でFAQを管理する場合に確認しておきたい項目です。
履歴の保存期間や、以前の内容へ戻せるかどうかは製品によって異なります。承認フローを設けて公開前に確認する運用ができるか、下書き状態で保存できるかもあわせて確認しておくと、公開後の修正対応を減らせる場合があります。運用ルールの明文化とセットで検討しましょう。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でFAQシステムの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
FAQシステムのAI自動回答と解析の機能
近年のFAQシステムには、AIによる回答支援や、利用状況を数値で確認できる解析の機能が備わる製品があります。どちらも導入後の改善につながる機能ですが、期待できる範囲と限界を理解しておくことが求められます。
AIによる自動回答の仕組み
AI自動回答は、利用者が入力した質問文をもとに、登録済みのFAQから回答候補を提示する機能です。チャット形式の画面で質問を受け付ける製品もあり、電話やメールの前段階で自己解決を促す使い方が想定されます。
回答の元になるのは登録されたFAQの内容であるため、FAQ自体が整備されていないと適切な回答は返せません。また、質問の内容によっては意図と異なる回答が示される可能性があるため、誤りを見つけた際に修正できる仕組みや、有人対応へ切り替える導線を用意できるかを確認しておきましょう。
閲覧数や検索キーワードの解析機能
解析機能では、どのFAQがよく見られているか、どのキーワードで検索されたかを数値で確認できます。感覚ではなく実際の利用状況をもとに、改善すべきFAQを見つけられる点が利点です。
確認できる項目は製品によって差があり、閲覧数や検索キーワードに加え、「解決した」「解決しなかった」の評価を集計できるものもあります。データの集計単位や、CSVなどの形式で出力できるかは、社内報告の手間に関わるため事前に確認しておくと安心です。
解析結果をFAQ改善につなげる機能
解析したデータは、見るだけでは効果につながりません。検索されたのに結果が出なかったキーワードから新規FAQを作る、評価が低いFAQの表現を見直すといった改善の流れをつくることが重要です。
改善が必要なFAQを一覧で示す機能や、担当者へ通知する機能が用意されている製品もあります。こうした機能があると、担当者が個別に数値を追わなくても改善対象を把握でき、特定の担当者だけに作業が偏る状況を避けやすくなります。定期的な見直しの時期を決めておく運用もあわせて検討しましょう。
社内向けと社外向けを共用するための機能
一つのFAQシステムで社内向けと社外向けの両方を運用したい場合は、公開範囲を分ける機能が必要です。設定の考え方と、共用する際に想定しておきたい運用面のポイントを整理します。
公開範囲と権限設定の機能
社内外を共用する場合、同じ管理画面でFAQを作りながら、公開先を分けて表示できるかが確認の中心になります。社外に見せてはいけない情報が意図せず公開されないよう、公開範囲を明示的に指定できる仕組みが求められます。
あわせて、編集できる人と閲覧だけできる人を分ける権限設定も確認しておきましょう。部署ごとに担当範囲を分けられるか、承認者を設定できるかは製品によって異なります。設定の細かさは運用のしやすさと表裏の関係にあるため、自社の体制にあう粒度かどうかで判断するとよいでしょう。
共用時に想定したい運用上の注意
社内向けと社外向けでは、想定する読み手の知識量や求める言葉づかいが異なります。同じ文章を両方に使い回すと、社外の利用者に伝わりにくくなる場合があるため、内容を分けて用意する前提で件数を見積もっておきましょう。
ライセンスの数え方も確認しておきたい点です。社内利用者の人数で課金される製品と、閲覧数や公開サイトの数で課金される製品があり、共用にすると想定より費用が増える場合があります。見積もり時に利用人数と公開先の数を具体的に伝え、条件を明確にしておくことをおすすめします。
検索から解析までを備えたFAQシステム
ここまで整理してきた検索、分類、更新履歴、AI自動回答、解析という機能の区分に照らして、対応範囲を確認しやすいFAQシステムを紹介します。
PKSHA FAQ
- 社内・社外のお問い合わせ業務を効率化し、対応コスト削減
- 顧客向けFAQと社内ナレッジ、さらに応対ログを一元管理
- 1500サイト以上の導入実績を基とした運用ノウハウを提供
株式会社PKSHA Technologyが提供する「PKSHA FAQ」は、FAQの作成から公開、評価までをまとめて扱えるナレッジマネジメントシステムです。キーワード検索やカテゴリ検索、タグ検索に加え、検索結果が0件になる状況を減らすニューラルサーチを備えています。検索ヒット率やカテゴリ別の解決率を可視化する分析機能により、優先して改善すべきFAQを把握できます。承認のワークフロー機能や権限のコントロール、顧客向けと従業員向けのサイトを分けて運用できるマルチサイト機能にも対応します。
アルファスコープ
- リモートワークにおける情報(ナレッジ)共有の課題を解決
- 顧客/社内/オペレータ向けと、利用目的に合わせた活用が可能
- 低コストですぐに始められるクラウドサービス
株式会社プラスアルファ・コンサルティングが提供する「アルファスコープ」は、探しやすさを重視したFAQ・ナレッジソリューションです。キーワード検索や自然文検索、カテゴリー検索に加え、ワードクラウドから選ぶ検索や、添付したPDFの中身を対象にした検索に対応します。状況に応じて回答を絞り込む分岐型のトラブルシューティング機能も備えています。承認フローの設定や承認メールの送信、権限設定に対応し、利用者向けと社内向けのFAQを一元的に管理できます。
Helpfeel(ヘルプフィール)
- 特許を持つ検索技術であいまい検索。“使われないFAQ”から脱却
- AIで構築/運用/分析もらくらく。AI技術と伴走サポートが高評価
- 継続率99%!生成AIを安全に活用し既存システムとも連携
株式会社Helpfeelが提供する「Helpfeel(ヘルプフィール)」は、検索による自己解決を重視したAI活用型のFAQプラットフォームです。特許技術である意図予測検索により、入力の途中や曖昧な言葉からも候補を示します。対話型のAIエージェントによる自然言語での回答にも対応します。検索キーワードや到達率、解決率を可視化する解析機能を備え、公開予約や下書きの生成、公開承認といった更新の管理も行えます。既存の社内ポータルへ検索を埋め込む使い方にも対応しています。
sAISearch (株式会社サイシード)
- AIタグで直感的にFAQを絞り込める
- FAQをアップロードするだけで高精度検索が可能なシステム
- コールセンターや社内FAQなどに最適化された検索パッケージ
OKWAVEPlus (株式会社オウケイウェイヴ)
- 1500種類以上のサンクスカードデザイン
- サンクスカードでポイントを貯めてギフトと交換
- ビジネスチャットツールと連携可能
まとめ
FAQシステムの機能は、検索、分類と履歴管理、AI自動回答、解析、公開範囲の設定という流れで整理すると比較しやすくなります。機能の多さではなく、自社の課題に対応しているか、運用を続けられる負担かという基準で確認することが大切です。気になる製品が見つかったら、資料請求で機能の詳細や費用の条件を確かめ、複数の製品を並べて比較検討してみてください。


