ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■管理したいプロジェクト別
- 新製品開発と設計変更:Planisware Enterprise、SynViz S2
- ■管理・連携したい情報別
- タスクと進捗の管理:Jira
- 工数と原価の記録:Lychee Redmine、PREGARE Orario、OBPM Neo、Time Krei
- ERPや会計システムなどとの連携:Planisware Enterprise、OBPM Neo
- 生産計画や工程の管理:Backlog、SynViz S2
製造業でプロジェクト管理ツールが使われる場面
製造業の業務には、同じ製品を繰り返しつくる量産の業務と、目的と期限が決まった一回きりのプロジェクトがあります。プロジェクト管理ツールが役立つのは主に後者です。製造業で代表的な3つの場面を紹介します。
新製品の開発と設計変更
新製品の開発は、企画から設計、試作、評価、量産の準備までを、複数の部門が順番に、ときには並行して進めるプロジェクトです。プロジェクト管理ツールを使えば、各工程のタスクと担当者、期限を一覧で把握できます。
既存製品の設計変更も、変更の内容を関係部門に伝え、図面の改訂や部品の切り替え、在庫の扱いを決めるまで多くのタスクが発生します。変更ごとにプロジェクトとして管理すれば、対応の漏れや部門間の確認待ちに気づきやすくなります。
設備導入とラインの立ち上げ
新しい設備の導入や生産ラインの立ち上げも、製造業で代表的なプロジェクトです。設備の仕様の決定、メーカーへの発注、据え付け工事、試運転、作業者の教育といった工程があり、社外の設備メーカーや工事業者も関わります。
生産の開始日が決まっている場合、どこか1つの工程が遅れると全体に影響します。プロジェクト管理ツールでタスクの前後関係を設定しておけば、遅れが立ち上げ日にどう響くかを早めに把握し、対策を検討できます。
個別受注品の設計から出荷まで
専用機や金型、受注生産の装置のように、顧客ごとに仕様が異なる製品では、受注の1件1件がプロジェクトのような性格を持ちます。顧客との仕様の打ち合わせから設計、部品の手配、組み立て、検査、出荷までを、案件ごとに管理する必要があります。
複数の案件が同時に進むと、設計者や組立工程の負荷が特定の時期に集中することがあります。案件をまたいで担当者の負荷を確認できるツールであれば、納期の調整や応援の手配を早めに判断できます。
製造業のプロジェクトに特有の管理課題
製造業のプロジェクトは、ソフトウェア開発などと比べて、ものづくりの工程や社外との取引が深く関わる点に特徴があります。プロジェクト管理ツールを選ぶ前に、自社がどのような課題を抱えているのかを整理しておきましょう。代表的な課題は次の3つです。
部門をまたぐ工程の受け渡し
製造業の開発プロジェクトでは、設計から購買、製造、品質保証へと、部門をまたいで仕事が受け渡されます。部門ごとに異なる表計算ファイルや会議で進捗を管理していると、前の工程が終わったことが次の部門に伝わらず、待ち時間が生まれることがあります。
プロジェクト管理ツールで全部門のタスクを1つの計画に載せれば、工程の完了が関係者に通知され、受け渡しの遅れを減らせます。誰がどの段階で何を確認するのかを、タスクとして明確にしておくことが大切です。
試作や評価による手戻り
製造業の開発では、試作品の評価の結果、設計をやり直す手戻りが起こることがあります。手戻りが発生すると、後の工程の日程も見直しが必要です。
計画を表計算ファイルで管理していると、日程の引き直しに手間がかかり、最新の計画がどれか分からなくなるおそれがあります。プロジェクト管理ツールでは、タスクの日程を変えると後続のタスクも連動して動く機能を備えたものがあります。手戻りの原因と対応も記録しておくと、次の開発で同じ問題を防ぐ材料にできます。
協力会社や顧客とのやり取り
部品メーカーや加工の協力会社、設備メーカー、顧客など、製造業のプロジェクトには社外の関係者が多く関わります。仕様の確認や納期の調整がメールや電話に分散すると、最新の情報がどれか分からなくなりがちです。
社外のメンバーを招待して、必要なプロジェクトだけを共有できるツールであれば、やり取りを1か所にまとめられます。一方で、図面や仕様書は機密性の高い情報です。社外メンバーに見せる範囲を細かく設定できるか、操作の記録が残るかもあわせて確認しましょう。
製造業で役立つプロジェクト管理ツールの機能
製造業のプロジェクトを管理するには、タスク管理やガントチャートといった基本機能に加えて、ものづくりの進め方にあう機能があるかが大切です。選定時に確認したい3つの機能の考え方を紹介します。
マイルストーンとデザインレビュー
製造業の開発では、設計の節目ごとに関係部門が集まり、次の工程に進めてよいかを判断するデザインレビューを行う企業があります。プロジェクト管理ツールでは、こうした節目をマイルストーンとして設定し、全体の計画の中で目立たせることができます。
