ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■連携の方式別
- 給与計算システムとデータ連携したい:マネーフォワード クラウド人事管理、ジンジャー人事労務、PathosLogos
- 勤怠管理システムとデータ連携したい:マネーフォワード クラウド人事管理、ジンジャー人事労務、PathosLogos
- APIで他システムと自動連携したい:ジンジャー人事労務、SmartHR、HRBrain、ジョブカン労務HR、カオナビ、タレントパレット、POSITIVE
- ■提供形態別
人事システムの仕組みは人事マスタが中心
人事システムの中心には、従業員一人ひとりの情報をまとめたデータベースがあります。ここでは、データがどのように登録され、どのように積み上がっていくのかという基本の仕組みを見ていきます。
従業員情報を1か所に登録するデータベース
人事システムでは、氏名や生年月日、入社日、所属部署、役職、資格などの情報を、社員番号ごとに1件のデータとして登録します。この従業員情報の集まりを「人事マスタ」と呼びます。
表計算ソフトで管理する場合、部署ごとに別のファイルを作ると、同じ人の情報が複数の場所に存在し、更新漏れが起きやすくなります。人事システムでは社員番号をもとに情報を1か所で管理するため、どの画面から見ても同じ最新の情報を参照できます。
発令の登録による履歴の蓄積
異動や昇格、休職などが決まると、人事担当者は「いつから、どの部署で、どの役職か」を発令として登録します。人事システムには、新しい情報で上書きするのではなく、適用日つきで履歴を追加していく仕組みを持つ製品があります。
この仕組みにより、過去のある時点で誰がどの部署にいたかをさかのぼって確認できます。製品によっては、4月1日付の異動を3月中に登録しておき、当日に自動で反映させるといった運用も可能です。履歴の持ち方は製品によって異なるため、確認しておきましょう。
組織マスタと役職の関係
人事マスタとは別に、部署の階層や役職の一覧を管理する「組織マスタ」を持つのも人事システムの特徴です。従業員の情報は、この組織マスタと結びつけて管理されます。
組織変更で部署名が変わった場合も、組織マスタを更新すれば、所属する従業員の表示に反映されます。組織図の作成や部署別の人数集計も、この結びつきを使って行われます。組織変更が多い企業では、変更前後の組織を並べて管理できるかが確認のポイントです。
人事システムが他システムとつながる仕組み
人事システムに登録した情報は、給与計算や勤怠管理など、従業員の情報を使う他のシステムにも渡されます。どのような方法でデータが受け渡されるかを知っておくと、導入後の運用を具体的に想定できます。
給与計算・勤怠管理との連携
給与計算には、所属部署や役職、等級、扶養家族などの人事情報が必要です。勤怠管理でも、所属や雇用形態によって適用する就業ルールが変わります。こうした情報を人事システムから各システムへ渡すことで、同じ内容を何度も入力する手間を減らせます。
人事、給与、勤怠を1つの製品で扱うタイプと、別々の製品を連携させるタイプがあります。どちらが適しているかは、すでに使っているシステムや、担当部署の分かれ方によって変わります。別々の製品を使う場合は、連携できる項目と、連携が失敗したときに確認できる履歴の有無を事前に確かめておきましょう。
CSV連携とAPI連携の違い
システム間でデータを受け渡す方法には、主にCSV連携とAPI連携があります。CSV連携は、データをCSVファイルとして書き出し、相手のシステムに取り込む方法です。幅広いシステムで扱える形式ですが、書き出しと取り込みの作業が必要です。
API連携は、システム同士が決められた手順で自動的にデータをやり取りする方法です。手作業は減りますが、認証の期限切れや相手側の仕様変更によって、連携が止まったり一部の項目が反映されなかったりする場合があります。エラーの通知や再実行の方法もあわせて確認しましょう。
アカウント管理との連携
人事システムの入社や退職、異動の情報を、社内のアカウント管理に活用するケースもあります。例えば、退職日が登録されたらメールや業務システムのアカウントを停止する、といった運用です。
