
経費精算業務における課題点
経費精算は書類や添付書類の確認だけでなく、社内規定に反していないか、不正をしていないかなどをチェックする必要があります。そのため経理担当者にとって負担の大きな業務といえます。経費精算業務で多く見られるトラブルや課題点は以下のとおりです。
- ●項目の選択間違いや計算間違いなどの人為的ミスがある
- ●書類の差戻しが多く、担当者の負担が増加する
- ●小口現金や書類の管理に労力がかかる
- ●承認作業における進捗状況の把握が難しい
経費精算業務の課題を解決するには、社内ルールの周知により書類の不備を減らすこと、書類チェックや帳票への入力作業をシステム導入により自動化することなどがあげられます。
そこでおすすめなのがワークフローシステムです。経費精算業務の効率化に特化した経費精算システムもありますが、経費精算に強みをもつワークフローシステムなら、契約稟議や有給取得などの社内のあらゆる申請・承認作業を効率化できます。
経費精算ワークフローシステム導入のメリット
経費精算に対応するワークフローシステムを導入するメリットについて、要点をまとめて詳しく解説します。
申請・承認にかかる時間を短縮できる
パソコンだけでなくスマホからも申請できるシステムであれば、内蔵カメラで領収書を撮影して簡単に申請手続きできます。申請漏れが減るだけでなく、経費が発生してすぐに申請可能なため、領収書の紛失リスクも減らせるでしょう。
承認者もスマホからいつでも確認できます。押印も不要なため、社外にいてもすぐに承認作業を進められます。さらに多くのシステムでリマインド機能が内蔵されており、経理担当者が介在することなく申請・承認作業の遅滞を防げるのも大きなメリットです。
入力ミスが減り担当者の負担も軽減できる
経費精算には、申請者・承認者・経理担当者と複数の従業員がかかわるため、人為的ミスのリスクも高いといえます。例えば申請項目や金額の計算間違いなどがあげられるでしょう。
ワークフローシステムでは、入力内容に不備があればアラートが出ます。計算は自動で行われ、さらに社内規定に反していないかもシステムがチェックするため、差戻しが減り経理担当者の負担軽減も期待できます。
経理システムなどとの連携に役立つ
会計システムや給与計算ツールなどの経理システムと連携できる製品も多くあります。例えば経費精算では、経理部門が承認を終えた後、会計システムに仕訳が自動生成されます。経理担当者が手動で転記するのに比べ、転記ミスや二重入力のリスクを減らせるほか、チェック工程の短縮が可能です。
ワークフローシステムの導入メリットとあわせてデメリットや導入時の注意点について知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
経費精算向けワークフローシステムの選び方
経費精算に適したワークフローシステムのなかから自社に適した製品を選ぶためには、特定の用途や業界に特化した機能の有無を確認するのがおすすめです。多言語やアプリ対応、代理承認の可否など、必要な機能をあらかじめとりまとめておくとよいでしょう。
以下で製品選定時の比較ポイントを紹介します。
社内の承認ルートにあわせた設定が可能か
社内の承認経路が複雑な場合、システム移行時に既存の承認ルートを再現できない可能性があります。複数承認、分岐承認など、自由な承認方法に対応するシステムを検討するとよいでしょう。
また、従来の書式をそのままシステムで変換できるかも重要です。システム移行時に大きな変化がない方が従業員の定着率向上につながり、新たに操作方法をレクチャーする時間も省けます。
社内ルールに沿ってチェック作業を自動化できるか
「申請内容が自社の規定に沿っているか」をシステムで自動的にチェックできる製品なら、承認の手間が省けます。違反事項がある場合、アラート通知できるとより便利でしょう。
既存システムとの連携は可能か
ワークフローシステムを導入するにあたり、既存システムとの連携可否について確認しておきましょう。製品により異なりますが、ワークフローシステムは以下のシステムとの連携が可能です。
- ●会計システム
- ●給与計算システム
- ●人事システム
- ●基幹システム
- ●グループウェア
- ●社内コミュニケーションツール
特に経費精算業務では、給与計算システムや会計システムと連携できると利便性が高まります。仕訳データの自動生成や支払い処理までの一元管理が可能になるためです。
ワークフローシステムの選び方について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
経費精算に活用できるワークフローシステム比較表
ここでは、この記事で紹介している一部製品の比較表を紹介します。気になる製品は詳細ページもチェックしてみてください。
最新の資料請求ランキングは以下のボタンより確認できます。製品数が多く決めかねている方はぜひ参考にしてください。
おすすめの経費精算ワークフローシステム
ワークフローシステムのなかでも、経費精算に対応した製品を厳選して紹介します。
ジョブカンワークフロー
- 社内のあらゆる申請に対応!スマホからも申請・承認可能!