レビューで出た指摘事項をタスクとして登録し、対応の完了まで追いかけられると、指摘の放置を防げます。レビューの結果や判断の記録をプロジェクトにひもづけておけば、後から経緯を確認したいときにも役立ちます。
図面や仕様書の版の管理
製造業のプロジェクトでは、図面や仕様書が何度も改訂されます。古い版の図面で部品を発注したり加工したりすると、作り直しや納期の遅れにつながります。
プロジェクト管理ツールにファイルを添付する場合は、同じファイルの更新履歴を残せるか、最新版がひと目で分かるかを確認しましょう。図面の本格的な管理は、図面管理システムやPLMで行う企業もあります。その場合は、プロジェクト管理ツールにはファイルへのリンクを載せるなど、役割を分ける方法が考えられます。
工数と原価の記録
開発や個別受注の案件では、案件ごとにどれだけの工数がかかったかを把握することが、原価の管理や次の見積もりに欠かせません。プロジェクト管理ツールで、タスクごとに作業時間を記録できるかを確認しましょう。
記録した工数をCSV形式で出力したり、原価管理システムと連携したりできれば、案件ごとの採算を確認しやすくなります。ただし、記録の手間が大きいと入力が滞ります。記録の単位を細かくしすぎないなど、現場の負担とのバランスを考えて運用を決めることが大切です。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でプロジェクト管理ツールの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品の比較検討を進めましょう。
生産管理システムなどとの役割分担
製造業では、生産管理システムや図面管理システムといった業務システムをすでに導入している企業もあります。プロジェクト管理ツールを加える際は、既存のシステムとどう役割を分け、どこをつなぐのかを整理しておくことが重要です。
生産管理システムとの違い
生産管理システムは、受注や生産計画、資材の手配、在庫、工程の進捗といった、量産を中心とした日々の生産活動を管理するシステムです。一方、プロジェクト管理ツールは、開発や設備導入のような一回きりの案件を、タスクと日程の単位で管理する道具です。
両者は管理の対象が異なるため、どちらか一方で代替するのは難しい場合があります。量産に入るまでの開発や立ち上げはプロジェクト管理ツールで、量産開始後は生産管理システムで管理するなど、引き継ぐ時点を決めておくとよいでしょう。
既存システムとの連携の範囲
プロジェクト管理ツールと既存のシステムをつなぐと、同じ情報を二重に入力する手間を減らせます。例えば、個別受注の案件の情報を生産管理システムから取り込む、工数を原価管理システムに送るといった連携が考えられます。
連携の方法は、APIと呼ばれる仕組みでの自動連携や、CSVファイルでの受け渡しなど、ツールによって異なります。あらゆるデータを自動でつなぐと開発や保守の負担が大きくなる場合があるため、二重入力の手間が大きいデータから優先して連携を検討しましょう。
製造現場にプロジェクト管理ツールを定着させる
プロジェクト管理ツールは、関係者が情報を入力し続けてはじめて効果を発揮します。製造業では、事務所で働く社員と工場の現場で働く社員で、働き方やパソコンの使い方が異なることに配慮が必要です。定着させるための進め方を2つ紹介します。
1つの開発案件から試す
最初から全社のプロジェクトをツールに移すと、使い方の検討が追いつかず、現場が混乱するおそれがあります。まずは1つの開発案件や設備導入の案件を選び、関係部門でツールを試すところから始めましょう。
試した結果をもとに、タスクの分け方やステータスの決め方、会議での使い方をひな形にまとめます。うまくいった進め方を他の案件に広げていけば、部門ごとに使い方がばらつくのを防げます。現場の意見を集めて、使いにくい点を改善していくことも大切です。
現場で入力しやすい環境を整える
工場の現場では、作業者が自分のパソコンを持っていない場合や、作業中にパソコンを操作しにくい場合があります。進捗の入力が事務所に戻ってからになると、情報の更新が遅れがちです。
スマートフォンやタブレットから進捗を更新できるツールであれば、現場で写真を添えて報告することもできます。現場に共用の端末を置く、入力する項目を最小限に絞るといった工夫もあわせて検討しましょう。工場内で通信できる環境があるかも、導入前に確認しておきたい点です。
製造業の案件管理に使える製品の比較表
新製品開発の進め方や工数と原価の把握など、製造業のプロジェクトで役立つ観点から製品の特徴を比べられるようにまとめました。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| Planisware Enterprise | 製造業などの研究開発・新製品開発プロジェクトに対応し、ERP連携も可能 |
| Lychee Redmine | 製造業からソフトウェア開発まで使われ、工数・予算・収支をまとめて管理できる |
| Backlog | タスク管理に加え、生産計画や工程管理といった使い方にも対応 |
| Jira | 新商品のローンチなど幅広い業務のタスクを、カンバンやタイムラインで管理 |
