RPAツールの種類
RPAツールには大きくわけて「サーバ型」「デスクトップ型」「クラウド型」の3種類があります。これらはデジタルレイバーと呼ばれるRPAツールが、働く「場」の違いで分けられています。詳しく見ていきましょう。
- ■サーバ型RPAツール
- デジタルレイバーが自社のサーバ内で働き、ロボットと各パソコンを接続することで、業務を横断的に管理し自動化する。サーバ内で働いていることから、大量のデータやルールを一括管理できる。
- ■デスクトップ型RPAツール
- デジタルレイバーは個人のパソコン内で働き、端末内の個別の作業に関して自動化する。パソコン1台に対してデジタルレイバー1台が導入されるので、特定のパソコンで行っている単純作業を自動化できる。
- ■クラウド型RPAツール
- インターネットを経由し、Webブラウザなどのクラウドサーバ上での作業を自動化する。
以下の記事では、最新のおすすめRPAを比較紹介しています。あわせてご覧ください。
サーバ型RPAツールの特徴
サーバ型RPAツールの特徴や実際の活用イメージを押さえましょう。
- ●業務を横断した一括管理ができる
- ●独自の社内環境にあわせて柔軟に開発できる
- ●セキュリティ面におけるリスクが少ない
サーバ型は部門をまたいで広範囲に活用できる一方で、初期費用が高額なもので数千万円、維持費も月額数十万円かかる製品もあるため、大規模に導入したい企業向けのタイプです。以下で詳しく解説します。
業務を横断した一括管理ができる
RPA1台をサーバ内にインストールすれば、複数台のパソコンやアカウントにおける処理を効率化できます。複数のシステムや部門をまたいだ作業が可能なため、扱うデータ量が膨大な場合や全社レベルでの大規模導入を求める企業におすすめです。
データを横断的に一括管理できるうえ、同時に複数のRPAを稼働させられるため、部門同士の作業連携や全社的なプロジェクトの効率化に貢献するでしょう。
独自の社内環境にあわせて柔軟に開発できる
サーバー型RPAはカスタマイズ可能な製品が多く、開発を加えることで将来的にRPAの導入範囲を拡大したい場合にも対応可能です。サーバ型RPAのなかには、クラウドや仮想化に対応した製品もあるため、今後全社的にクラウド化を見据えている企業でも導入しやすいでしょう。
ただしカスタマイズには専門知識を要するため、専門人材を確保することはもちろん、保守運用にかかるコストについても算出しておく必要があります。
セキュリティ面におけるリスクが少ない
サーバ型RPAツールは社内にシステムを構築します。そのため、ベンダーのサーバを利用するクラウド型や個人のパソコンにインストールするデスクトップ型と比較するとセキュリティリスクが少ないのがメリットです。
情報漏えいや不正アクセスなどの危険性が低いため、社内の機密情報や個人情報を扱う場合におすすめのタイプです。
デスクトップ型RPAツールの特徴
続いて、デスクトップ型RPAツールの特徴について解説します。
小規模・低価格で導入可能
デスクトップ型RPAツールは個人のパソコン上で稼働く特性から、部門や個人単位での利用がしやすいのが特徴です。パソコン1台から導入できるため、小規模企業にもおすすめです。
また高額なサーバ型RPAツールに対し、小規模から利用できるデスクトップ型RPAツールは初期費用が0円~数十万円、ランニングコストも月額数万円からと比較的安価に導入できます。
組織的な管理が不要
全社一括となると複雑になりがちなRPAの管理体制ですが、デスクトップ型RPAツールでは各パソコンにデジタルレイバーが導入されるため、担当者レベルでRPAツールを管理できます。組織的な管理が必要なく、手軽に導入できるのがメリットでしょう。また社内にあるほかのパソコンと連携する機会が少ないため、機密情報を取り扱う場合でも、情報が漏れるリスクを低減できます。
ただし、管理が属人化しやすいデメリットもあります。部署移動や担当者不在時にも対応できるよう、RPAの基本的な操作方法を社内で共有しておくとよいでしょう。
サーバ型・デスクトップ型・クラウド型それぞれの特徴を押さえれば、自社に最適なタイプが見えてくるはずです。さっそく資料を取り寄せ、各社製品を比較してみましょう。最新のおすすめRPAツールはこちらから一括資料請求(無料)も可能です。ぜひご利用ください。
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クラウド型RPAツールの特徴
最後に、クラウド型RPAツールの特徴について解説します。
- ●イニシャルコストを抑えられる
- ●Web上の作業のみが対象となる
- ●パソコンを占拠しない
- ●運用・管理はベンダーに一任できる
イニシャルコストを抑えられる
ベンダーのサーバを活用するクラウド型RPAツールは、自社でのサーバ設置が不要なため初期導入コストを抑えられるのがメリットです。
