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人材の取り合いから人的資本開示へ|タレントマネジメントの歴史と市場

人材の取り合いから人的資本開示へ|タレントマネジメントの歴史と市場

タレントマネジメントシステムの歴史は、優秀な人材の獲得競争への問題意識から始まりました。日本ではSaaS型の普及や人的資本開示の制度化を経て、人材データを経営に生かす基盤へと発展しています。この記事では、考え方が生まれた背景や国内での普及の経緯、市場規模の推移を振り返り、製品選びに役立つ観点を紹介します。

この記事は2026年10月時点の情報に基づいて編集しています。
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目次
    タレントパレット
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    ITトレンドがおすすめする製品・サービス

    ■活用の目的別
    ■導入の進め方別

    タレントマネジメントの出発点は人材獲得競争

    タレントマネジメントという考え方は、米国で企業間の人材獲得競争が経営課題として意識された流れと深く関わっています。まずは考え方の出発点と、従来の人事管理との違いを確認しましょう。

    ウォー・フォー・タレントが示した問題意識

    1997年、米国のコンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニーが行った調査で、優秀な人材の獲得をめぐる競争は「ウォー・フォー・タレント(人材獲得戦争)」と表現されました。この調査は2001年に同名の書籍として出版されています。

    この書籍は、優秀な人材をめぐる競争が今後も続くとの見方を示し、採用だけでなく、育成や定着まで含めて人材を経営の中心に置く必要性を論じました。タレントマネジメントの考え方が広く知られるきっかけの一つといえます。

    関連記事 【最新ランキング】タレントマネジメントシステム比較14選!規模別おすすめと選び方を紹介

    人事管理から人材を生かす管理へ

    従来の人事管理は、給与計算や勤怠、社会保険の手続きなど、従業員の情報を正しく処理することが主な役割でした。これに対してタレントマネジメントは、従業員一人ひとりのスキルや経験、評価をもとに、配置や育成を計画することを目的とします。

    この考え方を実務で回すには、ばらばらに保管された人材の情報を一か所に集める必要があります。タレントマネジメントシステムは、人材データベースを中心に、評価や目標管理、研修の記録をまとめる仕組みとして発展してきました。

    日本でのタレントマネジメントシステム普及の歴史

    日本では、人材の情報が紙や表計算ソフトで部署ごとに管理されていることが課題でした。SaaS型の製品が登場したことで導入の負担が下がり、大企業だけでなく中堅・中小企業にも広がっていきます。

    部署ごとに分かれた人材情報の課題

    社員の経歴や資格、評価の結果は、人事部門の基幹システム、各部署の表計算ソフト、紙の評価シートなどに分かれて保管されることがありました。異動や昇格の検討のたびに情報を集め直す必要があり、手間がかかっていました。

    また、情報がそろわないと、社内にどのようなスキルを持つ人材がいるかを横断して探すことができません。こうした課題を解決する手段として、人材情報を集約するタレントマネジメントシステムが注目されるようになりました。

    関連記事 タレントマネジメントシステムが解決する3つの課題!メリットを紹介

    SaaS型の登場で中堅・中小企業へ

    調査会社のアイ・ティ・アール(ITR)は2017年4月、国内の人材管理(タレントマネジメント)市場について発表しました。2015年度の売上金額は29億5,000万円で、前年度比32.3%増です。2015~2020年度の年平均成長率は、パッケージ市場の7.1%に対し、SaaS市場は25.6%と予測しています。

    ITRは同じ発表で、SaaS専業の新しい製品が市場をけん引し、大企業が中心だった導入が中堅・中小企業にも広がっていると説明しています。インターネット経由で使えるSaaS型は、自社でサーバーを用意する必要がなく、始めやすい提供形態です。

    人的資本経営と開示制度が与えた影響

    2020年代に入ると、人材を「資本」と捉えて投資する人的資本経営の考え方が政府の報告書で示され、上場企業には有価証券報告書での開示も求められるようになりました。タレントマネジメントシステムの役割を広げた制度の流れを見ていきます。

    人材版伊藤レポートの公表

    経済産業省は2020年9月に「人材版伊藤レポート」を公表し、経営戦略と人材戦略を連動させる重要性を示しました。2022年5月には、実践の方法を深掘りした「人材版伊藤レポート2.0」が公表されています。

    これらのレポートでは、人材を費用ではなく投資の対象と捉える考え方が示されています。人材戦略を実行するには、従業員のスキルや配置の状況を把握する必要があり、タレントマネジメントシステムで管理するデータの活用の幅が広がりました。

    関連記事 タレントマネジメントシステム6つの基本機能とは?

