ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■対策方式別
- 送信前に宛先や添付を確認させる方式:CipherCraft/Mail(サイファークラフトメール)、SPC Mailエスティー、365 Alert
- 送信を一時保留して上長が承認する方式:Active! gate SS、SPC Mailエスティー、@Securemail Plus Filter
- 添付ファイルをダウンロード方式に変える:Active! gate SS、SPC Mailエスティー、PlayBackMail Online、@Securemail Plus Filter
- ■誤送信に気づいた後の対応別
- 保留中のメールの送信を取り消せる:PlayBackMail Online、IIJセキュアMXサービス、Microsoft365 with IIJ
- 誤送信した添付ファイルを削除できる:@Securemail Plus Filter
- ■対応するクラウドメール別
- Microsoft 365とGoogle Workspaceの両方に対応:Active! gate SS、SPC Mailエスティー、PlayBackMail Online
- Microsoft 365に対応:Microsoft365 with IIJ、365 Alert
メール誤送信対策ソフトの方式はどう変わってきたか
メール誤送信対策ソフトの機能は、「送る前に気づかせる」ことから「送った後の被害を小さくする」ことへと範囲を広げてきました。ここでは、対策方式の移り変わりを3つの段階に分けて整理します。年代は製品や企業によって異なるため、大まかな流れとしてご覧ください。
送信前に確認を促す段階
早い段階から使われてきた方式の1つが、メールソフトで送信ボタンを押したときに確認画面を表示し、宛先や添付ファイルを見直してもらう仕組みです。社外の宛先を色分けして表示する、チェックを入れないと送信できないようにするといった機能も、この方式に含まれます。
端末ごとに導入するため手軽に始められる一方、確認が習慣化すると、内容を見ないままチェックだけ入れてしまうという課題も指摘されてきました。この課題が、次の段階の仕組みにつながっていきます。
送信を保留して管理する段階
確認画面に続いて使われるようになったのが、メールサーバーと連携し、送信したメールを一定時間保留する方式です。保留中であれば、誤りに気づいた送信者が送信を取り消せます。上長の承認がなければ社外に送信されない設定や、送信履歴を記録する機能も、この方式と組み合わせて使われるようになりました。
個人の注意だけに頼らず、組織として送信を管理する考え方への変化といえます。添付ファイルを自動で暗号化する機能も、この段階で用いられるようになった仕組みの1つです。
クラウド連携と脱PPAPの段階
近年は、Microsoft 365やGoogle Workspaceなどのクラウド型のメールサービスと連携できる製品が提供されています。あわせて、パスワード付きZIPファイルを添付し、パスワードを別のメールで送る方法、いわゆる「PPAP」を見直す動きが広がりました。
その代わりとして、添付ファイルを自動でサーバーに置き、受信者にはダウンロード用のURLを送る方式が使われるようになっています。誤送信に気づいた後でも、ダウンロードを止めれば情報の流出を抑えられる点が特徴です。
ITRの市場データで見るメール誤送信対策の拡大
メール誤送信対策ソフトの市場は、調査会社のアイ・ティ・アール(ITR)が継続して規模を公表しています。ここでは、ITRが公表した3つの時点の数値から、市場がどのように伸びてきたかを確認します。
2009年度は3億5,000万円規模
ITRは2010年6月に「ITR Market View:メッセージング・セキュリティ市場2010」を発表しました。このなかで、メール誤送信防止の2009年度の出荷金額は3億5,000万円、前年度比20.7%増とされています。
このレポートでは、メール誤送信防止はメールフィルタリングやアンチスパムなどと並ぶ、メッセージング・セキュリティ市場の一分野として扱われていました。後の年度の数値と比べると、当時の市場規模はまだ小さかったことがわかります。
2019年度は37億8,000万円に拡大
ITRが2021年5月に発表した市場調査では、メール誤送信防止の2019年度の売上金額は37億8,000万円で、前年度比18.5%増でした。2009年度が出荷金額、2019年度が売上金額と集計の名称に違いはあるものの、約10年で市場が大きく拡大したことがうかがえます。
ITRは市場拡大の背景として、クラウド型のメールシステムへの移行に伴う新規導入の増加と、PPAPに代わるWebダウンロード機能への需要の高まりを挙げています。対策方式の変化が、市場の伸びにも表れているといえます。
2024年度は84億8,000万円
ITRが2026年6月に発表した情報漏えい対策市場のレポートでは、メール誤送信防止の2024年度の売上金額は84億8,000万円でした。前年度比では15.4%増です。2024年度から2029年度の年平均成長率は7.9%と予測されています。
需要の背景としてITRは、業種や企業規模を問わず起きている誤送信事故と、それに伴う機密情報や個人情報の漏えいリスクを挙げています。金融業界では、PPAPの見直しを求める動きが導入を後押ししていると分析しています。
メール誤送信対策を後押しした制度と政府の動き
メール誤送信対策ソフトの普及には、法律の改正や政府の方針も関わっています。ここでは、企業の対策に影響を与えた2つの動きを取り上げます。
個人情報保護法と漏えい等報告の義務化
