サービスデスクシステムの5つの基本機能
サービスデスクシステムは、製品毎に特長が大きく異なりますが、共通する主な機能は以下の5つです。自社にとってどの機能が重要かを検討しながら、確認してみましょう。
機能1 インシデント管理機能
サービスデスクシステムの主たる機能は、インシデント管理機能です。ユーザーから問い合わせのあったインシデント(障害)を記録し、障害復旧のフローを実行します。
インシデントは、それぞれ「チケット」として管理されます。サービスデスクでは受け付けた内容について、自動もしくは手動でチケットを作成します。
機能2 エスカレーション・ワークフロー機能
インシデントについて、サービスデスク担当者での復旧が困難である場合には、システム上で他部門へとエスカレーションすることができます。メールや社内SNSシステムと連携しているサービスもあり、シームレスで情報の連携ができる便利な機能です。
またユーザーからインシデントの対応状況について問い合わせがあった場合にも、システム上の情報をもとに的確な状況説明を行うことができます。加えてサービスデスクのマネージャーは、管理下にあるインシデントのプロセスを確認し対応の遅れているインシデントが無いかを確認することも可能です。
機能3 ナレッジ管理機能
発生したインシデントへの対応スピードを向上させるには、これまでの対応を記録したデータから素早く必要な情報を抽出し迅速に対応方針を決定する必要があります。
そのためサービスデスクシステムは、発生したインシデントの内容を分類したり紐づけたりして管理できる機能があります。この管理機能によって、一次オペレーターは、過去に発生したインシデントであれば、他の部署に問い合わせることなく対応が可能になります。
機能4 レポート機能
サービスデスクシステムの多くには、発生したインシデントをシステム上のテンプレートや過去データとの照合などによって分析できるレポート機能を備えています。
こうしたレポート機能の優れたサービスデスクシステムではインシデントへの対応数増加にしたがって蓄積されるデータ量も増えるため、システム稼働期間が長くなるにつれて分析の精度も向上します。
機能5 FAQ機能
サービスデスクシステムの中には、問い合わせがあった内容を分析して、FAQページを生成できる機能を持つものがあります。
よくある問い合わせ内容を公開しておくことで、問い合わせ数の削減だけでなく、ユーザーにとっても早く問題が解決ができるようになり満足度の向上につながります。
サービスデスクシステムのメリットは?
今回ご紹介した5つの機能を活用すると、どんなメリットがあるのでしょうか、まとめてみましょう。
- 導入メリット1.顧客満足度の向上
- サービスデスクシステムを導入することで、情報の一元管理ができるようになり、ナレッジを活用した早い回答が可能になります。
- 導入メリット2.情報発信によるオペレーションコストの削減
- FAQなどの基本的な情報をサービスデスクからユーザーに積極的に発信し、あらかじめ共有しておくことで結果的に問合せ件数を減らす効果が期待できます。
- 導入メリット3.情報の分析による社内の改善
- 問い合わせ情報や、対応について一元管理し可視化することで、業務全体を効率化させることが可能です。
特にユーザーからのクレームやトラブル報告のデータは経営戦略的な価値が高く、活用の仕方によっては新製品の開発や、業務プロセス改善のための情報ソースとして役立てることができます。
自社にあったシステムを選ぶには?
サービスデスクの主な機能やメリットがわかったところで、次に自社にあったシステム選びが課題になるのではないでしょうか。
システム選びには以下のようなポイントが重要です。
- 提供形態:クラウド型 or オンプレミス型
- 導入実績:さまざまなパターンに対応できるか、サポートは十分か
- 機能の優先度:自社がほしい機能の優先度をつけておく
上記のポイントを抑えて、実際にいくつか製品を見てみることがおすすめです。 製品の選定について詳しく知りたい方は下記もご参照ください。
サービスデスクシステムの活用で顧客満足度を向上しましょう
サービスデスクシステムには、インシデントを管理し解決する機能だけでなく、データを分析し改善に役立てる機能があります。上手く活用することで、顧客満足度の向上が可能です。
自社にあったシステムを選び、自社のサービスの価値を高められるサービスデスクを作りましょう。