FAQシステムの使いやすさを判断する基準
使いやすさは感覚で語られやすい言葉ですが、そのままでは製品を比較できません。誰にとっての使いやすさなのかを分け、確認できる項目に置き換えることで、資料やデモの場で判断できる材料になります。
立場ごとに分けて考える
FAQシステムに関わる人は、大きく3つに分かれます。回答を探す閲覧者、FAQを書いて更新する編集担当者、権限や公開範囲を設定する管理者です。それぞれが触れる画面も、求める操作性も異なります。
閲覧者にとっては、回答にたどり着くまでの手数の少なさが評価の中心です。編集担当者にとっては、文章や画像を入力する手間と、公開までの操作数が関わります。管理者にとっては、権限設定や集計の画面が分かりやすいかが問われます。自社で誰がどの役割を担うかを先に決めておきましょう。
主観に頼らず比較するための準備
製品資料の「直感的な操作」「シンプルな画面」といった表現は、判断の材料としては不十分です。比較の前に、自社で実際に行う作業を書き出し、それぞれ何回の操作で終わるかを確かめる形に置き換えておきましょう。
例えば「FAQを1件新規作成して公開するまで」「既存のFAQの文章を修正して差し替えるまで」「カテゴリを1つ追加するまで」といった作業を用意しておきます。同じ作業を各製品のデモやトライアルで試せば、条件をそろえた比較ができます。作業を試す担当者は、実際に運用する予定の人に依頼すると判断がずれにくくなります。
FAQシステムの管理画面の操作性
FAQを日常的に更新するのは編集担当者です。管理画面の操作性は運用が続くかどうかに直結するため、実際の作業の流れに沿って確認しておきましょう。ここでは確認したい場面を3つに分けて整理します。
記事の入力方法の確認
FAQの本文を入力する画面には、文字装飾のボタンを使って書く方式や、決められた記法で書く方式などがあります。IT製品に慣れていない担当者が更新する場合は、Word文書に近い感覚で編集できる方式のほうが負担を抑えられます。
入力欄の使い勝手だけでなく、公開前に表示を確認できるプレビュー機能があるか、下書きの状態で保存できるかも確かめておきましょう。作成の途中で保存できないと、まとまった時間を確保できない担当者にとって作業の負担が大きくなります。
画像や表の扱いの確認
操作手順を説明するFAQでは、画面の写真や表を使う場面が出てきます。画像を貼り付ける方法、表示サイズの調整範囲、表を作る機能の有無は、製品によって差があります。
画像を1枚追加するのに何回の操作が必要か、貼り付けた後に位置を調整できるかは、デモの場で実際に試すと分かりやすくなります。あわせて、扱えるファイル形式や1件あたりの容量の上限も確認しておくと、公開後に想定と違う点に気付く事態を避けられます。
一覧管理と検索のしやすさ
FAQの件数が増えると、目的の記事を管理画面で見つけること自体に時間がかかるようになります。一覧画面で絞り込みや並び替えができるか、管理者側でも本文の内容から検索できるかを確認しておきましょう。
複数のFAQをまとめて操作できる機能があると、カテゴリの付け替えや公開状態の変更を一度に進められます。数百件規模での運用を想定している場合は、件数が増えた状態での動作についてもベンダーへ確認しておくことをおすすめします。
利用者が見る画面のシンプルさ
FAQを実際に使うのは、社内の従業員や顧客です。管理画面がどれだけ整っていても、利用者が回答にたどり着けなければ効果は限られます。閲覧側の画面で確認したい点を整理します。
回答にたどり着くまでの導線
利用者が使う経路は、検索窓に言葉を入れる方法と、カテゴリ一覧をたどる方法の二つが基本です。どちらか一方に偏っていると、言葉が思いつかない利用者や、目的が明確な利用者のどちらかが探しにくくなります。
確認したいのは、トップ画面から回答までに何回の操作が必要かという点です。よく見られるFAQを上部に表示できるか、関連するFAQを回答の下に並べられるかも、探し直す手間を減らす要素になります。実際の利用場面を想定して、スマートフォンでの表示もあわせて確かめておきましょう。
画面構成の調整範囲
FAQの画面を自社サイトの見た目にあわせられるかは、社外公開を予定している場合に関わります。色やロゴの変更にとどまるのか、項目の並びまで変えられるのかは製品によって異なります。
調整にWeb制作の知識が必要かどうかも確認しておきたい項目です。管理画面の設定だけで変更できる範囲と、コードの編集が必要な範囲を分けて聞いておくと、社内で対応できるかを判断できます。外部へ委託する場合は、その費用も検討材料に含めておきましょう。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でFAQシステムの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
初期設定にかかる手間の見積もり
導入時の負担は、公開までにどれだけの作業が発生するかで決まります。設定が簡単だと案内されていても、自社側で用意するものが多ければ立ち上げに時間がかかります。作業の内訳を分けて把握しておきましょう。
公開までに必要な作業の洗い出し
初期設定では、アカウントの登録、カテゴリの設計、権限の割り当て、画面デザインの調整、FAQ本体の作成といった作業が発生します。このうちシステム側の設定は短時間で済んでも、FAQの原稿づくりには時間がかかることがあります。
設定作業の分量を判断する際は、ベンダーが提供する手順書や設定支援の有無を確認しておきましょう。あわせて、自社で用意する必要がある情報を早い段階で聞いておくと、社内の準備を並行して進められ、公開までの期間を短縮しやすくなります。
既存FAQの移行方法