サーバ型の場合、高額な製品で初期費用が数千万円かかるのに対し、クラウド型であれば30万円~50万円ほどが相場となっています。ネット環境さえあれば利用できるため、システム構築の時間もかかりません。イニシャルコストを抑え、スピーディーに導入したい企業におすすめです。
Web上の作業のみが対象となる
クラウド型RPAツールは、インターネット上のクラウドサービスにログインして利用します。クラウド環境にロボットを構築し、Web上の作業のみを自動化対象としています。
例えば、Web上の自社評価を収集しExcelで管理したり、メールの送受信を自動化したりが可能です。ただし、クラウドサービス以外のツールとは連携しづらいうえ、ローカル環境にある社内システムやパソコン上の操作などは非対応のため、注意しましょう。
パソコンを占拠しない
デスクトップ型RPAツールは多くの場合、パソコン内でロボットが稼働している間はほかの作業を実施できません。一方でクラウド型RPAツールはWeb上の処理を実行をするため、ロボットを稼働させながらほかの作業も行えます。
クラウド型は稼働がネット環境内に限定されるため、自社サーバや各パソコンへの影響が少なく、作業時間のロスがないのが特徴です。
運用・管理はベンダーに一任できる
クラウド型RPAツールは、ベンダー側で自動的にアップデートされ、常に最新状態を維持できるのがメリットです。またシステム障害の際にも、ベンダー側で対応してもらえるため、専門知識をもつ社員がいない場合でも安心でしょう。
ただし、セキュリティ性もベンダーに依存します。ISO27001認証を取得している製品やPCI-DSSなどの規格をクリアしているものなど、自社のセキュリティポリシーにあった製品を選択するとよいでしょう。
以下の記事ではクラウド型のRPAツールについて、基本知識やメリット、おすすめ製品などを紹介しています。あわせてご覧ください。
最適なRPAツールの選び方
RPAを選定する際には、導入目的や必要な機能を明確にしたうえで、コストやカスタマイズ性、製品タイプなどに注目してみましょう。またRPAは定期的にロボットメンテナンスが必要なため、継続的に利用しやすいかどうかも確認すべきポイントです。具体的には以下の項目をチェックしてみましょう。
- ■機能・価格
- 自社の目的に沿った機能を搭載している製品を選択する。規模に比例して導入コストも上がるため、機能や自動化範囲を決めてから選定すると無駄がない。
- ■カスタマイズ性
- RPAには汎用タイプと特化型タイプがある。特化型は専門性が高いタイプだがカスタマイズ性は低い。RPA適用範囲によって選択するタイプとカスタマイズの度合いは異なる。
- ■運用のしやすさ
- 定期的なメンテナンスや作業シナリオの追加、不具合時の調整など、持続的に運用しやすいかが重要。専門知識の必要性やベンダーのサポート体制などもあわせて確認する。
- ■種類
- サーバ型・デスクトップ型・クラウド型がある。前述したように、規模や目的によって最適な製品が異なるため、各タイプの特徴を理解する必要がある。
なお、以下の記事ではRPAツールの選び方について詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
サーバ型・デスクトップ型RPAツールを比較
ここからは、ITトレンド編集部おすすめのRPAツールを種類ごとに紹介します。製品によってはサーバ型・デスクトップ型に限らず、そのほかの導入形態に対応している場合もあるので、詳細は各ベンダーに問い合わせてみてください。
《WinActor》のPOINT
- パソコン1台からのミニマムスタートで導入が簡単
- 時間がかかる大量の処理を行いたいときにぴったり
- RPA技術者検定保有者による勉強会を定期的に開催
スターティアレイズ株式会社が提供する純国産デスクトップ型RPAツール「WinActor」は、中小企業をターゲットとして開発しており、インストールするだけですぐに利用できます。プログラミング知識不要で、ロボット作成も容易です。用途に応じた複数の料金プランを提供しており、パソコン1台から導入可能です。夜間や休日の稼働にも対応しており、残業や休日出勤の減少に役立つでしょう。
《Robo-Pat》のPOINT
- ご契約は1ヶ月ごと!初期費用も必要ありません
- ロボ作成が簡単!パソコンを使える方であればロボ作成ができる!
- PCに直接インストールするのでネットに繋がなくても使用可能!
スターティアレイズ株式会社が提供する「Robo-Pat」は、現場での使いやすさを重視した中小企業向けのRPAツールです。主に画像認識機能を活用してロボットを作成するため扱いやすく、専門知識が不要です。パソコンでのデータ入力や集計業務はプロセス変更なしで自動化するため、スピードアップや品質向上につながるでしょう。
《robop》のPOINT
- デスクトップ上の全てのソフトやシステム間の操作を完全自動化!
