タスク管理とは
タスク管理の基本について見ていきましょう。
小さな単位の仕事・作業を管理すること
小さな最小単位の仕事や作業(タスク)を管理することをタスク管理と言います。プロジェクトにおいては、誰がいつまでにどのタスクを完了させなければならないのか、現在の進捗状況はどうなのかなどを管理します。適切にタスク管理を実施していれば、一目でプロジェクトの状況を俯瞰できるため、効率的に業務を進めることが可能です。
これまでも多くの場面で利用されてきたタスク管理ですが、現在はIT技術の進歩により、その在り方が変わってきています。スマホを使ってタスク管理ツールにアクセスすると、時間や場所を選ばず管理できます。適切な環境を構築すれば、営業担当者やテレワークで働く従業員など、社外で活動する従業員の生産性を大幅に高められるでしょう。
プロジェクト管理との違いは「業務単位の大きさ」
タスク管理と似た存在に、プロジェクト管理があります。両者の違いは、管理する業務単位の大きさです。
そもそもプロジェクトとは、目標を達成するための計画・実行のことです。そして、これらの計画・実行を管理する活動がプロジェクト管理に該当します。
一方、タスクとはプロジェクトを構成する個々の課題のことです。タスクを1つひとつ片づけることでプロジェクトが進行します。そして、これらタスクを管理する活動がタスク管理です。
また、上記の違いに伴い、裁量権にも差が生じています。プロジェクト管理は基本的にマネージャー1人に委ねられ、ほかのメンバーはマネージャーの指示に従う形となります。一方、タスク管理はタスクを担う個々のメンバーに任せられるため、個人の裁量が大きいです。
タスク管理を行うメリット
タスクには個人で作業を行う「個人タスク」とチームで作業を担う「チームタスク(グループタスク)」があります。それぞれのタスク管理のメリットをみていきましょう。
個人タスクを管理するメリット
- ■やるべきことが明確になる
- タスクを複数を抱えていると、何から手を付ければよいのか分からなくなることがあります。しかし、タスク管理でタスクの優先順位を明確化しておけば、迷うことはありません。余計なことに悩む負担がなくなり、作業が効率化します。
- ■漏れがなくなる
- 自分ではすべてのタスクを把握しているつもりでも、実際には知らぬ間に忘れていることがあります。一方、タスク管理で常にタスクをリスト化しておけば心配はありません。各タスクの期限も常に把握した状態で作業に取り掛かれます。
チームタスクを管理するメリット
- ■業務負荷の偏りが可視化できる
- 専門的な業務や少人数で担当している業務は属人化しやすく、気付かないうちに一部の従業員に負荷が集中してしまうことはよくあります。チームでタスクを管理していれば、各メンバーの業務負荷も可視化されるため、お互いにフォローしあえるでしょう。
- ■チームマネジメントが行いやすくなる
- 各メンバーのタスクとスケジュールにもとづいて、特定の業務にかかった時間と成果物の質が算出できるため、業務成果を評価しやすくなります。そのほかチーム内で決めた目標に関連するタスクを共有していれば、チーム全体で目標達成に向けて行動できるでしょう。
昨今テレワークの急激な拡大により、上司が部下の業務を遠隔状態で管理するのが難しいという課題が浮き彫りになってきました。そこでタスク管理ツールを使えば、業務の進行状況を逐一確認する必要がなく、リアルタイムで共有できます。またやるべきことをタスクとして振り分けることで、作業漏れを防ぎ一人ひとりの業務効率もあがるでしょう。
タスク管理を行う方法
続いて、タスク管理をどのような方法で行うか、代表的なものを紹介します。
スケジュール帳や付箋などの紙
記録や確認に伴う手間が少なく、手軽に導入できる方法です。個人でタスク管理を行う場合は、自分のスケジュール帳にタスクをリストアップするだけでもよいでしょう。終わったタスクには二重線を引き、どのタスクが残っているのかを視覚的にわかりやすくします。
一方、チームでタスク管理をする場合は、オフィスにホワイトボードなどを設置し、そこに直接タスクを記載したり、タスクを書いた付箋を貼ったりします。遠目から見てもわかりやすいよう、大きめにスペースを設けるとよいでしょう。
エクセルなどの表計算ソフト
タスク管理をExcelで行う方は多いでしょう。Excelは使い慣れたユーザーが多く、扱いやすいのが特徴です。また、無料のテンプレートを活用すれば気軽にタスク管理を行えます。しかし、Excelではタスク管理に不向きな一面も。
Excelでのタスク管理はファイルをコピーして使用するため、どのファイルが最新か把握することが難しく、管理しづらいです。またファイルを共有するため必要なデータが他のユーザーに上書きされてしまうことも多く、トラブルになりがちです。
