ゲストプロフィール
株式会社Srush
代表取締役CEO 樋口 海氏
NTTの法人営業部にて大手自動車を担当、グローバルインフラの導入に従事し、全社表彰や最高評価を受賞。退職後、シンガポールにて日系製造業の営業戦略を担当。帰国後、製造業向けSaaSを提供する会社の立ち上げを経て、代表取締役として株式会社Srushを共同創業。早稲田大学卒、一橋大学大学院商学研究科修了(MBA)
樋口さんが紹介する3つのツールはこちら
はじめに
ーー御社の事業についてお聞かせください。
弊社は4期目に入ったばかりの若いスタートアップで、ようやく成長フェーズに乗ってきました。D2C、SaaS、会員制/サブスク、プラットフォームなど、購買件数や継続期間が重要指標である業界をメインターゲットとした事業を行っています。
事業内容としては、複数データの取得から統合・集計・分析までをノーコードでだれでもすぐに始められる「Srush」というサービスを提供しています。Excelやスプレッドシートでのデータ統合や集計作業といった、データ分析の手間を一切かける必要がなくなるサービスです。
ーー樋口さんがSrush社を起業するきっかけとなったのはどのような経験でしょうか。
NTTの法人営業部でSIerに従事した後、MBAを取得し、海外で働いた後、一社起業し、Srush社は二社目の起業です。
MBAのとき、さまざまな企業の事例を学んだのですが、国内外問わず経営者の意思決定が間違っている、と思うことがよくあったんですよね。これだけ事例があってデータがあるのであれば、間違えようがないんじゃないのかなと思ったんです。一方で、自分が社長をやってみて、やっぱりエモーショナルな部分がどうしても発生してしまうということがよく分かったんです。
その上で、データに基づいた判断を100%行うのは難しい。でも50%くらいは、データを使った判断ができるような世の中になるといいなと思って、今のプロダクトを作っています。まずは、私がずっと従事してきた、マーケティングやセールスといったセールスプロセスに価値提供していきたいと思ってます。
Notion
Notionは起業したときから使っているので、もう3年以上使っています。ドキュメントやナレッジを一箇所に集めることができるツールですね。UIも使いやすいです。
導入のきっかけは、GoogleドキュメントやExcelなどが乱立していたことでした。煩雑になっているのを解消したくて、なにか良いものがないか探していたんです。Notionを試しに使ってみたら、「めっちゃいいじゃん」となって、今では社員全員が使っています。
業務委託の方と契約した後のドキュメントのやり取りも、Googleドライブで権限管理を付与するよりも、Notionの権限管理のほうがスムーズです。
また、弊社の採用サイトや社員の自己紹介ページや社内のバリューなどもNotionで作っています。このようにして、社内の業務はNotion、コミュニケーションはSlackで完結させることができました。
ーーNotionを活用するうえでの課題はありますか。
特にないですね!弊社も営業はSalesforceを使っていたり、開発はGitHubを使っていたり一部で二重管理になることはありますが、整理していくことでだいぶ減ってきました。昔はインテグレーションが少ないかと思っていましたが、今は全く問題ないですね。
- Q.どんなときに使っているか
- 社内外でのドキュメントのやり取りで常に使っています。毎日、仕事を始めるときにはSlackとメールとカレンダーと一緒にNotionも立ち上げます。
- Q.気に入っている機能
- WBS(作業分解構成図)やカンバンボードなどを簡単に作れるところです。
- Q.おすすめの企業
- データや情報共有に時間がかかっている企業や、仕事が属人化していて、個人のPCのローカルにデータがたくさんある企業は使ったほうがいいと思います。
《Notion》のPOINT
- ドラッグアンドドロップでドキュメントを管理
- オリジナルのタグを設定可能
- ほかのツールの内容をNotion内に埋め込み可能
Figma
Figmaは一つのファイルを複数のメンバーで共有・編集することができるデザインツールです。弊社のようなITスタートアップは、デザインがないと仕事が進みませんが、デザイナーを採用するのは難しいんですよね。そこでFigmaを、UIデザイン作成やLPのワイヤーフレーム作成など、外注や社内で内製化するうえで活用しています。
誰でも簡単に使えて、スピード感も優れており、コメントをいれるなど外注先とのやり取りなども楽です。創業初期から導入していて、有料版をプロダクト開発に関わる社員全員で使っています。
ーーデザインの専門ではない人も使いやすいでしょうか?