    人的資本可視化指針と有価証券報告書での開示

    2022年8月、内閣官房の非財務情報可視化研究会が「人的資本可視化指針」を策定しました。2023年1月には金融庁が内閣府令を改正しました。2023年3月31日以後に終了する事業年度の有価証券報告書から、人材育成方針や社内環境整備方針、女性管理職比率などの記載が求められています。

    その後も見直しが続き、2026年2月の内閣府令改正では、企業戦略と関連づけた人材戦略などの記載が加わりました。2026年3月31日以後に終了する事業年度から適用されます。開示の対象となる指標を集計しやすいかは、上場企業が製品を比べる際の観点の一つです。

    ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でタレントマネジメントシステムの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。

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    数字で見るタレントマネジメント市場の推移

    タレントマネジメントシステムの市場規模は、調査会社の公表資料で推移を確認できます。ここではITRによる2回の発表の数値を紹介し、あわせて数値を読むときの注意点を示します。

    2022年度の人材管理市場

    ITRは2024年5月、国内の人材管理製品・サービス市場の2022年度の売上金額を215億4,000万円、前年度比30.7%増と発表しました。2022~2027年度の年平均成長率は19.6%で、2027年度には500億円を超える規模に達すると予測しています。

    ITRは市場拡大の要因として、優秀な人材の確保が難しくなるなか、限られた人材で生産性を高める取り組みや人的資本経営への注目を挙げています。前の章で紹介した開示制度の流れとも重なる時期の数値です。

    2024年度の人材管理市場

    ITRは2026年5月、国内の人材管理市場について、2024年度の売上金額を355億3,000万円、前年度比28.9%増と発表しました。2024~2029年度の年平均成長率は21.1%と予測しています。

    同じ発表では、中堅以上の企業はシステムの刷新やパッケージからSaaSへの移行といった入れ替えの需要が中心だと説明されています。中小企業では、紙や表計算ソフトからの脱却を目的とした新規導入が広がっているとのことです。

    企業規模によって導入の動機が異なる点は、製品選びにも関係します。入れ替えの場合は既存データの移行や他システムとの連携、新規導入の場合は初期設定の手間や操作のわかりやすさが比べる観点です。

    調査ごとの市場の範囲に注意

    ここで紹介した数値は、いずれもITRの調査ですが、発表の時期によって市場の名称や調査したベンダーの数が異なります。2015年度と2024年度の金額を並べて、何倍に伸びたと単純に比べるのは適切ではありません。

    数値を社内資料などに引用する際は、調査会社名と調査名、公表時期、市場の定義をあわせて記載しましょう。ほかの調査会社の数値を使う場合も、対象とする製品の範囲が同じかを確認することが大切です。

    関連記事 グローバルタレントマネジメントとは?必要性とメリットを紹介

    歴史から見るタレントマネジメントシステムの今後

    歴史を振り返ると、タレントマネジメントシステムは配置や育成のための道具から、経営や開示を支えるデータ基盤へと役割を広げてきました。今後の動きとして、国際規格の改訂と社内でのデータ活用を取り上げます。

    国際規格ISO 30414の改訂

    ISO 30414は、人的資本の報告に関する国際規格です。2018年に指針として初版が発行され、2025年8月に第2版が発行されました。第2版では、すべての組織に共通する必須の指標が定められるなど、要求事項を含む内容に改められています。

    国内の開示制度とは別の枠組みですが、海外の投資家や取引先への説明で参照される場合があります。グローバルに事業を展開する企業では、規格の指標をシステムで集計できるかも確かめておくとよいでしょう。

    開示と社内活用を両立するデータ整備

    開示のための指標を集めることだけが目的になると、現場の配置や育成にデータが生かされないおそれがあります。歴史の出発点にある、人材を生かすという目的を見失わないことが大切です。

