CTIの仕組みとは
「Computer Telephony Integration」は日本語にすると「コンピュータと電話の融合」。実にわかりやすい名前となっています。コンピュータと電話は別々に発達してきており、従来融合するという発想がありませんでした。それが1990年代になって、突然1つになり、CTIという多機能なシステムが登場したのです。
Telephonyの機能を提供するのはPBX(構内交換機)です。企業内にあって内線電話や転送機能を提供しています。1900年ごろに登場していますから、コンピュータよりもずいぶん早くから活躍していることになります。当初はアナログで機械的に通話相手を切り替えていましたが、1980年代ごろから内部的にデジタル化が進みます。電子交換機あるいはデジタル交換機と呼ばれるようになります。
しかし、通話回線はアナログですので、外部とのやり取りはアナログのままでした。これが1990年代になってデジタル回線への対応から、内も外もデジタル化されます。ここにおいて、デジタル機器であるコンピュータとの融合が可能になったのです。
コンピュータは完全にデジタル化されており、優れた制御機能や記録機能を持っています。コンピュータの制御・記録機能とPBXの交換機能が融合し、極めて多彩な機能を提供できるようになりました。
CTIの機能
CTIの登場により、それまで受話器を持ってダイヤル、あるいはプッシュホンを押すという、風景がなくなりました。オペレータはパソコンに向かい、ヘッドセット(マイク一体型ヘッドホン)を付けて、お客様に対応することになります。
CTIでは、電話を受ける「インバウンド型」、電話をかける「アウトバウンド型」があります。それら主な機能を紹介しましょう。
- ■着信呼自動配分(ACD=オートマティック・コール・ディストリビューション)
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着信したコールを自動的に空いているオペレータに均等分配する機能です。オペレータによる着信数の偏りをなくし、作業を効率化できます。
- ■自動音声応答(IVR=インタラクティブ・ボイス・レスポンス)
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コールセンターに電話すると、要件に応じて番号を押すよう促されることがあります。これが自動音声応答機能です。資料請求や情報提供など、単純な対応を自動音声応答にまかせることで、処理の効率化を高めることができます。また、自動化を進めることで24時間対応も可能となります。電話回線が混み合っている時や営業時間外などの際にも利用できます。
- ■予測発信(プレディクティブコール)
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登録されている電話番号に自動で次々に電話し、相手が応答したらオペレータにつなぎます。オペレータはダイヤルしたり、相手が出るまで待つ必要がありません。電話をかける業務を大幅に効率化できます。また、オペレータはお客様との会話に集中できますので、接客時間と品質を向上するメリットもあります。
- ■通話録音
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通話内容を自動で録音し、保存できます。トラブルの際の内容確認、対応の評価、内部統制における証跡として利用できます。
- ■ポップアップ
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ナンバーディスプレイサービスと組み合わせ、電話番号からお客様の情報を検索し、オペレータのパソコン画面に表示します。名前、住所、予約・購入履歴などを確認して、すばやく的確な対応ができるようになります。1件あたりの対応時間を短縮でき、人件費の削減や顧客満足度向上にもなります。
- ■モニタリング
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管理者がオペレータの稼働状況を確認する機能です。オーバーワークやトラブルが発生していないかをチェックし、リアルタイムに対応できます。また、CTIであれば着信、発信の回数や通話数、通話時間などのデータを把握できるため、オペレータの正当な評価が可能となります。
CTIは多機能化が進んでいます。導入を検討してみませんか。