大企業がワークフローで抱える課題とは
まずは大企業がワークフローで抱える以下の4つの課題について、詳しく見ていきます。自社でも共通した課題がないか、参考にしてください。
- ●決裁の流れが複雑になる
- ●人事異動の規模が大きく人事業務の負荷が高い
- ●情報共有が困難なことがある
- ●高いセキュリティレベルが求められる
決裁の流れが複雑になる
大企業がワークフローで直面する主要な課題の一つが、決裁過程の複雑さです。
大企業においては、プロジェクトや決裁を進めるにあたり、関与する部門や承認者が多岐にわたるため、承認プロセスが多段階に分かれ、手続きの流れが非常に複雑になりがちです。
また大企業では部門間での逐次承認は特に時間を要する傾向があり、これが決裁の遅延につながることも少なくありません。さらに、多くの関係者が関与するため、情報の伝達ミスが発生しやすく、決裁ミスや再承認の必要性を高める原因となっています。
このような複雑な決裁の流れは、効率性の低下だけでなく、最終的な意思決定の質にも影響を及ぼす可能性があります。
人事異動の規模が大きく人事業務の負荷が高い
人事異動が頻繁に発生する大企業では、人事業務の負荷が高くなりがちです。大人数を抱える組織では、人事異動にともない承認ルートの変更が必要となるたびに調整が複雑になり、ミスが発生しやすくなります。
このような状況は、ワークフローが柔軟かつ迅速に対応できる構造でなければ、業務の遅延や誤りを引き起こす原因となります。
さらに大規模な組織では、一人ひとりの異動がチームやプロジェクトに与える影響の正確な把握が困難であり、その結果、承認プロセスにおいて誤った判断が下されるリスクが高まるのです。
情報共有が困難なことがある
大企業がワークフローで直面する一つの大きな課題は、情報共有の難しさです。特に、紙ベースの書類を用いた業務プロセスでは、この問題は顕著になります。
書類の回覧や共有は、多くの社員が関与する大企業において、複雑で時間がかかる作業です。さらに書類が物理的に一箇所から別の箇所へと移動する過程では、プロセスの遅延や書類の紛失リスクも高まります。
また、紙ベースのプロセスは、変更や更新が頻繁に発生する企業環境において、迅速な情報共有を妨げる要因です。情報の最新性を保つためには、書類を定期的に更新し、その都度関係者に配布する必要がありますが、これは労力と時間を大きく要します。
高いセキュリティレベルが求められる
大企業がワークフローを管理するうえで直面する重要な課題の一つが、高いセキュリティレベルが求められる点です。情報漏えいのリスクは企業活動において重大な脅威となり得ます。
社内情報や顧客情報が外部に漏れると、企業の競争力やブランド価値が損なわれるだけでなく、信頼の失墜にもつながるからです。
大企業では、日々膨大な量のデータが生成され、多岐にわたる部門で共有されます。このため、データの暗号化やアクセス権の厳格な管理、定期的なセキュリティ研修などの適切なセキュリティ対策が求められます。さらに、最新のセキュリティ技術を取り入れ、不正アクセスやマルウェアから情報を守ることも重要です。
ワークフローシステムを導入するメリット
ここからは、ワークフローシステムを導入する以下の3つのメリットについて、詳しく解説します。
- ●決裁にかかる手間が軽減できる
- ●承認ルートの変更にも柔軟に対応できる
- ●情報共有が簡単になる
決裁にかかる手間が軽減できる
部門数が多い大企業は、申請から承認までに時間がかかることから、決裁プロセスの効率化は特に重要です。ワークフローシステムの導入により、決裁にかかる手間を軽減できるメリットを得られます。ワークフローシステムの活用により、従来の紙ベースやメールでの手続きに比べて、決裁プロセスが大幅に簡素化されるのです。
ワークフローシステムは、申請から承認までの一連の流れのデジタル化と自動化が可能です。これにより、書類の搬送や保管に関わる物理的な手間だけでなく、申請書類の作成や確認、承認者への連絡といった作業も効率化されます。
承認ルートの変更にも柔軟に対応できる
ワークフローシステムを導入するメリットの一つが、承認ルートの変更への柔軟な対応ができる点です。
従来の紙ベースやメールでの手続きでは、組織の変更や業務フローの見直し時における承認ルートの変更に、大きな労力と時間を要しました。しかし、ワークフローシステムの活用により、承認ルートの変更が迅速かつ容易に行えるようになります。
システム上で承認者の追加や変更、ルートの再設定が数クリックで実現できるため、人数の多い大企業ほど工数削減が可能です。また、承認ルートの変更が簡単になると、業務プロセスの最適化や効率化が促進され、結果として業務のスピードアップやコスト削減にも寄与します。
情報共有が簡単になる