すでにWordやExcelでFAQを管理している場合、その内容をどう移すかが立ち上げの負担を左右します。CSVなどの形式で一括登録できる機能があれば、1件ずつ入力し直す手間を減らせます。
一括登録に対応している場合でも、指定される形式や項目の並びは製品ごとに決まっています。既存データを加工する作業が必要になるため、対応形式と必要な項目を事前に確認しておきましょう。件数が多い場合は、移行作業をベンダーへ依頼できるかもあわせて相談してみてください。
公開までの期間の考え方
公開までの期間は、FAQの件数と社内の確認体制によって変わります。システムの設定が終わっても、内容の確認や承認に時間がかかると公開日がずれ込む可能性があります。
最初から全件をそろえようとせず、問い合わせの多い項目から順に公開し、後から追加していく進め方も有効です。この方法であれば早い段階で利用を始められ、実際の検索状況を見ながら追加するFAQを決められます。社内への案内時期もあわせて計画しておきましょう。
サポートで受けられる範囲の確認
サポートは内容の幅が広く、同じ言葉でも実際に受けられる支援は製品ごとに異なります。どこまで対応してもらえるのかを具体的に分けて確認しておくと、導入後の想定違いを防げます。
支援内容の区分の把握
サポートと呼ばれるものには、いくつかの段階があります。契約前の問い合わせで、自社が必要とする段階が含まれているかを確かめておきましょう。
- ■マニュアルの提供
- 操作手順をまとめた資料やヘルプサイトを閲覧できる形の支援です
- ■問い合わせ窓口
- 不明点を質問し、操作方法の案内を受けられる形の支援です
- ■初期設定の支援
- 設定の進め方を案内する形と、作業そのものを代行する形があり、範囲は契約内容によります
- ■運用設計の支援
- FAQの分類方法や改善の進め方について相談できる形の支援です
「設定を支援します」という説明が、案内までを指すのか、作業の代行まで含むのかは分かれます。自社に設定を担当できる人がいない場合は、どちらに当たるかを契約前に書面で確認しておくことをおすすめします。
問い合わせ方法と対応時間
問い合わせの手段には、メール、電話、チャットなどがあり、製品や契約プランによって使える手段が異なります。急いで確認したい場面が想定される場合は、電話やチャットに対応しているかを確かめておきましょう。
受付時間と回答までの目安時間も確認しておきたい項目です。平日の日中のみの対応であれば、休日に公開作業を行う計画は避ける必要があります。追加費用で対応範囲を広げられる場合もあるため、必要性とあわせて見積もり時に相談してみてください。
操作の手数を抑えられるFAQシステム
閲覧する人の探しやすさと、編集する担当者の操作の手数という2つの観点から、実際の作業を試して確かめやすいFAQシステムを紹介します。
Click Navi
- シンプルなユーザインターフェース
- 表示された「検索条件」をクリックするだけ
- AIによる「絞込キーワード」の自動抽出、カテゴリ候補を自動提示
住友電工情報システム株式会社が提供する「Click Navi」は、文字を入力せずクリックだけで目的の情報にたどり着くことを想定した検索システムです。探し方を選び、検索条件を選び、結果を絞り込むという3つの手順で進む構成になっており、検索の起点はカテゴリや検索対象、タグ、更新日、お気に入りから選べます。絞り込みに役立つキーワードはAIが自動で抽出し、クリックするたびに新しい候補が示されます。カテゴリは階層構造を設定でき、専用のエディタで管理できます。
Helpfeel(ヘルプフィール)
- 特許を持つ検索技術であいまい検索。“使われないFAQ”から脱却
- AIで構築/運用/分析もらくらく。AI技術と伴走サポートが高評価
- 継続率99%!生成AIを安全に活用し既存システムとも連携
株式会社Helpfeelが提供する「Helpfeel(ヘルプフィール)」は、検索での自己解決を重視したFAQプラットフォームです。特許技術の意図予測検索により、入力の途中や曖昧な言い回しからも候補を示すため、利用者が正確な言葉を思いつかない場面でも探しやすくなります。誤字を含む質問や長い文章からも意図をくみ取る仕組みを備えています。タグ付けを前提としないナレッジ基盤を採用しており、公開予約や下書きの生成といった更新の機能も用意されています。
i-ask
- CS向上!サポート業務のお悩みを解決するFAQ管理サービス i-ask
- ナレッジの蓄積で顧客満足度の向上
- お問い合わせ対応を効率化し、コスト削減に貢献
株式会社スカラコミュニケーションズが提供する「i-ask」は、顧客や社員、代理店からの問い合わせに対応するFAQシステムです。HTMLの知識がなくてもFAQページを作成・更新でき、複数のユーザーで分担して管理できます。作成時には反映日時のタイマー予約や複数カテゴリへの同時登録、参照資料の添付、公開期間の設定、検索の表示順に関わる重要度の指定が行えます。閲覧数や評価のランキング、検索語別のデータを確認でき、統計データの書き出しにも対応します。
Tayori (株式会社PRTIMES)
- プレスリリース配信のPR TIMESが開発。
- 大切な想いを届ける「お便り」がサービス名の由来。
- 紙飛行機で日本記録を達成するプロジェクトを実施。
OKWAVEPlus (株式会社オウケイウェイヴ)
- 1500種類以上のサンクスカードデザイン
- サンクスカードでポイントを貯めてギフトと交換
- ビジネスチャットツールと連携可能
まとめ
FAQシステムの使いやすさは、閲覧者、編集担当者、管理者それぞれの立場に分け、実際に行う作業の手数で確かめると比較できます。管理画面の入力方法、利用者側の導線、初期設定の作業量、サポートで受けられる範囲を項目として並べ、同じ条件でデモやトライアルを試してみましょう。候補が絞れたら資料請求で条件を確かめ、比較検討を進めてみてください。


