eラーニングは意味ない?社員が不満を感じる原因は?
eラーニングを有意義なものにするには、社員の不満をできる限り取り除かなければなりません。では、社員の不満がどんなところにあり、その原因は何か見ていきましょう。
長時間のコンテンツを提供している
コンテンツの時間が長い場合、社員は「自分の貴重な時間が奪われる」と感じ、eラーニングに対して不満を抱くでしょう。これでは、読み飛ばしや早送りをされてしまい、eラーニングを実施する意味がありません。
この問題は、コンテンツ設計者が「視聴時間が長いコンテンツのほうが内容が濃く、学習効果が高い」と勘違いしていることが根本的な原因と考えられます。実際は、コンテンツの内容ではなく、社員の前提知識の有無が受講時間や学習効果に影響しています。
前提知識がない場合、理解に時間がかかるため受講時間は長くなり、前提知識があれば理解が早く、受講時間は短くなるでしょう。つまり、コンテンツが長時間である必要はなく、誰でも理解でき、飽きずに最後まで視聴できるコンテンツが望ましいです。
特定のデバイスやOSのみに対応している
特定のOSや環境でしかeラーニングを実施できないと、社員の大きな不満につながります。例えば、「専用のソフトが必要」「社内システムでないとアクセスできない」といったケースです。これでは、eラーニングを開始するまでに手間がかかり、面倒だと感じる社員は多いはずです。
また、各社員が利用しやすいデバイスに対応していなければ使い勝手が悪く、eラーニングは普及しないでしょう。高齢の社員はパソコンの利用を好む傾向がありますが、若い世代ほどスマートフォンでの学習を希望しています。
労働時間外で受講させている
一般的に、eラーニングの受講時間は労働時間としてカウントしますが、そうではない企業も多いのが現状です。企業側からeラーニングの受講を強制しているのにもかかわらず、労働時間外で受講させ、残業代をつけないケースも少なくありません。
本来、eラーニングは時間や場所を問わずに学習を進められ、利便性が高い学習方法です。しかし、企業の体制によっては社員の不満を招いてしまいます。
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eラーニングの実施効果を最大化させるには?
eラーニングを意味あるものにするためには、いくつか工夫が必要です。eラーニングの効果を最大化するポイントを見ていきましょう。
視聴完了に至るまでの環境整備をする
eラーニングの効果を引き出すには、コンテンツを最後まで視聴させなければなりません。その方法の1つとして、休憩を挟みながらコンテンツを視聴させるのがおすすめです。
一般的に、人が集中できる時間は15分といわれているため、15分ごとに休憩を挟めば社員は集中力を保ったまま最後まで視聴できるはずです。eラーニングは忙しい仕事の合間を縫って実施することも多いため、15分ごとに区切る方法は合理的でしょう。1日合計1時間程度の学習を継続していくと、より効果的です。
また、読み飛ばし防止機能があるeラーニングシステムを利用するのも効果的です。社員が受講を開始・終了した時間を管理し、標準学習時間と比較して極端に短い場合はすべて視聴してないとみなされ、アラートで表示します。
モバイルでのアクセス環境を提供する
現在はスマートフォンやタブレット端末の利用が当たり前になっているため、eラーニングもモバイル対応にしましょう。
モバイルデバイスに対応したeラーニングを提供すると、社員の好きな時間に学習できます。例えば、外出先にいることの多い営業社員が、空き時間や移動時間を使って学習できるようになります。
ただし、モバイルデバイスに対応する場合は、インターネットの通信料と情報漏えいに注意しましょう。
受講ルールを整備する
eラーニングの受講時間が労働時間に該当するか否か、ルールを明確にしましょう。
一般的に企業側の指揮命令による拘束時間は「労働時間」と見なされ、任意でない限りeラーニングの受講時間も労働時間に該当します。
その場合、「就業時間内に実施すること」「22時以降に実施する場合は深夜労働手当を支払うこと」を厳守しなければなりません。また、自宅で実施する場合はレポートを書かせたり、一定の要件のもと事前許可制にしたり、対策が必要です。
eラーニングが労働時間に該当しないのであれば、受講を強制できません。任意で受講するなら、「上司が社員にeラーニングを行うよう指示する」「やらないなら人事評価をマイナスにする」などの不利益な措置をとってはならないのです。
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eラーニングのやり方によっては社員のモチベーションが下がり、「意味がない」といわれてしまいます。
受講時間が長い、特定のデバイスにしか対応していない、労働時間外の受講で残業代がつかない、という場合は大きな不満につながるでしょう。eラーニングの効果を上げるためには、最後まで視聴しやすい環境を整え、労働時間に含まれるか否かを決めてください。
以上を踏まえて、学習の質を向上させましょう。