タスク管理とは
タスク管理とは、プロジェクトや仕事の完遂に必要な作業(タスク)を細分化し、優先順位や作業量を設定して管理することです。誰がいつまでにどのタスクを完了させなければならないのか、現在の進捗状況はどうなのかなどを管理します。適切にタスク管理を実施していれば、一目でプロジェクトの状況を俯瞰できるため、効率的に業務を進めることが可能です。
プロジェクト管理との違い
プロジェクトとは、目標を達成するための計画・実行のことです。そして、これらの計画・実行を管理する活動がプロジェクト管理に該当します。プロジェクト管理はしばしばタスク管理と混同されがちですが、管理する業務の単位に違いがあります。
また、裁量権にも差があるといえるでしょう。プロジェクト管理は基本的にマネージャー一人に委ねられ、ほかのメンバーはマネージャーの指示に従う形となります。一方、タスク管理はタスクを担う個々のメンバーに任せられるため、個人の裁量が大きいといえます。
タスク管理を行うメリット
タスクには個人で作業を行う「個人タスク」とチームで作業を担う「チームタスク(グループタスク)」があります。それぞれのタスクを管理するメリットをみていきましょう。
個人タスクを管理するメリット
- ■やるべきことが明確になる
- タスクを複数抱えていると、何から手を付ければよいのかわからなくなる場合があります。しかし、タスク管理でタスクの優先順位を明確化しておけば、迷うことはありません。したがって作業効率の上昇に貢献します。
- ■漏れがなくなる
- 自分ではすべてのタスクを把握しているつもりでも、実際には知らぬ間に忘れていることがあるでしょう。タスク管を行い常にタスクをリスト化しておけば心配はありません。各タスクの期限も常に把握した状態で作業に取り掛かれます。
チームタスクを管理するメリット
- ■業務負荷の偏りが可視化できる
- 専門的な業務や少人数で担当している業務は属人化しやすく、気付かないうちに一部の従業員に負荷が集中してしまうことはよくあります。チームでタスクを管理していれば、各メンバーの業務負荷も可視化されるため、お互いにフォローしあえるでしょう。
- ■チームマネジメントが行いやすくなる
- 各メンバーのタスクとスケジュールにもとづいて、特定の業務にかかった時間と成果物の質が算出できるため、業務成果を評価しやすくなります。そのほかチーム内で決めた目標に関連するタスクを共有していれば、チーム全体で目標達成に向けて行動できるでしょう。
昨今テレワークの急激な拡大により、上司が部下の業務を遠隔状態で管理するのが難しいという課題が浮き彫りになってきました。そこでタスク管理ツールを使えば、業務の進行状況を逐一確認する必要がなく、リアルタイムで共有できます。またやるべきことをタスクとして振り分けることで、作業漏れを防ぎ一人ひとりの業務効率もあがるでしょう。
タスク管理を行う方法
続いて、タスク管理をどのような方法で行うか、代表的なものを紹介します。
スケジュール帳や付箋などの紙
記録や確認に伴う手間が少なく、手軽に導入できるためこの方法で管理している方は多いでしょう。個人のToDoであれば、自分のスケジュール帳にタスクをリストアップするだけでも整理されます。終わったタスクには二重線を引き、どのタスクが残っているのかを視覚的にわかりやすくします。
一方、チームでタスク管理をする場合は、誰もが見やすいようオフィスにホワイトボードなどを設置して付箋を貼ったり書き込んだりします。遠目から見てもわかりやすいよう、大きめにスペースを設けるとよいでしょう。
エクセルなどの表計算ソフト
タスク管理をExcelで行う方法です。Excelは使い慣れたユーザーが多く、扱いやすいのが特徴です。また、無料のテンプレートを活用すれば気軽にタスク管理を行えます。しかし、Excelではタスク管理に不向きな一面もあるでしょう。
Excelでのタスク管理はファイルをコピーして使用するため、どのファイルが最新か把握することが難しく、管理しづらいといえます。またファイルを共有するため必要なデータが他のユーザーに上書きされてしまうことも多く、トラブルになりがちです。
タスク管理に特化したアプリ・ツール
先述した紙を用いるタスク管理方法は、簡便ではありますが、情報の書き換えや紛失のリスクがあります。また、エクセルなどの表計算ソフトを用いたタスク管理は手間がかかるうえ、チームタスクの管理には不便な点があるでしょう。そこで、本格的にタスク管理を行いたいのであれば、タスク管理に特化したアプリやツールがおすすめです。以下のような機能でタスク管理を支援します。
- ガントチャート
- タスクの期限や進捗状況をチャート図にする機能です。エクセルと異なり、手動で1から作る必要がありません。
- 検索機能
- ファイルなどを検索する機能です。タスクの期限・進捗状況と、それに必要なファイルを同じシステム上で管理できるため、複数のシステムを利用する手間がなくなります。
- ファイル共有
- 多くのタスク管理ツールでは、クラウド上にファイルを保存します。タスクに必要なファイルをクラウド上にアップロードしておけば、必要に応じてメンバーがそのファイルを利用できます。