    スキルや評価の項目定義を全社でそろえ、人事部門だけでなく管理職が面談や配置の検討で使える状態にしておくと、データの更新も続きやすくなります。入力の負担を抑えるため、既存の人事システムとの連携方法もあわせて検討しましょう。

    関連記事 タレントマネジメントはなぜ失敗するのか?成功のポイントを紹介

    人的資本の開示から選ぶ製品の特徴一覧

    人的資本の開示への対応や、スキルを生かした配置、評価と育成の記録といった観点で、この記事で紹介する製品の特徴を一覧にまとめました。

    製品名特徴
    タレントパレットISO 30414に対応した人的資本ダッシュボードを搭載。人材分析や異動シミュレーション、評価・育成管理にも対応
    カオナビ人材データベースで評価・スキル・経歴を一元管理。AIによる人材分析や配置・育成の検討を支援
    SmartHR人事労務データを基盤に、評価管理・配置シミュレーション・従業員サーベイ・スキル管理を提供
    HRBrain人材データやスキル情報を一元管理。評価管理・組織分析・1on1運用管理に対応
    オフィスステーション人事労務データと連携し、サーベイ・評価・スキル・配置情報を管理。組織のエンゲージメント分析にも対応
    Talentify人事評価や360度評価、サーベイにAIアシスト機能を搭載。組織横断の評価調整にも対応
    Ulysses/人的資本らくらくスタートパックISO 30414を踏まえた人的資本ダッシュボードを提供。有価証券報告書向けレポートや人的資本投資の効果分析に対応
    タレントビューアータレントパレットのOEM製品。人的資本ダッシュボードや異動シミュレーションを備え、導入・活用支援にも対応

    開示対応と人材活用の両方を見据える製品

    歴史の流れで見えてきた、開示に向けたデータ整備と社内での人材活用という2つの目的に対応する製品を紹介します。対象とする企業規模や連携できる範囲は、資料請求で確認してください。

    タレントパレット

    株式会社プラスアルファ・コンサルティング
    《タレントパレット》のPOINT
    1. 最新シェアNo.1の「タレントマネジメントシステム」
    2. 人事と従業員にとって使いやすいデザインと操作性
    3. 人事評価や研修管理をはじめ、幅広い領域の「人事DX」を実現

    株式会社プラスアルファ・コンサルティングが提供する「タレントパレット」は、人材データの管理・分析から評価、育成、配置まで幅広く対応するタレントマネジメントシステムです。人材データベースやスキル管理、採用管理などの機能を一つのプラットフォームに集約しています。また、ISO 30414に対応した人的資本ダッシュボードを備え、開示に向けた情報の集計・可視化も可能です。異動シミュレーションによる配置検討にも対応しており、人的資本開示と社内での人材活用を両立させたい企業の候補です。

    カオナビ

    株式会社カオナビ
    《カオナビ》のPOINT
    1. タレントマネジメントシステム「シェアNo.1」
    2. 人事・労務業務の効率化から戦略人事の実現まで
    3. 人材データをAIが分析・提案し、意思決定を支援

    株式会社カオナビが提供する「カオナビ」は、社員の基本情報や評価、スキル、経歴などを一元管理するクラウド型のタレントマネジメントシステムです。顔写真を起点とした人材データベースに加え、評価ワークフローや1on1・面談の記録、配置シミュレーションを備えています。また、AIによる人材データの分析・提案にも対応し、配置や育成の判断を支援します。部署ごとに分散した人材情報を集約し、人事部門だけでなく現場の管理職も活用したい企業に適しています。

    SmartHR

    株式会社SmartHR
    《SmartHR》のPOINT
    1. 自然に蓄積したデータを戦略人事に活用し組織改善をサポート
    2. 人事評価や配置シミュレーションなど、豊富な機能群
    3. 直感的なUIで、従業員の入力負担を軽減し、高い回収率を実現

    株式会社SmartHRが提供する「SmartHR」は、人事労務業務で蓄積した従業員データを、評価や育成、配置の検討に活用できるクラウド型サービスです。人事評価や従業員サーベイ、スキル・資格管理、学習管理などの機能を備えています。配置シミュレーションでは、最新の評価やスキルを参照しながら、ドラッグ&ドロップで人員配置を検討可能です。人事労務のデータを基盤として、戦略的な人材配置や育成に取り組みたい企業に向いています。

