ゲストプロフィール
株式会社ナビタイムジャパン
Webサービス開発担当 藤井 氏
2008年、株式会社ナビタイムジャパン入社。これまでに、社内共通 API開発、鉄道/バス事業者向けの経路・時刻表検索サイト開発、バス専用ナビゲーション『バス NAVITIME』アプリのサーバーサイド開発、社内 BFF(Backend for Frontend) のクラウド移行等に従事。
2022年4月に育児休業を終え復職し、現在はスマートフォン向けナビゲーションサイトの開発を担当している。
藤井さんが紹介する3つのツールはこちら
はじめに
ーー御社の事業について教えてください。
弊社は、2000年3月に創業して、経路探索エンジンの技術を軸に、ナビゲーションサイト・アプリなど、個人と法人向けにビジネスを展開しています。
多くの方に認知いただいている複数の移動手段を組み合わせた経路案内「NAVITIME」以外にも、カーナビナビゲーションアプリ「カーナビタイム」、トラックドライバーの方向けの「トラックカーナビ」など、さまざまな方に直接使っていただくナビゲーション・移動のサポートとなるサービスを提供しています。今年の7月には、「EVカーナビ by NAVITIME」という、最適な充電場所を考慮したルートでEVの長距離移動をサポートするサービスもリリースしました。
また、トラベル事業も展開しており、ルート検索と一緒にチケットや特急券を予約できる仕組みを提供するなど、単純な「移動」だけではないそれに付随する情報というのを豊富に提供できるようになっています。
法人向けビジネスとしては、ナビタイムジャパンの経路検索やデータ管理、サービス開発のノウハウを活かしてトラックの動態を管理できる「ビジネスナビタイム動態管理ソリューション」、店舗情報一元管理サービス「NAVITIME Location Cloud」などを展開しています。
ーー藤井さんの働き方について教えてください。
弊社のルールに則り、最近は週5日のうち3日出社して、残り2日は在宅勤務をしています。出社日は、全員が同じ日に出社し対面作業に取り組み、在宅勤務の日は自宅で取り組める作業を集中的にする、という働き方をしています。
私は今子供が二人いるので、保育園の送迎の都合もあって時短勤務をしております。どうしてもフルタイムの頃と比べると働ける時間が3分の2くらいに減ってしまっているのもあり、とにかく無駄がないように働くことを大切にしています。
自分の思い込みでやっている作業が間違っているとやり直しなどの無駄が発生してしまうので、事前の確認を怠らないようにしています。あとはツールの力を存分に使って、楽にできることはなるべく楽をする、というのを大事にしています。
Bitbucket
弊社では、リポジトリツールのBitbucketを活用しています。導入したのは2015年です。導入前は、Visual SourceSafe(VSS)や、Subversionというツールを使っていましたが、チームで開発をするうえで、複数人で編集したコードを常に最新の状態で保存することが難しかったり、コード品質の確認作業があまり効率的に進められなかったりするという課題がありました。
Bitbucketを提供しているアトラシアン社の製品群を使うと、ホスティングサービスとしてのBitbucket、タスク管理ツールとしてのJira、そしてナレッジマネジメントツールのConfluenceなどをインテグレーションして使えます。実際に自分たちの開発をうまく進めていくために活用できるツールを探していたときに、アトラシアン社に出会いました。
Bitbucketを導入する前は、コードレビューが憂鬱に感じることもありました。対面でしか見てもらえない、時間もかかる、といったストレスが、Bitbucketを導入してから7年で激減しました。
ーー具体的にはどのようなシーンで使っていますか?
