社員がeラーニングに不満や無意味さを感じる原因
ここでは、社員がeラーニングに対して不満や無意味さを感じる主な原因について解説します。
コンテンツが長すぎる
忙しい業務の合間に学習時間を確保するのは簡単ではありません。コンテンツの時間が長い場合、社員は「自分の貴重な時間が奪われている」と感じ、eラーニングに対して不満を抱くでしょう。
eラーニングにおける動画の再生時間は30分〜60分程度に設定されることが一般的です。しかし、動画が30分程度であっても社員に前提知識がなく、理解しにくい分野の内容であれば、受講時間はそれ以上にかかることがあります。また、コンテンツを作成する際、多くの内容を詰め込みすぎたり、動画が間延びしたりすることで視聴時間が長くなってしまいます。重要な情報を短時間で効果的に伝える工夫が必要です。
特定のデバイスでしか受講できない
特定のデバイス環境でしかeラーニングを実施できないと、社員の大きな不満につながります。例えば、オフィスのPCでしかアクセスできない場合、外出先や自宅で学習を進められず、柔軟性に欠けます。特にリモートワークや出張が多い社員にとって大きなハードルです。
また、高齢の社員はパソコンを好んで利用する一方、若い世代ではスマートフォンでの学習を望む傾向にあります。各社員が利用しやすいデバイスに対応していないと使い勝手が悪くなり、eラーニングの普及が進みません。
学んだ知識を実務で活用できない
eラーニングはインプットに特化しており、理論や基本的な知識を学ぶのに適していますが、実践的なスキルの習得や現場での応用には向いていない場合があります。
実践的なスキルや問題解決能力を身につけるためには、単に知識を収集するだけでなく、その知識を実際の業務状況に適用する練習が必要です。このようなアウトプットの機会がないと、学習効果を実感しにくいため「意味がない」と感じてしまいます。
飛ばし見や流し見できてしまう
eラーニングでは、動画やテキスト形式の学習コンテンツが多く使用されています。動画やテキストコンテンツは、途中での再生停止やスキップが容易です。特に短時間で大量の情報を処理しなければならない忙しい業務環境では、社員が一部の情報を見逃したり、重要でないと感じた部分をスキップしたりすることがよくあります。
飛ばし見や流し見が行われると、完全な理解や知識の定着が妨げられ、コンテンツ提供者が意図した教育効果や学習成果は得られなくなってしまうでしょう。
労働時間外での受講がもとめられている
一般的に、eラーニングの受講時間は労働時間としてカウントします。しかし、実際のところ労働時間外でeラーニングを受講しているケースが多く見られます。
業務中にeラーニングを受講する余裕がない場合、社員は休憩時間や労働時間外に学習を進めるしかありません。社員は自らの時間を割いて学習を進める必要があり、大きな負担となります。これにより、社員はeラーニングを負担と感じ、その価値や意味を見出すことが難しくなるでしょう。
以下の記事では、eラーニングの労働時間に関する判例や注意点などを解説しているので、あわせて参考にしてください。
効果的なeラーニングを実施するための解決策
eラーニングを意味あるものにするためには、社員がeラーニングの実施に対して抱く不満を取り除く必要があります。ここでは、効果的なeラーニングを実施するための解決策を紹介します。
短時間で学習できるショートコンテンツを提供する
eラーニングの効果を引き出すには、コンテンツを最後まで視聴させなければなりません。その方法の1つとして、重要なポイントをコンパクトにまとめたショートコンテンツを提供するのがおすすめです。
一般的に、人が集中できる時間は15分といわれています。ショートコンテンツでは、10分~15分程度の動画で、時間を有効活用しながら学習内容の消化が可能です。さらに、ショートコンテンツはリピート学習にも適しており、必要に応じて繰り返しアクセスして理解を深められます。
モバイルでのアクセス環境を提供する
現代の働き方では、社員がオフィスに拘束される時間が減少しており、移動中や自宅での学習時間が増えています。そのため、効果的なeラーニングを実施するには、モバイルでのアクセス環境を整えることが不可欠です。
モバイルでのアクセス環境を提供することで、通勤時間や待ち時間など隙間時間を有効活用した学習が可能になります。ただし、モバイルでの学習環境を提供する際は、データの暗号化やアクセス制御などのセキュリティ対策が必要です。セキュリティとプライバシーを確保しながら、社員が安全に学習できる環境を整えましょう。
実務にもとづたシミュレーションや演習問題を実施する
学んだ理論を実践でどう活用するか身につけるには、実務にもとづいたシミュレーションや演習問題を導入することが重要です。
シミュレーションでは実際の業務状況を再現し、社員がリアルなシナリオに対処する訓練を行います。例えば営業員の場合、顧客対応やセールスプレゼンテーションのシミュレーションを通じて、コミュニケーションスキルやセールステクニックを磨きます。
また、演習問題では具体的なケーススタディや問題解決演習を通じて、社員が自ら考え行動する力の育成が可能です。例えば、管理職向けのリーダーシップトレーニングでは、チームをリードする場面をシミュレートし、意思決定や問題解決能力を高めます。
受講ルールを整備する
eラーニングの受講時間が労働時間に該当するかどうか、ルールを明確にしましょう。一般的に企業側の指揮命令による拘束時間は「労働時間」と見なされ、任意でない限りeラーニングの受講時間も労働時間に該当します。
その場合、「就業時間内に実施すること」「22時以降に実施する場合は深夜労働手当を支払うこと」を厳守しなければなりません。また、自宅で実施する場合はレポートを書かせる、事前許可制にするなどの対策が必要です。
eラーニングを労働時間に含めない場合は、受講を強制できません。任意の受講に対して、強制的な手段や圧力をかける行為は法律や労働契約に反する場合もあるため、注意が必要です。