タスク管理に特化したアプリ・ツール
先述した紙を用いるタスク管理方法は、簡便ではありますが、情報の書き換えや紛失のリスクがあります。一方、エクセルなどの表計算ソフトを用いたタスク管理は手間がかかるうえ、柔軟な変更が困難です。
そこで、本格的にタスク管理を行いたいのであれば、タスク管理に特化したアプリやツールがおすすめです。以下のような機能でタスク管理を支援します。
- ガントチャート
- タスクの期限や進捗状況をチャート図にする機能です。エクセルと異なり、手動で1から作る必要がありません。
- 検索機能
- ファイルなどを検索する機能です。タスクの期限・進捗状況と、それに必要なファイルを同じシステム上で管理できるため、複数のシステムを利用する手間がなくなります。
- ファイル共有
- 多くのタスク管理ツールでは、クラウド上にファイルを保存します。タスクに必要なファイルをクラウド上にアップロードしておけば、必要に応じてメンバーがそのファイルを利用できます。
タスク管理を行う基本的な手順とコツ
次は、タスク管理を実際に行う際の手順をコツを交えて紹介します。
1.やるべき作業を整理する
最初に今あるタスクをすべて書き出して、リストを作りましょう。
やるべき作業が整理されていない状態では何から始めていいかわかりません。正しい手順で作業を進めるためにも、まずタスクを書き出して把握し、プロジェクトやタスクの種類ごとに分別・整理します。また「◯◯の企画書を作成」「企画書を上司に提出」など、一つの業務でも可能な限り具体的にして複数のタスクに分けると、あとでスケジュールを適切に設定しやすかったりメンバー間の認識のズレを防いだりできます。
なおタスクを書き出す際に、あとで整理しやすいようノートにそのまま書くのではなく、付箋などを用いるとよいでしょう。
2.作業時間・優先順位を想定する
続いて各タスクの所要時間を想定し、それにもとづいて優先順位を決定します。同じタスクでも、所要時間は人によって異なります。担当者の経験や技量を踏まえて適切な時間を設定しましょう。
一方、優先順位はただ期限の短いものを優先すればよいというものではありません。期限が短くても、そのタスクの重要度が低いのであれば、ほかのタスクを優先すべき場面もあります。タスクの期限と重要度の2つの観点から優先順位を決めることが大切です。
具体的には、次のように優先順位を決めましょう。
- 1.重要度が高い・期限が近い
- 2.重要度が高い・期限に余裕あり
- 3.重要度が低い・期限が近い
- 4.重要度が低い・期限に余裕あり
始めに重要度が高いものを優先し、そのなかで期限が迫っているものから順位を付けます。期限が近くても重要度が低いタスクは得られる対価が小さいため、あまり注力しすぎるべきではありません。
3.スケジュールを決める
タスクに期限日を設け、スケジュールを決めましょう。タスクの緊急度に応じて期限日を設定すると、スケジュールの基準となり管理がしやすくなります。またスケジュールはタスクの期限に沿って設定すると、効率的なタスク消化が可能です。さらに、期限日を設けることでタスク完了の一定の区切りを示すタイミングとして活用できます。
スケジュールはガントチャートやカレンダーなどを用いて共有すると、期限とタスクがひと目でわかるのでおすすめです。
4.進捗管理・タスク調整をする
現在の作業の進捗状況、残りの作業とスケジュールを比較して、現時点での進捗率の乖離をチェックします。スケジュールどおりであれば問題ありませんが、遅延が発生しているのであれば対処しなければいけません。定期的にタスクの進捗を確認し、状況に応じてタスクの割り振り、もしくはスケジュール自体の変更を検討しましょう。
おすすめ製品の比較表
この記事で紹介している一部製品の比較表を紹介します。各製品の詳細情報については、後ほど紹介していますので、気になる製品をチェックしてみてください。また、ITトレンドは無料で資料資料請求する事が可能であり、資料請求した製品の比較表をダウンロードする事が可能です。社内検討する際に活用してみてください。
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
おすすめのタスク管理ツールを人気順に紹介
ここからは、IT製品取扱数業界一のITトレンドがおすすめするタスク管理ツールや、タスク管理機能を搭載したプロジェクト管理ツールを人気順に紹介します。
《Asana》のPOINT
- 「誰が、いつまでに、何をするのか」を明確にし生産性を向上
- 会話やファイルを仕事単位で束ね、進捗状況を常に可視化
- シンプルで可愛らしいUIで利用者から愛されるツール