開発チームで一番の主軸としては、成果物となるソースコードを共有する用途でメインに使っています。最新バージョンのソースコードがどれなのかを、いつでも誰でも分かるようにしています。
↑藤井さんが所属するチームのコードレビューとコメントやり取りの画面
ソースコードをウェブで見られるようになっていて、この画面上でコードレビューができるんです。ソースコードがチームの誰でも見られるようになっていて、気になることが出てきたら、コメントで指摘をいれたり、コードを書いた人から返信をもらったりしています。
「ここは問題ないね」とか「この書き方、こう変えるともっと良くなるよ」っていうアドバイスを入れて、それを修正したものをGitで更新をかけると、Bitbucket上で新しいコードがすぐに見られるようになっています。ウェブ上でコードレビューができるというのがいいですね。
- Q:どんなときに使っているか
- 複数人でのソースコードの共有や、ウェブ上でコードレビューを行うとき。レビューが終わったソースコードのビルド、デプロイの作業もBitbucketの仕組みを使って実行用プログラムを起動させています。こうすることによってコードレビューが終わったら自動でサーバーに最新のコードを反映してくれる、ということができるようになっています。
- Q.気に入っている機能
- 1つは、コードレビューをウェブ上でできること。もう1つはソースコードの検索ができる機能です。たとえば私のチームで新機能を作るとき、既に弊社の他のチームで同じようなものが実装済みかどうかを探し、参考にすることができます。特定のワードを入れると、そのワードが入っているコードが全部見られるので、とても役に立っています。
- Q.このツールがおすすめの企業
- チーム開発でソースコードの共有をストレスなく行いたい企業の方におすすめです。
《Bitbucket》のPOINT
- Jira、Trelloの機能が統合されている最高クラスの機能!
- 組み込まれている継続的なデリバリーの機能で自動テストが可能!
- クラウド、オンプレ、データセンター、多彩なオプションがある!
Miro
オンラインホワイトボードのMiroは、主に会議の場で使っています。
↑藤井さんのチームの活動振り返りを行ったときの共有画面
上でお見せしている画像は、私のチームで日頃の活動の振り返りをしたときの記録です。時と場所を選ばずに、こういうボードを使った作業ができるということが便利です。
Miroを導入する前は、リアルなホワイトボードを使って付箋を100枚、200枚持ち込んでペタペタ貼っていて効率面でいいとは言えなかったのと、コロナ禍で物理的に集合することも難しくなってしまいました。また、他にもオンラインでホワイトボードの代用として使えるものはあったのですが、複数人でリアルタイムに同時編集できなかったのが一番の課題でした。
そんなとき「Miroっていう、すごくいいツールがあってね」と、とある社員が社内で広める活動をはじめて、「これいいね」「いいね!」と広まっていって、その評判を聞いたIT管理部門が導入してくれました。当初は無料版を使っていたのですが、今はエンタープライズ版に切り替えフル活用しています。
テンプレートがあるのもすごくいいです。Miro側で、振り返りだったり、アイデア出しだったり、事業計画や戦略立案といったテンプレートがたくさん用意されているので、どんな会議にも柔軟に対応できます。
もう1つは、もしかしたら弊社独自の活用方法かもしれませんが、新機能を開発するときの画面デザインの共有もMiroで行っています。例えば、新しいWebサイトの画面キャプチャをMiroの上でフローチャートのように並べて、複数人でブラッシュアップしていくという用途でも使っています。
振り返りやアイデア出しなどと同じような感覚で、各メンバーからの意見を書き込み、それに対する返事もMiro上で共有できるので、個人的には面白い使い方だと思っています。
- Q:どんなときに使っているか
- 主に会議のときに活用しています。振り返りだけではなく、アイデア出しなどにも使えます。
- Q.気に入っている機能
リアクションがリアルタイムでシェアできる機能がいいですね。コメントを書くほどではないけど、「このアイデアいいね」っていうときにハートやクラッカーを飛ばすと、画面にポンポンポンと広がっていくので、うれしくなります。
参加者のカーソルを追跡できる機能も便利です。Miroのホワイトボード上で参加者全員のカーソルがそれぞれ出てき、追跡ができます。例えば、Aさんがなにか新しい画面キャプチャーや付箋を貼ったコメントを発表しているとき、見ている人が該当箇所を探さなくてもいいんです。