1回のログインで複数のシステムを使えるシングルサインオン(SSO)や、ID管理の仕組みと組み合わせると、アカウントの発行や停止の漏れを減らせます。ただし、連携の範囲や設定方法は製品によって異なるため、情報システム部門と確認しながら進めることが大切です。
権限とワークフローで情報を守る仕組み
人事情報には、給与や評価、健康に関する情報など、扱いに注意が必要なものが含まれます。人事システムでは、見られる人と変更できる人を分ける仕組みや、申請と承認を経て情報を更新する仕組みが用意されています。
閲覧・編集権限の細かな設定
人事システムでは、利用者ごとに「どの従業員の、どの項目を、見られるか・変更できるか」を設定します。例えば、部長は自部署の従業員の基本情報だけを見られ、給与や評価は人事部門だけが扱えるといった設定です。
権限を細かく分けるほど情報は守りやすくなりますが、設定が複雑になると管理の負担が増えます。役職や部署ごとに権限のパターンを決め、異動時に権限も自動で切り替わるかを確認しておきましょう。誰がいつ情報を見たり変更したりしたかの操作ログが残るかも重要です。
従業員の申請と承認の流れ
住所や家族構成、通勤経路が変わったとき、従業員自身が人事システムから変更を申請できる仕組みもあります。申請は上長や人事担当者の承認を経て、人事マスタに反映されます。
紙の届出を人事担当者が入力し直す方法に比べ、転記の手間やミスを減らせます。承認の段階を挟むことで、誤った情報がそのまま登録されることも防ぎやすくなります。承認経路を部署ごとに変えられるかや、差し戻しの手順も確認しておくとよいでしょう。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で人事システムの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品の比較検討を進めましょう。
クラウド型とオンプレミス型で異なる仕組み
人事システムの提供形態には、インターネット経由で使うクラウド型と、自社のサーバーに構築するオンプレミス型があります。データの置き場所や更新の仕組みが異なるため、運用の分担も変わります。
クラウド型の仕組み
クラウド型は、提供会社が管理するサーバー上で人事システムが動き、利用者はWebブラウザやアプリからアクセスする仕組みです。サーバーの保守や機能の更新は提供会社が行うため、自社で設備を用意する必要がありません。
法改正にあわせた項目の追加なども、提供会社の更新によって反映される場合があります。一方で、データは社外のサーバーに保存されるため、保存場所やバックアップの方法、提供会社が取得している第三者認証などを確認しておきましょう。
オンプレミス型の仕組み
オンプレミス型は、自社で用意したサーバーに人事システムを導入して運用する仕組みです。社内のネットワークの中でデータを管理でき、既存の基幹システムにあわせた個別の改修を行いやすい点が特徴です。
その一方で、サーバーの保守やバックアップ、セキュリティ対策、バージョンアップの作業は自社で担う必要があります。法改正への対応も、改修の時期や費用を自社で判断しなければなりません。運用を担う体制を確保できるかを、導入前に検討しておくことが重要です。
人事システムを動かす前に整えるデータ
人事システムの仕組みは、正しいデータが登録されて初めて機能します。導入時には、既存の人事データを整理し、どの情報をどのタイミングで更新するかを決めておくことが欠かせません。
既存の人事データの整理
表計算ソフトや紙で管理していた人事データは、表記の揺れや重複、空欄が含まれていることがあります。例えば、部署名の略称が人によって違う、同じ人が旧姓と新姓で2件登録されている、といった状態です。
このまま取り込むと、集計や連携の結果が正しくなりません。社員番号の付け方や部署名の表記を統一し、必須項目を決めてから移行しましょう。過去の異動履歴をどこまで登録するかも、あわせて決めておくと作業量を見積もりやすくなります。
更新の担当とタイミングの決定
人事システムを導入しても、更新の担当とタイミングが決まっていなければ、情報は徐々に古くなります。入社や退職、異動の情報を誰がいつまでに登録するのかを、手順として定めておきましょう。
連携先のシステムがある場合は、どの時点のデータを渡すかも重要です。例えば、給与計算の締め日までに異動を登録しないと、翌月の給与に反映されないことがあります。手順書を作り、複数の担当者で確認できる体制にしておくと、担当者が替わっても運用を続けやすくなります。