大企業では、複雑な業務プロセスと多様な部門間の連携が求められます。このような環境において、ワークフローシステムの導入は非常に有効な解決策となり得ます。特に、情報共有の効率化は、ワークフローシステムが提供する主要なメリットの一つです。
ワークフローシステムの利用により、すべての業務プロセスがデジタル化され、システム上で一元管理されるため、必要な情報を迅速に検索し、共有可能になります。従業員は、場所や時間に関係なく、重要な文書やデータにアクセスできるようになるため、業務の柔軟性が大幅に向上するでしょう。
さらに、ワークフローシステムは、承認プロセスやタスクの進行状況など、業務に関連する情報の可視化を促進可能です。これにより、プロジェクトの状況をリアルタイムで把握し、適切な判断を下すための情報がステークホルダー間で共有されやすくなります。
【大企業向け】ワークフローシステムの選び方
ここからは、大企業向けワークフローシステムの選び方について、以下の3点に絞って詳しく解説します。
- ●複雑な決裁フローに対応できるか
- ●拡張性が高いか
- ●堅牢なセキュリティを備えているか
複雑な決裁フローに対応できるか
大企業がワークフローシステムを選ぶ際には、複雑な決裁フローに対応できるかどうかを確認する必要があります。
大企業は多層的で複雑な組織構造をもち、決裁には多数の部門や階層を経由します。そのため、大企業のワークフローシステムは、柔軟かつ複数の決裁フローを設定できる機能を有している必要があるのです。
グローバル化や多角化が進む大企業では、子会社や関連会社との間での申請や承認プロセスも日常的に発生します。このような外部の組織を含めた申請プロセスにもスムーズに対応できるシステムの選定が必要です。
拡張性が高いか
大企業向けワークフローシステムを選ぶとき、人事データとの連携ができるなど、拡張性が高いシステムを選択することが重要です。
人事システムとの連携による書類作成業務から承認までの一本化、経費精算システムによる経費申請の承認など、使用しているシステムと連携してルールを決める必要があります。
拡張性が高いワークフローシステムは、新しい機能の追加や既存機能のカスタマイズが容易であり、大企業が直面する予期せぬ課題にも迅速に対応できます。また、大企業はグローバルに展開している場合が多く、異なる国や地域の法規制に対応するためにも、システムの拡張性は不可欠です。そのため、ワークフローシステムを選ぶ際には、現在の業務プロセスを効率化するだけでなく、自社で既に使っているシステムとの連携が可能かをチェックするとよいでしょう。
堅牢なセキュリティを備えているか
大企業がワークフローシステムを選択する際、最も重要な検討事項の一つが、セキュリティの堅牢性です。特に、情報漏えいのリスクを最小限に抑えるため、アクセスログの取得やIPアドレス制限が可能なシステム選びが不可欠です。
アクセスログを取得できるシステムでは、誰が、いつ、どのデータにアクセスしたかを正確に把握できるため、不正アクセスや情報漏えいの疑いがある場合に迅速な対応が可能です。さらに、IPアドレス制限機能を備えたシステムの利用により、企業が指定した場所からのアクセスのみを許可し、それ以外の不正なアクセスを事前に防止できます。
これらの機能は、大企業が直面するセキュリティ上の課題に対して強力な防御策を提供します。そのため、セキュリティ機能を重視し、特にアクセスログの取得やIPアドレス制限が可能なワークフローシステムの選択が、大企業にとっての最適な答えとなるでしょう。
大企業向けおすすめのワークフローシステム
ここからは、大企業おすすめのワークフローシステムを紹介します。自社にあったワークフローシステムを選定する際の参考にしてください。
MAJOR FLOW Z FORM
パナソニック インフォメーションシステムズ株式会社
《MAJOR FLOW Z FORM》のPOINT
- <簡単>FormDesignerを利用することで簡単に申請書画面が作成可
- <短期導入>豊富なサンプル申請書を利用して短期間導入可
- <機能拡張>機能拡張も可能で自社の業務にあった決裁フロー実現
《楽々WorkflowII》のPOINT
- ノーコードでかんたん、かつ豊富な機能で、柔軟に経路設定
- 統一基盤として利用もできる汎用ワークフローシステム
- 蓄積したデータを可視化・活用、業務改善にもつながる
《SmartDB》のPOINT
- ノーコード/ローコードで業務部門でも開発できます
- 豊富な標準機能で幅広い業務をデジタル化できます
- 大企業ならではの複雑なワークフロー/権限制御に対応できます
《ジョブカンワークフロー》のPOINT
- 社内のあらゆる申請に対応!スマホからも申請・承認可能!