| SynViz S2 | 各部門から進捗を自動で取得して工程表を作成でき、製品設計や生産工程の管理に向く |
| PREGARE Orario | 研究開発や製造部門のプロジェクトを統合し、予算・原価・採算を管理できる |
| OBPM Neo | 工数・原価や進捗、要員、品質の管理を統合し、会計・勤怠システムとも連携 |
| Time Krei | メンバーの予定と実績、作業の出来高やコストを自動で集計して可視化できる |
開発や設備導入の管理に役立つプロジェクト管理ツール
部門をまたぐ開発プロジェクトの進捗や、案件ごとの工数・原価の把握に対応した製品を紹介します。
Planisware Enterprise
- AI搭載の統合プロジェクト管理システム
- 研究開発、IT、エンジニアリングなど多様なプロジェクトに対応
- 世界中の主要企業がプロジェクトおよびポートフォリオ管理に活用
プラニスウェア・ジャパン株式会社が提供する「Planisware Enterprise」は、製造業などにおける研究開発・新製品開発プロジェクトの管理に対応する統合プロジェクト管理システムです。ステージ・ゲートプロセスなど多様なマネジメント手法に対応し、スケジュールやリソース、コスト、リスクを連動させて一元管理できます。プロジェクト間の依存関係を設定すれば、先行案件の遅れを後続案件の開始日に反映することも可能です。ERPなどの外部システムとのデータ連携にも対応しています。
Lychee Redmine
- ガントチャートで進捗を見える化
- 工数と予算をリアルタイムに管理
- プロジェクトレポートを自動作成
株式会社アジャイルウェアが提供する「Lychee Redmine」は、製造業からソフトウェア開発まで、規模を問わず使われている国産のプロジェクト管理ツールです。ガントチャートで計画と実績の差を把握でき、遅れや負荷の偏りに早めに気づけます。担当者の作業時間を記録して予定工数と比べられるほか、予算や単価、経費を登録すれば案件ごとの費用や収支も確認可能。複数プロジェクトを横断した進捗管理にも対応しています。パソコンとスマートフォンで利用可能です。シンプルに管理したい企業向けのフリープランも提供。
Backlog
- 担当者と期限が明確で、確認漏れや遅延を防止
- 直感的な操作と親しみやすいデザインで誰でも使いやすい
- 人数無制限の定額制で、チーム拡大も安心
株式会社ヌーラボが提供する「Backlog」は、プロジェクト管理やタスク管理に加えて、生産計画や工程管理といった使い方も想定されたプロジェクト管理ツールです。担当者と期限を明確にしたタスク管理で、確認漏れや遅延の防止に役立ちます。ガントチャートにはマイルストーン機能も備わっており、設計の節目を管理しやすい点も特徴です。大容量のファイル共有にも対応し、AndroidとiOS向けのアプリで現場からも状況を確認できます。
Jira
- 世界15万社以上が活用するプロジェクト管理のスタンダード
- 組織全体の進捗を可視化し、データに基づく意思決定を支援
- AIアシスタントRovoと連携し、タスク作成や要約・提案を効率化
アトラシアン株式会社が提供する「Jira」は、ソフトウェア開発に限らず、新商品のローンチなど幅広い業務のタスクと進捗を一元管理できるプロジェクト管理ツールです。カンバンボードやタイムライン、リストなど複数のビューでプロジェクトの状況を可視化できます。ステータスの変更通知や担当者の自動割り当てといった自動化をノーコードで設定でき、繰り返しの作業を効率化できます。Freeプランを提供し最大10ユーザーまで無料で利用可能です。
SynViz S2 (株式会社日立ソリューションズ東日本)
- 各部門の進捗度合いや変更点を自動的に取得
- エクセルのような使いやすさ
- 進捗の遅れがリアルタイムで分かる
PREGARE Orario (株式会社ウェッブアイ)
- プロジェクト毎の計画/進捗/工数/採算/資源管理の見える化を実現
- 充実した管理会計機能により健全な経営管理をサポート
- 導入実績2400社を超すOrarioの統合プロジェクト管理システム
OBPM Neo (株式会社システムインテグレータ)
- 240社以上の導入実績!PMBOK準拠の質の高い管理が可能!
- 工数・原価管理や進捗管理、要員管理や品質管理を統合できる!
- 短期間で運用できるような導入支援サービスを提供!
Time Krei (株式会社テンダ)
- 1,100社以上の導入実績!
- 全メンバーの予定や実績を一元的に見える化!
- 作業者単位で実績や作業効率を分析可能!
まとめ
製造業でプロジェクト管理ツールが役立つのは、新製品の開発や設計変更、設備導入やラインの立ち上げ、個別受注品の納期管理といった一回きりの案件です。部門をまたぐ受け渡しや試作による手戻り、社外とのやり取りを1か所で管理でき、デザインレビューや図面の版管理、工数の記録も重要な機能です。生産管理システムとの役割分担を整理したうえで、自社の案件にあうプロジェクト管理ツールを見極めるため、まずは資料請求して比較してみてください。