    HRBrain

    株式会社HRBrain
    《HRBrain》のPOINT
    1. スキルや特徴を可視化・分析、データに基づく抜擢・配置を実現
    2. 評価シートの作成から集計まで煩雑な業務をワンストップで効率化
    3. 「使いこなせない…」の心配はご無用!充実したサポート体制

    株式会社HRBrainが提供する「HRBrain」は、人材データの管理・分析・活用を通じて、戦略的な人事の意思決定を支援するクラウド型のタレントマネジメントシステムです。社員の人事評価や資格・スキル情報を一元管理し、人材検索や組織分析、評価管理、1on1の運用管理に対応しています。蓄積したデータをもとに人材の特徴や組織の状況を可視化でき、配置や育成の検討にも活用可能です。評価業務を効率化しながら、人材データの活用を進めたい企業の候補です。

    オフィスステーション

    株式会社エフアンドエム
    《オフィスステーション》のPOINT
    1. 従業員の深層心理を可視化し、離職の兆候を早期に把握
    2. サーベイ結果と評価データを結び付け、納得感の高い評価を実現
    3. 部門ごとのエンゲージメントを可視化し、組織課題を的確に把握

    株式会社エフアンドエムが提供する「オフィスステーション」は、人事労務データを基盤に人材情報の可視化と活用を支援する、クラウド型のタレントマネジメント機能を備えたサービスです。従業員サーベイや評価、スキル、配置情報を一元管理し、サーベイ結果と評価データを組み合わせた分析に対応しています。部門ごとのエンゲージメントや離職リスクの兆候を把握し、組織改善にも活用可能です。既存の人事労務情報を生かして評価や人材活用を進めたい企業に適しています。

    Talentify

    株式会社kickflow
    《Talentify》のPOINT
    1. 全ての機能にAIを搭載した統合タレントマネジメントシステム
    2. システムの管理を協力にサポートするAI機能も実装
    3. 人事評価運用を圧倒的に効率化するキャリブレーション機能搭載

    株式会社kickflowが提供する「Talentify」は、中堅・大企業向けのクラウド型タレントマネジメントシステムです。人事評価や360度評価、従業員サーベイなどにAIアシスト機能を備え、目標文や評価コメントの作成、サーベイ結果の分析を支援します。また、組織横断で評価の甘辛を調整するキャリブレーション機能を搭載し、評価の比較・修正・集計をシステム内で進められます。AIを活用しながら、大規模な組織の評価運用を効率化したい企業に向いています。

    Ulysses/人的資本らくらくスタートパック

    株式会社オデッセイ
    製品・サービスのPOINT
    1. 人事データ投入だけでISO30414準拠のダッシュボードを使用可能
    2. 有価証券報告書項目を金融庁推奨形式で即時出力
    3. 財務と非財務を統合分析し人的資本投資の経営効果を可視化

    株式会社オデッセイが提供する「Ulysses/人的資本らくらくスタートパック」は、人的資本情報の可視化と開示対応を支援するパッケージソリューションです。SAP SuccessFactorsと独自の人的資本ダッシュボードを組み合わせ、ISO 30414を踏まえた指標や有価証券報告書の記載項目を可視化します。財務・非財務情報を組み合わせた分析にも対応し、人的資本投資の効果を検討する材料として活用可能です。人的資本開示に向けたデータ整備を進めたい、従業員500名以上の企業の候補です。

    タレントビューアー (エン株式会社)

    《タレントビューアー》のPOINT
    1. 「タレントパレット」のOEM商品だから超・高機能!
    2. 人材支援40年のエン・ジャパンがシステム導入~課題改善まで伴走
    3. 人材管理・育成・評価など、あらゆる人事機能がオールインワン

    まとめ

    タレントマネジメントの歴史は、米国での人材獲得競争への問題意識から始まりました。日本ではSaaS型の普及で中堅・中小企業にも広がりました。人材版伊藤レポートや有価証券報告書での人的資本開示を経て、タレントマネジメントシステムは経営を支えるデータ基盤の役割も担っています。自社の導入目的と企業規模にあう製品を見極めるため、資料請求で各製品の機能を比べてみてください。

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