タレントマネジメントシステムと人事システムとの違いは?
タレントマネジメントシステムと人事システムは、機能だけで違いを切り分けるのは難しいシステムです。そのため、ここでは目的や概念から両者の違いを説明します。
タレントマネジメントシステム:戦略的な人材育成・配置を行う
タレントマネジメントシステムとは、従業員のスキルや経験などの情報を一元管理するものです。保管されたデータは、事業戦略に則った人材配置や計画的な人材開発などに活用されます。現場で使えるデータが豊富なため、戦略的な人事マネジメントが可能です。
タレントマネジメントシステムについておさらいしたい方は以下の記事も参考になります。
人事システム:総合的な人事業務を行う
人事システムとは、従業員の勤怠状況・給与・評価・採用情報などを一元管理するものです。保管データは人材マネジメントだけでなく、人事や給与計算などにも利用できます。
このように、タレントマネジメントシステムとは、管理する情報の種類と、その用途が大きく異なるといえます。
また、人事システムは総合的な人事業務を担うため、タレントマネジメントシステムよりも種類が豊富です。具体的には、人事・給与分野や戦略人事分野、人事採用分野のシステムが含まれます。
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人事評価システム、ERPとの違い
人事業務には、ほかにも「人事評価システム」「ERP」などと比較されることもあります。ここでそれぞれの特徴や違いを把握しておきましょう。
人事評価システム:人事評価を行う
人事評価システムは、人材評価を効率化させるためのシステムです。複雑な評価と承認のフローをシステム化することで、生産性の向上だけでなく、公正な人事評価の実施にもつながります。
タレントマネジメントシステムと連携している場合もあり、人事評価のデータを人材の育成計画に活用することや、目標管理を活用したキャリアアップのサポートをこともあります。
人事評価システムについて詳しく知りたい方は以下の記事も参考になります。
ERP:経営資源の一元管理を行う
ERPとは、経営の根幹を担うヒト・モノ・カネ・情報などを一元管理するシステムのことです。英語では「Enterprise Resources Planning」、日本語では「企業資源計画」と呼ばれています。
従業員のスキルや経験などの情報だけでなく、事業の継続に関わる重要な基幹系業務を統合・管理します。基幹系情報の一元管理によって、企業全体の状況を把握しやすくし、経営判断の最適化を目指すのが特徴です。
ERPシステムのなかには、人事システムの一つとしてタレントマネジメント機能を搭載していることもあります。
ERPシステムについて詳しく知りたい方は以下の記事も参考になります。
自社の課題に合ったシステムを選んで理解しよう
タレントマネジメントシステムでは、人事データを戦略的に活用します。一方、人事システムは、あらゆる従業員データを一元管理することが目的です。両システムをうまく連携させることで、個々人のキャリアアップや事業戦略に則った人材配置も可能になるでしょう。
タレントマネジメントシステムと人事システムの違いを理解して、自社に合った人材管理を行ってください。
