承認・申請フローをシステム化することのメリット
申請業務を紙書類や紙帳票、メールベースで行っている企業は少なくありません。しかし、このような申請フローだと、申請に時間がかかったり、過去の申請書類を探すのが手間だったりするなど、効率的とは言えません。また、監査への対応やコンプライアンス強化を考える企業にとって、決済情報の可視化や証跡などを効率的に管理する仕組みとして、ワークフローのシステム化は最有力の選択肢となるでしょう。
そこで、ワークフローをシステム化することでどのようなメリットが得られるのか、下記の項目に分けて整理してみましょう。

-
1.業務効率化
- ・申請書類の定型化
- ・承認・決裁業務の効率化
- ・書類データの蓄積、検索機能
-
2.コスト削減
- ・ペーパーレスによるコスト削減
- ・承認手続きにかかる時間と人件費等
-
3.業務改善
-
メリット1.業務効率化

-
●申請書類の定型化
-
申請書類はいままで、印刷・コピーした「紙」文書を活用していました。その後、フォーマットをWordやExcelで作成するようになりましたが、最新版がどれか分からなくなる、勝手に改編してしまうというケースもありました。
そこで申請書類をシステム化して定型化することで、全従業員が確実に同じ内容に入力できるとともに、記入漏れのチェックもしやすくなります。もちろん、ペーパーレス化にもつながります。
-
●承認・決裁業務の効率化
-
これまでの承認フローでは、申請者は「誰まで承認が進んでいるのか分からない」「部長が不在なので、承認をもらえない」といったような、進捗状況が見えないことによる業務の停滞という課題が生じがちでした。ワークフローをシステム化することで、このような課題の解決につながります。
また、承認者が社内にいなくても、スマートデバイスなどで承認業務を行えるシステムもあります。このような仕組みを活用することで、さらに申請業務の効率化につながることでしょう。
-
●書類データの蓄積、検索機能
-
紙書類の場合、その保管とともに過去文書の検索は大きな課題となりました。ワークフローシステムでは、過去の申請フローに紐づいて申請書類や関連書類が保管されます。文書管理が容易になるほか、検索性も向上するでしょう。コンプライアンス強化や監査にも対応できるようになります。
メリット2.コスト削減
-
●ペーパーレス化によるコスト削減
-
これまで「紙」により行っていた申請をシステム化することで、次のようなコスト上のメリットがあると考えられます。もし、システム化を迷っているならば、下記のコストを計算し、システム化した場合とどちらにコストメリットがあるか、考えてみることをおすすめです。
- ・用紙コスト
- ・印刷コスト(外注する場合)
- ・社内印刷の場合、プリンタのコスト(トナー、消費電力含む)
- ・保管コスト(ファイル、箱、ラベルシール、社内スペースの確保)
- ・通信費(拠点から本社への書類送付、社外に保管する場合の輸送費等)
- ・上記にかかる人件費
-
●承認手続きにかかる時間と人件費等
-
いわゆる「見えないコスト」と呼ばれる部分です。申請書を上司まで持ち運ぶ、進捗状況を電話で確認する、必要な申請書類を探す…といったことは、例え部下に頼んだとしても、コストが発生していると認識する必要があります。こうした手間を大きく減らすことがコスト削減にもつながりますが、より本業に使うことができる時間が増えるという、プラスの側面があることも考えるべきです。
メリット3.業務改善
-
●他システムとの連携
-
例えば、旅費申請や経費申請と会計システムを連携させるというように、さらなる効率化が期待できます。
-
●ワークフローの整備による業務改善
-
ワークフローをシステム化することで、業務の流れが可視化できますので、これまでのムダも明確になります。このような業務を整理することで、より効率的な組織への変革につながります。
まとめ -申請業務を振り返る
紙の申請書類にハンコを押してもらうため、組織内で何階層も回して歩くことがありませんか? 毎月繰り返される形式的な申請業務に手間をかけていませんか? 急ぎの申請の承認待ちでイライラすることがありませんか? このような状況がワークフローシステムの導入によって解消された時、多くの業務がスピードアップするはずです。
今回は、ワークフローをシステム化することで、いかに業務効率化やコスト削減につながるかを整理しました。まずは自社の申請業務を振り返り、システム化することで、どのようなメリットが得られるのか、考えてみてはいかがでしょうか。