
BIツールとは
BIツールとは、ビックデータを活用しデータの分析・出力が行えるツールです。社内にある膨大な量のデータを集約して分析することで、「情報の見える化」が可能になります。BIツールには多様なデータ分析機能の他にも、レポート機能やダッシュボード機能のような様々な機能があります。
BIツールの歴史1:BIツールの誕生以前
コンピューターシステムに蓄積されているデータを抽出・分析・加工して、経営に生かしたいというニーズは早くからありました。勘や経験から脱却して、データに根ざした確実な経営戦略を立案したいと望まれていたのです。
そして、1970年代の汎用コンピューターの時代、1980年代のオフィスコンピューターが広く使われるようになった時代を経て、さまざまなアプローチが繰り返されました。
そのアプローチの成果の例が、DSS(Decision Support System:意思決定支援システム)と、MIS(Management Information System:経営情報システム)です。80年代に大流行したSIS(Strategic uses of Information System:戦略情報システム)にもデータ分析の考え方が見られます。
しかし、これらのシステムは、期待したほどの分析効果をあげることができませんでした。理由は2つあります。1つは分析用の専用端末がないことでした。そのため、経営者や担当者がシステムを独占してデータ分析することができなかったのです。もう1つはシステムの能力不足です。データの抽出や加工に時間がかり、データ分析が現実的ではありませんでした。
BIツールの歴史2:BIツールの誕生の背景
BIを提唱したのは、米国のアナリスト、ハワード・ドレスナー氏です。ドレスナー氏は、「非専門家でも、データを活用して意思決定の質を高められる仕掛け」と、BIを定義しました。1989年のことです。そして、ほぼ同時期にこれを実現する2つの技術EUCとDWHが誕生します。この2つについて詳しく説明します。
EUC(End User Computing)
70年代から80年代はホストコンピューターの時代で、大型のコンピューターですべての処理を行っており、専用の操作端末かエミュレーターでアクセスしていました。そして、これら端の末には処理能力がほとんど用意されていませんでした。
しかし、80年代後半から「ネットワーク」「オープン」「ダウンサイジング」がキーワードとなり、パソコンやUNIXマシンが登場してきました。これがEUC(エンドユーザコンピューティング)です。ホストコンピューターからデータをダウンロードして、自分の端末で自由自在に分析できるようになったのです。
DWH(Data Ware House)
DWHはそれまで主流だったRDB(Relational Database)とは異なり、大量データの格納専用のデータベースです。社内のさまざまなシステムからデータを集めて、蓄積します。RDBよりも極めて高速に欲しいデータを抽出し、さまざまな角度から分析できます。DWHの登場により、BIが一気に市場で拡大しました。
BIツールとDWHの違いについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
BIツールの歴史3:現在のBIツール
BIツールはニーズに応じて進化し、現在ではグラフ化するレポーティング、問題点の分析・検証を支援するOLAP、膨大な量のデータを分析するデータマイニング、企画立案を支援するプランニングの機能を搭載しています。そして、現在は主に以下の3つのタイプで提供されています。
モバイルBI
スマートフォンやタブレットなどのモバイル機器が進化・普及することで、こうした端末で利用できるBIツール「モバイルBI」が登場してきています。
モバイルBIは、外出先などからモバイル機器を使って企業の情報システムにアクセスし、蓄積されたデータを分析・確認することが可能です。また、リアルタイムでの顧客対応や経営戦略の意思決定を即座に行うことができます。
セルフサービスBI
文字どおり、専門家の手を煩わせることなく、現場担当者がデータ分析できるBIツールです。特別なトレーニングなしに、わかりやすいグラフを容易に作成できます。
セルフサービスBIは情報システム担当者やデータベースエンジニアなどに頼らず、現場担当者がエクセルなどの手元のデータをつなぐことで経営課題の発見や新規出店計画などの業務が可能になり、BIツールのすそ野拡大に貢献しています。
エンタープライズBI
2000年代からERPが構築されるようになり、全社でのデータベースの統一が見られるようになってきました。これらの統合に対応し、導入が本格化しているのが「エンタープライズBI」です。導入することで、国内拠点のみならず海外支店のデータもリアルタイムに把握、分析できます。さらにはサプライチェーン上のグループ企業のデータも確認し、分析できます。
一般的には企業の情報システム部門が主導して開発します。数億行のデータの可視化が可能で、数千人のユーザーがアクセスすることができます。企業の全社データを確認できるため、経営分析などに向いています。
これら3つのタイプのBIツールについては、以下の記事でも解説しています。
目的に則したBIツールを導入しよう
「BIツール」と一言でいっても、極めて多種類提供されており、機能も価格も異なります。その選定は難しく、使いこなすのはさらに困難です。まずは目的をしっかりと持ち、自社に必要な機能を洗い出すこと。そして試用を繰り返し、スモールスタートで始めましょう。
BIツール選定についての視点は下記の記事も参考にしてみてください。