Aさんのカーソルを追跡するボタンをポチっと押すと、操作したところに勝手にズームして、遠いところに移動したときにも画面が動いてくれます。見る側の手間を省いてくれるというところですごく助かっています。
- Q.このツールがおすすめの企業
- オンライン会議で、情報共有をしたい企業の方におすすめです。振り返り、アイデア出し、事業計画・戦略立案・画面デザインの共有など、さまざまな業務に利用できます。
Slack
社内のメッセージ共有をメインに使っています。個人間、チーム内でのメッセージ交換など、部門関係なく全てに活用しています。メールだと共有が大変だったり、見落としやテキストを作成したりする手間もありますし、文章力に自信がないといった心配も、今はSlackで全て問題解決しています。
他にも、ワークフロー機能を活用したBotによる「お弁当販売の予約通知」が全社員に自動で来るなど、広い意味で、社内の情報共有のツールとして活用しています。
↑全社で共有されるお弁当の予約案内もSlackで行われている
私は時短勤務で、夕方早めに退勤して家事に専念するという働き方をしているのですが、チームのみんなはもう少し遅くまで働いています。その間に起こった出来事を、次の日の朝Slackさえ見れば「夕方そういうことがあったのね」ってすぐにわかるので、これが一番ありがたいです。
昨日◯◯さんがまだ解決できなかった疑問に私がお答えしよう!とか、昨日帰る前に私が投稿した質問に回答をくれていたりするので、時と場を選ばずにコミュニケーションが取れて、その記録も残せるというのがとても助かっています。
絵文字でリアクションできることも気に入っています。返事を書くのが手間に感じることもあるので、絵文字でサンキューとかハートとかできるので助かりますね。相手も「見てくれたんだ」って分かると安心感を得られると思います。
また、エンジニア視点で言うと、JiraやBitbucketとの連携ができるので、それらに更新があったときにSlackの方に自動的に通知が来たりするのは便利です。エンジニア以外のメンバーでもGoogle カレンダーと連携させて、たとえば「今日は何時にこのミーティングがありますよ」っていうのをSlackで自分宛てに受け取ることができたりとか。Slackを見れば今日の予定がすべてわかるのでとても便利です。
- Q:どんなときに使っているか
- 社内のメッセージ共有、情報共有。各種ツールとの連携による通知受け取り。
- Q.気に入っている機能
- 絵文字スタンプでリアクションできることと、外部ツールと連携できること。さらに、ハドルミーティングができること。
他のツールだとURLを事前に送って招待するというステップがありますが、Slackの画面上でボタンを押せばその瞬間にミーティングを始められるので、社内でコミュニケーションをとる場合に、すごく便利だと思っています。在宅勤務のときはハドルを使っているメンバーは多いです。
- Q.このツールがおすすめの企業
- コミュニケーションが1本化されていない、たとえば電話、メール、別のツールだったりとバラバラで情報共有や意思疎通を図るための作業に、なにかしらの課題をかかえている企業の方向けに、便利に活用できるツールだと思います。弊社も導入背景の一つに同じ課題がありましたが、この課題を解決したい企業の方にはおすすめです。
編集後記
本企画では初めてのエンジニア職の方への取材で少し緊張しましたが、お話を伺ってわかったのは、エンジニアも事業部もバックオフィスの方もみな同じように、コミュニケーションや情報共有の課題があり、それを乗り越えるために様々なITツールを活用しているということでした。
また、時短勤務をしながら業務を進める上で無駄がないように、戻りがないようを意識されているというお話が印象的でした。記録を残す、情報を共有する、相互チェックをするということについては、ITツールでカバーできることがたくさんあると実感しました。
開発チームで「モブプログラミング」の仕組みを導入し、難易度が高い開発も効率的に行えているお話も伺いとても興味深かったです。今後も、藤井さんを始めナビタイムジャパンさんが開発・提供する新しいサービスも楽しみです!
今回ご紹介いただいたツールは全てITトレンドに掲載があり、Slack、Miroはすぐにお問い合わせ可能です。リモートワークでのアイデア共有や情報共有に課題のある企業の方は、ぜひお問い合わせください。
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