SFA(営業支援システム)の選び方
では、SFA(営業支援システム)の選び方をみていきましょう。SFAの導入時に考慮すべきポイントを6点ご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
1.営業担当者にとって使いやすいか
まず重要なのが「使い勝手」です。SFAを実際に使うのは営業担当者で、管理者が想定している以上にシステムに慣れていないという人が少なくありません。そのため、彼らが「使いづらい」と感じると、SFAを利用するという習慣の定着は難しくなってしまうのです。
例えば、入力項目が多いシステムだと、入力自体がストレスになりやすく、負担になります。その結果、顧客や案件などの正確な情報が打ち込まれなくなり、正しい情報を確認できるなくなることにつながるのです。
そうならないためには「入力項目が少ない」「選択形式での入力」といった、入力の手間を省けるシステムを選ぶことが重要になります。
そのほかにも「システムの読み込みが遅い」といったことも営業担当者のストレスになると考えられます。こうした事態を回避するには、実際に使ってみて、使い勝手を比較するのがポイントです。
2.スマートデバイスに対応しているか
SFAがスマホやタブレットに対応しているかどうかもまた選定ポイントとなります。外出先でも使えるマルチデバイス対応のSFAを選ぶことで、営業担当者は外出先で資料を確認でき、また外出先からその日の商談内容を入力できます。
3.将来を見据えた他システムとの連携ができるか
SFAは営業の段階において大きな力を発揮してくれるシステムです。しかし、見込み顧客獲得の段階はSFAの専門外。MA(マーケティング・オートメーション)が必要になります。しかし、SFAが他システムとの連携機能を備えていれば、MAで獲得した見込み顧客の情報がそのままSFAで管理でき、営業に活用できるでしょう。
また、その他にも、営業は製品の受注とも密接な関係があるため、受発注システムとの連携ができれば、スムーズな受注が可能になるでしょう。
このように他システムとの連携性が高いシステムを選ぶことで、自社内の既存システムとの連携ができるようになります。結果としてデータ収集における幅が広がり、活用できるリソースとなるわけです。
4.必要な機能と価格・料金体系のバランス
当然のことながら、導入コストやランニングコストがどれだけかかるかという点は重要な選定ポイントです。一般に、機能が多い製品は高価である場合が多いでしょう。
しかし、導入前に、それらの機能は本当に使うのか、また、活用できるリソースはあるのか、一度しっかりと検討する必要があります。多くの機能を持っていたとしても、使えない、使いこなせないのでは無駄なコストになってしまいます。まずは必要最低限の機能をもつシステムから始めるのが無難でしょう。
また、SFAの利用でかかるコストの例としては、初期費用の他に以下のようなものがあります。
- ・ライセンス利用料金
- ・保守サポート費用
- ・教育メニュー費
- ・導入コンサルティング費
コストの中には月や年で継続的に払うランニング費用もあります。これらを踏まえて、全体としてかかるコストを把握しましょう。低価格のシステムだからといって初期導入費用の安さだけに注目してしまうと、いざ導入した時に、想定以上に費用が膨らんでいたという痛い目を見ることにもなりかねません。
また、SFA導入は単に価格だけで比較はできません。自社の課題がどのように解決できるのかを明確にして、費用対効果を考え、その上で予算と合うシステムを選ぶようにしましょう。
5.ベンダーのサポートは充実しているか
続いてのポイントはサポートの手厚さです。SFAを導入する企業が目指すのは「営業力強化」や「売り上げの向上」が多いと思いますが、そのためには、システムを活用していかなければなりません。
しかし、運用が安定した軌道に乗るまでには、ある程度の時間がかかります。その間は、どうしてもSFAを提供するベンダーのサポートが不可欠です。「すぐ問い合わせに対応してくれる」「疑問を解決してくれる」など、サポートの手厚さがとても重要になってきます。
サポート面については、SFA導入前にベンダーがどこまで対応してくれるのか、あらかじめ確認をしておきましょう。SFAのサポートについてベンダーに確認する項目と内容の主な例としては以下があります。
- ・稼働サポート
- 機能説明や初期設定のアドバイス、活用方法の指導に対して、専門スタッフがユーザーの状況に合わせてサポートしてくれる体制があるか。
- ・保守・運用サポート
- 専用窓口を設置して、障害やトラブルなどの問題が発生した時に24時間365日で素早く対応してくれるサポート体制があるか。また、専門窓口は電話やメール対応だけではなく、必要な場合には担当者を直接派遣してくれる仕組みがあるか。さらに、こうしたサポート費用が有料なのか無料なのか。
- ・機能変更
- ユーザーが自社の方針の変更などによって機能の追加や変更が出た場合、依頼に対応してもらえるか。
- ・専門サポート・情報提供
- 専門スタッフによるアドバイス提供や相談窓口があるか。また、システムのアップデートをすぐに行ってくれる、最新情報を常に提供してくれるか。
6.ベンダーの販売実績は十分か
最後に、ベンダーについてはサポートに加えて、豊富な導入実績を持っているかといった点も大切になります。導入実績が多ければ、その分、システムについての知見が蓄積されており、SFAを導入した企業で生じる個別の悩みや課題にも、柔軟に素早く対応してもられることが期待できるからです。
当然ながら、以上で紹介したポイントは、実際に製品を見る中でチェックしていく必要があります。以下の記事では人気SFA製品を網羅して比較しています。
SFA選定前にやっておくべきこと
SFAを選定する前にやっておくべき点を2点紹介します。
1.導入目的と必要機能を明確にする
SFAを選ぶ前に考えておくべき点として、SFA導入の目的と必要機能が挙げられます。自社がSFAをなんのために導入したのか、そしてその目的を達成するために必要な機能はなにかということをしっかりと事前に洗い出すことで、「機能が多すぎるシステムを導入して定着しない」、「機能が少なすぎて使えない」というような失敗を未然に防げるでしょう。
2.導入後のフローを構築する
SFAを導入したあと、本格的に運用を行い、起動に乗せていくためには、選定段階で導入後のイメージを持っておく必要があります。具体的には以下のような点を考えましょう。
- ・誰が使うのか
- ・SFAの効果を測定する基準
- ・使用上のルール
ポイントをおさえて最適なSFAを選ぼう!
売り上げを伸ばすために営業力を強化しなければいけない。この課題を抱える企業に対して、SFAは解決のための有効なツールです。今回紹介したポイントを理解してSFAを導入すれば、営業部門の成果を高める強力な武器になるでしょう。
製品を選ぶ際は、製品の詳細が手元にあると便利です。一度資料請求を行い、一つ一つの製品がもつ機能を比べながら慎重に選定することをおすすめします。