給与計算アウトソーシングとは
給与計算業務を委託するアウトソーシングは、専門性が高く細かい作業の多い給与計算業務を外部の委託先に代行してもらうことです。担当者の負担や人的コストを削減できたり、大幅な業務効率化を図ることができます。
給与計算アウトソーシングのメリット・デメリット
給与計算業務をアウトソーシングするメリット・デメリットについて解説します。
給与計算アウトソーシング活用のメリット
まずは3つのメリットから紹介します。
- 正確な給与計算の実現
- 給与計算業務を請け負うアウトソース先の会社は、その業務を専門的に行っている会社であり、知識のある専門のスタッフが対応します。ダブルチェックなどの体制も万全といえるでしょう。そのため、給与計算業務を自社で行う際に起こる単純なミスなどが起こりにくくなります。また、給与計算業務に関わる法令改正にも即時に柔軟に対応できるため、給与計算業務のバージョンアップを漏らすことはないでしょう。
- 給与計算業務の属人化を防ぐ
- 企業で行う給与計算業務は少数の社員に任されることが多い業務です。そのため、給与計算業務がある方の担当業務になりやすく、業務量や業務に関する知識が属人化しがちです。そこで、給与計算業務をアウトソーシングすることで、業務の属人化を解消し、給与計算業務担当者への心理的・肉体的負担を軽減させることができます。
- 人・時間にかかるコスト削減
- 給与計算業務は、業務量の多さ・業務の属人化により自社で行うにはコストが多分にかかってしまいます。給与計算業務のシステム化の基盤が整っているアウトソーシング会社に業務を依頼することでコスト削減につながるでしょう。そして、アウトーソーシング費用が実際に見合っているかどうかの検証も行うことができるので、さらに効果的な給与計算業務のコスト管理を行えるでしょう。
給与計算アウトソーシング活用のデメリット
給与計算業務をアウトソースする上で知っておくべきデメリットを紹介します。
- 追加でかかる費用
- 給与計算のアウトソーシングは、その企業に合わせたシステム設計・運用費がかかります。このように、追加で費用がかかりますし、給与制度等が変わればその都度費用が発生する場合があります。ですので、普段の給与計算業務の工数・コストと見合っているのかの検討が必要です。
- 社内にノウハウが貯まらなくなる
- 給与計算業務をアウトソースすることは、その業務に関わる機会が当然少なくなり、ノウハウが溜まりづらい状況に陥るでしょう。ただ、そのノウハウを得るために、給与計算業務に人・時間・お金を投資することと、アウトソースして浮いた時間を会社の主事業や新規事業立案等に投資することで、どちらのほうがメリットが大きいかを考えると良いでしょう。
給与計算ソフトとは
給与計算ソフトは契約社員やアルバイトなどの様々な雇用形態にも対応し、給与計算から年末調整、税金などを処理します。製品によっては勤怠管理システムや人事システムなどと連携することができ、残業や有休取得などの勤怠データや昇給などの情報も自動で反映し、給与計算をおこなってくれます。
給与計算ソフト導入のメリット
まずは、給与計算ソフトの導入メリットをご紹介します。自社の課題が解決されるかどうかを注目しましょう。
- 法改正にもすぐに対応可能
- 給与計算ソフトは税率や保険料に変更があった場合、自動もしくは更新することで、その後の計算作業を修正することができます。また、法改正があった際もソフトが自動的に内容をアップデートする製品もあり、手作業で反映させるよりも素早く対応できます。
- 社内にノウハウを蓄積できる
- アウトソーシングの場合は、作業の一切を外部委託するため、万が一委託会社に問題が発生した場合、社内で対応することができません。給与計算ソフトなら自社運用のため給与計算業務に関するノウハウを蓄積でき、急な問題や質問にもスムーズに対応することができます。
- 各種システムと連携できる
- 給与計算業務で多くの時間と工数がかかっているのが、出退勤データの集計作業です。ここでミスが起きると、支給する給与にも影響が出てしまうため非常に間違いが許されない作業となります。手作業だと非常に煩雑ですが、給与計算ソフトはタイムレコーダーや経費精算システムなど他のシステムと連携することができるため、出退勤データの取り込みや集計が簡単におこなえます。
給与計算ソフト導入のデメリット
一方、給与計算ソフトを導入することでどのようなデメリットがあるのでしょうか。
- 社内のリソースを利用することになる
- 給与計算ソフトを導入することで、業務を大幅に効率化することはできますが、ソフトを管理・運用する人員が必要であることに変わりはありません。担当者が変わる場合は、新たな人員を教育する時間や工数も必要になります。
- バージョンアップやバックアップが必要なことも
- 法改正などの変更があった際、クラウド型であれば定額の利用料金内で自動的に内容を更新してくれる場合もありますが、インストール型のソフトの場合は、手動で変更しなければならない場合があります。また、インストール型の場合はデータの消失に備えてバックアップ対策も必要になり、提供形態によっては手間がかかってしまう可能性もあります。
給与計算ソフトかアウトソーシング活用か選択ポイント
給与計算業務を効率化させる方法として、アウトソーシングと給与計算ソフトの2つの方法のメリット、デメリットを紹介しました。自社に導入するならどちらがよいのでしょうか。この部分で悩んでいる企業も多いかと思いますので、ぜひ参考にしてみてください。
社内の人材の有無と現状の費用から考える
人員が豊富にある企業でない限り、給与計算業務だけをおこなう専任担当者がいることはまずないでしょう。多くの企業では1人の社員が複数業務を掛け持ちしており、月末・年末など業務が集中する時期には残業が常態化しているのではないかと思います。人材確保が難しい場合や、残業代などの費用に課題を抱えている企業はアウトソーシングを検討してみるとよいかもしれません。
業務を棚卸して検討する
給与計算に関わる業務は、多岐に渡ります。アウトソーシングすべきか迷っている場合は、まず自社で対応できる範囲とアウトソーシングで依頼したい業務を整理してみましょう。アウトソーシングの場合は、年末調整や住民税の代行まで依頼するとコストが高くなる場合がありますので、ソフトを導入する場合と費用面で比較してみるのもよいかと思います。
デモなどを見てから検討する
給与計算ソフトを導入する場合、デモを利用して操作性などを試してみるのもよいでしょう。製品によってはデモだけでなく無料トライアルを実施しているものもありますので、実際にどれくらい業務が効率化されるのかなど、導入効果を実感できるかもしれません。
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