
CTIシステムとは
まずはじめに、CTIシステムの簡単なおさらいをしておきましょう。
CTIシステムとは、Computer Telephony Integrationの略称で、顧客の電話番号からCRMなどのデータベースを用いて顧客情報を取り出し、コンピューターの画面上に表示できる、電話による顧客接点を支援するシステムのことです。
CTIの歴史
CTIの簡単なおさらいをしたところで、CTIシステムの歴史を紐解いていきましょう。ちなみにですが、CTIと関連性の高いコールセンターの歴史についても解説していきます。
PBXとコンピュータの歴史
CTIをコールセンターと同じ物と考えている方が多くいますが、これは誤解です。CTIはコールセンターを構成するシステムの1つです。CTIだけでは、コールセンターは成立しません。
CTIとはコンピュータの機能と電話のPBX(Private Automatic eXchange=構内交換機)を統合した技術で、歴史に登場するのは1990年代ことです。コンピュータは1970年代から一般企業で活用され、汎用コンピュータ、オフィスコンピュータ、パソコンというように、主役が代わり身近になっていきます。
一方、PBXの歴史は古く、1900年代初頭には登場しています。企業内の内線を繋ぐ(交換)のが役割で、アナログな機械でした。アナログな時代は1980年代まで続いています。このことからもわかるように、コンピュータとPBXはまったく異なる歴史を歩んできました。
PBXは1980年代に交換機能がデジタル化され、1990年代に外部接続するインタフェース部分もデジタル化されました。これにより、PBXを企業内LANに組み込んだり、コンピュータと統合することが可能となったのです。ここにおいて、CTIの技術が完成しました。
コールセンターの歴史と革新
今度はコールセンターの歴史を振り返ってみましょう。電話機の普及とともに企業や団体では「コールセンター」と呼ばれる場所あるいは機能が登場します。コールとは電話の意味で、「コールセンター」は組織内の電話業務を専門に扱う部門です。古くはNTTグループが提供する電話番号案内サービスがあります。
コールセンターは、お客様から電話を受けたり(インバウンド)、お客様に電話したり(アウトバウンド)するのが主な役割です。大規模なテレビショッピングでは、オペレータと呼ばれる専門職が交代制で勤務し、24時間受注サービスを提供しています。
CTIの登場とともに、その技術がコールセンターに用いられるようになりました。それまで、受話器を片手に、メモ帳で仕事していたのが、ヘッドセットとパソコンで対応できるようになります。これでコールセンターの雰囲気が一変しました。
自動発信や自動録音もできますし、自動音声応答も可能になりました。空いているオペレータに順に割り振られる「自動着信分配」、着信と同時にお客様の電話番号が表示される「ナンバーディスプレイ」、ディスプレイにお客様の履歴情報などを表示する「ポップアップ」などの機能も備えています。CTIは、オペレータや管理責任者の業務負荷軽減に貢献します。
現在のトレンドはクラウド型CTI!
2000年代インターネットは大きな潮流となり、ブロードバンド化が進みます。ここで、誕生したのが、IP-PBXです。それまで、アナログの電話回線を利用していた電話機が、インターネット回線を利用して交換できるようになったのです。インターネットとPBXの融合です。ソフトウェアタイプのIP-PBXも現れ、CTIの低価格化が進みます。
さらに、2010年代になってCTIのクラウドタイプが登場しました。CTIのクラウド化はコールセンターシステムのクラウド化につながります。コールセンターシステムにはコンピュータとPBXのハードウェアが必要であり、たとえ小規模でも導入コストと構築するための期間が必要でした。
コールセンターシステムそのものをクラウド化することで、初期投資を大幅に削減できます。もちろん、短期間で構築できます。運用も専門の事業者が提供するため、社内スタッフや運用時間を減らすことも可能となります。
小規模で開始して、ビジネスの成長に応じて容易に拡大していくこともできます。季節変動のある商品やサービスを提供している場合は、システムリソースを必要に合わせて自在に最適化できます。
CTIで企業成長が可能に!自社に合った製品を導入しよう
CTIを提供する事業者は、それぞれに個性的なサービスを持っています。その選択の際には、自社の課題を洗い出し、必要な機能を搭載したシステムを選びましょう。サービス提供事業者の実績やコンサルティング能力のチェックも忘れないようにしましょう。
以下の記事では、人気のCTIと選び方を詳しく解説しています。ぜひ読んで、自社に合った製品の導入を検討してみましょう。
