新卒採用パンフレットを作成する必要性
新卒採用パンフレットは、企業側・就活生側の双方にとってメリットがあります。それぞれ見ていきましょう。
- 【企業側】
- 就活生は非常に多くの企業とコンタクトを取り、各企業の情報を得ます。そのような中で新卒採用パンフレットがあれば、自社の印象が他の企業に埋もれずに済みます。また、パンフレットの準備によって自社の採用に対する意欲を伝えることで、就活生の気持ちを惹き付ける効果も得られるでしょう。
- 【就活生】
- 就活生にとって、企業の情報はいくらあっても足りません。説明会で話を聞いただけでは、自分がどの企業に入りたいのかを決めるのは困難です。そこで、新卒採用パンフレットによって情報の補填があれば、判断の助けとなります。
新卒採用で制作するパンフレットの種類
新卒採用で制作するパンフレットには、大きく分けて3種類の形式があります。
1.リーフレット
リーフレットとは、宣伝や広告のために制作する1枚の印刷物のことです。チラシを思い浮かべると分かりやすいでしょう。
1枚であるため、最大でも両面印刷分の情報しか盛り込めません。掲載できる情報量が限られる分、重要な情報だけを効率的に盛り込む必要があります。具体的には、募集要項や自社の最大のアピールポイントなどを記載します。
また、リーフレットにQRコードを掲載して、そこから専用サイトに誘導するという手法も有効です。パンフレットに要する費用を最小限に抑えつつ、多くの情報を就活生に提供できます。
ちなみに、紙のサイズは企業によってさまざまですが、A3が一般的です。2つ折りをしてA4サイズにしてから配布します。表紙は就活生の興味を惹き付けるようなデザインを心がけ、中面で必要な情報を伝えると良いでしょう。
2.冊子
冊子形式は紙を何枚も使えるため、費用が多く生じる反面、リーフレットよりも伝えられる情報が多いのが特徴です。基本的にはA4用紙を使用しますが、予算の余裕があればほかのサイズを使用し、オリジナリティを出すのも良いでしょう。
掲載するコンテンツは企業によってさまざまですが、できるだけ就活生の疑問を解決できるような情報を掲載します。たとえば、多くの紙面を活かし、写真やインタビュー記事などを載せると良いでしょう。
3.変形型
一般的な新卒採用パンフレットは先述した2形式のどちらかですが、それ以外にも特殊な形式があります。
たとえば、表紙は2つ折りにし、その内側にポケットを付け、ポケット内にコンテンツを掲載したリーフレットを入れる方法があります。
これならば、掲載内容に変化が生じてもポケット内のリーフレットだけを取り換えれば良いため経済的です。また、就活生に渡したい資料が急に増えた場合も、ポケットに入れる資料を増やすだけで対応できます。柔軟性の高い形式と言えるでしょう。
そのほかにも、企業が独自にアイデアを巡らせて制作したオリジナリティ溢れるパンフレットが存在します。一般的な形式にこだわらず、自社の世界観を伝えられるパンフレットを考えてみましょう。
新卒採用パンフレットに記載すべき内容
続いて、新卒採用パンフレットに記載すべき内容を4つ紹介します。
企業の基本情報
細かいことを紹介する前に、大まかに自社がどのような企業なのかを就活生に知ってもらわなければなりません。そのため、最初に企業の基本情報を掲載しましょう。具体的には事業内容や企業理念、代表挨拶、沿革などを載せます。また、自社のロゴや主力商品など、シンボルとなるようなものを画像で掲載し、イメージを覚えてもらうことも大切です。
採用に関する具体的な内容
次は就活生が非常に強い関心を抱く、採用に関する情報を載せましょう。大まかな仕事内容・給与・福利厚生などの待遇面、採用までの流れなど、一般的に求人票に載せる情報を掲載します。特に近年は福利厚生や入社後の研修、キャリアアップなどに対して関心を抱く就活生が多いため、これらはしっかりと説明しましょう。
ちなみに、採用に関する情報をパンフレットに載せずに説明会で口頭説明することも可能ですが、あまり推奨しません。就活生は多くの企業から説明を受けます。そのすべての企業の採用情報を漏れなく記憶するのは困難だからです。
理想の人物像
就活生が抱える大きな不安の1つに「この企業に自分は合うのだろうか」というものがあります。給与や福利厚生といった条件も大切ですが、それ以上に、自分が精神的に折れることなく仕事に励めるかが重要なのです。
そこで、企業側は理想の人物像を伝える必要があります。自社がどのような人材を採用したいのか、入社後にはどのような方向で努力をして欲しいのかを伝えます。事前に伝えておくと、入社後のミスマッチを防ぎ、離職率を低下させることも可能です。
先輩社員へのインタビュー・社風
