コールセンターや発信業務における6つの課題
まず、CTI導入のメリットを実感していただくために、導入前に起こっている課題を先にご紹介します。
顧客からの問い合わせ対応であるコールセンター業務や、新規顧客獲得のための発信業務などを行っている企業にとって、どうすれば業務をより改善に導くことができるか、日々考えを重ねています。顧客と1対1で接する電話業務では、効率的な業務こそが顧客満足度に直結します。
ところが、コールセンターや発信業務において、下記のような課題に直面することが頻繁にあります。
- ・オペレータの人件費が大きな負担になっている
- ・オペレータの忙しさにバラつきがある
- ・顧客を待たせてしまっている。適切なアナウンスができていない
- ・上司やSVによる二次対応になった場合、オペレータから状況を聞く手間がかかっている
- ・オペレータの業務状況を把握できず、対応数などはオペレータの自己申告
- ・電話のかけ間違いが多く発生している
このような状況に際して、問題を解決するための方法がCTIシステムなのです。これからCTIシステムのメリット・デメリットをご紹介しますが、実際に使うオペレーターと管理者側にわけてご紹介していきます。

CTIシステムの導入メリット 【オペレーター編】
まずはオペレーター編です。実際に利用する現場には、どのようなメリットがあるかをみていきましょう。
メリット1.忙しさのばらつきを軽減し、オペレータ対応状況を均等化
複数のオペレータが対応にあたっている場合、忙しいスタッフと落ち着いているスタッフとの差が生まれることがあります。この業務量の差を解消できないと、一部のスタッフから不満の声が上がることになりかねません。
CTIシステムを導入すると、各オペレータの稼働状況を判断する機能があります。稼働状況を判断することにより、自動的に着信を配分し最適化をはかります。このことでオペレータ業務を均等化できます。
メリット2.自動音声応答で顧客へ的確なメッセージ案内
CTIシステムを導入すると、自動応答が可能となり顧客へ的確な案内ができます。例えば、問い合わせ電話が込み合っている場合や、問い合わせ営業時間外などです。
電話をかけた際に話し中で強制的に通話が切れることと比較し、顧客は込み合っている状況をスムーズに受け入れることができます。自動音声応答は顧客満足度につながるとともに、クレームなどのトラブルも防ぎます。
メリット3.ワンクリック発信で、かけ間違いを防ぐ
着信だけでなく発信業務を行う企業にとっては、電話のかけ間違いを防ぐ対策も必要です。
CTIを導入すると、パソコンの画面上でワンクリックで発信できるため、そもそものかけ間違い対策となります。また発信先の電話番号リストの一括取り込みも可能なため、かけ間違いを最小限に抑えます。
CTI導入のメリット 【管理者編】
次に、現場の業務をマネジメントする立場にある管理する側のメリットをご紹介していきます。
メリット1.オペレータ業務の効率化で人件費削減が可能
コスト削減の中でも、特に人件費の削減に効果的です。電話の受信業務では、効率的なルーティング機能により、空いているオペレータに自動的に接続したり、あるいは、電話の発信業務では、コンピュータが自動発信し、不在の電話を除き、在宅(在席)の回線だけをオペレータに接続することで、少ない人数で効率的なコールセンター運営を可能にします。
また、電話を掛けてきた顧客の情報がコンピューター画面に表示されることで、オペレータの作業効率がアップします。紙の資料で顧客情報を探したり、検索システムで探したりする手間が省けるのです。1件あたりの対応時間が減ることで、人件費の削減につながります。
メリット2.管理者やSVが同時に通話を聞くことでスムーズな二次対応に
オペレータ対応で顧客対応が完了できない場合は、管理者やスーパーバイザー(SV)による二次対応へステップアップします。
その際、CTIシステムを導入すれば、管理者やSVはオペレータの対応をリアルタイムで聞くことができます。オペレータから詳細の状況確認をすると同時に、顧客の声を事前に聞くことができます。これにより、より顧客対応をスムーズに進行できます。
メリット3.オペレータ業務内の全体を把握できる
管理者にとっては、オペレータが何件の顧客対応をしていて、通話時間がどのぐらいかといった状況を把握することは重要です。各人の業務状況を把握することで、オペレータの業務を評価する判断材料となります。
CTIシステムでは、これらの業務状況を把握することができるため、管理者にとって、オペレータ業務を俯瞰して把握できます。
CTI導入のデメリット
実際に使うオペレータ側と管理する管理者側のメリットをご紹介しましたが、CTI導入のデメリットは無いのでしょうか。現在考えられるだけ列挙してみても、導入に伴うITコストの発生ぐらいしかありません。
ITコストの発生には、前もって、課題の明確化と予実管理をしっかりと行っていれば、問題視する必要もなさそうですが、製品の試験導入はしっかりおこなっておきましょう。
以下の記事では、無料で使えるCTIシステムを紹介しています。製品の試験導入を検討してみましょう。
CTIのメリットを理解し、自社に合った製品を導入しよう
CTI導入のメリット・デメリットをご紹介しました。このように多くのメリットを得られるCTIを導入することによって、コスト削減や顧客満足度の向上などを実現できます。また、コールセンターや発信業務を行う企業にとって、これらの課題を解決することで業務の大幅な改善を期待できます。
さらに、CTIと連動する管理システムにはオペレータの応対が音声やテキストデータで記録されていきます。この中には顧客のインサイト(本音や潜在ニーズ)が埋もれており、テキストマイニングなどの分析によって抽出することで、新しい顧客価値を生み出す源泉となります。
以下の記事では、人気のCTIシステムと選び方を詳しく解説しています。ぜひ読んで、自社に合った製品の導入を検討してみましょう。
