クラウドPBXの音質の現状
クラウドPBXとは、社内のPBX機能をクラウド上のサーバが提供するサービスです。クラウド上で活用できるため、コスト面や運用面、拡張や連携などさまざまなメリットがあります。しかし実際のところ、アナログ回線を使うPBXと、インターネット回線を使うクラウドPBXの音質に違いはあるのでしょうか。
現在通信インフラの高い日本では、ビジネスフォンと遜色なく高い通話品質のクラウドPBXを提供しているメーカーが多いようです。中には最高の品質を提供しようと製品開発に全力を注ぐ企業や、安さを前面に押し出すメーカーなど、さまざま製品が販売されています。
しかし安さ重視のメーカーは、不十分なセキュリティ対策や回線制限によりネットワーク回線に負荷がかかり、音質が悪くなる傾向にあるようです。ほかにも、提供されたアプリがアップデートしづらく、低音質や処理落ちといった問題が発生するケースもあります。
このように、クラウドPBXの音質はメーカーの提供する環境やサーバなどに左右されます。価格のみを重視せず、セキュリティ面や通信の安定性なども踏まえてメーカーを精査しましょう。
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クラウドPBXの音質が悪い場合の原因
クラウドPBXの音質が悪い場合は、以下のような原因が考えられます。チェックポイントとして、確認しておきしょう。
- ■回線混雑
- ネット接続の多い時間帯の利用や、動画再生を同時に行っている場合は、通信速度が低下し音質に影響する場合があります。
- ■大容量のファイルの送受信
- 大容量のデータ・ファイルの送受信・テレビ会議などを同時に行っている場合は、音質の低下が懸念されます。
- ■回線を妨害する電磁波の影響
- 電子レンジなど電磁波を発する電化製品のそばに、PBXの装置やルータを設置すると、回線を妨害することがあります。
クラウドPBXの音質を改善するには?
クラウドPBXの音質を改善させるには、どうすればよいのでしょうか。おすすめの方法を紹介します。
Wi-Fi環境の改善
クラウドPBXはインターネット回線を利用しているため、Wi-Fiの環境を見直すことで音質の改善を期待できます。Wi-Fi環境を改善する方法は以下のとおりです。
- 光ファイバーへの切り替え
- 現状のWi-Fiは利用者が多く、通信が安定しません。専用の光ファイバーであれば通信速度が上がり、音質を改善できます。
- 最新Wi-Fiへの切り替え
- Wi-Fi6を活用すれば通信速度がアップし、さらに大量のデータの送受信ができます。同時に通話品質の向上が実現します。
- ルーターの変更
- QoS(Quality of Service)の設定が可能なルーターを導入し、音声通話の優先順位を上げましょう。これは、データを通す順番や量を設定できる技術のことです。QoS機能を搭載したルーターの活用により、通話が途切れたり遅延したりするなどの障害を改善できます。
有線LAN接続への切り替え
Wi-Fiによる通信は天井や壁、Bluetooth機器の影響を受けやすいため、速度の低下が懸念されます。またクラウドPBXをWi-Fiで利用すると、通信が不安定になりがちです。
クラウドPBXの音質を向上させるためにも、有線LANへの切り替えを検討しましょう。有線LANはモデムと機器を物理的につなぐため、天井や壁といった障害物の影響を受けず、通信が安定します。専用のIP電話機を利用すれば、さらなる音質改善が見込めるでしょう。
なお、有線LANの規格はカテゴリー6e以上がおすすめです。ケーブルにもさまざまな種類があり、高速通信に対応している必要があります。カテゴリーは5~8まであり、6e以上であれば通信障害が発生しにくく、安定した通信環境を構築できるでしょう。
5Gの普及で音質向上を期待できる
近年は5Gが注目されています。5Gとは、「超高速」「大容量」「低遅延」が売りの次世代移動通信規格のことです。従来の4Gは電話の発着信が集中するとつながりにくい欠点がありました。4Gと比べて5Gの通信速度は100倍、遅延は10分の1といわれています。
クラウドPBXでも5Gを利用するため、安定した通信を可能にし、音声の途切れや遅延から解放されるでしょう。また5G対応のクラウドPBXは、特に自然災害といった回線の混雑時に効果を発揮します。たとえ非常時でも、平常時と同様の速度で通信が可能なためです。5Gが普及することで、クラウドPBXの音質はさらなる改善が期待できるでしょう。
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音質に関する疑問を解決し、クラウドPBXの導入を検討!
クラウドPBXの音質はメーカーによって左右されます。しかし、5Gの普及で音質の向上を期待できるでしょう。なお、Wi-Fiの環境を整えたり、有線LANへ切り替えたりすることでクラウドPBXの音質は改善できます。ぜひ、クラウドPBXの導入を前向きに検討しましょう。