不正受講を防止する機能があるeラーニングシステム(LMS)を導入する
eラーニングシステムとは、eラーニングにおける教材や学習状況を管理するシステムです。eラーニングシステムには、不正受講を防ぐ機能として、早送りやシークバー操作ができないようにする読み飛ばし防止機能が含まれています。
また、進捗状況をリアルタイムで監視し、受講者が実際に学習を進めているか確認できる進捗管理機能も備えています。これにより、受講者がただログインして放置するだけでは進捗が記録されないように設定可能です。
不正受講防止機能や進捗管理機能を備えたeラーニングシステムを導入することで、eラーニングの質を向上させ、受講者が誠実に学習に取り組む環境を作り出せます。
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eラーニングに対する社員のモチベーションを向上させる方法
eラーニングを実施するうえで、社員のモチベーションを維持・向上させることは重要な課題です。学習意欲を高めるためには、単に学習コンテンツを提供するだけでは不十分でしょう。ここでは、社員のモチベーションを向上させるための具体的な方法を紹介します。
eラーニングへの取り組みを人事評価の一部として考慮する
eラーニングの成果を人事評価に反映させることは、社員のモチベーションを向上させる効果的な方法です。学習の進捗状況や成果を評価の一部に組み込むことで、社員は学習の重要性を感じ、積極的に取り組むようになります。具体的には、eラーニングの完了率やテスト結果、学習した内容の応用度を評価項目として設定します。これにより、社員は自分の努力が認められ、キャリアアップにつながることを実感できるでしょう。
加えて、学習の成果を報奨制度と連動させるのも効果的です。優秀な成績を収めた社員には、具体的なインセンティブを設けることで、学習意欲をさらに高められます。
ブレンディッドラーニングを実施する
ブレンディッドラーニングとは、eラーニングと対面学習を組み合わせた学習方法で、社員のモチベーションを向上させる効果的な方法です。この手法を取り入れることで、オンラインとオフラインの利点を最大限に活用し、充実した学習体験を提供できます。
例えば、基礎的な知識や理論はeラーニングで学び、実践的なスキルやケーススタディは対面の研修やセミナーで行います。これにより、オンライン学習で得た知識を実際の業務に応用するためのスキルを身につけやすくなるしょう。
さらに、対面学習の場ではディスカッションやグループワークを通じて、ほかの社員との意見交換や情報共有ができ、学習内容に対する理解が深まります。同じ目標をもつ仲間との交流は、学習の励みにもなるでしょう。
eラーニングシステム(LMS)で学習進捗を管理しフォローアップを行う
eラーニングシステムを活用することで、各社員の学習進捗状況をリアルタイムで把握でき、学習の遅れや理解不足の早期発見が可能です。これにより、進捗が遅れている社員にはリマインダーを送る、理解度が低い社員には追加の資料や補足説明を提供するなど、個別に適切なサポートやアドバイスを提供できます。また、進捗が良好な社員には褒めるメッセージを送ることで、学習意欲の維持・向上が図れるでしょう。
さらに、eラーニングシステムには進捗管理だけでなく、掲示板やチャット機能などのコミュニケーションツールを備えていることが多いため、社員同士の情報交換や助け合いが促進されます。学習に対する孤独感が軽減され、チーム全体のモチベーションが向上する効果が期待できます。
以下の記事では、ITトレンドおすすめのeラーニングシステムを比較紹介しています。機能や選び方も解説しているので、ぜひ参考にしてください。
eラーンニングシステム(LMS)を導入した企業の成功事例
eラーニングシステムの導入によってどのような効果が得られたのか確認しましょう。ここではITトレンドに寄せられた口コミより成功例を紹介します。
受講だけではなくアウトプットに重点を置いたオンライントレーニングシステム「Smart Boarding」を導入した企業からは、以下のような導入効果が寄せられています。
- ■自分から学ぶ環境を構築できた
- 講師の講義をリアルタイムで受講できるため、ただ見ている・聞いているだけではなく、その場で質疑応答が可能。結果、受講者からも講義の質について高い評価を受けている。新入社員研修では、全員が共通の基礎知識をもった状態で新年度をスタートさせることに成功した。
- 参考:自分から学ぶ環境を構築してくれる Smart Boarding|ITトレンド
- ■オンラインでも効果的な研修が可能になった
- できるまで徹底的にアウトプットする研修形式のため、オンライン研修でも大きな効果が得られた。また、自社に最適な研修プログラムを組んでもらえるため、自社の抱える課題を解決するためのヒントをとなる研修を実施できた。
- 参考:オンラインでも効果的な研修です Smart Boarding|ITトレンド
- ■学んで終わりではなくアウトプットもできるようになった
- 従来の学習方法では、内容を飛ばしながら学習する社員も多かったため、「本当に学べているのか?」という不安があった。このeラーニングシステムでは、インプットとアウトプットの2段階のアプローチが採用されており、学んだことを実際の業務にどう落とし込むかを理解できる。結果、時間を無駄にせず学べている実感が得られた。
- 参考:学びっぱなしじゃなくてアウトプットもサポート Smart Boarding|ITトレンド
まとめ
eラーニングは場所や時間を問わず学べるメリットがある一方で、実施方法を誤ると社員の不満を招き、効果が低下する可能性があります。eラーニングの効果を最大化するには、不正受講防止機能や学習進捗管理機能を備えたeラーニングシステムの導入が有効です。
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