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入社から退職まで手続き別に見る労務管理システムの使い方

入社から退職まで手続き別に見る労務管理システムの使い方

労務管理システムの使い方は、最初に会社と従業員の情報を登録し、その後は入社や退職などの手続きごとに「従業員が入力し、担当者が確認して書類作成・申請する」流れで進めるのが基本です。この記事では、初期設定から入社手続き、在籍中の届出や定例の手続き、退職手続きまで、労務の場面ごとに使い方を解説します。操作手順を社内に浸透させるコツも紹介します。

この記事は2026年10月時点の情報に基づいて編集しています。
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目次

    ITトレンドがおすすめする製品・サービス

    ■よく使う手続き別
    ■行政への提出方法別

    労務管理システムを使い始める前の初期設定

    労務管理システムを使う前に、会社の情報や従業員のデータ、担当者の権限を登録します。初期設定の内容があとの手続きすべてに反映されるため、時間をかけて正確に行うことが大切です。

    会社と事業所の情報登録

    最初に、会社名や所在地、代表者名に加えて、社会保険と労働保険の手続きに使う事業所の情報を登録します。健康保険や厚生年金保険の事業所整理記号、労働保険番号、雇用保険の事業所番号などが代表例です。

    支店や工場ごとに社会保険の適用事業所が分かれている企業では、事業所ごとに登録が必要です。届出書類にそのまま印字される情報のため、行政から届いた通知書などと照らし合わせて入力しましょう。誤りに気づかないまま届出を作ると、差し戻しの原因となるおそれがあります。

    従業員データの取り込み

    次に、在籍している従業員の情報を登録します。人数が多い場合は、Excelなどで管理している名簿をCSVファイルに整えて一括で取り込む方法を用意している製品があります。

    取り込み用のひな形にあわせて、氏名の表記や日付の形式をそろえておくと、エラーを減らせます。取り込み後は、件数や主な項目を元のデータと照合し、不足している情報を従業員本人に入力してもらうよう依頼しましょう。

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    権限と承認の流れの設定

    担当者ごとに、閲覧や編集ができる範囲を設定します。マイナンバーや口座情報など、見られる人を限定したい情報は特に注意が必要です。

    あわせて、従業員からの申請を誰が確認し、誰が最終的に承認するかという流れを登録します。担当者が不在のときに代わりに処理できる人も決めておくと、手続きが止まりにくくなります。異動や退職で担当者が替わったときは、権限の付け替えも忘れずに行いましょう。

    入社手続きでの使い方

    入社手続きは、労務管理システムの効果を実感しやすい場面です。紙の書類を配って回収する代わりに、システム上で情報を集め、届出書類の作成や電子申請まで進められます。

    入社予定者への情報入力の依頼

    担当者は、入社予定者の氏名とメールアドレスを登録し、システムから入力依頼を送ります。入社予定者は届いた案内から、住所や口座、扶養家族、年金や雇用保険の番号などをスマホやパソコンで入力します。

    入力が終わると担当者に通知が届くため、内容を確認して不足があれば差し戻します。雇用契約書や労働条件通知書をシステム上で交付できる製品では、このタイミングで書類の確認と同意まで済ませる運用も考えられます。入社日の前に情報がそろえば、初日の事務作業も短く済みます。

    資格取得届の作成と電子申請

    登録された情報をもとに、健康保険・厚生年金保険と雇用保険の資格取得届を作成します。手入力する項目が少なくなるため、転記ミスを減らせます。

    電子申請に対応した製品では、作成した書類をシステムからe-Gov(政府の電子申請窓口)へ送れます。健康保険・厚生年金保険の資格取得届は入社から5日以内、雇用保険は入社の翌月10日までが提出期限のため、申請後の状況確認もシステム上で行いましょう。電子申請を使うには、GビズIDなどの事前準備が必要になる場合があるため、早めに確認しておくと安心です。

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    在籍中の届出や定例手続きでの使い方

    従業員が在籍している間にも、住所変更や扶養の追加、年に1回の定例手続きなどが発生します。労務管理システムでは、従業員の申請と担当者の処理を同じ画面で管理できます。

    住所変更や扶養追加の届出

    引っ越しや結婚、出産などがあった従業員は、システムから変更内容を申請します。担当者は申請内容を確認して承認し、従業員データベースの情報を更新します。紙の届出と違い、申請の受付日や処理状況が履歴として残るため、対応漏れに気づきやすい点もメリットです。

