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オンプレミス型CRMとは?自社運用の仕組み
オンプレミス型CRMを理解するには、どのような機器やソフトウェアで成り立っているか、クラウド型と比べて誰が何を管理するのかを押さえることが近道です。ここでは基本的な構成と管理範囲を整理します。
サーバとデータベース、アプリケーションの構成
オンプレミス型CRMは、主にサーバとデータベース、CRMのアプリケーションの3つの要素で動きます。サーバはシステムを動かすコンピューター、データベースは顧客情報や商談履歴を保存する仕組みです。
利用者は、社内ネットワークにつながったパソコンからWebブラウザや専用ソフトでCRMを使います。利用規模によっては、アプリケーション用とデータベース用でサーバを分ける構成もとられます。どの構成が必要かは利用人数やデータ量で変わるため、提供会社の推奨構成を確認しましょう。
クラウド型CRMとの責任範囲の違い
クラウド型CRMでは、サーバやネットワークの運用、セキュリティ更新の多くを提供会社が担います。利用企業が管理するのは、主にアカウントや権限、入力するデータです。
これに対してオンプレミス型CRMでは、機器の設置からOSやデータベースの更新、バックアップ、障害時の復旧までを自社または委託先が担います。管理の範囲が広い分、データの保管場所やセキュリティ対策の方針を自社の基準で決められます。この責任範囲の違いを理解したうえで、形態を選ぶことが大切です。
営業・マーケティング部門でオンプレミス型CRMが選ばれる理由
クラウド型CRMが広く使われるなかでも、オンプレミス型CRMを選ぶ企業があります。その理由は、顧客データの取り扱いに関する要件や、社内システムとの連携、独自の業務への対応にあります。代表的な3つの理由を紹介します。
顧客データを社外に置けない要件
金融機関や医療関連、官公庁と取引する企業などでは、顧客データを社外のサーバに保管することに社内規程や取引先の要件で制限がある場合があります。こうした場合、データを自社の管理下に置けるオンプレミス型CRMが選択肢となります。
ただし、社内に置くだけで安全性が確保されるわけではありません。アクセス権限の設定や操作ログの取得、機器の物理的な管理まで自社で行って初めて、要件を満たせます。どの対策を自社で担えるかをあわせて検討しましょう。
基幹システムとの社内ネットワーク連携
販売管理や受発注、会計といった基幹システムが社内のサーバで動いている場合、CRMも同じ社内ネットワークに置くと連携の設計を進めやすくなります。顧客ごとの取引実績や請求状況を、営業担当者がCRMの画面から確認できる形をつくれます。
社内ネットワークの中で完結するため、外部との通信経路を新たに開ける必要がない点も利点です。一方で、連携の仕組みを自社で開発する場合は、基幹システムの改修時にCRM側の修正も必要となるため、保守の体制を決めておきましょう。
独自の営業プロセスにあわせた改修
オンプレミス型CRMは、製品によっては画面や処理の流れを個別に改修できます。業界特有の商談の進め方や、独自の見込み客の評価方法をシステムに反映したい場合に検討されます。
ただし、改修を重ねるほど、バージョンアップの際に改修部分の動作確認や再開発が必要となり、費用と期間がかかる傾向です。改修するのは自社の強みに関わる部分に絞り、標準機能で対応できる業務は運用を見直すといった線引きが有効です。
オンプレミスでCRMを運用するときの技術的な課題
オンプレミス型CRMは、導入して終わりではなく、稼働し続けるための運用が欠かせません。セキュリティ更新、障害への備え、利用拡大への対応という3つの課題について、何を準備すればよいかを確認しましょう。
セキュリティ更新とバージョンアップ
OSやデータベース、CRM本体には、脆弱性と呼ばれるセキュリティ上の弱点を修正する更新プログラムが提供されます。オンプレミス型では、これを自社で確認し、適用する必要があります。
更新を適用すると、改修した機能や連携が動かなくなる場合があるため、検証用の環境で確認してから本番に反映する手順が望まれます。OSやデータベースのサポート期限も把握し、期限が切れる前に移行や更新を計画しておきましょう。
障害に備えた冗長化と復旧手順
サーバが故障すると、営業担当者が顧客情報を確認できなくなります。止まった場合の影響が大きい場合は、サーバを2台構成にして片方が止まっても動かし続ける「冗長化」を検討します。
あわせて、バックアップの取得頻度と保管場所、復旧にかかる時間の目安を決めておきましょう。バックアップは取っているだけでは不十分で、実際に復元できるかを定期的に確かめることが重要です。障害時の連絡先や手順も文書にまとめ、複数の担当者で共有しておきます。
利用拡大に伴う性能と容量の確保
利用部署の拡大や、MAツールとの連携によるアクセス履歴の蓄積で、CRMのデータ量は増えていきます。サーバの性能やディスク容量が不足すると、検索や画面表示に時間がかかる場合があります。
オンプレミス型では、機器の増強や入れ替えに調達期間がかかるため、データ量や利用者数の推移を定期的に確認し、早めに計画を立てることが大切です。古いデータの保管方法をルール化しておくと、容量の負担を抑えられます。
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オンプレミス型CRMの費用の構造