連携や権限の仕組みで比べる人事システム
人事マスタの持ち方や他システムとの連携、権限管理など、仕組みの違いが分かる特徴を一覧にまとめました。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| マネーフォワード クラウド人事管理 | クラウド給与・勤怠・社会保険へ従業員情報を連携。異動の事前登録も可 |
| ジンジャー人事労務 | 人事労務・勤怠・給与を一つのデータベースで管理。ロール設定に対応 |
| PathosLogos | 複数の人事SaaSのデータを標準変換して統合。750名以上向け |
| SmartHR | 労務手続きで従業員データが蓄積。API連携に対応 |
| HRBrain | 人材データの管理・分析に対応。権限設定とIP制限が可能 |
| ジョブカン労務HR | 従業員情報を一元管理し電子申請へ。操作履歴の確認とAPI連携 |
| カオナビ | 人材情報を顔写真つきで一元管理。Excelの取り込みとAPI連携 |
| タレントパレット | 人事情報を集約しクリック操作で集計。250名以上向け・API連携 |
| POSITIVE | 複数企業を一つで管理する統合HCM。オンプレ・クラウド対応 |
| ALIVE SOLUTION HR supplied by GrowOne 人事SX | 履歴や未来日付で人事情報を管理。オンプレミス・パッケージ型 |
人事マスタを軸に連携できる人事システム
人事マスタを中心に、給与や勤怠などほかのシステムへデータを連携しやすい製品を紹介します。連携先や方式は資料で確認しながら比較してください。
マネーフォワード クラウド人事管理
- 従業員情報の収集・変更をオンライン化!
- 従業員情報を利用する各種ソフトと連携し自動で反映
- 人事異動情報の事前登録可能!異動・組織変更時の対応スムーズ
株式会社マネーフォワードが提供する「マネーフォワード クラウド人事管理」は、従業員情報や組織情報を一元管理し、ほかのクラウドサービスへ反映させるクラウドサービスです。マネーフォワード クラウド給与やクラウド勤怠、クラウド社会保険などに従業員情報を連携できます。異動や組織変更の際は、実施前にマスタデータを変更しておくことも可能です。従業員からの情報収集と承認をオンラインで進める仕組みも備えています。
ジンジャー人事労務
- 従業員情報を1つのデータベースに集約
- 雇用契約・社保手続き・年末調整をペーパーレス化
- 勤怠や給与などと連携でき、あらゆる人事業務を効率化
jinjer株式会社が提供する「ジンジャー人事労務」は、人事労務、勤怠管理、給与計算、人事評価などを一つのデータベースで管理する統合型人事システムの人事労務機能です。マスタが一つのため複数のシステムに二重で登録する必要がなく、更新は一度で済みます。ロール設定で従業員ごとの編集・閲覧範囲を決められ、SSOやIPアドレス制限、API連携にも対応しています。
PathosLogos
- 複数の人事SaaSを自動連携
- 人事情報を標準化して統合管理
- 大企業の人事DXを一気通貫で支援
株式会社パトスロゴスが提供する「PathosLogos」は、大企業向けのHR共創プラットフォームです。システムごとに異なる項目名や値を共通の形式に変換し、複数の人事SaaSにまたがる人事情報を一元管理します。入社や異動のときには従業員ID、部署、役職などを各システムへ連携し、勤怠実績を給与SaaSへ自動連携することもできます。対象は750名以上の規模です。
SmartHR
- 入社手続きや身上変更で、最新の「従業員データ」が自然と蓄積
- 最新データから「名簿」「組織図」を自動作成、組織改善を後押し
- 蓄積データを給与計算に直結。120以上の外部サービスとも連携可
株式会社SmartHRが提供する「SmartHR」は、入退社の手続きや年末調整などの労務手続きを通じて、従業員データがデータベースに蓄積されていく人事・労務システムです。住所変更や扶養変更といった手続きの完了にあわせてデータが自動で更新される仕組みで、蓄積したデータは人事評価や従業員サーベイ、人員配置などの施策にも活用できます。API連携にも対応しています。
HRBrain