    扶養の追加では、健康保険の被扶養者異動届など、行政への届出が必要な場合があります。申請の内容に応じて必要な届出書類を作成できるか、給与計算への反映を忘れない仕組みがあるかも、使い始める前に確認しておきましょう。

    算定基礎届と月額変更届

    算定基礎届は、毎年7月1日から10日までに提出する、社会保険料の基準となる標準報酬月額を決めるための届出です。4月から6月に支払った給与の情報をもとに作成します。対象となる従業員が多いほど、手作業で集計する負担は大きくなります。

    給与計算システムと連携していれば、支給額のデータを取り込んで届出書類を作成できます。昇給などで給与が大きく変わったときの月額変更届も、対象者の確認から作成まで支援する製品があります。

    年末調整の申告と書類の回収

    年末調整では、担当者がシステムから従業員に申告を依頼し、従業員は扶養控除等申告書や保険料控除申告書の内容を入力します。質問に答える形式で進められる製品もあります。

    担当者は提出状況を一覧で確認し、未提出者には再度案内を送ります。集まった申告内容は、給与計算に引き継いで税額を計算するため、連携方法をあらかじめ確認しておくと、12月の作業が滞りにくくなります。

    関連記事 労務管理における問題とは?事前に防ぐポイントや方法も徹底解説!

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    退職手続きでの使い方

    退職手続きでは、社会保険や雇用保険の資格喪失の届出と、退職者への書類の交付を行います。労務管理システムを使うと、必要な手続きの抜け漏れを防ぎながら進められます。

    資格喪失届と離職証明書の作成

    退職日が決まったら、システムに退職日と退職理由を登録します。最終給与の確定や貸与品の回収など、関連する作業をチェックリストで管理できる製品もあります。登録内容をもとに、健康保険・厚生年金保険の資格喪失届と、雇用保険の資格喪失届を作成します。

    退職者が離職票を希望する場合や、退職者が59歳以上の場合は、ハローワークに提出する離職証明書も必要です。離職証明書には退職前の賃金の情報を記載するため、給与計算のデータを使って作成できるかを確認しておくと、作成の手間を減らせます。

    退職者データの保管

    退職した従業員のデータは、すぐに削除せず一定期間保管します。労働基準法では、労働者名簿や賃金台帳などの書類を5年間(経過措置として当分の間は3年間)保存すると定めているためです。

    一方、マイナンバーは保存期間を過ぎたら速やかに削除する必要があります。退職者の情報を在籍者と分けて保管し、項目ごとに保存と削除のルールを設定できるかを確認しましょう。削除の時期や手順は、社内の取扱規程にも明記しておくと運用がぶれません。

    労務管理システムの使い方を社内に浸透させるコツ

    労務管理システムは、担当者だけでなく従業員にも使ってもらうことで効果を発揮します。操作に慣れていない人がいても手続きが止まらないように、案内と手順の共有を工夫しましょう。

    従業員向けの操作案内

    従業員が使うのは、入社時や年末調整など限られた場面です。そのため、使い方を覚えていないことを前提に、手続きのたびに画面イメージ付きの手順書を添えて案内すると、問い合わせを減らせます。

    手順書は、ログイン方法やパスワードを忘れたときの対応から書いておくと安心です。問い合わせ先を1か所にまとめ、よくある質問を社内ポータルなどで共有しておくと、担当者の負担も抑えられます。パソコンに不慣れな従業員には、共用端末で入力を手伝う時間を設ける方法もあります。

    担当者間での手順の共有

    担当者側の操作は、手続きごとに社内マニュアルとして残しておきます。ベンダーが公開している操作マニュアルに、自社独自のルールを書き足す形にすると作成の負担を抑えられます。年に1回しか行わない算定基礎届や年末調整は、前年の手順を忘れやすい業務です。

    特定の担当者だけが操作を把握している状態は、異動や休暇のときに手続きが止まる原因になりかねません。複数の担当者で操作を経験し、気づいた点をマニュアルに追記していくと、引き継ぎもしやすくなります。

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    手続き別に使える労務管理システムの一覧

    入社・退職や算定基礎届、年末調整、電子申請など、どの手続きで使えるかに注目して、この記事で紹介する労務管理システムを一覧にしました。自社でよく発生する手続きと照らし合わせて確認してください。