そうですね。以前は、デザインに関する業務は私にとってもすごく遠い領域でした。デザインツールのllustratorなどの場合、受け取る側もインストールが必要で、触れるのにもある程度のスキルが必要です。
Figmaは誰でも使えるので、専門デザイナーがいなくてもデザイン作成を内製化できると思います。弊社のプロダクトマネージャーやCTOなども、相当使いこなしていますね。
- Q.どんなときに使っているか
- Webサイトやプロダクトのデザイン以外にも、資料や名刺なども作成しています。
- Q.気に入っている機能
- Notionと連携したことですね。アクセス性がより向上しました。
- Q.おすすめの企業
- ハイスキルなデザイナーを必要としないので、スタートアップにはとても使い勝手がいいと思います。
Figmaの公式ページはこちら
https://www.figma.com/ja/
Srush
Srushはだれでも・すぐに、横断的な販売戦略データ分析が始められる、データコラボレーションツールです。
もともと、データの統合や集計は、非常に面倒くさい作業です。また、SQLやコードを書けない方が分析するときは、どうしてもExcelやスプレッドシートを使わざるを得ません。加えて、Excelやスプレッドシートでは動作が重く、集計作業に耐えられない、関数が複雑化し、担当者にしか理解できないなどといった課題が山積みです。
そこでSrushを活用することで、だれでも・すぐにデータの取得→データの統合→データの集計→データのグラフ化までができるようになります。Srushのようなノーコードツールを使うことで、本来時間をかけるべきである要因分析に集中できるようになります。
ーー実際にはどのような場面で使っていますか?
弊社でも、広告や営業など全てのデータ管理をSrushで可視化、分析しています。複数のデータソースに跨って、常に新鮮で信憑性の高いデータを1つのツールで見られるのが大きなポイントです。
例えば、GoogleAnalyticsとSalesforceのデータを連携することで、どの広告が受注率が高いのか、といったことをSrush上でポチポチと押していくだけで見えてきます。
↑Srushでマーケティング×セールスの分析をしている管理画面
「Google広告はリード数が多い、でも受注率はどうだろう」といったことを可視化することは意外と難しいんですよね。Srushを使って、「Google広告はリード数が多いけれど受注率が低い」、「Facebook広告はリード数は少ないけれど受注率が高い」ということが分かれば、Facebook広告に集中投資するという判断ができます。こういった判断はデータに基づいているので、誰でも同じ結論が出せます。
従来のように、自分でデータをエクスポートして、Excelやスプレッドシートに統合して、データを集計してKPIを可視化して、要因分析してレポーティングして…というフローに含まれるデータ整理の裏側の面倒な作業が全てなくなります。
ーーデータは自分で加工したい、というニーズにも対応できますか?
最近では、自分達でデータを加工したいという方向けに、データ加工機能も用意しました。Excelやスプレッドシートのような操作感で、接続された各種ツールのローデータを見ながら、データの統合や集計、可視化を行えます。「あらゆるデータが接続されている全く重くならないExcel」というイメージで使えます。
- Q.どんなときに使っているか
- 日々のマーケティングや営業活動、プロダクトのアクティブ状況などの把握のために、毎日必ず見ますね。マーケターの方も、Google、Facebook、Yahoo、SalesforceやMAツールにアクセスせずに、Srushを見るだけで状況や翌週以降の戦略が立てられるので、毎日見ています。
- Q.気に入っている機能
- 分析したグラフと表を、SlackやTeamsなどのコミュニケーションツールに簡単にポスト(投稿)できる機能です。みんなが簡単に見られるので、データがもっと身近になります。
- Q.おすすめの企業
- コストパフォーマンスや予算達成を重視するような企業様や、広告宣伝や販管費(販売費及び一般管理費)をたくさん使う企業様におすすめです。D2C、サブスク、SaaS、プラットフォームなど、インターネットを通じた会員制ビジネスと非常に相性が良いですね。
Srushの公式ページはこちら
https://www.srush.co.jp/
編集後記
多くの人が一度はデータの分析やリスト化の経験があるかと思いますが、データの信憑性に不安を抱きつつ作業をしたり、出来上がったころには少し古くなっていたり、ということがある方も少なくないのではないでしょうか。
樋口さんのお話を伺って、今まで当たり前と思ってやってきたデータの分析や統合を、誰でももっと効率的にできるように、SaaSツールを使って変えていけるということに驚きました。筆者もデータ分析が苦手なので、自分のスキルをあげなくちゃ…!と思いつつ、もしSaaSツールでカバーできれば、そのエネルギーをもっと生産性の高い業務に集中させられるかもしれない、と思いました。
正しい判断を迅速に行っていくためには、適切な情報共有とデータ管理が鍵になると思います。本日ご紹介いただいた「Notion」「Figma」「Srush」について、自社の課題解決のヒントになると感じた方は、ぜひ資料請求をしてみてはいかがでしょうか。樋口さん、貴重なお話をありがとうございました。
「あなたのおすすめツール、教えてください!」の記事をもっと読む
続々公開中!記事一覧はこちら▽
#おすすめのITツール教えてください
この記事を読んだ方におすすめの記事はこちら▽
【みなさまの知見をお聞かせください!】
ITトレンドでは、ユーザーのIT製品・サービスの検討に役立つ情報を提供するため、
専門家や、プロフェッショナルへの取材を行っております。
ご興味ある方は、以下のページよりご連絡ください。