- プログラミング不要!専任の担当者による無料サポートも◎
- お気軽に無料トライアルをお試しください!無料個別相談も実施!
「robop」は、BizteX株式会社が提供するRPAツールです。デスクトップ上のシステムを自動化するため、自社開発ツールや独自の管理画面にも対応しています。自動化サンプルを豊富に取り揃えており、担当者自身で設定や修正できるなど運用のしやすさに定評があります。ユーザーごとの機能制限など権限設定が可能なため、ガバナンスの統制にも役立つでしょう。
《RoboTANGO(ロボタンゴ)》のPOINT
- 録画機能でパソコン上で操作するだけで簡単にRPAの作成が可能
- 低価格なのに1ライセンス複数のPCで利用できる。
- Excel、システム、チャット・メールへの転記に強い
「RoboTANGO(ロボタンゴ)」はスターティアレイズ株式会社が提供しており、作業担当者が業務操作を録画するだけで、ロボット作成ができる現場主導のデスクトップ型RPAツールです。データ入力・集計・加工・送信メール処理・ファイル保存処理など、さまざまな業務で活用できます。また、2か月間の導入支援パッケージを利用すれば、スピーディーに社内定着させられるでしょう。
《ロボパットDX》のPOINT
- 現場で作成するために開発されたRPAであり作成が容易
- 導入企業には専属の担当者がつき、個別にサポート
- コスト削減だけでなく、DX推進サービスを提供
株式会社FCEプロセス&テクノロジーが提供する「ロボパットDX」は、一つのライセンスで端末台数無制限で利用できるなRPAツールです。1,000社を超える導入実績を誇ります。同社が行う教育や研修、コンサルティング事業の知見もあわせて、導入企業の生産性向上をサポートします。
《Autoジョブ名人》のPOINT
- 自動化対象をタグにより項目指定し、高い動作安定性を実現
- ミスが許されない業務、プロセス全体の自動化も実現
- 開発から運用に至るまで専任SEによる充実したサポート体制
ユーザックシステム株式会社が提供する「Autoジョブ名人」は、19年にわたり安定性と使いやすさを追求した国産RPAツールです。導入企業1,200社を超える実績を誇ります。専任のカスタマーサクセスプランナーによる的確なアドバイスで、エラーが発生しにくいスクリプトの作成が可能です。さらにeラーニングや相談コミュニティなどのサービスも充実しています。
《QueenBOT RPA》のPOINT
- 年30万円(税別)から導入できる価格破壊なRPA!
- 導入から開発、運用保守までワンストップで完結!
- 生成AIやAI-OCRとの組合わせも可能!
「QueenBOT RPA」はSBI AntWorks Asia株式会社/株式会社テクノサーキュレーションが提供するサーバー型のRPAツールです。業務自動化を実行する専用環境と開発内容の一元管理が可能です。自動化ロボットの実行環境で障害発生した際には、別の環境で継続して実行するフェイルオーバーを搭載しています。また、自動処理データが想定値を超える場合でも、他の環境で実行できる自動スケールボットも特徴です。
NEC Robotic Desktop Automation Solution
製品・サービスのPOINT
- 簡単にロボットを作れるので、小さい現場業務にも活用OK!
- 動作速度や動作再現性が高いため、運用保守の負荷も軽減!
- インターネットに接続されていない環境でも利用可能!
NECソリューションイノベータ株式会社が提供する「NEC Robotic Desktop Automation Solution」は、動作速度と再現性に優れたロボットが簡単に作成できるデスクトップ型RPAツールです。アプリケーションやブラウザのオブジェクトを認識するため、操作再現性が安定しています。業務選定や導入検証、開発支援など手厚いサポートも強みです。
《OCEVISTAS》のPOINT
- 1ヶ月間の無料トライアルで事前に試せる!
- プログラミング知識不要、日本語対応でロボットの作成が容易!
- チャットサポート、ナレッジ等の充実したサポート体制!