個人情報保護法は2005年4月に全面施行され、個人情報を扱う事業者に安全管理の措置が求められるようになりました。その後、2020年6月に公布された改正法が2022年4月1日に全面施行されました。これにより、一定の条件を満たす漏えい等が起きた場合は、個人情報保護委員会への報告と、本人への通知が義務となっています。
個人情報保護委員会は、要配慮個人情報が含まれる場合や、1,000人を超える漏えい等の場合などを報告の対象としています。誤送信も漏えい等にあたる場合があるため、事後の報告や通知の負担を考えると、事前の対策を進める意義は大きいといえます。
内閣府と内閣官房によるPPAPの廃止
内閣府が公表している記者会見要旨によると、当時の平井デジタル改革担当大臣は2020年11月24日の会見で、ZIPファイルの送付と同じ経路でパスワードを自動送信する方式の廃止を発表しました。対象は内閣府と内閣官房で、廃止日は11月26日です。会見では、この方式について、セキュリティ対策の観点からも受け取る側の利便性の観点からも適切ではないという考えが示されています。
この発表の後、民間企業でもPPAPを見直す動きが見られるようになりました。メール誤送信対策ソフトのなかで、添付ファイルのダウンロード化が重視されるようになった背景の1つです。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でメール誤送信対策の一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品の比較検討を進めましょう。
統計に見るメール誤送信の位置づけ
誤送信による情報漏えいが、どの程度起きているかを示す公表データもあります。ここでは、調査会社と公的機関の資料から、誤送信の位置づけを確認します。
上場企業の漏えい事故に占める割合
東京商工リサーチが2026年1月に公表した「2025年上場企業の個人情報漏えい・紛失事故調査」では、2025年の事故は180件でした。原因別では「ウイルス感染・不正アクセス」が最多で、次いで「誤表示・誤送信」が37件、構成比20.5%を占めています。
同社の2024年の調査でも「誤表示・誤送信」は41件、構成比21.6%で2番目に多い原因でした。サイバー攻撃への対策とあわせて、人為的なミスへの対策も引き続き求められていることがわかります。
IPAの情報セキュリティ10大脅威
情報処理推進機構(IPA)が毎年公表している「情報セキュリティ10大脅威」の組織編では、「不注意による情報漏えい等」が2016年に初めて選ばれました。2025年版では10位に入り、選出は8回目でしたが、2026年版の順位表には入っていません。
誤送信は、この脅威に含まれる代表的な事例の1つです。ランサムウェアのような攻撃だけでなく、日常のメール業務で起こるミスも組織の情報セキュリティ上のリスクとして位置づけられてきました。
これからのメール誤送信対策ソフトに求められること
これまでの歴史を踏まえると、メール誤送信対策ソフトには、利用するメール環境の変化への対応と、確認の形骸化を防ぐ工夫が求められています。製品を選ぶ際も、この2点を意識するとよいでしょう。
クラウドメールや社外との共有方法への対応
クラウド型のメールサービスへの移行を検討する企業もあるでしょう。現在使っているメール環境だけでなく、将来移行する予定のメール環境に対応しているかも確認しておきましょう。
取引先とのファイルのやり取りも、メール添付からダウンロード方式やファイル共有サービスへと変わりつつあります。取引先から求められる受け渡しの方法に対応できるかも、製品を選ぶ際のポイントです。
確認作業の形骸化を防ぐ仕組み
確認画面を表示するだけでは、慣れによって内容を見ずに送信してしまうおそれがあります。そのため、社外宛てや初めての宛先など、注意が必要なメールだけに確認を絞る設定や、AIで宛先や本文の誤りを判定する機能を備えた製品も登場しています。
確認の対象や条件をどこまで細かく設定できるかは製品によって異なります。自社の業務にあわせて設定を調整できるか、資料やデモで確かめておくと安心です。
対策方式の違いがわかる製品一覧
メール誤送信対策ソフトは、確認画面から送信保留、ダウンロード方式へと機能を広げてきました。この記事で取り上げる製品について、どの方式に対応しているかを一覧にしました。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| CipherCraft/Mail(サイファークラフトメール) | 送信前の確認ポップアップが中心。BCC自動追加やAI+機能も |
| SPC Mailエスティー | 確認画面や一時保留、上長承認、Webダウンロードを選択可能 |
| Active! gate SS | 一時保留、上司承認、Webダウンロード、TLS確認機能を搭載 |
| PlayBackMail Online | 送信保留で取り消し可能。添付のダウンロード方式も選べる |
| IIJセキュアMXサービス | 配送保留で一定時間なら取り消し可能。受信対策とも一体 |
| Microsoft365 with IIJ | Microsoft 365向け。送信保留で取り消し。受信対策も追加 |
| @Securemail Plus Filter | ゲートウェイ型。一時保留、Webダウンロード化、自動Bcc化 |
| 365 Alert | Microsoft 365向け。送信保留とTeams通知、リンク共有に対応 |
歩みをたどる方式別の誤送信対策ソフト
送信前の確認、送信の保留と承認、ダウンロード方式という、対策の移り変わりに沿った機能の製品を選びました。
CipherCraft/Mail(サイファークラフトメール)
- メール誤送信防止市場18年連続シェアNo.1※ 官公庁等の実績多数!
