SLAとは
まずSLAとは何か、概要やポイントを見ていきましょう。
サービス提供者と利用者が品質水準に合意すること
SLAは、どの程度の品質でサービスを提供するか定めたもので、ベンダーは一度定めたSLAに従ってサービスを提供しなければなりません。
サービスは物品と異なり品質を判断するのが難しいため、認識の齟齬などによりユーザーが期待したサービスを受けられない可能性があります。そのようなトラブルを防ぐために、あらかじめ明文化し、ベンダーとユーザーで共有しておくのがSLAです。
必ずしも稼働率や品質を達成できるものではない
SLAで定められた品質を達成できなかった場合、ベンダーは返金等の対応を行います。サーバ稼働率が100%と定められていても、実際にサーバが全くダウンしないとは限りません。返金額はSLAで定めた金額で、月額料金のうちの一部などになります。
つまりSLAで定めた内容によっては、サーバダウンによって生じた損害を全てカバーできる額は保証されないおそれがあります。SLAが定められていても、一定のリスクが残ることは理解しておかなければなりません。
ちなみに「SLA=稼働率」と思っている人も多いようです。しかし、SLAは稼働率を含めて品質を明示したものなので気をつけましょう。
SLAに必要な要件
SLAにはどのような要件が求められるのでしょうか。
一般的なSLA項目
一般的に、以下の項目が記載されます。
- 【前提条件】
- ユーザー数やデバイス数などの基本的な情報です。
- 【責任範囲】
- ユーザーとベンダーのどちらが何をどこまで管理するのかを定めます。たとえば、PaaSではプログラム実行環境はベンダー、プログラムはユーザーが責任を負います。
- 【サービスレベル】
- 以下のようなサービスの品質を定めます。
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- ■可用性:サービスを利用できる時間帯や稼働率
- ■性能:処理速度やエラー発生率
- ■保全性:メモリの容量やバックアップ頻度
- 【補償方法】
- SLAを遵守できなかった場合の対応です。
- 【運営】
- 報告ルールなど、継続的にサービスを使ううえで必要な規則を定めます。
SLAを実現する方法
SLA管理はベンダーにとって重要です。これを遵守できなければユーザーからの信頼を損なうためです。SLAを適切に管理する方法として、サービスデスクシステムの導入が有効です。
管理者はサービスデスク全体を把握し、SLAが守られているか監視できます。また、タスク管理の機能やアラート機能を活用してサービスデスクの担当者の業務を効率化することも可能です。
SLAを達成するため、サービスデスクシステムを導入しよう
おさらいすると、SLAとはベンダーとユーザーの間のサービスレベルを取り決めた合意のことです。サービスの責任範囲や補償方法が記されます。項目が多数に渡るので、サービスデスクシステムを活用することで、自社が提供しているサービスがSLAを遵守しているか、障害対応がSLAで定めた範囲内でできているかなど確認することが簡単になります。
SLAの設定を検討しているサービス提供者の方は、それを実践できるサービスデスクシステムを比較、選定してみてはいかがでしょうか。