「OCEVISTAS」は、株式会社大崎コンピュータエンヂニアリングが提供するRPAツールです。100名以上の企業に最適で、スケールアップも容易にできます。民間企業のほか地方自治体にも多くの導入実績があり、デスクトップ型やサーバ実行型など用途にあわせて選択や変更が可能です。
製品・サービスのPOINT
- ナビに沿って業務シナリオが作成できるフローナビゲーション機能
- パソコンの画面上で行った操作を記録できるスマート操作レコード
- 不揃いなデータを成形してくれるKeyデータベース
株式会社キーエンスが提供する「ナビ搭載 業務自動化RPA RKシリーズ」は、ナビに従ってクリックするだけで設定が完了するRPAツールです。「スマート操作レコード」は、パソコンで行った操作の認識精度が高く、ユーザーの意図を汲み取ります。経理や人事、営業、生産管理など業種や職種を問わず、幅広く自動化が可能です。
《MinoRobo》のPOINT
- 日本語のシンプルな画面を採用し、誰でも簡単に操作できる
- 「オブジェクト認識」で画面操作の再現性も高い精度で実現
- 国産ならではの導入後の迅速な手厚いサポート体制
SCSK Minoriソリューションズ株式会社が提供する「MinoRobo」は、パソコン1台から導入できるデスクトップ型の国産RPAです。日本語で表記されたシンプルな画面が特徴で、操作ごとの色分けやわかりやすいシナリオアクションによって視認性が高いのもポイントです。なお無償セミナーも実施しているため、はじめてRPAを使用する場合でも運用しやすいでしょう。
《UiPath Platform》のPOINT
- SaaSやIaaS/PaaS、オンプレミスといった多彩な導入形態に対応
- ISO 27001認証を取得するなど高度なセキュリティを確保
- 分析ツールでRPAの導入効果を測定可能
UiPath株式会社が提供している「UiPath Platform」は、RPA導入から管理まで支援するプラットフォームです。専門知識不要でRPAを開発でき、管理から分析まで必要な工程はすべて網羅しています。高度な分析ツール「Insights」も搭載されており、業務自動化による効果の数値化や分析結果の社内共有にも対応します。
クラウド型RPAツールを比較
次に、おすすめのクラウド型RPAツールを紹介します。初期費用をおさえて、Web上の作業を自動化したい企業におすすめです。
《Power Automate Desktop》のPOINT
- 学習不要?!いつもの業務を自動記録!レコーダー機能搭載
- 操作の流れが一目瞭然!専門用語最小限の日本語ベースの編集画面
- Microsoft365やその他クラウドサービスとも簡単に連携可能!
株式会社アシスタントが提供する「Power Automate Desktop」は、レコーダー機能を搭載し、Webやデスクトップから操作を記録しリアルタイムに編集できます。SAPやWebサイト、レガシ端末、メインフレームなどの数百件以上に及ぶ構築済み操作を利用すれば、フロー作成も簡単です。また無料セミナーや操作研修、人材育成サービスなどさまざまな運用・導入支援も提供しています。
《コピロボ》のPOINT
- ノーコードで開発、何故なら特許を持っているから!
- 自動化で業務時間の大幅短縮!
- 簡単だから、マクロからも解放、誰でもすぐ使える!
株式会社NSDが提供する「コピロボ」は、Boxへエクセルの帳票をアップロードするだけで集計業務を自動化をするExcel集計RPAソリューションです。大量データでも、高速かつ正確な処理が実現します。オプションで、メールに添付されているエクセル帳票を取り込み、一覧表を自動作成できます。
《オークファンロボ》のPOINT
- kintone、勘定奉行、あらゆる管理ツールの自動化ノウハウが豊富!
- プログラミング知識不要+作成サポート担当付きで安心
- システム、アプリ、メールの連携を幅広く対応!
「オークファンロボ」は、株式会社オークファンが提供するRPAツールです。業務システムやアプリ、メールソフトなどにおけるパソコン作業を効率化します。企業ごとのサポート担当による操作方法のレクチャーはもちろん、新しい業務ルールの提案やフロー整備などの手厚い支援もポイントです。
《pengu》のPOINT
- 知識や経験が無くてもRPA導入を成功に近づける、それがpenguです
- penguでは、RPAに加えて、OCR/ETLもセットになっています!
- とにかく現場の人が簡単に使える!RPAです
オムロン株式会社が提供する「pengu」は、RPAやOCR、ETLの業務自動化ツールと育成プログラムをセットで提供する業務改善サービスです。3種類の自動化ツールであらゆるパソコン作業を自動化します。さらに教育プログラムでは、教育心理学を応用した独自アルゴリズムで学習タイプを診断します。ユーザーの目標や計画にあわせた専用教材での教育が強みです。
なお、実際に資料請求数が多いRPAツールを比較したランキングも公開しているので、まずは人気製品をチェックしてみたいという方はあわせて参考にしてください。
導入後をイメージして適したタイプを選ぼう
RPAツールはルーティン業務の工数を削減し、生産性向上や業務効率化に有効なツールです。製品を選定する際は導入後の活用イメージを具体的にもち、「サーバ型」「デスクトップ型」「クラウド型」から自社に最適な製品を選びましょう。なお、各社製品の特徴や価格などの詳しい情報は資料を取り寄せて比較することをおすすめします。