- 様々なメールソフトに対応し、メール環境を変えずに利用可能
- きめ細やかな管理設定で部署単位などの運用も可能
NTTテクノクロス株式会社が提供する「CipherCraft/Mail(サイファークラフトメール)」は、送信前に宛先や添付ファイルを再確認させる、メール誤送信防止ソフトウェアです。送信先・本文・添付ファイルを確認画面のポップアップで見直せるため、確認画面を軸にした方式の特徴をつかみやすい製品です。複数の宛先を1件ずつに自動分割する宛先漏えい防止機能や、宛先へのBCC自動追加機能も備えます。オプションでAIによる注意喚起やBox連携も選べます。
SPC Mailエスティー
- Microsoft 365、Google Workspace、オンプレミスに簡単アドオン
- 誤送信防止の確認画面はシンプルで、直感的に操作可能
- 必要な機能を選んで1アカウント月額130円~
株式会社ソースポッドが提供する「SPC Mailエスティー」は、Microsoft 365やGoogle Workspaceなどにアドオンして使う、クラウド型の誤送信・PPAP対策サービスです。確認画面と一時保留、パスワード暗号化、上長承認、宛先Bcc自動追加といった機能を、運用方針にあわせて選べます。確認から保留、承認、ダウンロード方式までの各段階を、必要な範囲で組み合わせたい場合に検討できます。
Active! gate SS
- ビジネスの利用シーンに合った最適な機能を選択可能!
- クラウド型なので豊富な機能を高品質・低コストで実現!
- PPAP問題を根本的に解決する新機能「TLS確認機能」を搭載!
株式会社クオリティアが提供する「Active! gate SS」は、サーバーやメールソフトに依存しない、クラウド型のメール誤送信防止サービスです。送信メールの一時保留、上司の承認後に送信する仕組み、添付ファイルのWebダウンロード、Bccへの強制変換など、7つの機能を備えています。TLS確認機能によってパスワードなしで添付ファイルを送ることもでき、保留や承認から脱PPAPまでを一つのサービスで押さえられます。
PlayBackMail Online
- <うっかりミス>の誤送信を少ない負担で防止するメール環境を実現
- 充実したサービスを1ユーザー180円/月~の低価格でご提供
- ドッペルゲンガードメインをチェックし、警告&メールを強制保留
SCSK Minoriソリューションズ株式会社が提供する「PlayBackMail Online」は、間違いが起こることを前提にした、クラウド型の誤送信対策サービスです。やり直しを可能にする考え方にもとづき、送信を保留して取り消せるPlayBack機能が中心で、Microsoft 365とGoogle Workspaceに対応します。添付ファイルをクラウドストレージに置いて受信者へURLを通知するダウンロードオプションもあり、保留と脱PPAPの両方を検討できます。
IIJセキュアMXサービス
- 宛先ミスのメールも一定時間なら取り消し可能
- 様々なフィルタで送信メールの条件を制御
- 誤送信対策と脅威対策をまとめて実現
株式会社インターネットイニシアティブが提供する「IIJセキュアMXサービス」は、受信メールの対策と送信メールの誤送信対策の両方に対応する、クラウド型のメールセキュリティサービスです。配送保留機能により、宛先を間違えたメールも一定時間であれば取り消せます。送信メールの条件をルールで制御するフィルタも使えるため、誤送信対策と脅威対策をまとめて見直したい企業の選択肢です。
Microsoft365 with IIJ
- Microsoft 365とIIJの二重防御でスパム対策
- 宛先間違いメール送信を防ぐ誤送信対策機能を装備
- Microsoft 365 障害発生時もメール送受信を継続
株式会社インターネットイニシアティブが提供する「Microsoft365 with IIJ」は、Microsoft 365にメールセキュリティ機能を加えるサービスです。誤送信対策では、送信を一定時間保留して宛先の再確認を促し、送信者が即時送信や取り消しを選べます。管理者は保留時間や対象外のアドレスなどを設定できます。Microsoft 365を使いながら、送信保留による対策を加えたい企業の候補です。
@Securemail Plus Filter (株式会社ケイティケイソリューションズ)
- 現在利用中のメール環境のまま利用可能
- メールの送信ミス自動で防止
- 不正なメール利用による情報漏えいを未然に防ぐ
365 Alert
- Microsoft 365 ユーザーのための誤送信対策ツール
- 手軽さと統制を両立した誤送信対策・PPAP対策
- スマートフォンなど利用シーンを問わない全方位対策
まとめ
メール誤送信対策ソフトの歴史は、送信前の確認から、送信の保留や承認、クラウドメールとの連携、PPAPに代わるダウンロード方式へと広がってきた流れといえます。ITRの調査では市場規模は2024年度に84億8,000万円まで拡大しており、個人情報保護法の改正や脱PPAPの動きも、対策が見直される背景となってきました。対策方式や誤送信に気づいた後の対応範囲は製品によって異なるため、資料請求で比較し、自社にあうメール誤送信対策を検討してください。

