サービスデスクの業務内容とは
サービスデスクとは、ユーザー向けの問い合わせ窓口のことで、サポートデスクとも呼ばれます。主な業務内容は以下のとおりです。
- ■問い合わせ窓口の一本化
- 製品の使い方や故障についての問い合わせ対応をはじめ、契約内容の確認や更新、パスワード忘れなど、対応領域が非常に幅広い。ユーザーからの問い合わせ内容をサービスデスクに集約し、担当部署と連携を行って回答する。集められたノウハウや情報を管理できるため、サービス向上や経営判断の材料として役立てられる。
- ■情報発信
- 顧客満足度調査や新商品情報の提供、アップデートのお知らせなどを行う。そのほかサービスデスク自らFAQを公開し、問い合わせ件数の減少に取り組んでいる企業も多い。
以下の記事では、サービスデスクの必要性や運用課題などについて解説しています。興味のある方はあわせて一読ください。
ITILにおけるサービスデスクの役割
ITIL(Information Technology Infrastructure Library)とは、ITサービスマネジメントにおける成功事例をまとめたガイドラインのことです。ITサービスマネジメントシステム(ITSMS)に関する国際規格「ISO/IEC 20000」の基準にもなっています。
ITILにおいて、サービスデスクはサービスオペレーションの役割を果たし、利用者の満足度に影響を与える重要な機能とされています。インシデント管理や問題管理、システムの変更・リリースに関わるイベント管理などのプロセスと関係するため、対応スキルに加え技術面のスキルも求められる業務です。
サービスデスク・ヘルプデスク・コールセンターの違い
サービスデスクと混同しやすい業務・窓口に、ヘルプデスクやコールセンターがありますが、サポート対象や業務範囲が異なります。それぞれの特徴や違いを解説します。
サービスデスクの対応範囲と特徴
業務範囲が幅広く、顧客と自社スタッフがサポート対象です。主な業務内容は、ITシステムや業務システムの不具合、利用方法についての問い合わせ対応。さらに、FAQ公開やバージョンアップのお知らせなどの情報発信も含みます。問い合わせからクローズまで一気通貫で対応する点も特徴です。
ヘルプデスクに比べ、扱う問い合わせ内容が幅広い分、サービスデスクのオペレーターには高度な知識・スキル、対応力が求められます。うまく活用することで顧客満足度向上につなげられます。
ヘルプデスクの対応範囲と特徴
社内ヘルプデスクを除けば、サポート対象は顧客で、商品の故障やトラブルへの初期対応が主な業務です。サポートデスクと違い、情報発信は行いません。また、対応が難しい専門的な問い合わせは他部門へ引き継ぐことが可能です。
コールセンターの対応範囲と特徴
顧客からの問い合わせやクレームに電話で対応するインバウンド業務と、顧客へ営業電話をかけるアウトバウンド業務があります。問い合わせ対応だけでなく、サービス紹介や新規顧客の開拓など営業活動も含むのが特徴です。
サービスデスクの種類
サービスデスクの種類と、各メリットやデメリットについて解説します。
ローカルサービスデスク
顧客のオフィス近辺やローカルサイト内など、問い合わせしやすい場所へ設置されます。直接担当者が出向き迅速に対応できるメリットがある一方、拠点ごとに人員確保が必要になる点がデメリットです。
センター(中央)サービスデスク
ローカルサービスデスクが各地に分散するのに対し、拠点を一か所に集約したサービスデスクです。低コストで運営でき、情報管理も容易に行える反面、遠方の顧客へのスピード対応が難しい側面をもちます。
バーチャルサービスデスク
各拠点に分散している担当者が、まるで一か所に集まって仕事をしているかのように機能します。リモートワークやアウトソーシングと組み合わせられるなど、柔軟性が高いものの、専用ツールの導入が必要です。
フォロー・ザ・サン
海外に複数の拠点を配置するサービスデスクです。時差を利用し24時間365日の対応が可能になるため、グローバル企業での採用が目立ちます。言語対応やコミュニケーション、ルール取り決めなどにおいて、問題が生じやすいのが難点です。
サービスデスクの設置メリット
サービスデスクの設置には、以下のようなメリットがあります。
- ●システム担当者の業務効率化
- ●人的コストの削減
- ●顧客満足度の向上
各メリットについて詳しく解説します。
システム担当者の業務効率化
窓口を一本化することで、各部署とサービスデスクの連携が密になり、問題への早期対処が可能になります。また、担当者にあった問い合わせが自動的に振り分けられるため、社内でのコミュニケーション工数も減らせるでしょう。
サービスデスク業務をアウトソーシングし、情報システム部門の従業員を優先度の高い業務に集中させる企業もあります。
人的コストの削減
オペレーションの無駄を省き工数削減することは、人的コストの削減にもつながります。また、サービスデスクで収集・整理した情報を、マニュアルやFAQにまとめておけば、教育コストの削減も可能です。
顧客満足度の向上
問い合わせ内容と対応履歴の集約により、ナレッジが蓄積され、対応品質の向上が期待できます。また、集約したデータを分析することで、マーケティングやサービス改善にも役立ちます。また、ユーザーもどこに問い合わせたらよいか迷うことがないため、安心感や信頼につながるでしょう。
サービスデスクツールの機能やメリットを知りたい方には、以下の記事がおすすめです。
サービスデスクの業務改善や効率化にはツール活用がおすすめ
よくあるサービスデスク業務の課題として、以下が挙げられます。
- ●情報が散在し、一元管理が難しい
- ●各担当者の進捗状況が把握できない
- ●担当者の業務負荷が大きい
これらの課題解決に役立つのが「サービスデスクツール」です。サービスデスク業務の効率化と迅速なサポートを支援します。複数チャネルからの問い合わせを一元管理できるほか、対応状況を可視化するステータス管理機能なども備えています。自己解決を促すFAQ機能や、AIによる自動対応機能により、担当者の負担削減も実現可能です。
以下の記事では、おすすめのサービスデスクツールを紹介しています。機能や相場感もつかめるため、興味のある方はぜひ一読ください。
▶おすすめのサービスデスクツール(人気TOP3)
「ITトレンド上半期ランキング2024サービスデスクツール」において、上位にランクインした製品を紹介します。
《SmartStage ServiceDesk》のPOINT
- ITILに準拠したITSMプロセスと管理データベースを標準搭載
- ノーコードによる設定変更および柔軟なシステム構築が可能
- 様々な外部システム連携機能に優れ、システム運用の自動化を実現
《Senju/SM》のPOINT
- 効率的なITILプロセスを実現
- ナレッジの活用で情報共有をホワイトボックス化
- 日本特有の精緻な運用にも柔軟に対応
《Re:lation》のPOINT
- 一画面で複数チャネルのお問い合わせを対応・管理できる
- さまざまなツールと連携で、問い合わせ対応業務の効率化を実現
- 対応状況が自動で可視化されます
なお最新のランキングを知りたい方は、以下のページも参考にしてください。
サービスデスクツール導入で業務改善を実現しよう
サービスデスクとは、多様な問い合わせを受けつける窓口であり、問い合わせを集約することで多くのメリットが得られます。一方で、利用者の満足度に影響を与える重要な役割も担います。サービス品質の安定や迅速な対応を実現するためにも、業務効率化に強みをもつサービスデスクツールの導入を検討してはいかがでしょうか。
まずは気になる製品の資料請求をして、サービスデスクツールについて詳しく知ることからはじめてみましょう。