オンプレミス型CRMの費用は、導入時にまとまって発生するものと、稼働後に毎年続くものに分かれます。金額は利用規模や構成、改修の有無で大きく変わるため、ここでは費用の項目を整理して見積もりの確認に役立てます。
導入時に発生する費用
導入時には、CRMのライセンス費用に加えて、サーバ機器やOS、データベースのライセンス、設置や構築の作業費がかかります。自社の業務にあわせた設定や改修、既存データの移行、基幹システムとの連携開発を依頼する場合は、その費用も加わります。
見積もりを比べる際は、どの作業が含まれているかを項目ごとに確認しましょう。機器の費用やデータ移行が別見積もりになっている場合、総額に差が出るためです。
稼働後に続く費用
稼働後は、ソフトウェアの保守費用や、機器の保守契約、電気代やサーバを置く場所の費用が続きます。運用を外部に委託する場合は委託費用、自社で行う場合は担当者の人件費も考慮が必要です。
さらに、数年ごとにサーバ機器の入れ替えやOSの更新が発生します。導入費用だけでクラウド型と比べるのではなく、数年間の利用で必要な費用を並べて比較すると、実際の負担を把握しやすくなります。
オンプレミス以外の選択肢:IaaSとハイブリッド構成
データを自社で管理したいものの、機器の保守まで担うのは難しいという場合は、オンプレミスとクラウドの中間的な構成も検討できます。代表的な2つの方法と、選ぶ際の注意点を紹介します。
IaaS上に自社でCRMを構築する方法
IaaSとは、サーバやネットワークといった基盤をインターネット経由で借りられるサービスです。IaaS上にオンプレミス用のCRMを入れれば、機器の購入や設置をせずに、自社で設定を管理できる環境をつくれます。
ただし、OSやCRMの更新、バックアップは引き続き自社の担当です。製品によってはIaaS上での利用を保守の対象外としている場合もあるため、対応している環境とライセンスの条件を提供会社に確認しましょう。
顧客データの一部を社内に残すハイブリッド構成
ハイブリッド構成とは、社内のシステムとクラウドのサービスを組み合わせて使う方法です。例えば、機密性の高い顧客情報や取引データは社内のサーバに置き、メール配信やWebの行動履歴の分析はクラウドのツールで行うといった分け方があります。
この場合、両方のデータをどのようにつなぐか、どちらを正とするかを決めておく必要があります。連携が止まった際に気づける仕組みや、データの不一致を確認する手順も用意しておきましょう。
オンプレミスで構築できるCRMの一覧
提供形態にオンプレミスを含むCRMを、構成や費用、運用支援の観点で比べられるよう表にまとめました。推奨するサーバ構成やIaaS上での利用可否は、各社の資料で確認してください。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| Visionary | POS・EC・基幹システムと連携でき、要件にあわせたカスタマイズで顧客管理基盤を構築 |
| CRMstage | オンプレミスとパッケージソフトで提供。行動履歴や属性にもとづくアプローチを自動化 |
| EMOROCO | オンプレミスやクラウドなど多様な形態で提供。月契約と買取を選べ、AIを搭載 |
| NEWPRM | ベースシステムの機能強化を無償バージョンアップで提供。独自項目の画面・帳票反映に対応 |
| WArm+ | オンプレミス版とクラウド版を用意。社員ごとに表示する情報を絞る運用にも対応 |
| BIG 顧客管理 NEO | オンプレミスで使える顧客管理ソフト。構築支援や運用支援、カスタマイズ保守を用意 |
自社サーバで運用するCRMの候補
自社のサーバに構築して使えるオンプレミス対応のCRMです。基幹システムとの連携方法や改修の範囲、保守契約の内容は製品によって異なるため、見積もりの際にあわせて確かめましょう。
CRMstage (株式会社テクノデジタルコンサルティング)
- 顧客行動のリアルタイム可視化と最適アプローチ
- AIを活用した顧客セグメンテーションとパーソナライズ対応
- SFA/MA連携で営業・マーケティング効率化
EMOROCO (アーカス・ジャパン株式会社)
- 顧客マーケティングにおいて、販売活動を円滑に行う機能を提供
- カスタマーサービスに必要なコンタクトセンターを支援
- 興味・関心異なる顧客に対し、ファン化に至るアプローチを支援
NEWPRM (エー・ワークス株式会社)
- ベースシステム機能強化が無償アップグレードで提供
- 企業独自項目を画面・帳票に反映可能
- Open XMLで各種帳票をExcel出力
WArm+ (株式会社システムリサーチ)
- デバイスを選ばないリアルタイムな顧客情報共有
- 2000以上の導入実績により洗練された即使える業種別テンプレート
- 低コストでのCTI展開が可能
BIG 顧客管理 NEO (株式会社システムリサーチ)
- 顧客のニーズと傾向をデータベース化
- 蓄積したデータをもとに詳細な分析が可能
- 顧客の取引履歴・嗜好を管理し、顧客満足度アップ
まとめ
オンプレミス型CRMは、自社のサーバで顧客データを管理し、基幹システムとの連携や独自の改修を自社主導で進められる形態です。その分、セキュリティ更新や障害への備え、性能の確保、機器の入れ替えまで自社で担う必要があります。費用は導入時と稼働後に分けて把握し、IaaSやハイブリッド構成も含めて検討しましょう。構築環境や改修の範囲は製品ごとに異なるため、資料請求して比較してみてください。

