ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■従業員データの持ち方・連携方法別
- ■評価ワークフローの設定方法別
人事評価システムの仕組みの全体像
人事評価システムの仕組みは、大きく「土台となるデータ」「評価を進める仕組み」「結果を活用する仕組み」の3層に分けて考えると理解しやすくなります。それぞれの層がどのような役割を持つのかを見ていきましょう。
従業員と組織のデータを土台にする
人事評価システムの土台は、従業員の氏名や所属部署、役職、等級、入社日といった基本情報と、部署の上下関係を表す組織図のデータです。誰が誰を評価するのか、どの評価シートを使うのかは、このデータをもとに決まります。
そのため、異動や昇格があった際に従業員データが更新されていないと、評価者の割り当てが誤る可能性があります。データを手入力で登録するのか、ほかのシステムから取り込むのかは、運用の負担に大きく関わります。
評価シートとワークフローで評価を進める
土台のデータの上で、評価シートとワークフローが評価の作業を進めます。評価シートは評価の項目や基準をまとめた用紙にあたり、ワークフローは記入や承認の順番を決める仕組みです。
例えば、本人が自己評価を入力すると上司に通知が届き、上司の評価が終わると次の承認者へ回るといった流れを、システムが自動で管理します。紙の評価シートを手で回覧する場合と比べ、どこで止まっているかを画面で確認できる点が違いです。
集計結果を処遇や育成に渡す
評価が確定すると、システムは点数やランクを集計し、部署別や等級別の一覧として表示します。この結果は昇給や賞与、昇格の判断材料として人事部門が使います。
評価の履歴が蓄積されると、過去数年分の推移をもとに育成の計画や配置も検討できます。集計結果を給与システムなどへ渡す方法は製品によって異なり、ファイルを出力して取り込む方式やシステム同士で自動連携する方式があります。
人事評価システムの評価シートを組み立てる要素
評価シートは、人事評価システムのなかで最も自社の制度が反映される部分です。評価項目や配点、使う人の範囲を組み合わせて、一人ひとりのシートが作られます。どのような要素で組み立てられているかを整理します。
評価項目とウェイトの設定
評価シートは、評価項目と評価基準、ウェイトの組み合わせで作られます。ウェイトとは各項目の重みのことで、例えば「業績目標60%、行動評価40%」のように配分を決めます。
システムでは、項目ごとに5段階などの評価基準を設定し、入力された点数にウェイトを掛けて合計点を自動で計算します。手計算による集計ミスを防げる一方、設定を誤ると全員の点数に影響するため、変更時の確認手順を決めておきましょう。
評価制度ごとのテンプレート
人事評価システムには、代表的な評価制度にあわせたシートの雛形を用意している製品があります。目標の達成度で評価するMBO(目標管理制度)、成果を上げる人の行動特性を基準にするコンピテンシー評価、上司以外からも評価を集める360度評価などです。
テンプレートを使えば一から作る手間を減らせますが、自社の制度とそのまま一致するとは限りません。項目名や段階数をどこまで変更できるかは製品によって異なるため、確認が必要です。
等級や職種ごとのシートの割り当て
評価シートは、従業員データの等級や職種、部署の情報をもとに、対象者へ自動で割り当てられます。管理職と一般社員、営業職と技術職で異なるシートを使う場合も、条件を設定しておけば人が振り分ける必要はありません。
期の途中で異動や昇格があった従業員の扱いは、システムの設定によって変わります。異動前と異動後のどちらのシートで評価するかを、制度上のルールとして先に決めておくと設定に迷いません。
評価者と承認ルートを動かすワークフローの仕組み
ワークフローは、評価の記入から確定までの流れを自動で進める仕組みです。誰がいつ何をするのかをシステムが管理するため、人事担当者が一人ずつ催促する手間を減らせます。評価者の決まり方や期限の管理、差し戻しの扱いを見ていきます。
一次評価者・二次評価者の自動割り当て
人事評価システムは、組織図のデータから被評価者の上司を特定し、一次評価者や二次評価者として自動で割り当てます。部署の上下関係が正しく登録されていれば、評価の期ごとに評価者を手作業で設定し直す必要はありません。
ただし、プロジェクト単位で働く従業員や兼務者など、組織図どおりに評価者が決まらない場合もあります。個別に評価者を変更できるか、変更の記録が残るかを確認しておくと、例外への対応がスムーズです。
期限の管理と通知
ワークフローには、自己評価や一次評価などの段階ごとに締め切りを設定できる仕組みがあります。期限が近づくと、未入力の従業員や評価者にメールやシステム内の通知で知らせる製品もあります。
人事担当者は、段階ごとの進み具合を一覧で確認し、遅れている部署に声をかけられます。通知だけに頼ると見落とされる場合もあるため、管理職向けの説明会などで期限を周知する運用とあわせて使いましょう。
差し戻しと変更履歴