- 人材情報を一元管理、パッと並べてサクサク探せる
- スキルや特徴を可視化・分析、データに基づく抜擢・配置を実現
- 組織診断サーベイで離職防止やエンゲージメント向上
株式会社HRBrainが提供する「HRBrain」は、人材データの管理・分析・活用を支えるタレントマネジメントのクラウドサービスです。人材データベースや社員検索、評価管理、組織診断サーベイなどを備え、蓄積したデータを人事評価や人員配置に生かせます。柔軟なアクセス権限の設定やIPアドレス制限に対応しており、API連携も可能です。
ジョブカン労務HR
- 人材管理機能では全社的な人材情報の活用や、汎用性◎の通知機能
- 入退社・年末調整・ストレスチェック等幅広い業務を自動・効率化
- シリーズ導入25万社以上!電話・メール・チャットで無料サポート
株式会社DONUTSが提供する「ジョブカン労務HR」は、従業員情報をマスタとして一元管理し、入退社を含む労務手続きの帳票作成や電子申請につなげるクラウド型の人事労務システムです。従業員に情報の入力を依頼でき、管理項目は自由に追加できます。情報の変更・削除履歴やマイナンバーの閲覧履歴を管理者が確認できる操作履歴を備え、API連携にも対応しています。
カオナビ
- 従業員のあらゆる情報を集約!ペーパレス化を楽々実現
- 身上申請からそのままデータベースへ登録! 人材管理を効率化
- 使いやすさで集まる人材データをAIが分析・提案
株式会社カオナビが提供する「カオナビ」は、基本情報、評価、スキル、経歴、配置状況などの人材情報を一元管理するクラウド型の人事システムです。顔写真を起点にした画面で、人事部門だけでなく現場のマネージャーも人材情報を確認できます。項目や画面レイアウトは自社の運用にあわせて設定でき、既存のExcelデータの取り込みやAPI連携にも対応します。
タレントパレット
- 最新シェアNo.1の「タレントマネジメントシステム」
- 人事と従業員にとって使いやすいデザインと操作性
- 人事評価や研修管理をはじめ、幅広い領域の「人事DX」を実現
株式会社プラスアルファ・コンサルティングが提供する「タレントパレット」は、バラバラになっている人事情報を一つに集約し、人事データベースを構築できるタレントマネジメントシステムです。異動歴や研修履歴、残業データも一元管理でき、クリック操作で集計やグラフ作成ができます。Excelデータの一括インポートやAPI連携にも対応します。対象は250名以上の規模です。
POSITIVE
- 大企業で必要とされる機能を標準搭載(高い業務適合率)
- グローバル&グループ経営にも対応可能
- 将来の拡張や変更を考慮した自由度の高いシステム基本性能
スミセイ情報システム株式会社(SLC)が提供する「POSITIVE」は、制度や運用が異なる複数企業を一つのシステムで管理できる、統合型のHCM(人的資本管理)ソリューションです。人事・給与・就業管理やワークフローを軸に、タレントマネジメントまで広くカバーし、グループ内で人事システムを共通化できます。オンプレミス、クラウド、パッケージソフトの提供形態があり、API連携にも対応します。
ALIVE SOLUTION HR supplied by GrowOne 人事SX
- 必要な手順を画面ごとに登録することで作業の抜け漏れ防止
- 必要な情報はいつでも誰でもすぐに見つけて有効活用できる
- 1システムで複数の法人を管理でき、情報の一括集計が可能
三菱電機デジタルイノベーション株式会社が提供する「ALIVE SOLUTION HR supplied by GrowOne 人事SX」は、人事情報を一元管理する人事管理システムです。履歴や未来の日付で人事情報を入力でき、指定した処理日時点のデータを参照・検索できます。オプションのワークフロー連携機能では、家族異動届や住所異動届などの申請内容を人事データに連携でき、転記の手間を減らせます。提供形態はオンプレミスとパッケージソフトです。
まとめ
人事システムの仕組みは、従業員情報を集めた人事マスタと組織マスタを中心に、発令の履歴を積み上げ、給与計算や勤怠管理などへデータを渡す構造です。権限設定やワークフローが情報を守り、クラウド型とオンプレミス型では運用の分担が異なります。連携の方式や履歴の持ち方は製品によって違うため、資料請求をして自社の運用にあう人事システムを比較してみてください。