- クラウドサインと連携!社内・社外とのやり取りもペーパーレス化
- 中小から大企業、自治体に至るまで幅広い導入実績多数あり!
《コラボフロー》のPOINT
- お使いのExcelを申請フォームとしてそのまま電子化、導入が簡単
- 誰にとっても「使いやすく、わかりやすい」操作性。
- 10期連続 顧客満足度No.1獲得!安心の高機能ワークフローシステム
《X-point Cloud》のPOINT
- 紙の書類イメージそのまま電子化!
- サクサク書類を検索、申請・承認の社内決裁が超スピーディー!
- 豊富な実績・ノウハウで、ワークフロー業務の改善もサポート!
《Streamline》のPOINT
- 電子承認に強いワークフロー
- 稟議書・各経費精算書など多彩な申請書に対応
- 見慣れた紙の書類の形式のままでペーパーレス化が可能
《Styleflow》のPOINT
- オプション費用一切なし!充実の高機能のすべてを月額300円で
- 進化するワークフロー!お客様に寄り添って成長するサービスです
- 見た目そのまま!既存のExcel/Wordを申請フォームにカンタン変換
rakumo for Google Workspace
製品・サービスのPOINT
- セットプランで複数のアプリをお得に利用
- 初期設定やトレーニングなど導入支援が充実
- 外部システムとの連携でさらに便利に
《intra-mart ワークフロー》のPOINT
- ワークフローと管理を含む包括的な業務基盤!
- 7,500社を超える豊富な導入実績!
- 申請・承認の途中でも動的に承認者を追加・削除可能!
AgileWorks
株式会社エイトレッドが提供する「AgileWorks」は、業務プロセスを自動化し、業務の効率化を図れるワークフローシステムです。さまざまな業務プロセスをもつ大企業において、その多様なワークフローをスマートに管理するための強力なツールとなり得ます。
最大の特徴は、カスタマイズ性の高さです。ユーザーは自社の業務にあわせてフローを自由に設計できるうえ、変更が容易なため、事業の拡大や変化に柔軟に対応可能です。また、直感的なユーザーインターフェースによって、誰でも簡単に業務プロセスの管理ができます。
monday.com
monday.com社が提供する「monday.com」は、チームの作業管理を一元化できるワークフローシステムで、プロジェクトの計画、追跡が可能です。特に大企業では、部門間の連携や複雑なプロジェクトの管理が求められるため、極めて有効です。
また、ユーザーが直感的に操作できるインターフェースにより、カスタマイズ可能なワークフローを簡単に設定できます。さまざまなツールとの連携機能も充実しており、既存のシステムやアプリケーションとスムーズに統合可能です。
プロジェクトの進捗状況をリアルタイムで可視化できるため、意思決定の迅速化とプロジェクトの成功率の向上が期待できます。
Create!Webフロー
インフォテック株式会社が提供する「Create!Webフロー」は、企業の業務フローをデジタル化し、効率的に管理するためのワークフローシステムです。特に、複雑な承認プロセスや文書管理を簡単に扱えるよう設計されており、大企業における業務の迅速化と透明性の向上に貢献します。
また、特別なプログラミング知識がなくても、直感的に業務プロセスを設計・実装可能な点も特徴です。クラウドベースで提供されるため、場所を選ばずにアクセス可能であり、リモートワークやテレワークが普及する現代の働き方にも適しています。
大企業向けワークフローシステムを導入して承認フローを楽にしよう
大企業がワークフローシステムを導入することで、承認フローの効率化が図れるだけでなく、業務プロセスの透明性が向上し、社内コミュニケーションの質が格段に高まります。
この記事で紹介した、大企業向けワークフローシステムの選び方や導入のメリットを参考に、興味をもったワークフローシステムについて、まずは資料請求してみてはいかがでしょうか。