- クラウドサインと連携!社内・社外とのやり取りもペーパーレス化
- 中小から大企業、自治体に至るまで幅広い導入実績多数あり!
株式会社DONUTSにより提供されている、初期導入費・サポート費用が無料で利用できる業界最安クラスのワークフローシステムです。「ジョブカンワークフロー」の導入により、経費精算業務を約10分の1に削減できます。スマートフォンを含めたあらゆるデバイスから申請・承認できるため、利便性が高いでしょう。
対象企業規模 | すべての規模に対応 | 提供形態 | クラウド / SaaS |
参考価格 | 月額300円~/ユーザー | 無料トライアル | 〇 |
ジョブカンワークフローを利用したユーザーの口コミ
Microsoftとの連携がシングルサインオンだけなのが残念です。より柔軟に業務フローに組み込むため、Office365のシェアポイントとの連携等ができると非常に使いやすいです。
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Garoon
- 申請の差し戻し・回覧・路線検索など必要な機能を完備
- ITリテラシーを問わず使える申請、承認画面
- APIを利用した他機能、他製品との連携が可能
サイボウズ株式会社が提供する「Garoon」は、中・大企業向けのワークフローシステムです。経理はもちろん、稟議・人事・資産・給与・情報システムなど幅広い用途に対応した申請テンプレートを提供します。スマートフォンやタブレット型端末からもアクセスでき、時間の有効活用・業務速度の向上が期待できます。
対象企業規模 | すべての規模に対応 | 提供形態 | オンプレミス / クラウド / パッケージソフト / SaaS |
参考価格 | 月額800円~/ユーザー | 無料トライアル | ◯ |
Garoonを利用したユーザーの口コミ
休暇届、稟議書、出張申請、経費関係の処理に使用しております。特に便利だと感じるのが部下の休暇届を後日に確認できる点です。直行直帰が多いですが、休暇時に携帯へ連絡をすることがなくなりました。
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申請書の差し戻しをおこなった時差し戻した書類から再度提出をしなければ、差し戻し書類のフォルダーに残りその書類を削除することができない点です。
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皆伝!ワークフロー
- ローコード・ノーコードでアイデアを瞬時に画面とレポートに変換
- 豊富な外部サービスや基幹システムとの連携で、業務を一層効率化
- オンプレミスとクラウド、利用環境に応じて自由に選択
スミセイ情報システム株式会社(SLC)が提供する「皆伝!シリーズ」は、経費精算や旅費精算、勤務管理を効率化するワークフローシステムです。経費精算や各種申請の入力を補助する機能や交通系ICカードとの連携機能などにより、入力業務の効率化が進むでしょう。
対象企業規模 | すべての規模に対応 | 提供形態 | オンプレミス / クラウド / パッケージソフト |
参考価格 | クラウドの場合:月額373,500円~ オンプレミスの場合:2,000,000円 | 無料トライアル | ー |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
皆伝!ワークフローを利用したユーザーの口コミ
会社の経費精算ソフトで導入されています。社員の出張や会議、コロナ禍でのタクシー通勤の補助の際の申請などを行い、仕分け等も分かりやすかったです。
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出張費清算や経費清算などの立て替え払いが少し分かりにくかったかもしれません。勤務表の申請と紐づけて一発で申請承認できるといいと思います。
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サイボウズ Office
- 「ワークフロー」をはじめ、誰でもかんたんに使える機能が満載
- パソコン、タブレット、スマートフォンなど様々なデバイスに対応
- ユーザーのニーズに合わせて進化しつづけ、累計導入80,000社突破
サイボウズ株式会社が提供する「サイボウズOffice」は、ワークフロー機能を搭載した中小企業向けのグループウェアです。稟議書や経費などの申請・承認業務に対応します。ほかにも、掲示板やタイムカード機能、ファイル・プロジェクト管理など、情報共有を効率よく進めるための機能を多数搭載しています。
対象企業規模 | 従業員250名未満 | 提供形態 | クラウド / SaaS |
参考価格 | 初期費用無料 月額500円~/ユーザー 5ユーザーから利用可 | 無料トライアル | ◯ |
サイボウズ Officeを利用したユーザーの口コミ
クラウド型のシステムであるため、インターネットに接続できる場所さえあればスマホやタブレットからもアクセスできるので、外出先や在宅勤務での利便性も良いです。
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多くの機能が実装されていることから初心者には少し分かりづらさを感じることがあります。UIの改善や初心者用のチュートリアルが実装されるとより良いと思います。
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バクラク申請
- AI-OCRが支払い書類や領収書を数秒でデータ化!