    製品名特徴
    ジョブカン労務HR入退社の帳票を自動作成してe-Govへ電子申請。年末調整はアンケート形式で進められる
    オフィスステーション入退社や社会保険、年末調整、給与明細配布などの手続きをまとめて管理できる
    SmartHR入社時の情報収集から届出書類の作成・提出、年末調整までオンラインで進められる
    ジンジャー人事労務(社保手続き)算定基礎届・月額変更届の処理や雇用保険の届出作成、e-Govでの一括電子申請に対応
    マネーフォワード クラウド社会保険資格取得届や算定基礎賃金集計表を作成でき、電子申請と紙での申請のどちらにも使える
    ez-GoV社会保険や雇用保険、36協定などの電子申請と、審査状況の確認・公文書の保管に対応
    ARDIO C1入退社や育児休業の給付金申請などに使える電子申請システム。企業向けは100種類以上の帳票に対応
    奉行Edge 労務管理電子化クラウド入社から退職までの手続きをペーパーレス化し、e-GOVとの連携で電子申請も行える
    DirectHRe-Gov電子申請に対応し、入社時のデータ収集や年末調整のWeb申告も行える
    Biz-Zero入退社に伴う電子申請や社内申請に対応。使った分だけ費用がかかる回数課金制

    各種労務手続きの電子化を支援するシステム

    入社・退職の手続きや定例の届出、年末調整、電子申請など、労務業務を効率化するシステムを紹介します。製品ごとに対応する手続きの範囲と提出方法を比べてみましょう。

    ジョブカン労務HR

    株式会社DONUTS
    《ジョブカン労務HR》のPOINT
    1. シリーズ導入25万社以上!電話・メール・チャットで無料サポート
    2. 入退社・年末調整・ストレスチェック等幅広い業務を自動・効率化
    3. 人事労務まわりの紙書類ゼロへ、電子申請も利用可能!

    株式会社DONUTSが提供する「ジョブカン労務HR」は、入退社や年末調整などの手続きを進められる労務管理システムです。適用事務所と従業員の情報をもとに入退社の帳票を自動で作成し、そのままe-Govなどへ電子申請できます。どの書類をいつまでに提出するかをToDoリストで管理でき、手続きの進捗をひと目で把握できます。年末調整は従業員がアンケートに答える形式で進め、源泉徴収票や法定調書合計表の作成まで対応しています。手続きの抜け漏れを減らしたい企業の候補です。

    オフィスステーション

    株式会社エフアンドエム
    《オフィスステーション》のPOINT
    1. 労務管理クラウドシェアNo.1の豊富な導入実績
    2. 初心者でも迷わず使えるシンプルな操作設計
    3. 人事労務業務をまるごと効率化

    株式会社エフアンドエムが提供する「オフィスステーション」は、初心者でも迷わず使える操作設計を掲げるクラウドサービスです。入社・退社の手続きや社会保険の申請、給与明細の配布、年末調整などを1つのシステムで管理できます。承認フローや申請も画面上で進められます。クラウド型のため、外出先からの確認や承認にも対応しています。法改正や制度変更にも対応できる設計です。年間の労務手続きを同じ画面に集約し、担当者間で手順をそろえたい企業に向いています。

    SmartHR

    株式会社SmartHR
    《SmartHR》のPOINT
    1. あらゆる労務業務をミスなく、 カンタンにペーパレス化
    2. すべての従業員にとって 使いやすく コミュニケーションが効率化
    3. あらゆるシーンで自然にデータが集まる・蓄まる

    株式会社SmartHRが提供する「SmartHR」は、入社から退社までの労務手続きをオンラインで進められるクラウド型の労務管理システムです。入社手続きでは、個人情報の収集から届出書類の作成・提出までをオンラインで完結できます。年末調整は配布・回答・集計に加え、差し戻しなど従業員とのやり取りまで扱えます。社内からの問い合わせに対応するAIアシスタントも用意されています。社内からの問い合わせ対応の負担を抑えながら、手続きをシステムに移したい企業の候補です。