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タスク管理を行う基本的な手順とコツ
次は、タスク管理を実際に行う際の手順について、コツを交えて紹介します。
1.やるべき作業を整理する
最初に今あるタスクをすべて書き出して、リストを作りましょう。
やるべき作業が整理されていない状態では何からはじめてよいかわかりません。正しい手順で作業を進めるためにも、まずタスクを書き出して把握し、プロジェクトやタスクの種類ごとに分別・整理します。また「◯◯の企画書を作成」「企画書を上司に提出」など、一つの業務でも可能な限り具体的にして複数のタスクに分けると、あとでスケジュールを適切に設定しやすかったりメンバー間の認識のズレを防いだりできます。
なおタスクを書き出す際に、あとで整理しやすいようノートにそのまま書くのではなく、付箋などを用いるとよいでしょう。
2.作業時間・優先順位を想定する
続いて各タスクの所要時間を想定し、それにもとづいてタスクの割り振りを決定します。同じタスクでも、所要時間は人によって異なります。担当者の経験や技量を踏まえて適切な時間を設定しましょう。
一方、優先順位はただ期限の短いものを優先すればよいというものではありません。期限が短くても、そのタスクの重要度が低いのであれば、ほかのタスクを優先すべき場面もあります。タスクの期限と重要度の2つの観点から優先順位を決めることが大切です。
具体的には、次のように優先順位を決めましょう。
- 1.重要度が高い・期限が近い
- 2.重要度が高い・期限に余裕あり
- 3.重要度が低い・期限が近い
- 4.重要度が低い・期限に余裕あり
はじめに重要度が高いものを優先し、そのなかで期限が迫っているものから順位を付けます。期限が近くても重要度が低いタスクは得られる対価が小さいため、あまり注力しすぎるべきではありません。
3.スケジュールを決める
タスクに期限日を設け、スケジュールを決めましょう。タスクの緊急度に応じて期限日を設定すると、スケジュールの基準となり管理がしやすくなります。またスケジュールはタスクの期限に沿って設定すると、効率的なタスク消化が可能です。さらに、期限日を設けることでタスク完了の一定の区切りを示すタイミングとして活用できます。
スケジュールはガントチャートやカレンダーなどを用いて共有すると、期限とタスクが一目でわかるのでおすすめです。
4.進捗管理・タスク調整をする
現在の作業の進捗状況、残りの作業とスケジュールを比較して、現時点での進捗率の乖離をチェックします。スケジュールどおりであれば問題ありませんが、遅延が発生しているのであれば対処しなければいけません。定期的にタスクの進捗を確認し、状況に応じてタスクの割り振り、もしくはスケジュール自体の変更を検討しましょう。
タスク管理ツールの選定ポイント
タスク管理には専用のツールを用いるとより効率的です。タスク管理ツールでは、各タスクの進捗状況をわかりやすく可視化できるチャートやグラフ機能があります。また従業員ごとのタスクのほか、プロジェクト単位やチーム単位でのタスク管理にも対応可能です。タスク管理ツールを選ぶ際には以下のポイントに着目しましょう。
- ●自社の課題やニーズに応じた機能が備わっているか
- ●タスクの表示形式は望ましいか
- ●既存のツールと連携できるか
- ●セキュリティ・サポート体制は十分か
また、タスクの入力側も管理側も使いやすいツールでなくては社内に定着しづらいでしょう。製品導入前には無料トライアルで使用感を試してみてください。
おすすめ製品の比較表
この記事で紹介している一部製品の比較表を紹介します。製品名をクリックすると各製品の特徴が見られるため、気になる製品をチェックしてみてください。資料請求サービス(無料)もぜひ活用してください。
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製品名 |
提供形態 |
参考価格 |
無料トライアル |
レビュー評価 |
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Backlog |
オンプレミス / クラウド / SaaS / ASP |
初期費用無料 月額2,970円~/~30ユーザー |
◯(30日間) |
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Jira Software |
オンプレミス / クラウド |
月額920円~/ユーザー ※無料プランあり |
◯(最大30日間) |
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Lychee Redmine |
オンプレミス / クラウド / SaaS |
月額900円~/ユーザー ※無料プランあり |
◯(30日間) |
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Asana |
クラウド / SaaS |
月額1,200円~/ユーザー ※無料プランあり |