口頭説明だけでは伝えきれない企業の情報の1つに、社風があります。これは言葉で説明しきれるものではなく、各々が感じ取るものです。就活生は入社後に初めて社風と自分の人格が合わないことを知り、離職を検討するケースがあります。
このようなリスクを避けるために新卒採用パンフレットに掲載したいのが、先輩社員へのインタビューなど、社風を伝えられるコンテンツです。実際に働く先輩社員の声は、就活生にとって極めて重要な参考資料になるでしょう。また、オフィスや実際に働いている人の写真などを掲載するとなお効果的です。
ちなみに、自社をアピールしたいからといって、良い情報ばかりを掲載するのは禁物です。先輩社員の悩みや業務の大変な部分も隠さずに伝えたほうが信憑性が増すうえ、ミスマッチを防ぎやすくなります。
新卒採用パンフレットの制作フロー
次は、新卒採用パンフレットの制作フローを3つのステップに分けて見ていきましょう。
1.目的や戦略の明確化
まずは、自社がどのような人材を採用したいのかを明らかにしましょう。それによってアピールすべきポイントや就活生に伝えるべき事柄が変わってくるためです。
ここで明らかにした戦略やターゲット像は、社内で共有しておきましょう。たとえば、新卒採用パンフレットに記載した理想の人物像と、面接における反対基準が矛盾していてはいけません。採用活動全体を適切に進めるために、必ず関係者全体で入念な打ち合わせをしましょう。
2.スケジュールの決定
滞りなく採用活動が進むように、新卒採用パンフレットの制作スケジュールを決めましょう。基本的には、実際にパンフレットを使用する3ヶ月程度前から制作に着手します。パンフレットに掲載する写真や社員インタビューなど、準備すべきものがある場合はそのスケジュールも組んでおきましょう。
3.制作業者の選定
実際のパンフレット制作は、専門の制作業者に依頼するのが一般的です。ここで注意しなければならないのが、採用パンフレットの制作実績を持つ業者を選ぶことです。なぜなら、一般的なパンフレットと採用パンフレットの制作では、異なる知識が求められるからです。依頼後は制作業者と入念な打ち合わせを行い、スケジュールを整えながら進めましょう。
新卒採用パンフレットの活用シーン
制作した新卒採用パンフレットは、どのようなシーンで活用すれば良いのでしょうか。
活用シーン1:合同説明会での接点確保
合同説明会では多くの企業が説明を行います。その中で、就活生がすべての企業に興味を持ってくれることは稀です。じっくり検討してもらえば興味を持ってもらえる可能性があっても、そのチャンスが見逃されることがあります。
そこで、新卒採用パンフレットを配布しましょう。これがあれば、就活生は最初は興味を持っていなかった企業に対しても、「とりあえず見てみようかな」という気持ちになれます。手軽さが重要視されるため、冊子タイプよりリーフレットタイプが良いでしょう。
また、パンフレットを手渡す段階で会話ができれば理想的です。その一言が就活生の興味を惹き、結果を大きく左右する可能性もあります。
活用シーン2:接点確保後の詳細説明
就活生と接点を確保した後は、自社の情報を詳しく伝える必要があります。この時にも新卒採用パンフレットは有効です。こちらは先述した接点確保とは逆に、冊子タイプのように情報を充分に盛り込んだパンフレットがおすすめです。
接点を確保できた就活生はすでに自社に対してある程度の興味を抱いています。したがって、就活生が深く知りたがる業務内容や1日の流れ、キャリアアップ、給与や福利厚生といった条件面の情報を詳細に掲載しましょう。
活用シーン3:内定後における辞退の防止
盲点となりがちですが、内定後に新卒採用パンフレットを活用する手もあります。
近年、業務イメージが湧かないことなどを理由にした、内定後の入社辞退が増えています。このリスクを避けるためのフォローとして、新卒採用パンフレットが役立つのです。
内定後であれば、一般公開しづらい情報も提供できます。これにより、就活生は自社に対する理解を深められるでしょう。また、パンフレットという形のあるものをもらうことで、就活生は自分が内定を獲得したことを実感でき、モチベーションを高められます。
印象的なパンフレットを制作し新卒採用を成功させよう!
新卒採用パンフレットは、自社と就活生を結びつける存在です。以下のような情報を記載しましょう。
- ■自社の基本情報
- ■採用情報
- ■理想の人物像
- ■インタビュー記事や写真
制作フローは以下のとおりです。
- 1.目的や戦略の明確化
- 2.スケジュールの決定
- 3.制作業者の選定
また、活用シーンには以下のものがあります。
- ■合同説明会
- ■接点確保後の詳細説明
- ■内定後のフォロー
以上を踏まえ、新卒採用を成功させましょう。