ゲストプロフィール
rakumo株式会社
セールスオペレーションズ部 部長
髙坂朋宏氏
パッケージベンダー数社にて導入支援・カスタマイズ開発業務に従事。2011年にrakumo株式会社の前身である株式会社日本技芸に入社。入社後はWebサイトの受託開発事業に携わり、2014年からrakumo事業へ参画。
自社サービスの導入支援や周辺開発の経験を経て、現在はセールスオペレーションズ部にて販売オペレーション業務設計・業務改善、社内業務システムの企画・インプリ業務の責任者を務めている。
髙坂さんが紹介する3つのツールはこちら
はじめに
ーー御社の事業について教えてください。
弊社では、Google社が提供するビジネス向けクラウドツールであるGoogle Workspaceと、Salesforce社が提供するSales Cloudなどのプラットフォーム、この2つのサービスと連携したアドオンツールを開発・提供しています。
Google Workspaceとの連携サービスに関しては、rakumoワークフロー、rakumoボード、rakumoコンタクト、rakumoカレンダー、rakumoキンタイ、rakumoケイヒという6種のサービスをご用意しており、このラインアップの中から必要なものをGoogle Workspaceをお使いの企業様にお選びいただいています。またSalesforceとの連携サービスに関しては、スケジューラーと連携したrakumoソーシャルスケジューラー、rakumo Syncという2種のサービスがあります。
いずれの場合も、プラットフォームに不足している機能を弊社のツールで補うことで、業務改善につなげることが可能です。
ーー髙坂さんのミッションについて教えてください。
セールスオペレーションズ部という部門の責任者を務めています。この部門には、受注業務とシステム管理業務という2つの役割があります。
まず受注業務についてご説明しますと、弊社の場合、お客様からの受注の全てがセールスオペレーションズ部のオペレーターチームを通過していくことになっています。そこで必要な情報が揃っているかなどをチェックしたうえで、正式な受注に至る仕組みです。
その業務に携わるオペレーターが利用するシステムがあるのですが、そのシステムの保守運用をしていくのも、私たちの部門の仕事です。情報システム部門のうち、業務システムのみを対象として扱っているようなイメージですね。
私のミッションとしては、当然ながら、部門の運営と業務の精度向上、自社が新しい商材を売り始めた際には、それをできるだけ早く業務システムにインプリしていくことなどがあります。さらに言えば、契約のトランザクション増加に耐えられるような体制・システムの構築も重要なミッションです。業務改善と業務の効率化を続け、人員を抑えながら、増加する業務に対処することが求められています。
Mashmatrix Sheet
Mashmatrix Sheetは、Salesforceと組み合わせて利用する有償のアドオンサービスです。SalesforceのデータをExcelのような表形式で表示することができ、その画面上でデータの更新も可能です。セールスオペレーションズ部では、主にSalesforceのシステムを業務で運用しているので、Mashmatrix Sheetを活用しています。
先ほど業務の紹介で申し上げた通り、人数をあまり増やさずに処理件数を増やしていくことを目指していますので、Salesforceの多数ある項目の中から必要な情報だけを絞り込み、更新をかけていくうえで非常に利用価値が高いサービスです。
ーー導入前は、どのような状況でしたか?
以前はSalesforceの中にあるデータを画面に1件ずつ映し出して、確認と更新を行っていました。Mashmatrix Sheetでは1画面で複数の案件のデータが見られます。それ自体はSalesforceの標準機能でも可能ではあるのですが、いくつかの制約も伴います。Mashmatrix Sheetによって、そうした制約を乗り越えて大量のデータを一括で更新することが可能になりました。
Mashmatrix Sheetの存在を知ったのは、私たちも出展していたSalesforceのイベントでのこと。弊社の近くにブースを出されていたんです。たまたま覗いてみたところ「これはいいな!」ということで導入を決めました。
ーー導入した結果、効率化できている手応えはありますか?
かなりありますね。Salesforceの標準のUIは一切使わず、専らMashmatrix Sheetの表形式のビューだけで業務が完結します。非常に高速にデータを処理していけますし、部門内でも「これをずっと使い続けたい」という声が聞かれるほどです。
- Q.どんなときに使っているか
- お客様の状況について、契約経緯を遡って確認する必要がある際などに利用しています。弊社が扱っているサービスはサブスクリプションサービスなのですが、お客様の会社の人員増減などによって、契約更新の際に課金対象の人数も移り変わっていくため、過去の契約データを確認する作業が発生します。そうした自分の業務に合わせてビューを作成するような使い方をしています。
- Q.気に入っている機能
- Excelで言うところのシートを1画面に複数表示できる機能が気に入っています(最大4つのオブジェクトを分割表示可能)。かつ、それらのシートの中でデータの連動性を持たせることができます。
例えば、1枚目のシートでrakumo株式会社のレコードをクリックすると、2枚目のシートにはrakumoの契約だけが表示されるなど、フィルターのように絞り込むことができます。
- Q.おすすめの企業
- Salesforceを導入している企業にはおすすめです。その中でも、かなりの数のSalesforceのデータを確認・更新する業務を担当している部門、具体的には営業部門のマネージャーやアシスタントの方、Salesforceのデータを基に請求書を発行する経理担当の方などには活用を強くおすすめします。
Mashmatrix Sheetの公式サイトはこちら
https://www.mashmatrix.co.jp/
Zenkit Projects
Zenkitのシリーズラインアップの1つで、プロジェクト管理ツールとして提供されているZenkit Projectsをよく利用しています。
複数名によるプロジェクト進行の際に使うケースもあるのですが、私の場合は個人単位で、思考や業務の整理に活用することのほうが多いですね。というのも、Zenkit Projectsではマインドマップのノードごとに期日や期間を設定でき、タスクやプロジェクトの工程として取り扱うことができるからです。
ーーなぜ、そうした使い方をするようになったのですか?
