ワークフローと業務フローの違いは?
ワークフローと業務フローは、どちらも「業務の一連の流れ」を表すもの。この2つにはどのような意味の違いがあるのでしょうか。解説していきます。
どちらも「業務の流れを図式化したもの」
ワークフローと業務フロー、この2つの名称の意味には大きな違いはありません。どちらも、業務を構成する手続きや工程といった一連の流れをわかりやすく図式化したものです。業務工程が可視化でき、業務を広い視野で見れるメリットがあります。
「業務プロセス」だと全く別の意味になる
ワークフローや業務フロー、さらに意味が混同しがちな名称として「業務プロセス」が挙げられます。業務プロセスは、ワークフローや業務フローとは異なる意味をもつものです。
ワークフローは、業務の一連の流れや手続きの流れを表すものです。業務プロセスは「PDCAサイクル」※1を円滑に回すことを目的とした、ワークフローより大規模な業務の流れといえるでしょう。
※1:マネジメントサイクルの1つ。計画(plan)実行(do)評価(check)改善(act)サイクルを繰り返すことで、効果的な生産・品質管理を継続的に行うための手法です。
そもそもワークフローとは?
ここからはワークフローの概要についてさらに詳しく解説していきます。
業務の流れを定義しておくこと
ワークフローとは特定の業務の申請や承認のプロセスそして決済までの一連の流れを表すものです。例えば消耗品を購入する場合、購入申請を行い、上司が承認し、決済するという企業独自のワークフローが存在するでしょう。
また、稟議書などのように書類の種類や条件によって申請や承認・決済までの流れが複雑に分岐していくワークフローもあります。
流れを電子化・自動化したものがワークフローシステム
ワークフローシステムとは
ワークフローシステムはワークフローの一連の流れをシステムに組み込み、紙や口頭で行われていた業務や作業を自動化・電子化したものです。従来の申請から承認・決済に至るまでの流れが自動化され、また、紙ベースでのやり取りが電子化されることで業務の効率化が期待できます。
ワークフローシステムは、単体システムとして製品化しているものもあれば、ERPなどの機能の1部として搭載されている製品もあります。自社に合った製品を選んで導入しましょう。
ワークフローシステムの選び方について知りたい方は以下の記事をご覧ください。
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基本機能は書類作成の自動化・フローの可視化など
ワークフローシステムの主な機能には旅費精算や稟議書などの書類作成を自動化でき、また、申請した書類が承認されたのかどうかを把握できる可視化などが挙げられます。システムの基本機能は以下のとおりです。
- 申請書類のフォーマット作成
- 申請書類のフォーマットを作成できる機能です。テンプレートを利用したものや、ワードやExcelを利用できる製品もあります。
- 承認ルート作成
- 申請書類の種類によってさまざまな承認ルートを作成でき、申請相手を間違えてしまうといったミスを減らすことができます。
- 申請書類の決済
- システム上で申請から承認、決済までの一連の流れを行えます。また、申請書類が承認済みかどうか、申請状況の把握が可能です。
ワークフローの機能について知りたい方は以下の記事をご覧ください。
ワークフローシステムの導入がおすすめなケース
申請業務の自動化や電子化を可能にするワークフローシステムですが、導入を検討するべきケースを4つご紹介します。
業務スピードを上げたい
さまざまな業務内容により、ワークフローに関わる社員や申請ルートは異なります。従来のワークフローでは申請書類がわからない、責任者が掴まらないなどの小さな停滞が発生しがちでした。これが積み重なった状態では、迅速な意思決定を図ることは難しいといえるでしょう。
ワークフローシステムを導入すれば、システム上で申請から決済までを完結できるため申請書類やルートがわからない、責任者が掴まらないことで申請書類がストップすることはありません。
責任者は社外でも承認や決済ができ、その後は自動で申請書類がリレーされていきます。申請者は、申請書類がどのような状態かを確認でき、責任者は迅速な意思決定を可能にします。
社外でも業務可能にしたい
クラウド型のワークフローシステムを導入することで、場所に限定されずに業務を行えます。
政府が推進する「働き方改革」により従業員のさまざまな勤務スタイルに対応するため、新たな試みをスタートする企業が多いでしょう。
そんな試みをサポートするのがワークフローシステムです。クラウド型であれば在宅での申請業務が行えます。また、出張の多いビジネスマンでも社外からシステムにアクセスできるため、会社に戻らず業務ができるようになります。
管理を楽にしたい
従来のワークフローでは紙ベースで申請を行い、承認・決済者まで書類を持参していました。この方法だと申請書類を保管しなければならず、また、書類を紛失するリスクもあるため決裁後の書類の管理に大変な手間がかかっていたと思います。
ワークフローシステムを使うことによって、申請・承認・決裁までに必要な文書の流れをすべてシステム上で自動で決済後の書類も自動で保存・管理されます。
より良い内部統制を構築したい
内部統制とは、業務上の不正をなくすために全ての従業員(経営者側も含む)が社内で定めたルール・仕組みを設定し、それを正しく管理・運営することです。
ワークフローシステムは、内部統制の強化を図りたい企業をサポートできます。申請ルートが可視化できるため、不正が起こりにくく、申請の際には証憑添付が必要な書類もあるため、書類を電子化することで改ざん防止につながります。
ワークフローの意味を理解して効果的に活用しましょう
ワークフローと業務フローは、一連の業務の流れをわかりやすく図式化したものです。特にワークフローは申請から承認・決済までの流れを表すものであり、企業運営はスムーズなワークフローによって成り立っています。
昨今、あらゆる働き方が求められており、それらに応えるためにも、自社のワークフローを見直してみてはいかがでしょうか。ワークフローとは何か、今一度、理解を深めるとともに業務の洗い直しを行い、効果的なシステム導入の検討をおすすめします。