評価の内容に不備があった場合、承認者は評価を前の段階に差し戻せます。差し戻しの理由をコメントで残せると、評価者が修正すべき点を理解しやすくなります。
また、誰がいつ点数やコメントを変更したかの履歴が残る仕組みは、評価の透明性を保つうえで重要です。評価結果に疑問が出た際に経緯を確認できるよう、履歴の保存期間や閲覧する人の範囲も確認しておきましょう。
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点数を集計・調整する人事評価システムの仕組み
評価が出そろったあと、人事評価システムは点数を集計し、処遇に使える形に整えます。ここでは点数からランクへの換算、評価者によるばらつきの確認、給与への反映という3つの段階を順に解説します。
評価点からランクへの換算
合計点をそのまま処遇に使うのではなく、S・A・B・C・Dのようなランクに換算する企業もあります。システムでは「90点以上はS」のように、点数の範囲とランクの対応を設定しておき、自動で振り分けます。
相対評価を採用している企業では、各ランクの人数の割合をあらかじめ決めておく場合もあります。絶対評価と相対評価のどちらに対応できるか、両方を組み合わせられるかは、製品を選ぶ際の確認項目です。
評価者間のばらつきの確認
同じ働きぶりでも、評価者によって甘く付けたり厳しく付けたりする傾向が出ることがあります。人事評価システムには、評価者ごとや部署ごとの点数の分布をグラフや一覧で表示する仕組みを持つ製品があります。
分布を見ることで、特定の部署だけ高い点数に偏っていないかを把握できます。ばらつきの調整は、評価者が集まって結果をすり合わせる会議で行う企業もあり、システムはその判断材料を提供する役割を担います。
昇給・賞与への反映
確定したランクは、昇給額や賞与の係数に変換されて給与計算に使われます。人事評価システム内でランクと昇給額の対応表を持ち、計算まで行う製品もあれば、ランクだけを出力して給与システム側で計算する製品もあります。
どちらの方式でも、評価結果を手で転記する工程が残ると入力ミスが起こる可能性があります。給与システムへの受け渡しの方法と、反映後の金額を確認する手順を、導入前に決めておくことが大切です。
評価データを守る権限設定とデータ連携
人事評価のデータには、従業員の評価や処遇という機密性の高い情報が含まれます。人事評価システムでは、見られる人を制限する権限の仕組みと、ほかのシステムと安全にデータをやり取りする仕組みが欠かせません。
閲覧範囲を制御する権限設定
人事評価システムでは、役割ごとに閲覧や編集の権限を設定します。本人は自分の評価、上司は部下の評価、人事担当者は全社の評価というように、組織図と役職のデータをもとに見られる範囲が自動で決まる仕組みです。
評価結果を本人に公開する時期を制御できる製品もあります。権限設定を誤ると見るべきでない人に評価が表示されるおそれがあるため、設定を変更する人を限定し、操作の記録が残るようにしておきましょう。
人事・労務システムとのデータ連携
従業員データを最新に保つには、人事労務システムや給与システムとの連携が役立ちます。連携の方法には、CSVファイルを定期的に取り込む方式と、API(システム同士をつなぐ仕組み)で自動的に同期する方式があります。
タレントマネジメントシステムと一体になった製品では、評価と人材情報を同じデータベースで管理できます。連携エラーが発生した際の通知機能に加え、反映されなかったデータを特定する手段も確認しておきましょう。
仕組みの違いで比べる人事評価システム
従業員データの持ち方や評価の進め方に着目し、運用の仕組みを比較しやすい人事評価システムを一覧にしました。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| Talentify | 中堅・大企業向け。評価運用からキャリブレーションまで対応 |
| ジンジャー人事評価 | 評価者の自動設定や評価フローの設定に対応するクラウド型 |
| SmartHR | 評価シートの配付から集計までを管理し、評価分布も一覧で確認 |
| HRMOSタレントマネジメント | MBOやOKRなど多様な評価に対応し、進捗もシステムで管理 |
| HRBrain | タレントマネジメント型。CSV一括インポートとAPI連携に対応 |
| サイレコ | 評価シートの配布・回収・集計を自動化し、リマインドも実施 |
| MINAGINE人事評価システム | 中小企業向け。目標設定から評価進捗までを一元管理 |
| カオナビ | 複数の評価テンプレートがあり、独自の評価シートも再現できる |
評価シートから集計まで動かせる製品
評価シートの作成、評価者への依頼、承認、集計という一連の流れを、システム上で進めやすい製品を選びました。データ連携の方法も、あわせて確認してください。
Talentify
- 評価のなめらかな運用からキャリブレーションまで一気通貫で実現
- Excelのような評価の入力体験
- 過去評価を1ページに集約