Asana Japan株式会社が提供している「Asana」はタスク管理やプロジェクト管理が行えるワークマネジメントプラットフォームです。ユーザーの好みに応じてかんばん式やガントチャート式など、表示形式を選べます。また個人や少人数のチームなら無料で使えるのも魅力のひとつです。
対象企業規模 |
すべての規模に対応 |
提供形態 |
クラウド / SaaS |
参考価格 |
月額1,200円~/1ユーザー |
無料トライアル |
◯ |
対応機能 |
進捗管理 / 要員管理 / プロセス管理 / コミュニケーション / ガントチャート |
《Trello》のPOINT
- リックソフトはAtlassian Platinum Solution Partnerです
- ドラッグ&ドロップ操作を基本とした優れた操作性
- クラウドなのでいつでもどこでも簡単にアクセス
「Trello」はリックソフト株式会社提供のタスク管理・共有ツールで、カード型のかんばん方式で直感的にタスクを管理できます。各タスクカードでは、対象メンバーや期限、進捗状況だけでなく、チームメンバーからのコメントやログも確認でき便利でしょう。個人やチームであれば無料プランも利用可能です。
対象企業規模 |
従業員数50名以上 |
提供形態 |
クラウド |
参考価格 |
ー |
無料トライアル |
◯ |
対応機能 |
進捗管理 / コミュニケーション |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
《Jira Software》のPOINT
- リックソフトはAtlassian Platinum Solution Partnerです
- 世界65,000以上の企業が利用しているプロジェクト管理ツール
- アジャイル開発・ウォーターフォール開発・ビジネス部門にも
リックソフト株式会社が提供する「Jira Software」は、世界で65,000社以上が利用しているプロジェクト管理ツールです。プロジェクトにもとづくタスクの設定が可能で、サブタスクや課題の階層付け、変更ログなどの機能があります。なお無料プランもあります。
対象企業規模 |
従業員数50名以上 |
提供形態 |
クラウド / オンプレミス |
参考価格 |
月額735円~/1ユーザー ※25ユーザーから利用可 |
無料トライアル |
◯ |
対応機能 |
進捗管理 / プロセス管理 / コミュニケーション / ガントチャート |
製品・サービスのPOINT
- 抜群の使いやすさで、すぐに安心してチームでの実践利用が可能!
- ガントやサブタスク等、全ての便利機能を標準装備!
- 個別デモや勉強会等の手厚いサポートで、導入成功を強力支援!
「Taskworld(タスクワールド)」はタスクワールド・ジャパンが提供するプロジェクト管理ツールで、メールを用いたタスク作成や繰り返しタスクに対応しています。タスク内でメンバーとコメントのやりとりができたり、タスクにかかった時間を計測できたりします。
対象企業規模 |
すべての規模に対応 |
提供形態 |
クラウド / SaaS / オンプレミス |
参考価格 |
月額1,050円~/1ライセンス |
無料トライアル |
◯ |
対応機能 |
進捗管理 / 要員管理 / プロセス管理 / コミュニケーション / ガントチャート |
《monday.com》のPOINT
- 他ツールと比べても圧倒的に多機能。
- 自由自在に機能を組み合わせることができ、他ツールとも連携可能
- 日々使うツールは操作性と見やすさ重視
株式会社ギャプライズ提供の「monday.com」は多機能なチームマネジメントツールです。タスク管理ボード上でコミュニケーションがとれるほか、柔軟なカスタマイズ性をもち、2ユーザーまでなら無料で使えます。
対象企業規模 |
すべての規模に対応 |
提供形態 |
クラウド |
参考価格 |
月額900円~/1ユーザー ※3ユーザーから利用可 |
無料トライアル |
◯ |
対応機能 |
進捗管理 / プロセス管理 / コミュニケーション / ガントチャート |
自社に合ったタスク管理でプロジェクトを成功させよう!
タスク管理とは、プロジェクトの進行に必要なタスクの進捗状況を管理する作業です。タスク管理ツールやプロジェクト管理ツールの活用で、個人やチームの業務の生産性向上や作業の抜け漏れ防止が期待できます。以下の記事ではプロジェクト管理ツールのおすすめ製品を紹介していますので、より多くの製品を比較してみたい方はこちらも参考にしてください。
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