欠品が起きる理由
欠品は、社内で在庫情報が管理されておらず、情物一致(在庫管理によって保有する情報と、実際に倉庫に保管されているモノが一致すること)が徹底されていないため起こります。
例えば、商品の種類が多く注文方法や発送方法がバラバラな場合、情報の集約が困難になり適切に在庫管理が行えません。ほかにも、万が一の欠品に備え必要以上の在庫をもつパターンや、新しい商品と古い商品を分類せず同じ場所に保管しているケースも考えられます。
情物一致させるには、入庫と入庫処理、出庫と出庫処理を迅速に行う必要がありますが、入庫・出庫時のルールやタイミングが徹底されていないと、それぞれの処理にタイムラグが生じ、欠品の発生を予防できません。
期間限定の商品など、商品の需要に対して供給が少ないものは、欠品が許容されるケースもありますが、日用品などの生活必需品の欠品は企業の信用を損なうに値し、場合によっては欠品ペナルティなどが発生することもあります。そのため十分な欠品対策を講じる必要があるのです。

在庫を増やさずに行う欠品対策とは
在庫を増やさずに欠品を防止するには、在庫管理と発注を正確に行うことが大切です。具体的に見ていきましょう。
- ●倉庫内を整理整頓する
- ●正確な入出庫管理と棚卸をする
- ●適正在庫を把握する
- ●リードタイムを把握する
- ●市場の需要予測を行う
倉庫内を整理整頓する
ルールにもとづいて倉庫内を整理・整頓することで、作業しやすいスペースを確保し、製品の混在を防げます。
普段から倉庫内を定期的に清掃し、作業場を清潔にしておきましょう。作業で使う工具類などの配置を決めて、業務を効率化させることも重要です。商品過多になった時のために、仮の保管スペースも確保しておきます。さらに整理整頓が完了したら、これらの作業を習慣化させ、関係者と場所やルールの共有を行いましょう。
正確な入出庫管理と棚卸をする
入出庫管理と棚卸をしっかりと行えば、在庫把握が容易になり、正確な在庫管理が可能になります。在庫管理の際は、棚卸をこまめに行いましょう。
これにより、在庫数・保管内容・保管スペースにおける異常が早めにわかります。データと実際の在庫数に差異があっても、原因究明に時間がかからないため、迅速に対応できます。
また入出庫ルールを明確化し、周知させることも重要です。これを徹底すると、人為的ミスによる欠品を防げます。例えば営業担当者がサンプル品を持ち出すことになった場合、ルールが徹底されていれば、出庫処理を忘れることはないでしょう。
適正在庫を把握する
適正在庫とは、欠品を発生させない程度の在庫数のことです。正確に把握することで、どの商品をどれだけ仕入れればよいかが明らかになります。さらに適正在庫を確認するには、「在庫金額を他社と比較すること」「不稼働在庫の金額・割合を算出すること」が重要です。
在庫金額を他社と比較すること
在庫金額を他社と比較するうえで役立つ指標が、棚卸資産回転期間(在庫の保有期間のこと)であり以下の式で求めます。また式で算出された期間が長くなるほど、売れ残りが長く続いていることを意味します。
棚卸資産回転期間=棚卸資産÷売上原価×365
不稼働在庫の金額・割合を算出する
また、不稼働在庫の金額・割合は、無駄な在庫を把握するのに役立ちます。保有しすぎている安全在庫(欠品に備え多めに保有している在庫)を確認したい時におすすめです。具体的には、取引先ごとに不稼働在庫の金額・割合を算出し、調整すべき取引先を洗い出すとよいでしょう。
以下の記事では、具体的な在庫管理における計算方法を紹介しています。
リードタイムを把握する
リードタイムとは、注文してから商品を入荷するまでの期間のことです。短くなるほど商品の欠品が起こにくく、機会損失も発生しません。
したがって効果的な欠品対策としては、リードタイムをいかに短くするかが重要です。注文してから入荷するまで1日で済むのと2週間かかるのでは、在庫管理のしやすさも異なります。
市場の需要予測を行う
需要予測は、将来必要となる在庫数の目安を知るのに有効です。正確に行うことで、商品が欠品する前に必要な在庫を補充できます。ただし競合が存在する以上、変動が激しい人気商品の販売数を予測するのは困難です。そのため実際の現場では、売上の中心とならない商品の需要予測が主となります。
需要予測を行うには、在庫の保有日数を昇順に並び変えるのがおすすめです。上に表示されているものほど在庫として保有していた日数が短いということになります。この時、すでにシーズンが終わっていて売れにくい商品などは除外しましょう。
また、販売員・代理店・営業担当者などの経験や過去の販売データをもとに分析する方法もあります。
カテゴリー数・製品数業界最大級のITトレンドでは、在庫管理を効率化させるシステムを多数取り扱っています。ひとまず最新の人気製品から検討してみたい、という方はこちらのランキングも参考にしてください。
欠品が起きた時の対応
対策を講じても欠品が起きた時は、取引先が多い場合はまずお詫びのメールを送りましょう。メールには、以下の内容を含めるとよいでしょう。
- ●注文情報
- ●欠品の理由
- ●再入荷の見通し(具体的な日付など)
- ●今後の対応
- ●代替品の提案
在庫管理を正しく行い、十分な欠品対策を!
欠品が発生するのは、社内で在庫情報が管理されていないためです。また欠品を減らしたい時は、倉庫内を整理・整頓し、入出庫管理と棚卸を適切に行いましょう。さらに、適正在庫とリードタイムを把握し、市場の需要予測を行うことも大切です。
適切に在庫管理を行うためには、在庫管理システムの活用をおすすめします。以下の記事では、最新の在庫管理システムについて、価格や特徴を比較・紹介していますので、参考にしてください。