株式会社kickflowが提供する「Talentify」は、中堅・大企業向けの人事評価システムです。評価の配布や回収をなめらかに進められるほか、組織を横断した評価の甘辛調整(キャリブレーション)がシステム内で完結します。過去の評価を1ページに集約して確認でき、Excelのような操作感で評価を入力可能。API連携やカスタマイズにも対応しています。
ジンジャー人事評価
- テキスト・選択肢・計算式等、多様な入力方式に対応し操作が容易
- 評価者毎の進捗管理が一目で把握でき評価依頼が1クリックで完結
- 権限設定により入力担当者毎で閲覧項目のカスタマイズが可能
jinjer株式会社が提供する「ジンジャー人事評価」は、評価の依頼から回収までオンラインで完結するクラウド型のシステムです。評価者の自動設定や評価フローの設定ができ、リマインダー機能で記入漏れの防止にも役立ちます。評価シートはドラッグ&ドロップで見出しや表示項目を設定でき、評価者ごとの進捗も一目で確認可能です。
SmartHR
- 柔軟な評価シートと進行管理で、評価業務の運用負荷を大幅に削減
- 評価分布を一覧で可視化し、面倒な「甘辛調整」が簡単に
- 評価結果を「配置シミュレーション」などに、シームレスに活用
株式会社SmartHRが提供する「SmartHR」は、評価シートの作成から配付、進捗管理、回収、集計までを扱える人事評価の機能を備えています。期中の異動があっても労務データと連動して評価者を自動設定でき、評価分布を一覧で確認しながら甘辛調整を進められます。従業員データを一元管理でき、評価結果を配置シミュレーションなどにも生かせます。API連携にも対応しています。
HRMOSタレントマネジメント
- シリーズ累計100,000社導入!
- MBO、OKR、コンピテンシーなど様々な評価の対応!
- 初めてでも安心!専任サポートと上限なしでMTG可能
株式会社ビズリーチが提供する「HRMOSタレントマネジメント」は、目標設定から評価までのプロセスをシステム化するクラウドサービスです。MBOやOKR、コンピテンシーなど多様な評価にも対応します。スケジュールや進捗の管理もシステム上で行えるほか、目標や評価、フィードバックの履歴をまとめて管理でき、1on1の記録にも使えます。
HRBrain
- 評価シートの作成から集計まで煩雑な業務をワンストップで効率化
- OKR・MBO・1on1、360度評価など、豊富なテンプレートを完備
- 「使いこなせない…」の心配はご無用!充実したサポート体制
株式会社HRBrainが提供する「HRBrain」は、人材管理や配置、育成、評価を扱うタレントマネジメントシステムです。従業員データはCSVで一括インポートでき、API連携にも対応しています。OKRやMBO、360度評価などのテンプレートがあり、評価プロセスにあわせてワークフローを設定できます。評価シートの作成から集計までを一つの仕組みで進めたい企業に向く製品です。
サイレコ
- MBOやOKR、コンピテンシー評価など各種評価制度に対応可能
- リマインドや評価調整をシステムで実施、評価時期の業務を効率化
- 評価制度構築や教育研修、給与代行などの人事課題解決もサポート
株式会社アクティブアンドカンパニーが提供する「サイレコ」は、人事評価シートの配布・回収から評価結果の集計までを自動化するシステムです。リマインドや評価調整にも対応し、評価時期の事務負担を軽減します。MBOやOKR、コンピテンシー評価に対応するほか、紙やExcelの評価シートの様式も再現可能。評価結果や面談記録、研修の受講履歴もまとめて蓄積します。
MINAGINE人事評価システム
- 目標設定から評価までを一元管理
- 評価進捗をリアルタイムで可視化
- 評価項目を組織変更に合わせて調整
株式会社kubellパートナーが提供する「MINAGINE人事評価システム」は、社員数100名以内の中小企業を主な対象とするクラウド型の人事評価システムです。目標設定から評価の進捗、面談記録までを一元管理し、評価状況をリアルタイムで把握します。組織変更にあわせた評価項目の調整にも対応しており、評価業務をシンプルに運用したい企業に向いています。
カオナビ
- 企業独自の評価シートを再現し、評価の回収~集計を効率化
- AIが目標設定から振り返りまでデータをもとにアドバイス・添削
- 1on1や面談履歴の蓄積で振り返りやフィードバックの精度向上
株式会社カオナビが提供する「カオナビ」は、人材の配置や育成、スキル管理にも対応するタレントマネジメントシステムです。OKRやMBO、360度評価など複数の評価テンプレートがあり、企業独自の評価シートも再現できます。入力依頼やリマインドをオンラインで完結でき、評価者の負担を抑えた運用を目指せます。API連携にも対応しています。
まとめ
人事評価システムの仕組みは、従業員と組織のデータを土台に、評価シートとワークフローで評価を進め、集計した結果を処遇や育成に渡す流れで構成されています。評価者の割り当てや期限の通知、点数の計算は、土台のデータが正しいことが前提です。自社の評価制度をどこまで設定で再現できるか、従業員データをどう維持するかを確認し、資料請求で複数の人事評価システムを比較してみてください。