- 自社の規程に合わせた稟議・ワークフローをペーパーレスに!
- 承認はチャットアプリで完結!従業員の負担も軽減できる!
「バクラク申請」は、株式会社LayerXが提供する自動読み取り機能を搭載した稟議システムです。AI-OCR機能により、発注書や請求書などの支払い書類をすぐにデータ化するため、申請内容の入力業務が効率化します。交通費単価計算や経路検索にも対応した経費精算プランも選べます。そのほか、重複した申請や承認できない申請への自動アラート機能により、内部統制の強化に役立つでしょう。
対象企業規模 | すべての規模に対応 | 提供形態 | クラウド / SaaS |
参考価格 | 月額10,000円~ | 無料トライアル | 〇 |
バクラク申請を利用したユーザーの口コミ
上司に申請する際、参考例が事前に記載されていたり、不足項目があるとエラーが表示されるので差し戻し回数が圧倒的に減りました。
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コーポレードカードとの連携があると経費建替えが連携できて、申請等が不要になれば営業側としてはとても便利になると思います。
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Gluegent Flow(グルージェントフロー)
- サポート伴走でご支援。申請フォームや承認経路をかんたん作成
- Microsoft・Googleアカウントを利用し、IDやPW管理の負担を軽減
- 外部システム連携により、業務プロセスの自動化や効率化を実現
「Gluegent Flow」は、サイオステクノロジー株式会社が提供するクラウド型ワークフローシステムです。Google WorkspaceやMicrosoft 365を使用している企業におすすめです。使い慣れた既存ツールとの連携は導入に対する心理的ハードルを下げるため、業務効率も向上させるでしょう。経費精算や見積フローの業務テンプレートも完備しています。
対象企業規模 | すべての規模に対応 | 提供形態 | クラウド / SaaS / サービス |
参考価格 | 初期費用無料 月額300円~/ユーザー 25ユーザーから利用可 | 無料トライアル | ◯ |
Gluegent Flow(グルージェントフロー)を利用したユーザーの口コミ
Excelフォーマットをベースに申請画面をデザイン出来る為、紙フォーマットからの置き換えがスムーズに行えます。フォーマットが同じということで利用者側も違和感なく利用できます。Microsoft365のユーザー・グループマスタが連携出来ますので、マスタ管理不要で利用できる点も大変楽です。
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JavaScriptやCSSがサポート対象外になっており、自己責任での利用になります。 利用できるのにサポートがないことが不満です。 CSSを利用することでフォームレイアウトの幅も広がるし、JavaScriptを使いたくても手探りになるので、サポート体制を整えていただきたいです。 また、サポートの回答にかかる時間や内容が担当者によって差があります。こちらは担当者を指名できないので、平準化を図っていただきたいです。
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AppRemo
- Excelで申請書を簡単作成、そのまま使ってスピード導入を実現
- 独自のチャット機能で、申請に関するコミュニケーションが向上!
- 小規模利用向け!無料で使えるAppRemoクラウドFreeプラン提供中!
