
プロジェクト管理でユーザー企業側が気を付けるべき点
プロジェクト管理において、ユーザー企業はどのような点に気を付ければよいのでしょうか。
プロジェクトを任せっきりにしない
プロジェクトをベンダーに任せきりにしないようにしましょう。
ベンダー側ですべてのプロジェクトを完結できるとは限りません。また、できたとしても、その品質が希望通りにならない可能性があります。最初は品質の良いベンダーでも、その後それが続くとは言い切れません。
そのため、ユーザー側も積極的にプロジェクトに関わることが大切です。密にコミュニケーションをとり、一体となってプロジェクトを成功に導きましょう。
要件変更の際はベンダーと利害調整をする
要件変更の際は、速やかにベンダーにそのことを伝え、利害を調整しましょう。プロジェクトの成功に必要なのは、リスクを早めに検出して対処することです。特に唐突な要件変更は納期を遅らせる大きなリスクとなります。
このリスクに対処するためには、要件変更を速やかにベンダーに伝え、それが実現可能か検討することが大切です。無理を強いるのではなく、具体的にどのくらいのコストや期間で完成させられるのか、現実的な答えを見出しましょう。
プロジェクトチームが果たす役割
プロジェクトチームはどのような役割を果たさなければならないのでしょうか。
関係する社内部署の要求を調整する
プロジェクトに関係する部署ごとの要求を調整しましょう。
初めから各部署の要求が一致することはありません。それぞれ異なる要求が出るはずなので、それらをすり合わせる必要があります。これを行うのが、中立的な立場にあるプロジェクトチームです。
ただし、プロジェクトチーム自体が要求を検討するようになってはいけません。複数部署の要求をまとめるうちに、要求する主体がプロジェクトチームになりがちですが、これは避けましょう。各部署の目標達成に対する責任は、その部署にあるためです。
ベンダーに自社の要求を伝える
プロジェクトマネージャ(PM)は自社の要求をベンダーに伝えましょう。その際に重要なのが交渉力です。要求をベンダーに伝えても、すんなり受け入れられるとは限りません。
仮に受け入れられても、納期の遅れやコストの増大が生じる可能性があります。また、一度は承諾を得ても、稼働予定直前になって納期に間に合わないという事態も懸念されます。
そのため、どのような条件で何が実現可能なのか、交渉の段階でよく話し合うことが大切です。Win-Winの関係を築けるよう、適切に要求を伝えましょう。
また、PMは普段から交渉を学ぶことも大切です。ベンダーとユーザーの関係は自身の交渉力にかかっていると認識しましょう。
プロジェクトを成功に導くためのポイント
プロジェクトを成功に導くためには、どのようなことに気を付ければよいのでしょうか。
コミュニケーション管理を行う
コミュニケーション管理を行いましょう。突然の機能要求や認識の食い違いによるプロジェクトの失敗の多くは、コミュニケーション不足に起因します。そのため、PMが中心となってコミュニケーションを管理しなければなりません。
ユーザー企業のPMが管理すべきコミュニケーション対象は主に以下の3つです。
- ■自社内スタッフ
- ■ベンダー
- ■協力会社
これらプロジェクトのステークホルダー全員が適切に情報共有するための要がPMです。会議体を作ったり、メールなどの情報伝達ルールを定めたりし、円滑な意思疎通を目指しましょう。
第三者PMOを設ける
第三者としてPMOを設置しましょう。
PMOはプロジェクトマネジメントオフィスの略で、PMを補佐する立場にあります。特にプロジェクトの規模が大きいとPM一人ですべてを管理するのは困難です。したがって、PMの活動を客観的に監視・補助するためにPMOの設置が有効です。具体的に、以下のような業務をこなします。
- ■経営層やPMへの報告
- ■PMとは異なる独自の基準による評価
- ■書類の確認
- ■計画の見直し
PMを助ける立場ではありますが、より精度の高いサポートを実現するためには、第三者視点を持つことが大切です。全体を俯瞰し、いち早く問題を発見・解決することが求められます。
ステークホルダーの利害を調整し、プロジェクトを成功へ!
プロジェクト管理においてユーザー企業に必要なのは、ベンダーに丸投げせず、自らも積極的に関わることです。
ユーザー企業のプロジェクトチームは以下の役割を果たしましょう。
- ■社内の要求を調整する
- ■ベンダーに要求を伝え、交渉する
成功に導くためには以下の点に気を付けましょう。
- ■コミュニケーション管理
- ■第三者PMOの設置
ぜひステークホルダー間で適切なコミュニケーションをとり、プロジェクトを成功させてください。