    ジンジャー人事労務(社保手続き)

    jinjer株式会社
    製品・サービスのPOINT
    1. 面倒な労務関連業務の手続きがラクになる!
    2. 従業員マスタを一元管理し、オンラインで履歴、最新情報を確認
    3. 月800円/1名で豊富な機能をご提供

    jinjer株式会社が提供する「ジンジャー人事労務(社保手続き)」は、社会保険や雇用保険、労働保険の手続きをWeb上で進められる労務管理システムです。従業員情報や給与データの情報から算定基礎届・月額変更届を処理でき、雇用保険の資格取得や離職に関する届出も作成できます。作成した書類はe-Govによる一括電子申請に対応するほか、紙の書類が必要な場面では出力もできます。導入初期には初期設定などのサポートも用意されています。定例の届出を含めて手続きをまとめたい企業に向いています。

    マネーフォワード クラウド社会保険

    株式会社マネーフォワード
    製品・サービスのPOINT
    1. 作成した書類は電子申請も紙の申請もOK
    2. 従業員ごとの対応状況管理ができる
    3. 料率改定や申請様式の変更にも自動アップデートで対応

    株式会社マネーフォワードが提供する「マネーフォワード クラウド社会保険」は、算定基礎賃金集計表など定例の届出書類も作れる、社会保険手続き向けのクラウドサービスです。健保・厚年の資格取得届や喪失届、賞与支払届などを作成して電子申請でき、従業員別の対応状況や申請状況を管理画面で確認できます。作成した書類はPDFで出力でき、紙での申請にも使えます。届出用紙のレイアウト変更や算定・月変の計算方法の改定にも自動で対応します。算定基礎届などの定例業務を効率化したい企業の選択肢です。

    ez-GoV

    株式会社ASJ
    《ez-GoV》のPOINT
    1. e-Gov電子申請をオンラインで完結し労務業務を効率化
    2. 入退社・社会保険などの労務手続きを電子申請に対応
    3. CSV申請や申請書検索で電子申請業務を効率化

    株式会社ASJが提供する「ez-GoV」は、e-Gov電子申請APIに対応した労務手続きのクラウドサービスです。社会保険や雇用保険の電子申請に加え、36協定や就業規則の届出にも対応しています。健康保険組合への申請はオプションで利用可能です。申請後は審査状況を確認でき、届いた公文書はまとめて保管・ダウンロードできます。CSV形式で申請データを登録する機能や、手続き名・対象者名などで申請書を検索する機能も備えています。電子申請の作業を中心に効率化したい企業に向いています。

     

    ARDIO C1

    三菱電機デジタルイノベーション株式会社
    《ARDIO C1》のPOINT
    1. データの連携が柔軟にでき、業務効率化とサービス品質向上が実現
    2. クラウドで膨大な人事・労務データも堅牢なセキュリティで安心
    3. 長年培われたノウハウで、導入から運用まで手厚くサポート

    三菱電機デジタルイノベーション株式会社が提供する「ARDIO C1」は、入社や退社の手続き、育児休業などの各種給付金申請を効率化する電子申請システムです。企業向けは100種類以上の帳票に対応しており、多くの手続き業務をカバーできます。クラウドで提供されるため保守作業が不要で、テレワークにも対応しやすくなります。社会保険労務士向けのサービスも提供されています。対象従業員規模は1,000名以上とされており、手続きの件数が多い企業の候補です。

    奉行Edge 労務管理電子化クラウド (株式会社オービックビジネスコンサルタント)

    製品・サービスのPOINT
    1. 社会保険申請以外のほぼすべての労務管理手続きをペーパーレス化
    2. 「奉行シリーズ」連携であらゆる総務・労務管理業務を定型化!
    3. 24時間・365日監視で稼働率99.9%の安定稼働を実現!

    DirectHR (株式会社エムケイシステム)

    《DirectHR》のPOINT
    1. 社員とのやり取りが必要な業務をカバーする6つの機能!
    2. 必要な機能だけを選択して最小コストで運用可能!
    3. 全国2600超の社労士事務所に使われる電子申請エンジン搭載!

    Biz-Zero (株式会社日本シャルフ)

    《Biz-Zero》のPOINT
    1. 社員全員のステータス確認に役立つ!
    2. 給与明細もクラウド上で配布できる!
    3. オンライン手続きに応じたチケット制での料金体系!

    まとめ

    労務管理システムの使い方は、初期設定で会社と従業員の情報を正確に登録することから始まります。その後は入社や在籍中の届出、算定基礎届や年末調整、退職手続きを、従業員が入力し、担当者が確認する流れで進めるのが基本です。電子申請まで行えるかや、給与計算との連携は製品によって異なります。自社でよく使う手続きを洗い出したうえで、使い方のイメージにあう製品を資料請求して比較しましょう。

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