エクセルを利用したワークフローシステム「AppRemo」は、株式会社システムエグゼが提供しています。エクセルで申請書を作成できるほか、申請書内のデータをデータベース化できます。データはCSV出力できるため、他システムとの連携も可能です。経費精算や人事考課などの転記入力が不要になるでしょう。
対象企業規模 | すべての規模に対応 | 提供形態 | オンプレミス / クラウド / パッケージソフト |
参考価格 | クラウド版の場合:初期費用無料 月額250円~/ユーザー 無料プランあり | 無料トライアル | ◯ |
AppRemoを利用したユーザーの口コミ
出張の旅費精算する時に使用しています。申請時にタクシーの領収書のコピーを貼り付けたりする機能が便利だと思います。
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他サービスからの移行の場合は、ビジュアルや入力フォームになれるまで時間がかかりそう。機能的には問題ないが、見やすくなるとより良い。
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ExchangeUSE
- 累計1,700社・80万ライセンス以上の導入実績!
- マウス操作1つで複雑な経路を設計可能!
- 紙の書式をそのままデジタル上で再現できる!
20年以上の提供実績を誇る「ExchangeUSE」は、富士電機株式会社が提供するワークフローシステムです。稟議・総務人事・経費精算・勤怠管理に関連する業務フローの効率化をサポートします。3種類のパッケージとオプションを組み合わせることで自社に最適なワークフローが実現するでしょう。
対象企業規模 | すべての規模に対応 | 提供形態 | オンプレミス / クラウド / パッケージソフト / SaaS / ASP |
参考価格 | 700,000円~ | 無料トライアル | ー |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
ExchangeUSEを利用したユーザーの口コミ
ExchangeUSEは、経費精算専用で使用しています。ワークフローで経費精算が実施できるため、ペーパーレス化、はんこレス化に寄与できることが、魅力。また精算履歴も長期間過去に遡って見ることができる。
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同じパターンの請求書支払処理が多いので、一括でまとめて入力できるような仕組みができると、さらに便利になるのでよいと思います。
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なお、できるだけ多くのワークフローシステムを比較検討したい方には、以下の記事がおすすめです。悩み別の製品比較表や口コミなど、役立つ情報が満載です。
ワークフローシステム導入の注意点
経費精算にも対応したワークフローシステムを導入する際、どのような点に注意すればよいのでしょうか。
決裁権限・承認ルートを明確にする
承認者やルートを明確にしなければ、ワークフローシステムを運用するための事前設定ができません。システムにユーザーの権限や承認ルートを反映させることで、申請内容に応じた承認者のもとへ自動で回覧されます。
承認者が複数必要な場合や、金額により承認者が変わるパターンなど、あらゆるケースに対応できるように設定しましょう。
ただし、一度設定した承認者・ルートが変更になる可能性もあります。例えば、人事異動によって承認者が変更になると、過去に設定した承認者・ルートのままではワークフローを運用できません。承認者・ルートは一度決めたら終わりではなく、適宜見直しが必要です。
申請内容の確認・差戻しの基準を明確にする
申請内容の確認や差戻しの基準もワークフローシステムに設定すれば、経費精算や稟議の誤りを防止できます。基準を満たさない申請にはアラートが表示され、自動で差戻しされます。
特に中小企業では、日々大量に送られてくる申請を少人数体制でチェックしているでしょう。記載に間違いを見つけるたびに担当者は差戻しと再提出を求めなければなりません。煩雑な作業で負荷も大きいといえます。
申請内容の確認・差戻しの基準をシステムに反映して自動化すると、ストレスフルな作業からも開放されます。
ワークフローシステムで経費精算も効率化しよう
経費精算に対応したワークフローシステムは、運用コストや従業員の負担を削減できます。過去の稟議申請と経費精算を柔軟に紐づけ、業務の効率化も可能です。なお、導入の際は、決裁権限・承認ルート、申請内容の確認・差戻しの基準を明確にしましょう。
以下のボタンから、さまざまなワークフローシステムの資料を無料で請求できるので、ぜひご活用ください。

様々な申請業務をデジタル化することができる。また一度申請した際に15分以内であれば差し戻してやり直すことができるので、ちょっとしたミスをした場合に申請をやり直せる点が便利。
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