◯(30日間) |
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※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
おすすめのタスク管理ツールを人気順に紹介
ここからは、IT製品取扱数業界一のITトレンドがおすすめするタスク管理ツールや、タスク管理機能を搭載したプロジェクト管理ツールについて、お問い合わせの多い順に紹介します。
《Backlog》のPOINT
- タスク・プロジェクト管理に必要な機能がオールインワン
- ガントチャートやカンバンボードで直感的にタスク管理
- シンプルで直感的に使えるデザインだからすぐに使いこなせる
株式会社ヌーラボが提供する「Backlog」は、タスクや在庫、顧客管理など機能が豊富なプロジェクト管理ツールです。タスク管理機能では進捗把握のほか、親課題と子課題に分割しタスク同士の関係性を整理します。Git/Subversion機能では、プロジェクトとソースコードの紐づけが可能なため、エンジニアのタスク管理にも適しているでしょう。
対象企業規模 |
すべての規模に対応 |
提供形態 |
オンプレミス / クラウド / SaaS / ASP |
参考価格 |
初期費用無料 スタータープラン:月額2,970円 スタンダードプラン:月額17,600円 プレミアムプラン:月額29,700円 プラチナプラン:月額82,500円 |
無料トライアル |
◯(30日間) |
対応機能 |
進捗管理 / 要員管理 / プロセス管理 / コミュニケーション / ガントチャート |
《Jira》のPOINT
- リックソフトはAtlassian Platinum Solution Partnerです
- 世界65,000以上の企業が利用しているプロジェクト管理ツール
- アジャイル開発・ウォーターフォール開発・ビジネス部門にも
リックソフト株式会社が提供する「Jira Software」は、世界で65,000社以上が利用しているプロジェクト管理ツールです。プロジェクトにもとづくタスクの設定が可能で、サブタスクや課題の階層付け、変更ログなどの機能があります。なお無料プランもあります。
対象企業規模 |
従業員数10名以上 |
提供形態 |
オンプレミス / クラウド |
参考価格 |
月額920円~/ユーザー ※無料プランあり |
無料トライアル |
◯(最大30日間) |
対応機能 |
進捗管理 / プロセス管理 / コミュニケーション / ガントチャート |
《Lychee Redmine》のPOINT
- 大規模なプロジェクト計画でもスピーディで直感的に操作可能
- ガントチャートやカンバンで、リアルタイムに進捗可視化
- 作業時間予定と実績を担当者別に表・グラフで見える化
「Lychee Redmine」は株式会社アジャイルウェアが提供するプロジェクト管理ツールで、タスク管理をはじめ、タイムマネジメントやレポートなど多角的にプロジェクトを管理します。必要なタスクを階層化して管理できるため、煩雑なプロジェクト計画にもおすすめです。また、ISO27001認証を取得しており、セキュリティ面でも安心といえるでしょう。
対象企業規模 |
すべての規模に対応 |
提供形態 |
オンプレミス / クラウド / SaaS |
参考価格 |
スタンダードプラン:月額900円/ユーザー プレミアムプラン:月額1,400円/ユーザー ビジネスプラン:月額2,100円/ユーザー |
無料トライアル |
◯(30日間) |
対応機能 |
進捗管理 / 原価管理 / 要員管理 / プロセス管理 / コミュニケーション / ガントチャート |
《Asana》のPOINT
- 「誰が、いつまでに、何をするのか」を明確にし生産性を向上
- 会話やファイルを仕事単位で束ね、進捗状況を常に可視化
- シンプルで可愛らしいUIで利用者から愛されるツール
Asana Japan株式会社が提供している「Asana」は、タスク管理やプロジェクト管理が行えるワークマネジメントプラットフォームです。ユーザーの好みに応じてかんばん式やガントチャート式など表示形式を選べます。また、個人や少人数のチームなら無料で使えるのも魅力の一つです。
対象企業規模 |
すべての規模に対応 |
提供形態 |
クラウド / SaaS |
参考価格 |
Premium:月額1,200円/ユーザー Business:月額2,700円/ユーザー ※無料プランあり |
無料トライアル |
◯(30日間) |
対応機能 |
進捗管理 / 要員管理 / プロセス管理 / コミュニケーション / ガントチャート |
自社に合ったタスク管理でプロジェクトを成功させよう
タスク管理とは、プロジェクトの進行に必要なタスクの進捗状況を管理する作業です。タスク管理ツールやプロジェクト管理ツールの活用で、個人やチームの業務の生産性向上や作業の抜け漏れ防止が期待できます。以下の記事ではプロジェクト管理ツールのおすすめ製品を紹介しているので、より多くの製品を比較してみたい方はこちらも参考にしてください。