ワークフローシステムの活用事例4選
まずは、ワークフローシステムの活用事例を見ていきましょう。
1.紙での管理から脱却し、業務効率化・内部統制強化
システムデータ事業やデータ復旧事業などを行うAOSデータ株式会社は、紙ベースの承認・決裁プロセスで、一部の処理業務は運用方法すら標準化されていない状態でした。承認・決裁業務に平均1~2日ほどかかっており、改善すべき状況でしたが、運用方法を大きく変えれば従業員から反発されるおそれもありました。そこで、既存の紙イメージを再現した「Create!Webフロー」の導入を決めたのです。
「Create!Webフロー」は、既存の申請書のフォームをそのままシステムに反映でき、操作が簡単なのでマニュアルは不要です。ペーパーレスになったことで、数時間単位で承認・決裁業務が完了し、書類の提出漏れや承認の遅れが激減したといいます。
加えて物品購入や支払依頼の履歴が残り、決裁文書を閲覧・共有する権限を細かく設定できたので、内部統制の強化にも効果がありました。脱ハンコにより、承認のためだけに出社する必要がなくなり、テレワークに適応できた点もメリットです。
当初は営業部を中心にスモールスタートをしましたが今では全社での導入が完了し、申請フォームの改良やすべての書類の電子化などを行って次のステップへ進もうとしています。
2.メール通知により、停滞していたワークフローを改善
国際商社の岡畑産業株式会社では、大阪、東京、名古屋、和歌山にある支社から毎日のように申請があり、ワードで作成した申請フォームを使ってワークフローを運用していました。申請フォームに必要事項を入力し、メールで承認者へ送信するというフローです。しかし、申請者が独断で誰にメールをするのかを決めていたので、送信漏れが発生し、申請が滞留するという問題が生じていました。そこで、申請をスムーズに進め、Excelの申請フォームを利用できる「コラボフロー」を導入したのです。
「コラボフロー」は、申請フォームをExcelで作成し、それをワークフローシステム上に反映して簡単な操作で承認経路を設定できます。また、停留しているフローがあればリマインドメールが自動で届きます。
これらの機能により、総務が運用しやすいように自身で申請フォームをつくれたり、承認者に通知メールが届くことで決裁までが迅速になったり、という導入効果があらわれました。さらに、申請フォームの項目の一部は自社内のデータベースと連携し、入力の手間を省けています。
3.ワークフローシステムのリプレースで、スムーズな運用を実現
住宅会社の株式会社タマホームでは、元々ワークフローシステムを導入していましたが、メンテンナンスや運用が大変であることが課題でした。2,960名規模の企業で従業員が多いため、操作方法がわからない・システムエラーなどの問い合わせには、社内に専用窓口を設置して対応していたのです。こうした課題を解決しようとシステムのリプレースを検討しており、コストを抑えられる「ジョブカンワークフロー」を導入しました。
「ジョブカンワークフロー」は、初期費用無料・1ユーザーあたり月額300円であるうえ、サポート費用も無料です。画面が見やすく操作が簡単なので、社内の専用窓口への問い合わせも減り、従業員の反発も少なかったといいます。従業員からあがってくるワークフローの要望や課題に対して、すぐに回答して実行に移せています。
さらに、セキュリティ面においても「ジョブカンワークフロー」は信頼性が高く、大手企業への導入実績が豊富です。セキュリティポリシーを満たした運用ができ、スムーズに切り替えられました。
4.ERPの導入に伴い、ワークフローや証跡管理も効率化
リケンテクノス株式会社は、日系の塩化ビニル樹脂コンパウンダーで世界のトップメーカーであり、設立から60年以上となります。IT化に伴って、同社でもERPの導入を検討していました。また、ワーフローシステムは導入されていましたが、社内で乱立しており統一が必要だったのです。そこで、NTTデータイントラマート社のWebアプリケーションの統合型フレームワーク「intra-mart」をシステムの基盤とし、intra-martを活用できる「皆伝!シリーズ」の経費精算のワークフローシステムを導入しました。
「皆伝!シリーズ」は、ワークフロー以外にも勤怠管理やマイナンバー管理などのシステムも用意されており、主要ERPシステムとの連携機能が搭載されています。ワークフローシステムは、経費精算や旅費精算、人事・総務申請の効率化が可能です。
これまで同社では毎月数千枚の出金伝票を手入力していましたが、入力補助機能などによりその負担が軽減されました。また、申請書の証跡や承認者ステータスなどをシステム上で管理できるので、管理者の負担もなくなったといいます。
ワークフローシステムの活用時の注意点
実は、ワークフローシステムを導入すれば効果が出るというわけではありません。ルール整備や情報漏えい対策が必要となります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
自社内のルールを整備する
ワークフローシステムは社内ルールに基づき、フォーマットやフローをカスタマイズできるものがほとんどです。しかし、社内ルールが固まっていない状態でカスタムすると、逆にワークフローが複雑化し、混乱を招く可能性があるでしょう。
まずは、現場の社員が抱えている課題や意見を取り入れて、社内ルールを整備してください。ワークフローシステム本来の機能を最大限引き出すために、不要なフローを省き、必要最低限の作業で申請できるようにカスタマイズしましょう。
情報漏えい対策をする
ワークフローシステムでは社内の重要な情報を扱います。セキュリティ対策が甘ければ、外部からの攻撃や内部不正による情報漏えいが発生し、大きな損失が生まれる可能性があるでしょう。特に社員による情報の持ち出しは、情報漏えいのよくある原因です。
ワークフローシステムを利用する際は、社員や管理データ閲覧に権限を付与し、必要な情報以外にアクセスできないように設定してください。情報漏えいを防ぐためには、セキュリティ対策を講じることが欠かせません。
ワークフローシステムの活用事例を知り、導入を検討しよう
ワークフローシステムを導入し、申請・承認の迅速化、内部統制の強化などの効果を得られた事例があります。ただし、導入の際には、社内ルールを見直してセキュリティ対策を行ってください。活用事例を参考に、ワークフローシステムの導入を検討しましょう。
以下の記事では、お悩み別に適したワークフローシステムを紹介しています。導入効果を最大限に発揮するには、現場の課題やニーズに合った製品を導入することが重要です。製品の選び方も解説しているのでぜひご覧ください。