CTIシステムとは?
CTIシステムのミドルウェアを理解していただくために、まずはCTIの説明から始めます。
CTI(Computer Telephony Integration System)とは、一言でいうと電話とコンピュータをつなぐシステムです。実装された機能の一つとして電話がかかってきた際に、電話の着信と同時にそのお客さま情報をコンピュータ(今ではパソコン、PCの呼び名方が一般的)に表示させたりできます。
次に、CTIシステムの中に構成されるミドルウェアについて解説していきます。

ミドルウェアとは?
CTIサーバにはCTIミドルウェアがインストールされており、CTIの基本機能を提供したり、PBXやコールセンターを構成するアプリケーションと連携する役割を担っています。ここで「ミドルウェア」という単語が出ました。よく耳にする言葉ですが、概念を理解しづらい言葉でもあります。
ミドルウェアとは、OSとアプリケーションの間にあって、双方を連携させる機能を提供するソフトウェアです。パソコンなどコンピュータのハードウェア上には基本的な機能を提供するOSがあるのはご存じでしょう。OSが各種異なる事業者のパソコンの違い吸収し、共通したアプリケーションを機能させることができます。
ミドルウェアはさらに、OSとアプリケーションの間に入って、特定分野のアプリケーションに共通した機能を提供します。たとえば、RDBを使って、販売管理システムと顧客管理システムを構築するとします。販売管理システムも顧客管理システムも同じRDBを使うことで、低コストで効率よく開発できます。
この場合、RDBがミドルウェアとなります。RDBはリレーショナルデータベース機能を販売管理システムと顧客管理システムの両方に提供しているのです。
CTIミドルウェアとは?
CTIミドルウェアもコンピュータのOSとアプリケーションの間にあって、CTIで必要となる基本機能を提供します。たとえば着信呼自動配分、自動音声応答、予測発信、通話録音、ポップアップ機能をCTIシステムで利用できるようになります。
また、コールセンターシステムではCTIに連携する顧客管理アプリケーションや通販受注アプリケーションなどが考えられます。CTIミドルウェアは、これらアプリケーションのインターフェースを提供し、CTIとのデータ連携が可能になります。
CTIミドルウェアはPBXとの連携も可能にしています。CTIサーバとPBXの連携を可能にしているのは、CTIミドルウェアの存在だったのです。
このようにCTIミドルウェアはCTIの基盤として働き、CTIの共通機能の提供、アプリケーション連携、PBX連携を可能にしています。
CTIミドルウェア、パッケージ型、クラウド型の特徴
ここでは、CTIミドルウェア、パッケージ型、クラウド型のそれぞれの特徴を紹介します。自社に合ったCTIシステムがどれなのか検討してみましょう。
CTIミドルウェア
CTIミドルウェアが単体で販売されています。CTIミドルウェアを核に、自在にCTIシステムを構築していくことができます。
まず、CTIミドルウェアをインストールするサーバを用意します。次に電話機能を提供するIP-PBXを用意し、接続します。IP-PBXはSIPサーバに置き換えることもできます。SIPサーバはIP-PBX機能を提供するコンピュータです。
両者同じ働きをしますが、IP-PBXは信頼性が高い、SIPサーバは柔軟なアプリケーション連携が可能などの特徴があります。いずれ、CTIミドルウェアとの連携できるかを確認して、取り揃えます。さらに、顧客管理アプリケーションや通販受注アプリケーションなどをオリジナルで開発し連携していきます。
このように、CTIミドルウェアを核に自社目的に適した製品を揃え、あるいはアプリケーションを開発し、コールセンターシステムを構築していくことができます。
CTIパッケージ型
コールセンターシステムをパッケージで丸ごと提供する製品もあります。個々のパーツ選定に悩む必要がなくなり、短期間でコールセンターシステムの機能を手にいれることができます。
CTIクラウド型
コールセンターシステムの機能だけを提供するクラウドサービスも用意されています。既存システムを共同利用することで、プログラミングもテスト工程も不要となり、極めて短納期・低コストに利用が可能となります。
CTIミドルウェアを理解し、自社に合った製品を導入しよう
CTIミドルウェア単体で購入することで、オリジナルのシステム構築が可能となりますが、それなりの技術力が必要となります。標準的な機能で十分ならば、オールインワンパッケージの方が簡単に導入できます。クラウドになるとさらに手軽です。手軽で技術力も不要となりますが、自由度が次第になくなっていきます。
自社の技術力や目的に合わせてコールセンターシステムを構築しましょう。以下の記事では、人気のCTIシステムと選び方を紹介しています。ぜひ読んで、自社に合った製品の導入を検討してみましょう。
