コールセンターにおけるオムニチャネルとは?
コールセンターにおけるオムニチャネルの概要を解説します。
一貫したサービスレベルで多様なチャネルを使えること
コールセンターにおいては、電話やチャット、メールなどさまざまなチャネルが用いられます。これらのすべてのチャネルを、一貫したサービスレベルで使えることをオムニチャネルといいます。
具体的には、チャネル間でデータを共有することで各チャネルのサービスレベルを均等にすることです。これにより、顧客はどのチャネルからコールセンターにアクセスしても、チャネルの違いによる応対品質の差を感じずに済みます。また、時間や場所を問わずコールセンターにアクセスできるため、総合的に高い顧客満足度が実現します。
マルチチャネルとの違い:情報連携の可否
オムニチャネルと似た用語にマルチチャネルがあります。どちらもチャネルが複数ある状態ですが、オムニチャネルは情報連携を行う点でマルチチャネルとは異なります。
マルチチャネルは、あくまでも複数のチャネルがある状態そのものを示す用語です。コールセンターでいえば、電話だけでなくメールやチャットなども使える状態がマルチチャネルといえます。一方、それらのチャネル間でデータを連携させ、顧客体験を向上させようというのがオムニチャネルです。

コールセンターにおけるオムニチャネル化でできること
コールセンターのオムニチャネル化により、どのようなことが実現するのでしょうか。
顧客満足度の向上
各チャネル間で情報が分断されていると、顧客は不便を感じます。たとえば、メールで問い合わせた内容についてさらに質問したい顧客が、コールセンターに電話をかけてきたとしましょう。このとき、チャネル間で情報を連携できていなければ、顧客はオペレーターにメールでのやり取りを一から説明しなければなりません。
しかし、情報連携ができていれば、オペレーターは顧客がどのような状態にあるのかを理解して対応できます。顧客は説明の手間が省けるだけでなく、自分のことを知ってもらえている感覚を抱けるでしょう。これらの体験が顧客満足度の向上につながります。
有用なデータベースの構築
オムニチャネル化は有用なデータベースを構築するうえでも有益です。なぜなら、チャネル間で情報を連携することにより、データを一元化できるからです。
チャネルが分断されていると、データもそれぞれのチャネルごとに蓄積されることになります。たとえば、メールでの問い合わせと電話での問い合わせの内容は別々のデータとして保管されます。これでは、顧客のニーズや疑問を俯瞰的に把握できないでしょう。
オムニチャネルであれば、チャネルの垣根を超えてすべてのデータを一元管理できます。こうして構築されるデータベースは、顧客対応品質の向上や新サービスの開発に役立てられます。
オムニチャネルの実現方法
多くのコールセンターではコールセンターシステムが使われています。オムニチャネルを実現するには特にIVRとCTIを活用することが大切です。では、それぞれのシステムについて見ていきましょう。
IVR(自動応答システム)を利用する
IVRは「Interactive Voice Respons」の略で、日本語に訳すと「自動応答システム」となります。音声ガイダンスによって顧客に操作を促すことで、オペレーターの負担を軽減するシステムです。
従来のコールセンターでは、人手が足りないときはオペレーターを増やすことで対応していました。ところが、オムニチャネル化によってチャネルが多様化すると、オペレーターの増員だけでは対処しきれなくなります。そこでIVRを使えば、顧客対応を効率化しオペレーター一人あたりの生産性を高められます。
CTIシステムを利用する
CTIは「Computer Telephony Integration」の略で、コンピューターと電話の統合を意味します。このシステムを使うと、一つの画面上で複数チャネルの情報をまとめて管理できます。
たとえば、ウェブサイトにおける問い合わせフォームでの入力内容や、メールでの問い合わせ内容をまとめて表示可能です。それぞれのチャネルごとに画面を開く必要がないため、オペレーターの業務が効率化します。
また、電話がかかってきた際には顧客の情報を画面上に表示できます。初めて電話をかけてきた顧客でも、ほかのチャネルから得た情報が瞬時に得られれば、スムーズに対応できるでしょう。
コールセンターのオムニチャネル化を実現しましょう
コールセンターにおけるオムニチャネルとは、複数チャネルで均質な顧客対応を実現することです。そのためには、チャネル間でのデータ連携が欠かせません。コールセンターをオムニチャネル化するメリットは以下のとおりです。
- ■顧客満足度の向上
- ■有用なデータベースの構築
また、オムニチャネル化するには以下のシステムを活用しましょう。
- ■IVR
- ■CTIシステム
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