私はこれまで、前例がなく、進め方も定型化されていないような業務を担当することが非常に多かったんです。その都度、まず何をしなければならないのか、どういう順番で手をつけていかなければならないのかを考えながら仕事をする必要に迫られていました。そうなると、どうしても複数のタスクが頭の中で散らばりがちになります。
うまく整理できる方法はないだろうかと思い、最初はマインドマップツールなどを探していました。ただ、よく考えてみると、マインドマップの要素が”こなすべきタスク”になっていき、それらをガントチャートのようにスケジュールに落とし込んでいく作業をすることになる。これを1つのツールの中でできるようになるといいな、という視点であらためて探したところ、Zenkit Projectsを見つけたんです。
前身のサービスも含めると5年ほど、ノートや付箋のような感覚で日常的に利用しています。チームで使う場合は「Plus」という有料プランを契約しています。
ーーもっとこんな機能があればいいな、と感じるところはありますか?
1つは日本語対応ですね。現状は英語版だけなので、社内業務で利用する際に、どうしても抵抗感を持つスタッフも出てきてしまいます。もう1つは、スマホ専用のビューがあるといいなと思います。現状では、スマホで開くことはできますが使いにくさがあります。
アイディアが浮かんでくるのは、机の前に座っているときだけではなく、電車の中や、散歩しているときだったりします。スマホでパッと開けるような使い方ができるようになると思考が広がっていくのかなと思いますね。
- Q.どんなときに使っているか
- 新たなミッションが発生したとき。特に、何から対応すればよいか、どういう順番で進めるべきかを深く考えなければならない業務に携わり始めたタイミングで利用することが多いです。
- Q.気に入っている機能
- 非常にサクサクと動くところですね。また、キーボードのショートカットにも対応しているので、マウスやトラックパッドに手を動かすことが少なくて済みます。こうした操作性の良さは、自分の考えをまとめるうえで邪魔にならないという意味で非常に重要な要素だと思います。
- Q.おすすめの企業
- 企業というよりも、人の単位になるかもしれません。誰もやったことがないようなミッションを与えられることが多い人や、未知の領域に踏み込もうとしている人たちにはおすすめです。私もしょっちゅう頭から煙を出しながら仕事をしていますが(笑)、気分転換のつもりでこのツールを試してみて、ご自身にフィットするようなら継続してお使いになるのがよいのではないでしょうか。
Zenkit Projectsの公式サイトはこちら
https://zenkit.com/ja/projects/
rakumoワークフロー for Google Workspace
こちらは最初にご説明した、弊社が提供するサービスの1つで、Google Workspaceと組み合わせて使う拡張ツールです。分かりやすく稟議システムという表現を用いていますが、実際の用途としてはかなり汎用的です。実際に私もよく利用しています。
まず、稟議システムとしての説明からしますと、部門長の承認、場合によっては社長の承認を得るというフローになるかと思いますが、そうした流れをスムーズに行えるように設計されています。
それ以外の使い方としては、例えば情報システム部門にメーリングリストの作成を頼んだりするような、組織内で部門をまたいで何かを依頼する際の承認や証跡管理などにご活用いただくことが可能です。
ーー部門間の業務依頼でrakumoワークフローを活用するメリットは何ですか?
他部署に何かを依頼する際、電話やメール、様々なチャットツールを通して連絡することが多いかと思います。受け手の側に立つと、いろいろなチャンネルから来る依頼に対応する必要があり、また依頼への対応を終えた際には、報告や記録、管理などの業務も別途発生します。こうした流れの中で、どうしても見落としなどの問題が発生するリスクがあります。
rakumoワークフローがあれば、こうした一連の業務を一元管理することができるようになります。依頼があったこと、実行したことの証跡を残すこともできます。さらに例えば何か会社の備品を買った際に台帳に記載する業務を、Google Workspaceの拡張サービスであることを最大限に生かし、Google Apps Scriptというスプレッドシートの中で動くプログラムを書き込んで処理を行うことで、業務効率化につなげていけるのです。
↑rakumoワークフロー for Google Workspaceの利用画面
依頼を出す人と受ける方のやりとりが煩雑になってきたり、依頼のリスト管理・証跡管理をする必要が出てきたら、ぜひご活用いただきたいですね。導入することで、例えば情報システム部門の各担当者がどれだけの依頼をこなしたかを分析できるようになりますので、企業が拡大していく段階で導入をご検討いただくとよいかなと思っています。
- Q.どんなときに使っているか
- 他部門からの依頼を受ける際、特にその対応が煩雑なときに利用しています。
- Q.気に入っている機能
- Web APIによるGoogle Workspaceとの連携の機能が気に入っています。
- Q.おすすめの企業
- 事業規模拡大とともに部門間での依頼が煩雑になっていく傾向がありますので、これから大きくなっていくフェーズにある企業様、依頼の窓口を一本化していくニーズを感じ始めている企業様におすすめです。もちろん、大企業様などにも稟議システムとしてご活用いただきたいです。
rakumoワークフロー for Google Workspaceの公式サイトはこちら
https://rakumo.com/product/gsuite/workflow/
編集後記
お話のなかで「なぜか無茶振りされる業務が多いんです(笑)」と、おだやかにお話しされる髙坂さん。前例のない業務に取り組んできた経験が多いからこそ、チームや個人でいかにスマートに課題を解決していくかについて様々な知恵をお持ちでした。
個人的に最も気になったのは、Zenkit Projects。マインドマップに書き留めたことはやがてタスクになるというお話には「たしかに!」と膝を打ちました。着想と実行を連携させられるツールは役に立ちそうです。
髙坂さん、お忙しいなかご協力いただき、ありがとうございました!
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